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「おのれ泥棒猫! 私の肌のターンオーバーを邪魔する気!?」
「誤解です王妃様! 私は皆様のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を向上させようとしているだけです!」
地下温室を飛び交うのは、魔法とモップ、そして罵声だ。
王妃エリザベス様は、扇を指揮棒のように振り回し、メイドたちに的確な指示を出している。
「第一部隊、右翼から包囲! 第二部隊、あの無駄に顔が良い男(セイロン)を狙いなさい! 茶葉を持ち逃げされるわよ!」
「承知いたしました!」
「くっ、数が多いのぅ! これでは収穫どころではないわ!」
セイロンが風魔法で障壁を作りながら悲鳴を上げる。
彼はポケットにすでに大量の茶葉を詰め込んでいるが、メイドたちの猛攻で身動きが取れない。
「モカ! あそこの花壇で転んで!」
「は、はいっ! えいっ!」
私の指示通り、モカが何もないところで豪快にスライディングする。
ズザーーーッ!
彼女の体がボウリングの玉のようにメイド隊へ突っ込む。
「きゃあぁぁぁ!?」
ドミノ倒しのように崩れるメイドたち。
ナイス、人間兵器。
「ええい、役立たずどもめ! こうなったら私が直接……!」
王妃様がドレスの裾をまくり上げ、自ら杖(王笏)を構えた。
その先端に、禍々しいほどの魔力が収束していく。
本気だ。この人、息子のランバートより遥かに戦闘力が高い。
「待ってください母上! 話し合いを! 平和的解決を!」
ランバートが割って入ろうとするが、王妃様は冷たく言い放った。
「黙りなさいバカ息子。貴方がウーロンを逃したせいで、私のストレスによる肌荒れが悪化したのよ。その責任、死して償いなさい」
「理不尽すぎる!?」
ドゴォン!
放たれた魔力弾がランバートの足元を吹き飛ばす。
もはや実の息子への容赦もない。美容への執念、恐るべし。
「……ギルバート、計算は?」
私は隣で電卓を叩いている宰相に小声で尋ねた。
「完了した。王妃の肌年齢と、この温室の茶葉の生産量、そして王宮の美容予算の推移……全ての相関関係が出た」
「勝算は?」
「百パーセントだ。ただし、彼女が話を聞く耳を持てばだが」
「持たせるわよ。商人の口車(トークスキル)でね」
私は深呼吸をし、ハリセンを片手に一歩前へ出た。
「王妃エリザベス様! 停戦を提案します! 貴女様にとって、極めて『有益な取引』をお持ちしました!」
「取引ですって? 泥棒の分際で!」
王妃様が杖を私に向ける。
「私の若さを維持するこの茶葉は、誰にも渡さない! 独り占めこそが至高! それが王族の特権よ!」
「いいえ、それは間違っています! 独占は『停滞』を生みます!」
私は大声で叫び返した。
「王妃様、最近、そのお茶の効果が薄れてきたと感じていませんか?」
「……っ!」
王妃様の動きがピタリと止まる。図星だ。
「ど、どうしてそれを……」
「簡単な理屈です。同じ成分を摂取し続ければ、体は耐性を持ってしまう。今の貴女様に必要なのは、ただ茶葉を飲むことではなく、『成分を濃縮・改良し、より効果的な摂取方法を開発すること』です!」
私は畳み掛ける。
「しかし、貴女様はこれを隠しているため、専門家の研究を受けさせることができない。素人がただお湯で煮出しているだけでは、宝の持ち腐れですわ!」
「ぐぬぬ……確かに、最近は小ジワが……」
王妃様が手鏡を取り出し、自身の目元を気にして動揺する。
今だ。
「そこで提案です! この『天使の溜息』の管理・運営権を、私ウーロン・ペコーに委託してください!」
「委託?」
「はい。私がここの茶葉を管理し、元賢者セイロン(あそこのイケメン)の知識と、私の調合技術で、効果を十倍に高めた『スーパー・アンチエイジング・ティー』を開発します!」
「じゅ、十倍……!?」
王妃様の目が釘付けになる。
「さらに! 生産した茶葉の一部を、限定ブランドとして他国の貴族に高値で販売します。その利益の一部を王妃様に還元(ロイヤリティ)いたします。そうすれば……」
私は電卓を王妃様に見せた。弾き出された金額は、国家予算並みだ。
「このお金で、東の国の『真珠の粉』も、西の国の『美容魔法具』も、買い放題ですわ!」
「……!!」
王妃様が息を呑む。
若返りのお茶だけでなく、新たな美容資金まで手に入る。
彼女の天秤が、ガタンと音を立てて『和解』の方へ傾いた。
「……本当なのね? 私の肌は、もっと輝けるのね?」
「保証します。ギルバート宰相の計算済みです」
ギルバートが無言で眼鏡を光らせ、頷く。
その説得力は絶大だ。
「……わかったわ」
王妃様が杖を下ろした。
「ウーロン。貴女を『王室御用達・美容顧問』に任命するわ。その代わり、失敗したら即刻処刑よ」
「承知いたしました(失敗する気はありませんが)」
「ようし、商談成立じゃ!」
セイロンが懐から茶葉を取り出し、その場で風魔法を使って即席のお茶を淹れる。
「では、契約の祝杯といこうかの。オーナー特製ブレンド、名付けて『エリザベス・スペシャル』じゃ!」
差し出されたカップを、王妃様が優雅に受け取る。
一口飲むと、彼女の頬が薔薇色に染まった。
「あら……美味しい。いつもの味と違うわ」
「隠し味に、私の愛(金への執着)が入っておりますから」
温室に和やかな空気が流れる。
メイドたちも武器を収め、モカと一緒にお菓子を食べ始めた。
ランバートだけが「蚊帳の外だ……」と拗ねているが、平和的解決だ。
私は安堵の息を吐き、ギルバートとハイタッチを交わそうとした。
その時である。
ズズズズズズ……!!
再び、地響きが鳴り響いた。
今度は先ほどのランバートの時とは比較にならない、地盤そのものを揺るがすような振動だ。
「な、なにごと!? 地震!?」
「い、いや……これは……」
ギルバートが青ざめた顔で、温室の入り口――私たちが来たマンホールの方角を見る。
「魔力反応、測定不能。……この魔力の質は、質量兵器に近い」
「え?」
ドッカァァァァァァン!!!
轟音と共に、温室の天井(岩盤)が粉々に吹き飛んだ。
瓦礫と共に、土煙の中から巨大なシルエットが降ってくる。
ズゥゥゥゥン!!
地面にクレーターを作りながら着地したのは、漆黒のフルプレートアーマーに身を包み、背中に「愛」と書かれた巨大な旗を背負った、巨漢の騎士だった。
そして、その兜のバイザーが上がり、血走った眼光が私を捉える。
「見つけたぞぉぉぉ!! 我が愛娘、ウーローーーーン!!!」
「お、お父様ァ!?」
そこにいたのは、私の父。ペコー公爵アッサム。
王都の地下を掘削ドリル(魔道具)でぶち抜き、物理的にショートカットして現れたのだ。
「誰だ! 誰がウーロンを拉致した! 王妃か!? それともその横の眼鏡か!? 全員まとめてすり潰してくれるわぁぁぁ!!」
父が巨大なウォーハンマー(重量2トン)を振り回す。
その風圧だけで、温室の強化ガラスがパリンパリンと割れていく。
「ひぃぃぃ! バケモノだぁ!」
「旦那様、落ち着いてください! ここは王宮の地下です!」
父の背後から、セバスチャンが必死に止めに入ってくるが、暴走した親バカは止まらない。
「ウーロン! パパが来たからにはもう安心だ! さあ、家に帰ろう! そして二度と外に出ないように、屋敷をオリハルコンでコーティングしてやる!」
「嫌よ! 監禁宣言じゃない!」
最悪のラスボスが現れた。
王妃様との商談がまとまった直後に、全てを物理で破壊する男の登場だ。
「あら、アッサム公爵じゃない。相変わらず暑苦しいわね」
王妃様が優雅にお茶を飲みながら呟く。
「エリザベス様! 貴女が黒幕か! 私の娘を返していただく!」
「お断りよ。彼女は今、私のビジネスパートナーになったの。連れて行かれると私の肌が困るのよ」
「知ったことか! 娘は私のものだ!」
「いいえ、私のものですわ!」
「俺の姉御だぞ!」(ジャックたちも乱入)
「ワシのオーナーじゃ!」(セイロン)
「余の……元婚約者……」(ランバート)
私の所有権を巡り、地下温室で三つ巴ならぬ、五つ巴の争奪戦が始まろうとしていた。
「……もう、嫌」
私は頭を抱えた。
金貨一万枚の夢は近づいたが、私の自由はどんどん遠のいている気がする。
「ギルバート、逃げる準備は?」
「……無理だ。公爵の殺気が私にロックオンされている。動けばハンマーが飛んでくる」
「役立たず!」
「誤解です王妃様! 私は皆様のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を向上させようとしているだけです!」
地下温室を飛び交うのは、魔法とモップ、そして罵声だ。
王妃エリザベス様は、扇を指揮棒のように振り回し、メイドたちに的確な指示を出している。
「第一部隊、右翼から包囲! 第二部隊、あの無駄に顔が良い男(セイロン)を狙いなさい! 茶葉を持ち逃げされるわよ!」
「承知いたしました!」
「くっ、数が多いのぅ! これでは収穫どころではないわ!」
セイロンが風魔法で障壁を作りながら悲鳴を上げる。
彼はポケットにすでに大量の茶葉を詰め込んでいるが、メイドたちの猛攻で身動きが取れない。
「モカ! あそこの花壇で転んで!」
「は、はいっ! えいっ!」
私の指示通り、モカが何もないところで豪快にスライディングする。
ズザーーーッ!
彼女の体がボウリングの玉のようにメイド隊へ突っ込む。
「きゃあぁぁぁ!?」
ドミノ倒しのように崩れるメイドたち。
ナイス、人間兵器。
「ええい、役立たずどもめ! こうなったら私が直接……!」
王妃様がドレスの裾をまくり上げ、自ら杖(王笏)を構えた。
その先端に、禍々しいほどの魔力が収束していく。
本気だ。この人、息子のランバートより遥かに戦闘力が高い。
「待ってください母上! 話し合いを! 平和的解決を!」
ランバートが割って入ろうとするが、王妃様は冷たく言い放った。
「黙りなさいバカ息子。貴方がウーロンを逃したせいで、私のストレスによる肌荒れが悪化したのよ。その責任、死して償いなさい」
「理不尽すぎる!?」
ドゴォン!
放たれた魔力弾がランバートの足元を吹き飛ばす。
もはや実の息子への容赦もない。美容への執念、恐るべし。
「……ギルバート、計算は?」
私は隣で電卓を叩いている宰相に小声で尋ねた。
「完了した。王妃の肌年齢と、この温室の茶葉の生産量、そして王宮の美容予算の推移……全ての相関関係が出た」
「勝算は?」
「百パーセントだ。ただし、彼女が話を聞く耳を持てばだが」
「持たせるわよ。商人の口車(トークスキル)でね」
私は深呼吸をし、ハリセンを片手に一歩前へ出た。
「王妃エリザベス様! 停戦を提案します! 貴女様にとって、極めて『有益な取引』をお持ちしました!」
「取引ですって? 泥棒の分際で!」
王妃様が杖を私に向ける。
「私の若さを維持するこの茶葉は、誰にも渡さない! 独り占めこそが至高! それが王族の特権よ!」
「いいえ、それは間違っています! 独占は『停滞』を生みます!」
私は大声で叫び返した。
「王妃様、最近、そのお茶の効果が薄れてきたと感じていませんか?」
「……っ!」
王妃様の動きがピタリと止まる。図星だ。
「ど、どうしてそれを……」
「簡単な理屈です。同じ成分を摂取し続ければ、体は耐性を持ってしまう。今の貴女様に必要なのは、ただ茶葉を飲むことではなく、『成分を濃縮・改良し、より効果的な摂取方法を開発すること』です!」
私は畳み掛ける。
「しかし、貴女様はこれを隠しているため、専門家の研究を受けさせることができない。素人がただお湯で煮出しているだけでは、宝の持ち腐れですわ!」
「ぐぬぬ……確かに、最近は小ジワが……」
王妃様が手鏡を取り出し、自身の目元を気にして動揺する。
今だ。
「そこで提案です! この『天使の溜息』の管理・運営権を、私ウーロン・ペコーに委託してください!」
「委託?」
「はい。私がここの茶葉を管理し、元賢者セイロン(あそこのイケメン)の知識と、私の調合技術で、効果を十倍に高めた『スーパー・アンチエイジング・ティー』を開発します!」
「じゅ、十倍……!?」
王妃様の目が釘付けになる。
「さらに! 生産した茶葉の一部を、限定ブランドとして他国の貴族に高値で販売します。その利益の一部を王妃様に還元(ロイヤリティ)いたします。そうすれば……」
私は電卓を王妃様に見せた。弾き出された金額は、国家予算並みだ。
「このお金で、東の国の『真珠の粉』も、西の国の『美容魔法具』も、買い放題ですわ!」
「……!!」
王妃様が息を呑む。
若返りのお茶だけでなく、新たな美容資金まで手に入る。
彼女の天秤が、ガタンと音を立てて『和解』の方へ傾いた。
「……本当なのね? 私の肌は、もっと輝けるのね?」
「保証します。ギルバート宰相の計算済みです」
ギルバートが無言で眼鏡を光らせ、頷く。
その説得力は絶大だ。
「……わかったわ」
王妃様が杖を下ろした。
「ウーロン。貴女を『王室御用達・美容顧問』に任命するわ。その代わり、失敗したら即刻処刑よ」
「承知いたしました(失敗する気はありませんが)」
「ようし、商談成立じゃ!」
セイロンが懐から茶葉を取り出し、その場で風魔法を使って即席のお茶を淹れる。
「では、契約の祝杯といこうかの。オーナー特製ブレンド、名付けて『エリザベス・スペシャル』じゃ!」
差し出されたカップを、王妃様が優雅に受け取る。
一口飲むと、彼女の頬が薔薇色に染まった。
「あら……美味しい。いつもの味と違うわ」
「隠し味に、私の愛(金への執着)が入っておりますから」
温室に和やかな空気が流れる。
メイドたちも武器を収め、モカと一緒にお菓子を食べ始めた。
ランバートだけが「蚊帳の外だ……」と拗ねているが、平和的解決だ。
私は安堵の息を吐き、ギルバートとハイタッチを交わそうとした。
その時である。
ズズズズズズ……!!
再び、地響きが鳴り響いた。
今度は先ほどのランバートの時とは比較にならない、地盤そのものを揺るがすような振動だ。
「な、なにごと!? 地震!?」
「い、いや……これは……」
ギルバートが青ざめた顔で、温室の入り口――私たちが来たマンホールの方角を見る。
「魔力反応、測定不能。……この魔力の質は、質量兵器に近い」
「え?」
ドッカァァァァァァン!!!
轟音と共に、温室の天井(岩盤)が粉々に吹き飛んだ。
瓦礫と共に、土煙の中から巨大なシルエットが降ってくる。
ズゥゥゥゥン!!
地面にクレーターを作りながら着地したのは、漆黒のフルプレートアーマーに身を包み、背中に「愛」と書かれた巨大な旗を背負った、巨漢の騎士だった。
そして、その兜のバイザーが上がり、血走った眼光が私を捉える。
「見つけたぞぉぉぉ!! 我が愛娘、ウーローーーーン!!!」
「お、お父様ァ!?」
そこにいたのは、私の父。ペコー公爵アッサム。
王都の地下を掘削ドリル(魔道具)でぶち抜き、物理的にショートカットして現れたのだ。
「誰だ! 誰がウーロンを拉致した! 王妃か!? それともその横の眼鏡か!? 全員まとめてすり潰してくれるわぁぁぁ!!」
父が巨大なウォーハンマー(重量2トン)を振り回す。
その風圧だけで、温室の強化ガラスがパリンパリンと割れていく。
「ひぃぃぃ! バケモノだぁ!」
「旦那様、落ち着いてください! ここは王宮の地下です!」
父の背後から、セバスチャンが必死に止めに入ってくるが、暴走した親バカは止まらない。
「ウーロン! パパが来たからにはもう安心だ! さあ、家に帰ろう! そして二度と外に出ないように、屋敷をオリハルコンでコーティングしてやる!」
「嫌よ! 監禁宣言じゃない!」
最悪のラスボスが現れた。
王妃様との商談がまとまった直後に、全てを物理で破壊する男の登場だ。
「あら、アッサム公爵じゃない。相変わらず暑苦しいわね」
王妃様が優雅にお茶を飲みながら呟く。
「エリザベス様! 貴女が黒幕か! 私の娘を返していただく!」
「お断りよ。彼女は今、私のビジネスパートナーになったの。連れて行かれると私の肌が困るのよ」
「知ったことか! 娘は私のものだ!」
「いいえ、私のものですわ!」
「俺の姉御だぞ!」(ジャックたちも乱入)
「ワシのオーナーじゃ!」(セイロン)
「余の……元婚約者……」(ランバート)
私の所有権を巡り、地下温室で三つ巴ならぬ、五つ巴の争奪戦が始まろうとしていた。
「……もう、嫌」
私は頭を抱えた。
金貨一万枚の夢は近づいたが、私の自由はどんどん遠のいている気がする。
「ギルバート、逃げる準備は?」
「……無理だ。公爵の殺気が私にロックオンされている。動けばハンマーが飛んでくる」
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