悪役派遣所〜異世界でヒール役をやって下さい〜

神月いろは

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扉の向こう

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すっかり酔いが覚めてテンションが急降下していく。違約金として金貨払うから勘弁してくれないかなぁ…それか無料で別の人を派遣するで手を打ちませんか⁉︎
早速手紙を書き棚に入れてみる。
直ぐに返事が来た。返事はすぐに来いだった。

棚の前で暫く呆然とする。

どの位棚の前で座ってただろう。体が冷えて来た。とりあえず今日は寝て明日決めよう!
あの扉を開けて出ようとしたら、後ろから温かい風を感じ振り返る。
異世界に繋がるもう一枚の扉が金色ゴールドに輝いている。

「ナニコレ?怪しさしか無いんだけど…」

見なかった事にして部屋に戻ろうとするが扉が開かない!まるで異世界に行くしか方法が無いようにされているみたいだ。

「あーもー!分かったよ!行けばいいんでしょう!クレームでも何でも聞いてやんよ!」

異世界の扉ノブを掴んだ。やっぱり怯む…
あれだけ沢山の人を勝手に異世界に送っといて自分は怖いとか…私最低だ…
ここ数年で一番デカい自己嫌悪だ。

ドアノブを持って暫くしたら引っ張られた!そう扉は押しドアだった~
勢いよく扉の向こうに行ってしまう。

「いっっやぁ~!かえりたい!」

「やっと来たわね!遅いわ!」

「へ?貴方誰?」

扉の向こうには上下白のラフな格好をした優男が立っていた。彼は座り込んだ私に手を差し伸べ立たせてくれた。お礼を言おうとしたら、彼に手を引かれ何処に連れて行かれる。

「すみません。状況を教えて下さい。またここ何処ですか?」

優男は「じき分かるから大人しく付いて来なさい!」と言いずんずん歩いて行く。この人所謂イケメンだけど口調がオネエなのが気になる。 

暫くすると黒光した重厚な扉の前に着いた。
なにこの扉向こうは魔界とかいわないよね!
クレームで魔界送りとか割合わないわよ!
優男は「私はここまでよ」とヒラヒラと手を振り、扉を開け中に私を押し込んだ!

「すずは相変わらず慎重ね。随分時間かかったじゃない」

この声!顔を上げるとそこに叔母がいた。
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