近未来判事「タクヤ」

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事件簿009 『鹿政談』その25

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工事中で骨組みだけのビル。
10階まで昇ると素人だったらめまいを起こすだろう。
しかし、さすが鳶の棟梁。
高井戸は歳からは想像もできない足取りで、踊るように軽やかに階段を上っていった。

「ほらみろっ!どこも緩んだところなんかねぇじゃねぇか!」

「そうですねぇ。あ、そこは?」

男が指差した下のほうを、高井戸が身体を乗り出して見ようとした時だった。

どんっ!!

「うわぁぁぁぁぁっ!!」

男に背中を押された高井戸が、足場から落下した。

「ははっ!ざまぁみろ!!」

「矢剥!!そのまま動くな!!」

スーツの男がギョッとして振り向くと、数人の男たちが近づいてきていた。

「矢剥虎太!殺人未遂の現行犯だ!逮捕する!」

「警察?!な、なんで・・・。」

刑事たちに押さえ込まれ、手錠をかけられても矢剥はまだ事態が飲み込めないでいた。

「お前は別の事件でも重要参考人として手配されている。そっちは殺人事件だ。身に覚えがあるだろ。」

矢剥は自分の置かれた状況がわかってきた。

「たった2人で捕まっちまうとはな。計算狂っちまったぜ。あと6人・・・。くそっ!」
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