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事件簿007 『名人長二』その12
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「その背中。やっぱり傷が残ったんだねぇ。まぁ、命があっただけでもめっけもんだけどね。」
長二の背中を見ながら老婆がつぶやいた。
この湯は混浴だから女性がいてもおかしくないが、自分のことを知っているらしいことに驚いた。
「私のことをご存知ですか?」
「もちろんさね。あたしが竹藪の中から血だらけの赤ん坊を拾って和尚に預けたんだからね。」
「おお!そうでしたか!知らなかったとはいえ、失礼しました。おかげさまでこうして元気に暮らしています。」
「まったく、ひどい親がいたもんだ。生まれて間もない赤ん坊を藪に放り投げるなんてねぇ。」
「え・・・?」
「通りかかった私がすぐに拾いに行ったんだけど、竹の切り株が背中に刺さっててねぇ。でも良かったよぉ。もう少し傷が深くて心の臓に届いてたら命は無かったろうよ。」
翌日、天竜院に向かった長二は和尚をつかまえて問い詰めた。
「和尚!私を藪に投げ捨てたという実の親を、和尚は知っているのではないですか!?」
「な、何を言っておる。私が知るわけが無かろう。」
明らかに和尚は慌てていた。
「本当のことを言ってください!」
「何も知らん。それに今更、知ったところで益の無いことじゃろうが。」
「やはり知ってるんですね!?」
そのとき、衝立の後ろから商人らしき男が現れた。
「お邪魔しますよ。」
長二の背中を見ながら老婆がつぶやいた。
この湯は混浴だから女性がいてもおかしくないが、自分のことを知っているらしいことに驚いた。
「私のことをご存知ですか?」
「もちろんさね。あたしが竹藪の中から血だらけの赤ん坊を拾って和尚に預けたんだからね。」
「おお!そうでしたか!知らなかったとはいえ、失礼しました。おかげさまでこうして元気に暮らしています。」
「まったく、ひどい親がいたもんだ。生まれて間もない赤ん坊を藪に放り投げるなんてねぇ。」
「え・・・?」
「通りかかった私がすぐに拾いに行ったんだけど、竹の切り株が背中に刺さっててねぇ。でも良かったよぉ。もう少し傷が深くて心の臓に届いてたら命は無かったろうよ。」
翌日、天竜院に向かった長二は和尚をつかまえて問い詰めた。
「和尚!私を藪に投げ捨てたという実の親を、和尚は知っているのではないですか!?」
「な、何を言っておる。私が知るわけが無かろう。」
明らかに和尚は慌てていた。
「本当のことを言ってください!」
「何も知らん。それに今更、知ったところで益の無いことじゃろうが。」
「やはり知ってるんですね!?」
そのとき、衝立の後ろから商人らしき男が現れた。
「お邪魔しますよ。」
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