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「ウーロン! 見たか、余の活躍を!」
紙吹雪が舞い散る王都の港。
勝利の余韻に浸る間もなく、ランバートがキラキラした瞳(ただし顔は煤だらけ)で駆け寄ってきた。
「あのシュレッダー捌き! そして借金の消滅! まさに余とそなたの愛の共同作業だったな!」
「共同作業ですが、愛はありません。あったのは殺意と事務処理能力だけです」
私は電卓の汚れをハンカチで拭きながら、冷淡に返した。
だが、ランバートの脳内フィルターは今日も絶好調のようだ。
「照れるなよ。危機的状況でこそ、人の本心がわかるというもの。……そう、余は確信したのだ」
ランバートが私の手を取り、その場に膝をついた。
周囲の群衆や、海賊たち、そしてボロボロのギルバートが見守る中での公開プロポーズの構えだ。
「やり直そう、ウーロン。やはり余の隣には、お前が必要だ。お前の計算高さと、余のカリスマ(勘違い)が合わされば、最強の王国が作れる!」
「……」
「父上も許してくれるはずだ! なぁ父上!」
ランバートが同意を求めて振り返ると、そこには腕組みをしたペコー公爵(父)が、鬼のような形相で仁王立ちしていた。
「……ランバート君。君、どの口でそれを言っているのかな?」
「ひっ! こ、公爵閣下!?」
「私の大事な娘を捨てておいて、今さら復縁だと? そのふざけた根性、このハンマーで矯正してやろうか?」
父がウォーハンマーを構える。
しかし、ランバートは怯えつつも食い下がった。
「だ、だが! ウーロンだって満更でもないはずだ! さっき余を助けてくれたし!」
「それは貴方が死ぬと、借金が回収できなくなるからです」
私は溜め息をつき、懐から分厚い書類の束を取り出した。
「殿下。復縁のお話ですが、検討の結果、『却下』とさせていただきます」
「な、なぜだ!?」
「理由その一、貴方の経済観念の欠如。理由その二、私の平穏なティータイムの阻害。理由その三……」
私はチラリと横を見た。
そこには、まだ少し煙を出しているギルバートが立っている。
「私の今のビジネスパートナーは、そこの眼鏡(ギルバート)ですので」
「なっ……! ギルバートだと!?」
ランバートがギルバートを指差す。
「お前、部下のくせに上司の女に手を出すのか!」
「訂正してください、殿下」
ギルバートが静かに歩み寄る。
その威圧感は、ドラゴン戦の時よりも鋭い。
「彼女は誰のものでもない。……だが、彼女の淹れる茶と、彼女が弾き出す数字の美しさを理解できるのは、この国で私だけだ」
「ぐぬぬ……! 数字マニアめ!」
「それに殿下。貴方にはもっとお似合いの相手がいるでしょう?」
ギルバートが視線を向けた先。
そこには、壊れた大砲の残骸を不思議そうに突っついているモカの姿があった。
「あ、カニさんが挟まってますぅ~」
平和だ。
この修羅場で、彼女だけ時空が歪んでいる。
「モカ……。確かに彼女は可愛くて癒されるが……」
「彼女となら、貴方は幸せになれますよ。貴方が借金を作り、彼女が物を壊す。マイナスとマイナスを掛け合わせれば、あるいはプラスになるかもしれません(適当)」
私が適当な理屈を並べると、ランバートは「そ、そうなのか?」と単純に信じ始めた。
「待ちなさい」
そこへ、凛とした声が響く。
王妃エリザベス様だ。
南国の泥パック効果で肌がツヤツヤになった王妃様が、扇を閉じてランバートの前に立った。
「母上……」
「ランバート。貴方に王位を継ぐ資格はありません」
「えっ」
「今回の騒動の原因は、全て貴方の借金と怠慢です。それをウーロンやギルバートに尻拭いさせて、恥ずかしいと思わないのですか?」
王妃様の正論パンチが炸裂する。
「よって、貴方を廃嫡……とまでは言いませんが、『王位継承権の一時凍結』とします」
「と、凍結!?」
「ええ。そして貴方には、新たな任務を与えます」
王妃様がニッコリと笑った。
それは、絶対に逆らえない『女王の微笑み』だった。
「ウーロンが開拓した『南の島(ウーロン・アイランド)』。あそこの管理人になりなさい」
「は?」
「あそこで農業に従事し、自給自足の生活を送りながら、私のための『美容茶葉』と『泥パック』を生産するのです。借金を完済するまで、王都への帰還は認めません」
「そ、そんなぁぁぁ!! 島流しではないかぁぁ!!」
ランバートが絶叫する。
だが、誰も同情しなかった。
むしろ、全員が「それがいい」「適材適所だ」と頷いている。
「あのぉ……」
そこで、モカがおずおずと手を挙げた。
「ランバート様が島に行くなら、私も行っていいですかぁ?」
「モカ!?」
「だってぇ、あの島、お魚美味しいし、ココナッツもあるし……楽しかったので!」
モカが無邪気に笑う。
この子、たくましい。
王宮の堅苦しい生活より、サバイバル生活の方が性に合っているのかもしれない。
「モカ……お前……」
ランバートが感動に打ち震え、モカの手を握った。
「わかった! 行こう、南の島へ! 二人で最高の楽園(と借金返済農場)を作るのだ!」
「はぁい! 頑張りましょうねぇ!」
二人の背景に、謎の感動的なBGMが流れている気がする。
バカとドジっ子。
最強のカップル(混ぜるな危険)が、ここに誕生した。
「……うまく収まりましたね」
ギルバートが私の隣で呟く。
「ええ。厄介払いができて清々しましたわ」
私は肩をすくめた。
これで私の周りの障害物は消えた。
あとは、この国で思う存分、商売をするだけだ。
「さて、お父様。そういうわけですので」
私は父に向き直った。
「私は王宮には戻りませんし、実家にも戻りません」
「な、なんだと!?」
「ギルバート宰相と共に、新たな『王立紅茶研究所(兼・株式会社ウーロン)』を設立します。場所は、今回焼け野原になった港の倉庫跡地を再開発して使います」
「ま、待てウーロン! パパと離れて暮らす気か!?」
「手紙は書きますと言ったでしょう? それに……」
私はギルバートの腕をグイッと引っ張った。
「この人が『責任を持って管理する』と約束してくれましたから」
「……あ、ああ。公爵閣下。彼女の身柄は、私が(国費で)守り抜きます」
ギルバートが緊張した面持ちで宣言する。
父はギリギリと歯噛みしていたが、やがて大きくため息をついた。
「……フン。まあいい。あの海賊どもも社員にしたそうだし、戦力としては申し分ないだろう」
父は私の頭を、大きな手でガシガシと撫でた。
「行け、ウーロン。お前の好きなように生きろ。……ただし! 泣いて帰ってきたら、その時は全力でその眼鏡を埋めるからな!」
「ありがとうございます、お父様!」
私は満面の笑みで答えた。
ようやく、本当の意味での「婚約破棄」と「独立」が完了した瞬間だった。
「よし! では解散! ……と言いたいところだけど」
私は周囲を見渡した。
海賊たち、港の人々、そして王宮の関係者たち。
全員が、戦いの後の疲労感と、これからの復興への不安を顔に浮かべている。
私はパンパンと手を叩いた。
「皆様! 暗い顔はおやめなさい! 悪夢(ドラゴン)は去りました!」
私は瓦礫の上に立ち、高らかに宣言した。
「これより、株式会社ウーロン主催、『王都復興&戦勝記念・大ティーパーティー』を開催します! 飲み物は私が開発した新作『ビクトリー・ブレンド』! 全員に無料で振る舞いますわよ!」
「「「うおおおおおお!! 社長! 一生ついていきます!!」」」
歓声が上がる。
無料配布(フリー戦略)。
これが私の最初のマーケティングだ。
ここで味を覚えさせれば、明日からは有料でも彼らは買いに来る。
「……ちゃっかりしているな、君は」
ギルバートが呆れつつも、愛おしそうに笑った。
「当然です。私は悪役令嬢ですもの。転んでもただでは起きませんわ」
私は彼にウインクを投げ、ポットを高々と掲げた。
「さあ、宴の始まりよ! 最高の一杯を召し上がれ!」
こうして、王都の広場は、芳醇な紅茶の香りと笑顔に包まれた。
私の新たな人生の門出に相応しい、最高のスタートラインだった。
……だが。
この平穏なティータイムの裏で、ギルバートがこっそりと『婚姻届(兼・専属契約書)』を用意していることに、私はまだ気づいていなかったのである。
紙吹雪が舞い散る王都の港。
勝利の余韻に浸る間もなく、ランバートがキラキラした瞳(ただし顔は煤だらけ)で駆け寄ってきた。
「あのシュレッダー捌き! そして借金の消滅! まさに余とそなたの愛の共同作業だったな!」
「共同作業ですが、愛はありません。あったのは殺意と事務処理能力だけです」
私は電卓の汚れをハンカチで拭きながら、冷淡に返した。
だが、ランバートの脳内フィルターは今日も絶好調のようだ。
「照れるなよ。危機的状況でこそ、人の本心がわかるというもの。……そう、余は確信したのだ」
ランバートが私の手を取り、その場に膝をついた。
周囲の群衆や、海賊たち、そしてボロボロのギルバートが見守る中での公開プロポーズの構えだ。
「やり直そう、ウーロン。やはり余の隣には、お前が必要だ。お前の計算高さと、余のカリスマ(勘違い)が合わされば、最強の王国が作れる!」
「……」
「父上も許してくれるはずだ! なぁ父上!」
ランバートが同意を求めて振り返ると、そこには腕組みをしたペコー公爵(父)が、鬼のような形相で仁王立ちしていた。
「……ランバート君。君、どの口でそれを言っているのかな?」
「ひっ! こ、公爵閣下!?」
「私の大事な娘を捨てておいて、今さら復縁だと? そのふざけた根性、このハンマーで矯正してやろうか?」
父がウォーハンマーを構える。
しかし、ランバートは怯えつつも食い下がった。
「だ、だが! ウーロンだって満更でもないはずだ! さっき余を助けてくれたし!」
「それは貴方が死ぬと、借金が回収できなくなるからです」
私は溜め息をつき、懐から分厚い書類の束を取り出した。
「殿下。復縁のお話ですが、検討の結果、『却下』とさせていただきます」
「な、なぜだ!?」
「理由その一、貴方の経済観念の欠如。理由その二、私の平穏なティータイムの阻害。理由その三……」
私はチラリと横を見た。
そこには、まだ少し煙を出しているギルバートが立っている。
「私の今のビジネスパートナーは、そこの眼鏡(ギルバート)ですので」
「なっ……! ギルバートだと!?」
ランバートがギルバートを指差す。
「お前、部下のくせに上司の女に手を出すのか!」
「訂正してください、殿下」
ギルバートが静かに歩み寄る。
その威圧感は、ドラゴン戦の時よりも鋭い。
「彼女は誰のものでもない。……だが、彼女の淹れる茶と、彼女が弾き出す数字の美しさを理解できるのは、この国で私だけだ」
「ぐぬぬ……! 数字マニアめ!」
「それに殿下。貴方にはもっとお似合いの相手がいるでしょう?」
ギルバートが視線を向けた先。
そこには、壊れた大砲の残骸を不思議そうに突っついているモカの姿があった。
「あ、カニさんが挟まってますぅ~」
平和だ。
この修羅場で、彼女だけ時空が歪んでいる。
「モカ……。確かに彼女は可愛くて癒されるが……」
「彼女となら、貴方は幸せになれますよ。貴方が借金を作り、彼女が物を壊す。マイナスとマイナスを掛け合わせれば、あるいはプラスになるかもしれません(適当)」
私が適当な理屈を並べると、ランバートは「そ、そうなのか?」と単純に信じ始めた。
「待ちなさい」
そこへ、凛とした声が響く。
王妃エリザベス様だ。
南国の泥パック効果で肌がツヤツヤになった王妃様が、扇を閉じてランバートの前に立った。
「母上……」
「ランバート。貴方に王位を継ぐ資格はありません」
「えっ」
「今回の騒動の原因は、全て貴方の借金と怠慢です。それをウーロンやギルバートに尻拭いさせて、恥ずかしいと思わないのですか?」
王妃様の正論パンチが炸裂する。
「よって、貴方を廃嫡……とまでは言いませんが、『王位継承権の一時凍結』とします」
「と、凍結!?」
「ええ。そして貴方には、新たな任務を与えます」
王妃様がニッコリと笑った。
それは、絶対に逆らえない『女王の微笑み』だった。
「ウーロンが開拓した『南の島(ウーロン・アイランド)』。あそこの管理人になりなさい」
「は?」
「あそこで農業に従事し、自給自足の生活を送りながら、私のための『美容茶葉』と『泥パック』を生産するのです。借金を完済するまで、王都への帰還は認めません」
「そ、そんなぁぁぁ!! 島流しではないかぁぁ!!」
ランバートが絶叫する。
だが、誰も同情しなかった。
むしろ、全員が「それがいい」「適材適所だ」と頷いている。
「あのぉ……」
そこで、モカがおずおずと手を挙げた。
「ランバート様が島に行くなら、私も行っていいですかぁ?」
「モカ!?」
「だってぇ、あの島、お魚美味しいし、ココナッツもあるし……楽しかったので!」
モカが無邪気に笑う。
この子、たくましい。
王宮の堅苦しい生活より、サバイバル生活の方が性に合っているのかもしれない。
「モカ……お前……」
ランバートが感動に打ち震え、モカの手を握った。
「わかった! 行こう、南の島へ! 二人で最高の楽園(と借金返済農場)を作るのだ!」
「はぁい! 頑張りましょうねぇ!」
二人の背景に、謎の感動的なBGMが流れている気がする。
バカとドジっ子。
最強のカップル(混ぜるな危険)が、ここに誕生した。
「……うまく収まりましたね」
ギルバートが私の隣で呟く。
「ええ。厄介払いができて清々しましたわ」
私は肩をすくめた。
これで私の周りの障害物は消えた。
あとは、この国で思う存分、商売をするだけだ。
「さて、お父様。そういうわけですので」
私は父に向き直った。
「私は王宮には戻りませんし、実家にも戻りません」
「な、なんだと!?」
「ギルバート宰相と共に、新たな『王立紅茶研究所(兼・株式会社ウーロン)』を設立します。場所は、今回焼け野原になった港の倉庫跡地を再開発して使います」
「ま、待てウーロン! パパと離れて暮らす気か!?」
「手紙は書きますと言ったでしょう? それに……」
私はギルバートの腕をグイッと引っ張った。
「この人が『責任を持って管理する』と約束してくれましたから」
「……あ、ああ。公爵閣下。彼女の身柄は、私が(国費で)守り抜きます」
ギルバートが緊張した面持ちで宣言する。
父はギリギリと歯噛みしていたが、やがて大きくため息をついた。
「……フン。まあいい。あの海賊どもも社員にしたそうだし、戦力としては申し分ないだろう」
父は私の頭を、大きな手でガシガシと撫でた。
「行け、ウーロン。お前の好きなように生きろ。……ただし! 泣いて帰ってきたら、その時は全力でその眼鏡を埋めるからな!」
「ありがとうございます、お父様!」
私は満面の笑みで答えた。
ようやく、本当の意味での「婚約破棄」と「独立」が完了した瞬間だった。
「よし! では解散! ……と言いたいところだけど」
私は周囲を見渡した。
海賊たち、港の人々、そして王宮の関係者たち。
全員が、戦いの後の疲労感と、これからの復興への不安を顔に浮かべている。
私はパンパンと手を叩いた。
「皆様! 暗い顔はおやめなさい! 悪夢(ドラゴン)は去りました!」
私は瓦礫の上に立ち、高らかに宣言した。
「これより、株式会社ウーロン主催、『王都復興&戦勝記念・大ティーパーティー』を開催します! 飲み物は私が開発した新作『ビクトリー・ブレンド』! 全員に無料で振る舞いますわよ!」
「「「うおおおおおお!! 社長! 一生ついていきます!!」」」
歓声が上がる。
無料配布(フリー戦略)。
これが私の最初のマーケティングだ。
ここで味を覚えさせれば、明日からは有料でも彼らは買いに来る。
「……ちゃっかりしているな、君は」
ギルバートが呆れつつも、愛おしそうに笑った。
「当然です。私は悪役令嬢ですもの。転んでもただでは起きませんわ」
私は彼にウインクを投げ、ポットを高々と掲げた。
「さあ、宴の始まりよ! 最高の一杯を召し上がれ!」
こうして、王都の広場は、芳醇な紅茶の香りと笑顔に包まれた。
私の新たな人生の門出に相応しい、最高のスタートラインだった。
……だが。
この平穏なティータイムの裏で、ギルバートがこっそりと『婚姻届(兼・専属契約書)』を用意していることに、私はまだ気づいていなかったのである。
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