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「アバルト公子がお見えになりました」
扉の向こうからアレッツォの声が静かに響いた。
「ロメオが?」
――先触れもなく、何の用だ。
ここで言ったところで仕方ない。答えはすでに到着しているのだ。
「すぐに支度する。待たせておけ」
隣でぐったりと眠るイレリアを起こさないようベッドから抜け出すと、カインは寝具から出ているイレリアの手をそっと握った。
あれだけ荒れていた手は、すっかり柔らかくなっている。
カインは微笑むとイレリアの手を、そっと寝具の中に潜らせた。
できる限りゆっくり支度を済ませたのは、ロメオへの嫌がらせだけではなかった。
イレリアの肌の感触を反芻していたのだ。
ロメオさえ来なければ、今頃はまだ彼女の柔らかい胸に顔を埋めていられたのに。
そう思うとサロンの扉を開ける手に力が入ってしまった。
「やぁ、親友」
眉間に皺を寄せたカインとは対照的に、ロメオは明るい笑顔でカインを迎えた。
「君の休日を邪魔しないよう午前中にしたんだが、それでもまだお邪魔だったかな」
皮肉を込めてロメオが右手を差し出すと、その手を握り返しながら「なんのことだか」とカインは笑ってみせた。
「貧民街には顔を出していないようだな。ようやく諦めがついたと思いたいんだが」
勧められずともソファに腰掛けながら、ロメオは単刀直入に尋ねた。
「僕が彼女を諦める時は、僕が死ぬ時だけだ」
「どうかしている」
ロメオはため息をつきながら吐き捨てるように言った。
「愛妾を持つ事はどうでもいい。僕の父上だって、今でさえ愛妻家を気取っているが、僕が幼い頃には別棟に女を隠していたのを知っている。だが、君はまだ結婚前だろ」
ロメオの苛立ちは当然だった。
「結婚前だから何だというんだ?」
カインは不機嫌さを隠そうともせずに、目の前に置かれた茶を口に運んで顔を顰めた。
いつもカインが好む花の香りがする茶ではない。
ジルダが来る時はいつもあれなのに……そうか、これはロメオが好きな茶か。
まったく、茶の味まで僕を苛立たせるんだ。この男は。
「君が貴族のしきたりにここまで疎かったとは驚きだよ」
ロメオは、もう一度わざとらしくため息をつくと、目の前の茶を飲んだ。
柑橘の香りと爽やかな渋みのある、ロメオの好きな茶の味に、自然と顔が緩みそうになる。
「アレッツォ、君の未来の主人に貴族の結婚とは何かを教えてやってくれ」
「黙れロメオ」
アレッツォが口を開こうとするのを、カインは睨みつけた。
貴族の結婚とは家同士の繋がりだ。初めからそこに愛など存在しない。
お互いの努力で愛し合うようになる夫婦もいるが、多くは政略的な結婚に疲れて愛妾や情夫を迎え入れる。
しかし、それは結婚をしているからこそ許されるものであり、カインのように婚約者がいる場合は、婚約者に尽くし結婚まで純潔を貫くことが貴族としての在り方である。
「だからと言って彼女をいつまでもあんな所で生活させるなんて無理だ」
「何も恋人を作るなと言っているんじゃない。もっとうまくやれって言ってるんだ」
事実、結婚前に身分の低い女性や、婚約者以外の女性を恋人にする貴族も少なくはない。しかし、カインのように隠すこともなく、堂々と入れ込むのは婚約者を侮辱する行為であり、カイン自身貴族社会から嘲笑される事でもあった。
「僕は名誉なんかより、彼女の方が大事なんだ。彼女の存在を隠す必要なんてない僕は――」
「いい加減にしろよ!」
ロメオは漸く声を荒げた。
親友の話を冷静に聞き、何とか嗜めようと思っていたからこれまで我慢ができていた。
だが、カインは一体どうしたというんだ。
得体の知れない不安や気持ち悪さが、ロメオの感情を逆撫でていた。
「君はエスクード侯爵家の嫡男であり次期侯爵だ。おまけにそのとんでもない魔力量だ。国王陛下も君を手放すくらいなら色恋沙汰くらいいくらでも目を瞑るだろう。だけど、ジルダはどうなるんだ」
「ジルダなら――」
カインはロメオをじっと見つめると、苦々しい口調で続けた。
「君も知っているだろ。ジルダは僕の気持ちを感じる事ができる。全て知っているさ。知っているのに何も言わない。せいぜいが、自分がいなければ生きていけないだろうと念を押す事くらいさ」
「そういう事を言っているんじゃない。君のせいでジルダは社交界のいい笑い者なんだぞ。彼女がなんと言われているか知っているのか」
苛立たたしげに茶を一気に飲むと、ロメオはその器を叩きつけるようにテーブルに置き、カインを睨みつけた。
「ああ――なるほど。ジルダが君に泣きついたのか。それで君はナイトよろしくやってきたと言うのか」
思いついたように、殊更芝居がかった言い方は、明らかにロメオを挑発していた。
「なにをバカな――彼女がそんなことを言うのなら、もっと早くにお前を殺してくれと頼んでるさ」
ロメオが睨むが、カインは表情を変えない。
ジルダのこととなるといつもこうだ。
ロメオはゆっくりと息を吐いた。
「ただでさえ君との婚約で心無い事を言われているというのに、君の行動で更に彼女の評判は地に落ちたんだ」
カインとジルダの婚約が王命であることは、当事者達だけが知るところだった。そのため、社交界ではシトロン伯爵家が娘の能力を盾にエスクード侯爵家に婚姻を要求したと、まことしやかに囁かれていた事はカインも承知していた。
だが、ジルダは周りからどう思われていようが、3日に1度の魔力吸収のためにエスクード侯爵家を訪れては、務めを果たすと何も言わずに帰っていく。
まるでカインの事など全く興味がないように。
カインの脳裏にジルダの後ろ姿がよぎる。そして、その姿にあの人の後ろ姿が――いや、大丈夫だ。僕にはイレリアがいる。
カインの胸に広がりかけた黒い熱が、イレリアを思う事で急速に冷めていくのがわかる。
あぁ……やっぱり僕にはイレリアが必要なんだ。
カインは安堵を抱きしめると、ロメオを冷たく見つめた。
「彼女は侯爵夫人になる事だけが目的なんだ。そうじゃなかったらこんな面倒な役割を黙ってやるわけがないし、イレリアの事も黙っていないだろ」
「君はジルダを何だと思っているんだ」
「なら君がジルダを妻に迎えればいい。そうすれば彼女が侯爵夫人になる事も変わらないし、君のそばでこの馬鹿げた仕事も続けられるんだ。幸せだろ」
「カイン!」
ロメオは立ち上がるとカインの胸倉を掴み上げた。
「――僕は何があっても君の味方だ。例え今言った事が本気だったとしても、僕は君の味方であることをやめない。でも、ジルダを侮辱する事だけは許さない」
胸倉を掴まれたままカインは抵抗もせずロメオを見上げていた。
力だけならロメオの数倍の魔力量を持つカインが負けるわけがない。だからと言うわけではない。
いつも温厚なロメオが感情を露わにするのはジルダが絡む時だけだった。
「君は――ジルダが好きなのか」
扉の向こうからアレッツォの声が静かに響いた。
「ロメオが?」
――先触れもなく、何の用だ。
ここで言ったところで仕方ない。答えはすでに到着しているのだ。
「すぐに支度する。待たせておけ」
隣でぐったりと眠るイレリアを起こさないようベッドから抜け出すと、カインは寝具から出ているイレリアの手をそっと握った。
あれだけ荒れていた手は、すっかり柔らかくなっている。
カインは微笑むとイレリアの手を、そっと寝具の中に潜らせた。
できる限りゆっくり支度を済ませたのは、ロメオへの嫌がらせだけではなかった。
イレリアの肌の感触を反芻していたのだ。
ロメオさえ来なければ、今頃はまだ彼女の柔らかい胸に顔を埋めていられたのに。
そう思うとサロンの扉を開ける手に力が入ってしまった。
「やぁ、親友」
眉間に皺を寄せたカインとは対照的に、ロメオは明るい笑顔でカインを迎えた。
「君の休日を邪魔しないよう午前中にしたんだが、それでもまだお邪魔だったかな」
皮肉を込めてロメオが右手を差し出すと、その手を握り返しながら「なんのことだか」とカインは笑ってみせた。
「貧民街には顔を出していないようだな。ようやく諦めがついたと思いたいんだが」
勧められずともソファに腰掛けながら、ロメオは単刀直入に尋ねた。
「僕が彼女を諦める時は、僕が死ぬ時だけだ」
「どうかしている」
ロメオはため息をつきながら吐き捨てるように言った。
「愛妾を持つ事はどうでもいい。僕の父上だって、今でさえ愛妻家を気取っているが、僕が幼い頃には別棟に女を隠していたのを知っている。だが、君はまだ結婚前だろ」
ロメオの苛立ちは当然だった。
「結婚前だから何だというんだ?」
カインは不機嫌さを隠そうともせずに、目の前に置かれた茶を口に運んで顔を顰めた。
いつもカインが好む花の香りがする茶ではない。
ジルダが来る時はいつもあれなのに……そうか、これはロメオが好きな茶か。
まったく、茶の味まで僕を苛立たせるんだ。この男は。
「君が貴族のしきたりにここまで疎かったとは驚きだよ」
ロメオは、もう一度わざとらしくため息をつくと、目の前の茶を飲んだ。
柑橘の香りと爽やかな渋みのある、ロメオの好きな茶の味に、自然と顔が緩みそうになる。
「アレッツォ、君の未来の主人に貴族の結婚とは何かを教えてやってくれ」
「黙れロメオ」
アレッツォが口を開こうとするのを、カインは睨みつけた。
貴族の結婚とは家同士の繋がりだ。初めからそこに愛など存在しない。
お互いの努力で愛し合うようになる夫婦もいるが、多くは政略的な結婚に疲れて愛妾や情夫を迎え入れる。
しかし、それは結婚をしているからこそ許されるものであり、カインのように婚約者がいる場合は、婚約者に尽くし結婚まで純潔を貫くことが貴族としての在り方である。
「だからと言って彼女をいつまでもあんな所で生活させるなんて無理だ」
「何も恋人を作るなと言っているんじゃない。もっとうまくやれって言ってるんだ」
事実、結婚前に身分の低い女性や、婚約者以外の女性を恋人にする貴族も少なくはない。しかし、カインのように隠すこともなく、堂々と入れ込むのは婚約者を侮辱する行為であり、カイン自身貴族社会から嘲笑される事でもあった。
「僕は名誉なんかより、彼女の方が大事なんだ。彼女の存在を隠す必要なんてない僕は――」
「いい加減にしろよ!」
ロメオは漸く声を荒げた。
親友の話を冷静に聞き、何とか嗜めようと思っていたからこれまで我慢ができていた。
だが、カインは一体どうしたというんだ。
得体の知れない不安や気持ち悪さが、ロメオの感情を逆撫でていた。
「君はエスクード侯爵家の嫡男であり次期侯爵だ。おまけにそのとんでもない魔力量だ。国王陛下も君を手放すくらいなら色恋沙汰くらいいくらでも目を瞑るだろう。だけど、ジルダはどうなるんだ」
「ジルダなら――」
カインはロメオをじっと見つめると、苦々しい口調で続けた。
「君も知っているだろ。ジルダは僕の気持ちを感じる事ができる。全て知っているさ。知っているのに何も言わない。せいぜいが、自分がいなければ生きていけないだろうと念を押す事くらいさ」
「そういう事を言っているんじゃない。君のせいでジルダは社交界のいい笑い者なんだぞ。彼女がなんと言われているか知っているのか」
苛立たたしげに茶を一気に飲むと、ロメオはその器を叩きつけるようにテーブルに置き、カインを睨みつけた。
「ああ――なるほど。ジルダが君に泣きついたのか。それで君はナイトよろしくやってきたと言うのか」
思いついたように、殊更芝居がかった言い方は、明らかにロメオを挑発していた。
「なにをバカな――彼女がそんなことを言うのなら、もっと早くにお前を殺してくれと頼んでるさ」
ロメオが睨むが、カインは表情を変えない。
ジルダのこととなるといつもこうだ。
ロメオはゆっくりと息を吐いた。
「ただでさえ君との婚約で心無い事を言われているというのに、君の行動で更に彼女の評判は地に落ちたんだ」
カインとジルダの婚約が王命であることは、当事者達だけが知るところだった。そのため、社交界ではシトロン伯爵家が娘の能力を盾にエスクード侯爵家に婚姻を要求したと、まことしやかに囁かれていた事はカインも承知していた。
だが、ジルダは周りからどう思われていようが、3日に1度の魔力吸収のためにエスクード侯爵家を訪れては、務めを果たすと何も言わずに帰っていく。
まるでカインの事など全く興味がないように。
カインの脳裏にジルダの後ろ姿がよぎる。そして、その姿にあの人の後ろ姿が――いや、大丈夫だ。僕にはイレリアがいる。
カインの胸に広がりかけた黒い熱が、イレリアを思う事で急速に冷めていくのがわかる。
あぁ……やっぱり僕にはイレリアが必要なんだ。
カインは安堵を抱きしめると、ロメオを冷たく見つめた。
「彼女は侯爵夫人になる事だけが目的なんだ。そうじゃなかったらこんな面倒な役割を黙ってやるわけがないし、イレリアの事も黙っていないだろ」
「君はジルダを何だと思っているんだ」
「なら君がジルダを妻に迎えればいい。そうすれば彼女が侯爵夫人になる事も変わらないし、君のそばでこの馬鹿げた仕事も続けられるんだ。幸せだろ」
「カイン!」
ロメオは立ち上がるとカインの胸倉を掴み上げた。
「――僕は何があっても君の味方だ。例え今言った事が本気だったとしても、僕は君の味方であることをやめない。でも、ジルダを侮辱する事だけは許さない」
胸倉を掴まれたままカインは抵抗もせずロメオを見上げていた。
力だけならロメオの数倍の魔力量を持つカインが負けるわけがない。だからと言うわけではない。
いつも温厚なロメオが感情を露わにするのはジルダが絡む時だけだった。
「君は――ジルダが好きなのか」
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裏切られたと思ったカインには、身を寄せる女の子がいるのに、ジルダにはいないんだよ…
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切ないよ~😭
お読みいただきありがとうございます
ジルダのことそう言っていただけてよかったです
どうか最後までお付き合いいただけますと幸いです
よろしくお願いします