近未来判事「タクヤ」

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事件簿007 『名人長二』その28

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それは、40年以上前から金在家で働いている家政婦の証言だった。

定子は、この半年に何度も怪しげな人間を邸に呼んでいた。
そして、そのたびに『腰抜けばっかり!たかが一人殺すだけなのに!』と愚痴っていたというのだ。

それらの人間を監視カメラの映像から探し出し、定子が貴陽の殺害を依頼していたことがわかった。
誰も引き受けなかったために、自身で殺害するしかないと考えたのだろう。

さらに驚くべきことに、40年前にも殺人を計画していたこともわかった。

「家政婦さん、定子から渡される薬をご主人の金在さんの食事に混ぜていたんだって。家政婦さんはその薬が何かは知らなかったんだけどね。」

「で?その薬って何?」

「金在さんの遺骨を再鑑定したら、高濃度のヒ素が検出されたのよ。」

「孔明殿のへそ?」

「まじめに聞いてる!?」

「いたって、まじめ。」

「砒素よ!ひ!そ!80年前の森永ミルクヒ素混入事件、40年前のヒ素入りカレー事件。司法修習所で習ったでしょ?」

「あー!あの毒物のヒ素ね!」

「そう!つまり、定子は財産を狙ってご主人の金在を殺そうとしていた可能性が極めて高いってこと。まぁそうなる前にテロで亡くなったんだけどね。」

「だったら、何も変わらないじゃん。」

「まぁ、変わるかどうかはこれからね。」

「???意味わからん・・・。」

「まぁ、見てなさい。」

何を見ていればいいのかわからないまま、頭に『?』を浮かべてタクヤは法廷に戻った。
裁判官として、これでいいのか??
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