近未来判事「タクヤ」

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事件簿007 『名人長二』その13

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「き、亀甲屋さん!」

和尚は、なぜか飛び上がらんばかりに驚いた。

「大事なお話中でしたかな?和尚が珍しく大きな声を出されているから何事かと思いましてね。」

「いやいやいや。久しぶりに江戸から小僧が帰って参りましたので説教していたところです。」

「こちらの方ですか?もう小僧と言う歳ではなさそうですが。」

笑いながら亀甲屋が尋ねた。

「里帰りですかな?」

「はい。今は江戸で指物(家具)を造っております。」

「ほぉ、指物師でしたか。そういえば最近、長二という名人が江戸で評判ですな。火の見櫓(やぐら)から落としても壊れない指物を作るらしいと評判ですが。ご存知ですかな?」

長二は苦笑いして答えた。

「はぁ。櫓から落としたことはありませんが・・・。指物師の長二は私です。」

「おお!!あなたが噂の名人長二ですか!ここで会えたのも御仏のお導きでしょう。私は日本橋で仏具を商っている亀甲屋幸兵衛と申します。どうか以後お見知りおきを。」

二人のやりとりを不安げな表情で聞いていた和尚がポツリとつぶやいた。
「御仏は彼らをどこにお導きされるおつもりだろうか・・・。」
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