近未来判事「タクヤ」

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事件簿008 『白波看板』その8

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隠居を決めた二人は、最後の獲物をどこにするか相談しながら夜道を歩いていた。
すると、提灯を片手にふらふらと彷徨う人影が目に入った。

「どうしなすった?」

角右衛門が声をかけた。

「掛取り(集金)した帰り道に、受け取った50両の大金を落としてしまったんです。このままでは店に戻れません。」

まだ若いが、仕立てのいい着物を着ている。呉服屋の手代というところか。

「それはお困りでしょう。あっしらも一緒にお探ししましょう。」

男が道端に提灯をかざしながら探し歩いていると、寺の塀の陰から女が声を掛けてきた。

「お探し物はこれではございませんか?」

女の手には紫の袱紗の包みがあった。

「おお!それです!!」

中を改めると、小判が50枚。1枚も減っていない。

「ありがたや~!見つからなければ店を追い出されると覚悟していました。本当に助かりました。是非お礼を・・・あ、あれ?」

男が礼を言って顔を上げると、女の姿は闇に消えてしまっていた。
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