11 / 49
第十一話 縁を手繰る秘術
しおりを挟む
食事を終えた後、私とアロイス様は再び研究棟へ向かった。
通りすがる所員たちは、前回のように驚く素振りは見せなかったが、チラチラと視線を送られているのを感じる。
着いた先は前回とは違う、壁も床も真っ白な部屋だ。家具一つ置かれておらず、床には赤いチョークのような線で魔法陣が描かれている。
「昨日の部屋とは違うのですね」
「交霊室は力を内側に向かって流すのに向いていたが、この部屋は外向きに力を流すのに特化している。
しかし……御令嬢、あなたは大丈夫か?」
アロイス様の表情が、少し曇る。
「え? いえ、特に何もないですけれど……」
「そうなのか? お腹の子の力が、屋敷に来た時よりも随分と増している」
「私は大丈夫です。そう言えばパールもそんな事を言っていました。精霊達もお腹一杯だと……」
「そうか、だが術を掛ける前に体調を見ておいた方がいいな。ちょっと失礼する」
言うなり、アロイス様は私の前髪をかき分けるようにして、手を当てた。
冷んやりとした感触が、額を覆う。この人の手はいつも冷たい。そして、心地良い。
「平熱、だな」
彼は冷静に言うと手を離し、少し乱れた前髪を整えると、今度は左手首を握る。
「脈が少し速いようだが……」
「な、何でもありません、大丈夫です」
彼はごく自然に、医療行為として触れているのだろう。しかし私は、男性と接した経験が少ないせいか、どうしても意識してしまう。ともなれば、鼓動を抑えるのは難しい。
「それならいいが……では、その陣の、中央に座って欲しい。レディを床に直接座らせて、申し訳ないが……」
「座る……とは? 例えば、ピクニックなどの時のように、膝を折って座ればよろしいのですか?」
「それでいい」
魔法陣の赤い線が、擦れて消えたり、ドレスに付いたりしないか、ちょっと気になったが……その中心に立ってみると、それは塗料や画材ではなく精神の力で描かれた雰囲気があり、心配はなさそうだ。
スカートの裾を捌きながら、床にゆっくりと腰を下ろす。
「では、しばらく目を閉じて」
言われて、まぶたを伏せると、目の前は真っ暗なはずなのに、下の方から赤く照らされているのが見える。
「息をゆっくり…吸って……吐いて……右手を腹部に当てて…左手にこれを握って」
言われた通り、右手をお腹に当てて、左手を差し出すと、硬い、石のようなものを握らされた。低い声で、呪文のようなものが聞こえてくる。
その瞬間、下の方から差していた赤い光が消え、真っ白な光が、カッと四方八方から私を照らし出した。目を閉じているのに眩しい。軽くめまいがして、上半身がよろけそうになっていると、背中に腕が添えられる。
「もう目を開いてもいい。よく頑張った……立てるか?」
「た、立てます」
抱きかかえられるようにして、立ち上がった。いつまでも床にへたり込んでいるわけにもいかない。
下を見ると、床は真っ白に変わり、魔法陣は影も形もなく消えている。
握った左手に熱を感じて目の前で開いてみると、矢じりのような形をした水晶のペンデュラムが手のひらに載っていた。透き通った石の中に閉じ込められていたのは、先ほど消えた赤い魔法陣だった。
「これを使用して預言を得れば、子どもの血縁者のいる場所が分かるだろう。いちいち魔法陣を書く手間も省ける。魔力も不要だから、なんなら御令嬢、あなたでも使える」
「私でも?」
「あなたの子を中心軸にしているから、私よりも、むしろあなたが使う方が、正確な答えを得られるくらいだ」
アロイス様は水晶の根元に、チリッと魔法で小さい穴をあけ、皮紐を通す。
そして紐を私の手に持たせると、こう言った。
「ぶら下げた状態で、『指し示せ』と唱えるといい」
おそるおそる、唱えてみる。
「指し示せ」
水晶がスイッと左の方に引っ張られた。人では出せない、物が擦れるような声がする。
【西に八十クエル、北に三クエル】
(※一クエル=一キロメートル)
この子に近い縁の者は西にいる。
しかし、八十クエルとなると、国境の向こうだ。
西の隣国、エストリール。
怪しげな集団が、邪神の復活を画策し、何がしかの儀式を行ったとされる場所……
アロイス様の表情に翳りが差し、私に手を差し出した。
「御令嬢、石を私に渡してほしい。隣国には私だけで行く」
「それは……!」
一瞬、迷った。私が一緒に行っても、足手まといにしかならないのは分かる。だからといって、アロイス様を危険な土地に赴かせるのは、どうなのか。
おそらくこの人の性格だと、周囲を巻き込むのを嫌って、部下などは連れていかずに、一人で行ってしまう。この人がいくら強くても、一筋縄ではいかない集団を相手にしたら、どうなるか分からない。そんなこと……させられない。
「お願いです。無茶はなさらないで。この子の父親が誰かなんて、すぐに分からなくてもいいんです。せめて、隣国の怪しい噂が落ち着いてからでも……」
「御令嬢……あなたが急がなくても、陛下が急いでいる」
そうだ。この人が子どもの父親を割り出そうとしているのも、国王陛下の命令の一環なのだ。私が何を言おうと、どうにもならない。
絶望的な気持ちになって、口をつぐみ、視線を落とした。自分のお腹が視界に入る。
すると、体の中心から、声が聞こえた。
(……行こう……一緒に、行こう……)
まさか……この子は、隣国に行くよう、私を促している……!?
思わず息を飲んだ。
通りすがる所員たちは、前回のように驚く素振りは見せなかったが、チラチラと視線を送られているのを感じる。
着いた先は前回とは違う、壁も床も真っ白な部屋だ。家具一つ置かれておらず、床には赤いチョークのような線で魔法陣が描かれている。
「昨日の部屋とは違うのですね」
「交霊室は力を内側に向かって流すのに向いていたが、この部屋は外向きに力を流すのに特化している。
しかし……御令嬢、あなたは大丈夫か?」
アロイス様の表情が、少し曇る。
「え? いえ、特に何もないですけれど……」
「そうなのか? お腹の子の力が、屋敷に来た時よりも随分と増している」
「私は大丈夫です。そう言えばパールもそんな事を言っていました。精霊達もお腹一杯だと……」
「そうか、だが術を掛ける前に体調を見ておいた方がいいな。ちょっと失礼する」
言うなり、アロイス様は私の前髪をかき分けるようにして、手を当てた。
冷んやりとした感触が、額を覆う。この人の手はいつも冷たい。そして、心地良い。
「平熱、だな」
彼は冷静に言うと手を離し、少し乱れた前髪を整えると、今度は左手首を握る。
「脈が少し速いようだが……」
「な、何でもありません、大丈夫です」
彼はごく自然に、医療行為として触れているのだろう。しかし私は、男性と接した経験が少ないせいか、どうしても意識してしまう。ともなれば、鼓動を抑えるのは難しい。
「それならいいが……では、その陣の、中央に座って欲しい。レディを床に直接座らせて、申し訳ないが……」
「座る……とは? 例えば、ピクニックなどの時のように、膝を折って座ればよろしいのですか?」
「それでいい」
魔法陣の赤い線が、擦れて消えたり、ドレスに付いたりしないか、ちょっと気になったが……その中心に立ってみると、それは塗料や画材ではなく精神の力で描かれた雰囲気があり、心配はなさそうだ。
スカートの裾を捌きながら、床にゆっくりと腰を下ろす。
「では、しばらく目を閉じて」
言われて、まぶたを伏せると、目の前は真っ暗なはずなのに、下の方から赤く照らされているのが見える。
「息をゆっくり…吸って……吐いて……右手を腹部に当てて…左手にこれを握って」
言われた通り、右手をお腹に当てて、左手を差し出すと、硬い、石のようなものを握らされた。低い声で、呪文のようなものが聞こえてくる。
その瞬間、下の方から差していた赤い光が消え、真っ白な光が、カッと四方八方から私を照らし出した。目を閉じているのに眩しい。軽くめまいがして、上半身がよろけそうになっていると、背中に腕が添えられる。
「もう目を開いてもいい。よく頑張った……立てるか?」
「た、立てます」
抱きかかえられるようにして、立ち上がった。いつまでも床にへたり込んでいるわけにもいかない。
下を見ると、床は真っ白に変わり、魔法陣は影も形もなく消えている。
握った左手に熱を感じて目の前で開いてみると、矢じりのような形をした水晶のペンデュラムが手のひらに載っていた。透き通った石の中に閉じ込められていたのは、先ほど消えた赤い魔法陣だった。
「これを使用して預言を得れば、子どもの血縁者のいる場所が分かるだろう。いちいち魔法陣を書く手間も省ける。魔力も不要だから、なんなら御令嬢、あなたでも使える」
「私でも?」
「あなたの子を中心軸にしているから、私よりも、むしろあなたが使う方が、正確な答えを得られるくらいだ」
アロイス様は水晶の根元に、チリッと魔法で小さい穴をあけ、皮紐を通す。
そして紐を私の手に持たせると、こう言った。
「ぶら下げた状態で、『指し示せ』と唱えるといい」
おそるおそる、唱えてみる。
「指し示せ」
水晶がスイッと左の方に引っ張られた。人では出せない、物が擦れるような声がする。
【西に八十クエル、北に三クエル】
(※一クエル=一キロメートル)
この子に近い縁の者は西にいる。
しかし、八十クエルとなると、国境の向こうだ。
西の隣国、エストリール。
怪しげな集団が、邪神の復活を画策し、何がしかの儀式を行ったとされる場所……
アロイス様の表情に翳りが差し、私に手を差し出した。
「御令嬢、石を私に渡してほしい。隣国には私だけで行く」
「それは……!」
一瞬、迷った。私が一緒に行っても、足手まといにしかならないのは分かる。だからといって、アロイス様を危険な土地に赴かせるのは、どうなのか。
おそらくこの人の性格だと、周囲を巻き込むのを嫌って、部下などは連れていかずに、一人で行ってしまう。この人がいくら強くても、一筋縄ではいかない集団を相手にしたら、どうなるか分からない。そんなこと……させられない。
「お願いです。無茶はなさらないで。この子の父親が誰かなんて、すぐに分からなくてもいいんです。せめて、隣国の怪しい噂が落ち着いてからでも……」
「御令嬢……あなたが急がなくても、陛下が急いでいる」
そうだ。この人が子どもの父親を割り出そうとしているのも、国王陛下の命令の一環なのだ。私が何を言おうと、どうにもならない。
絶望的な気持ちになって、口をつぐみ、視線を落とした。自分のお腹が視界に入る。
すると、体の中心から、声が聞こえた。
(……行こう……一緒に、行こう……)
まさか……この子は、隣国に行くよう、私を促している……!?
思わず息を飲んだ。
1
あなたにおすすめの小説
王家を追放された落ちこぼれ聖女は、小さな村で鍛冶屋の妻候補になります
cotonoha garden
恋愛
「聖女失格です。王家にも国にも、あなたはもう必要ありません」——そう告げられた日、リーネは王女でいることさえ許されなくなりました。
聖女としても王女としても半人前。婚約者の王太子には冷たく切り捨てられ、居場所を失った彼女がたどり着いたのは、森と鉄の匂いが混ざる辺境の小さな村。
そこで出会ったのは、無骨で無口なくせに、さりげなく怪我の手当てをしてくれる鍛冶屋ユリウス。
村の事情から「書類上の仮妻」として迎えられたリーネは、鍛冶場の雑用や村人の看病をこなしながら、少しずつ「誰かに必要とされる感覚」を取り戻していきます。
かつては「落ちこぼれ聖女」とさげすまれた力が、今度は村の子どもたちの笑顔を守るために使われる。
そんな新しい日々の中で、ぶっきらぼうな鍛冶屋の優しさや、村人たちのさりげない気遣いが、冷え切っていたリーネの心をゆっくりと溶かしていきます。
やがて、国難を前に王都から使者が訪れ、「再び聖女として戻ってこい」と告げられたとき——
リーネが選ぶのは、きらびやかな王宮か、それとも鉄音の響く小さな家か。
理不尽な追放と婚約破棄から始まる物語は、
「大切にされなかった記憶」を持つ読者に寄り添いながら、
自分で選び取った居場所と、静かであたたかな愛へとたどり着く物語です。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
虫ケラ扱いの男爵令嬢でしたが、牧草風呂に入って人生が変わりました〜公爵令息とはじめる人生の調香〜
もちもちしっぽ
恋愛
男爵令嬢フレッチェは、父を亡くして以来、継母と義妹に粗末に扱われてきた。
ろくな食事も与えられず、裏庭の木の実を摘み、花の蜜を吸って飢えをしのぐ日々。
そんな彼女を、継母たちは虫ケラと嘲る。
それでもフレッチェの慰めは、母が遺してくれた香水瓶の蓋を開け、微かに残る香りを嗅ぐことだった。
「あなただけの幸せを感じる香りを見つけなさい」
その言葉を胸に生きていた彼女に、転機は突然訪れる。
公爵家が四人の子息の花嫁探しのために催した夜会で、フレッチェは一人の青年に出会い、一夜をともにするが――。
※香水の作り方は中世ヨーロッパをモデルにした魔法ありのふんわり設定です。
※登場する植物の名称には、一部創作が含まれます。
婚約者に捨てられた私ですが、なぜか宰相様の膝の上が定位置になっています
さくら
恋愛
王太子との婚約を一方的に破棄され、社交界で居場所を失った令嬢エリナ。絶望の淵に沈む彼女の前に現れたのは、冷徹と名高い宰相だった。
「君の居場所は、ここだ」
そう言って彼は、ためらいもなくエリナを自らの膝の上に抱き上げる。
それ以来、エリナの定位置はなぜか宰相様の膝の上に固定されてしまう。
周囲からの嘲笑や陰口、そして第一王子派の陰謀が二人を取り巻くが、宰相は一切怯むことなく、堂々とエリナを膝に抱いたまま権力の中枢に立ち続ける。
「君がいる限り、私は負けぬ」
その揺るぎない言葉に支えられ、エリナは少しずつ自信を取り戻し、やがて「宰相の妻」としての誇りを胸に刻んでいく。
舞踏会での公然の宣言、王妃の承認、王宮評議会での糾弾――数々の試練を経ても、二人の絆は揺らがない。むしろ宰相は、すべての人々の前で「彼女こそ我が誇り」と高らかに示し、エリナ自身もまた「膝の上にいることこそ愛の証」と誇らしく胸を張るようになっていく。
そしてついに、宰相は人々の前で正式に求婚を告げる。
「エリナ。これから先、どんな嵐が来ようとも――君の定位置は私の膝の上だ」
悪役だから仕方がないなんて言わせない!
音無砂月
恋愛
マリア・フォン・オレスト
オレスト国の第一王女として生まれた。
王女として政略結婚の為嫁いだのは隣国、シスタミナ帝国
政略結婚でも多少の期待をして嫁いだが夫には既に思い合う人が居た。
見下され、邪険にされ続けるマリアの運命は・・・・・。
【完結】私は聖女の代用品だったらしい
雨雲レーダー
恋愛
異世界に聖女として召喚された紗月。
元の世界に帰る方法を探してくれるというリュミナス王国の王であるアレクの言葉を信じて、聖女として頑張ろうと決意するが、ある日大学の後輩でもあった天音が真の聖女として召喚されてから全てが変わりはじめ、ついには身に覚えのない罪で荒野に置き去りにされてしまう。
絶望の中で手を差し伸べたのは、隣国グランツ帝国の冷酷な皇帝マティアスだった。
「俺のものになれ」
突然の言葉に唖然とするものの、行く場所も帰る場所もない紗月はしぶしぶ着いて行くことに。
だけど帝国での生活は意外と楽しくて、マティアスもそんなにイヤなやつじゃないのかも?
捨てられた聖女と孤高の皇帝が絆を深めていく一方で、リュミナス王国では次々と異変がおこっていた。
・完結まで予約投稿済みです。
・1日3回更新(7時・12時・18時)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる