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第一章
01.オルガの最悪な監禁生活
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真っ暗な沼に落ちたような、闇夜の森をさまよっているような、そんな夢を見るようになったのは、私の可愛い弟が「勇者」になり、私が「姉君」と呼ばれるようになってからだ。
聖教会に神託があり、弟が勇者として世界中で発生している《瘴気の霧》を晴らす旅に出たのは、去年のこと。そのときから、私は聖教会の本部敷地内にある塔のてっぺんに住んでいる。
「衣食住はすべて聖教会が負担いたします」なんて甘言に騙されたのは、親のない私たちが貧乏な上、疑うことを知らなかったから。弟が旅立ったあと「勇者の姉君を守るためです」と準備されたのは、強力な結界が張られた頑丈な格子の部屋。外から鍵がかけられちゃう素敵な仕様。
まぁ、つまり、私は幽閉されているのだ。
一年の間、何もしなかったわけじゃない。
世話係の聖職者に殴りかかって脱走したり、夜這いにやってきた聖職者の股間を蹴り上げて脱走したり、格子をスープで腐食させて脱走したり、聖職者の喉元に割れた鏡を宛てがって脱走したり……散々脱走を企て実行してきたけれど、そのたびに外に出られることなく捕らえられてしまう。そのたびに結界が強力なものになっていく。そのたびに、服の下に傷が増えていく。心が萎えていく。
一年。
外の世界に焦がれても、格子窓からしか見ることができない。自由を欲しても、叶えられることはない。泣いても叫んでも、塔の上まで助けに来てくれる人はいない。
私はもう、こんなろくでもない世界で抗うことに疲れてしまった。
もちろん、弟は私の状況なんて知ることもないだろう。手紙なんて出せないし、勇者になってから一度も会っていない。「聖教会の世話になっているから、姉さんはきっと幸せだ」なんて考えているに違いない。あの子、かなり呑気だから。私の脱走失敗により、嫌がらせで路銀が減らされているのだって気づいていないだろう。もしかしたら「聖教会が姉さんの結婚相手を探してくれるかも」なんて考えているかもしれない。
それは、無理よ。
私は「人質」なのだから。
弟が世界中の《瘴気の霧》を晴らすまでの人質。弟が途中で「勇者」を辞めることがないように、聖教会が掌握している駒に過ぎないのだ。
「姉君様」と、声変わりしたばかりだという少年の声がした。格子の向こうから、世話係の少年が心配そうにこちらを見ている。三日ほど前から世話係に任命された可愛い子だ。
子どもには手出しできないだろうという上位聖職者たちの判断は間違っていない。世話係を子どもにしたのは正解だ。ふわふわの金髪に緑色の丸い瞳の可愛い子に見つめられたら、殴って気絶させたり、股間を蹴り上げたりする気力はなくなる。「心配してくれるの? ありがとう!」と抱きしめたくなるだけだ。格子に阻まれてそれすら難しいけれど。
「おはよう、リュカ」
「おはようございます。朝食と着替えをお持ちいたしました」
「ありがとう」
ベッドの上で伸びをして、格子についた小さな窓からリュカが朝食を差し入れてくれる様子を眺める。脱走未遂ばかり起こしている私を恐れているのか、リュカの手は少し震えている。トレイがカタカタと揺れ――。
「あぁっ」
スープがトレイの上でひっくり返ってしまう。トマトのスープが台無しだ。リュカは慌てた様子で手を引っ込める。
「すみません、すみません」
「いいのよ。それより、リュカに火傷はない?」
「は、はい、大丈夫です! すぐに代わりのものをお持ちいたします!」
リュカは階段を降りてい――ったのだけれど、今、戻ってきた。手には私の着替え。真っ赤になりながら、小窓を開けて置いてくれる。
「僕が戻ってくるまでに、着替えを、すませておいてください」
リュカが去ったあとで気づく。ベッドの上の私は、何も身につけていない状態だったのだと。
そりゃ、リュカが動揺するのも無理はない。年頃の女の裸など、少年にとっては目の毒だ。失敗した。昨日もその前もちゃんと服を着ていたから油断した。
可愛い子。
世話係の少年は私の癒やしだ。聖教会本部に住み、掃除や食事の支度、聖職者の仕事の手伝いなどを仕事としている未成人の子たち。孤児が大半で、稀に貴族の子息が預けられていると聞く。世話職と呼ばれる子たちが本部に何人いるのかわからない。前の子は里親が見つかって聖教会から出ていった。孤児のリュカも可愛い顔をしているから、すぐに里親が見つかるだろう。
私にはもう、彼らを愛でるくらいしか楽しみがないのだ。
左足を引きずりながら、冷たい床に置かれた衣服を拾う。赤色の衣服は、頭からかぶってしまえば私の体を膝まで隠してしまう。刺繍も飾りも最低限。お洒落なものではないけれど、ドレスよりは過ごしやすい気楽なものだ。
ゆっくりと歩きながら机に向かい、引き出しから布を取り出す。椅子に座り、赤い痣を隠すように腕に布を巻いていく。
昨夜は両手首を強く押さえつけられただけだったから良かった。それほどの痛みはない。年配の男性らしくすぐに果ててくれたし、何度も相手をしなくてよかったし、楽だった。
一月前の男なんて、最悪。どっかの地方の貴族とやら。噛み癖が酷くて、食いちぎられるかと思った。実際、出血しているところも何箇所かあって、軟膏まで手配してもらう羽目になったわけだし。
あぁ、最悪で言ったら、隣国のカルロス王子も負けてはいない。不摂生がたたったのか見事に肥えて腹がぽっこり出ており、ついでに頭髪も大層少なくなってしまった哀れな四十すぎの王子様。妻にも娼館の女たちにも相手にされなくなって、本部に救いを求めにやってきた。私の手を気に入ってくれたのはいいけれど、一晩中扱き上げなきゃいけなくて、本当に疲れた。私の左足のことを心配してくれたから、人柄はいいほうじゃないかな。外見は最悪だけどね。
内面が最悪なのは、彼しかいない。私の初めてを奪った男。何度目かの脱走で失敗したとき「逃げられなくすればいい」と左足のふくらはぎに短剣を突き立てられた。悲鳴を上げる私を見下ろして笑っていたのは――この国の王子だ。
隣国のカルロス王子のほうがよほどマシ。彼こそ最悪。ろくでもない男。王位継承権は三番目くらいらしいけど、彼が何かの間違いで国王になったら首を括って死んでやるわ。
「姉君様、お食事をお持ちいたしました」とリュカが再度朝食を運んできてくれる。長い階段を駆けてきたのか、肩で息をしている。何ともいじらしくて可愛い。
礼を言って下がらせると、小窓の近くに置いてあった椅子にトレイを乗せ、私は床に座って朝食を摂る。左足を引きずりながら机までトレイを運ぶと、スープなどの液体のものが零れてしまうからだ。はしたないけれど、仕方ない。誰も私の食事姿なんて見ないのだから。
「あの、姉君様」
トマトスープにパンを浸して食べているところを、ひょこりと顔を出したリュカに見られてしまった。椅子を机代わりにしているところも、ばっちり見られてしまった。やだ、恥ずかしいなぁ。
「床に座っていては寒くありませんか? 毛布をお持ちいたしましょうか?」
「え、あ、あぁ、気遣ってくれてありがとう。でも、慣れているから大丈夫よ。それより、どうしたの?」
「あぁ、僕、これをお渡しするのを忘れていたんです」
リュカが大事そうに抱えていたのは、私にとっては見慣れた小瓶。ただし、色は――赤色だ。
まさか、と思ったけれど、そういえば今日の衣服も赤だった。もちろん、偶然ではない。「赤」を好む高貴な人が来る、という意味だ。しかも、朝から。最悪だ。
「昨日は黄色の瓶でしたよね? この瓶の中身は何ですか?」
「リュカにはまだ早いわ。大人のための薬なの」
「そうですか……」
大人、という言葉にリュカはわかりやすくうなだれる。そんなにしょんぼりしなくても、と微笑ましく思う。
「そんなにいい薬じゃないの。大人になったら、ね」
「はい、わかりました」
聞き分けのいい素直な子は好きだわ。
格子の隙間から赤色の瓶を受け取り、リュカを見送る。朝食をすべて食べたあと、小瓶の中に入っていた液体を飲み干す。甘くて苦い後味。美味しくはない。けれど、飲まなければ、私の体がしんどくなるだけだ。
ベッドへ向かいながら、体がピリピリとし始める感覚にうんざりする。服と肌が擦れるだけの刺激なのに、体中が粟立つ。一歩歩むごとに、下腹部に得も言われぬ心地良さが押し寄せてくる。
ベッドに倒れ込んで、強く足を閉じる。いつもより強力な薬が入っていたのか、そうして耐えていないと、早くも達してしまいそうだ。
「待たせたな」
格子の扉を開け、美しい刺繍の施された赤色の服の男が入ってくる。警護の騎士を連れていないのはいつものことだ。塔の下で待たせているのか、本部のどこかで待たせているのかは知らない。騎士たちは自分の主人が聖教会内でどんなことをしているのか、知っているのだろうか。祈りを捧げるべき場所で、何を――。
「今日の薬は少し強かっただろう? 私も、もう限界だ。さぁ、夜まで楽しもうじゃないか」
服越しに触れられるだけで、腰が動く。男が服を脱ぎ捨てているのを見ているだけで、下腹部が疼く。いきり立ったそれに触れるだけで、もう、我慢ができない。
「……挿れてください、セドリック様」
この国の王子は、私を組み敷きながら、狂気に満ちた笑みを浮かべている。ほんと、ろくでもない世界だわ。
聖教会に神託があり、弟が勇者として世界中で発生している《瘴気の霧》を晴らす旅に出たのは、去年のこと。そのときから、私は聖教会の本部敷地内にある塔のてっぺんに住んでいる。
「衣食住はすべて聖教会が負担いたします」なんて甘言に騙されたのは、親のない私たちが貧乏な上、疑うことを知らなかったから。弟が旅立ったあと「勇者の姉君を守るためです」と準備されたのは、強力な結界が張られた頑丈な格子の部屋。外から鍵がかけられちゃう素敵な仕様。
まぁ、つまり、私は幽閉されているのだ。
一年の間、何もしなかったわけじゃない。
世話係の聖職者に殴りかかって脱走したり、夜這いにやってきた聖職者の股間を蹴り上げて脱走したり、格子をスープで腐食させて脱走したり、聖職者の喉元に割れた鏡を宛てがって脱走したり……散々脱走を企て実行してきたけれど、そのたびに外に出られることなく捕らえられてしまう。そのたびに結界が強力なものになっていく。そのたびに、服の下に傷が増えていく。心が萎えていく。
一年。
外の世界に焦がれても、格子窓からしか見ることができない。自由を欲しても、叶えられることはない。泣いても叫んでも、塔の上まで助けに来てくれる人はいない。
私はもう、こんなろくでもない世界で抗うことに疲れてしまった。
もちろん、弟は私の状況なんて知ることもないだろう。手紙なんて出せないし、勇者になってから一度も会っていない。「聖教会の世話になっているから、姉さんはきっと幸せだ」なんて考えているに違いない。あの子、かなり呑気だから。私の脱走失敗により、嫌がらせで路銀が減らされているのだって気づいていないだろう。もしかしたら「聖教会が姉さんの結婚相手を探してくれるかも」なんて考えているかもしれない。
それは、無理よ。
私は「人質」なのだから。
弟が世界中の《瘴気の霧》を晴らすまでの人質。弟が途中で「勇者」を辞めることがないように、聖教会が掌握している駒に過ぎないのだ。
「姉君様」と、声変わりしたばかりだという少年の声がした。格子の向こうから、世話係の少年が心配そうにこちらを見ている。三日ほど前から世話係に任命された可愛い子だ。
子どもには手出しできないだろうという上位聖職者たちの判断は間違っていない。世話係を子どもにしたのは正解だ。ふわふわの金髪に緑色の丸い瞳の可愛い子に見つめられたら、殴って気絶させたり、股間を蹴り上げたりする気力はなくなる。「心配してくれるの? ありがとう!」と抱きしめたくなるだけだ。格子に阻まれてそれすら難しいけれど。
「おはよう、リュカ」
「おはようございます。朝食と着替えをお持ちいたしました」
「ありがとう」
ベッドの上で伸びをして、格子についた小さな窓からリュカが朝食を差し入れてくれる様子を眺める。脱走未遂ばかり起こしている私を恐れているのか、リュカの手は少し震えている。トレイがカタカタと揺れ――。
「あぁっ」
スープがトレイの上でひっくり返ってしまう。トマトのスープが台無しだ。リュカは慌てた様子で手を引っ込める。
「すみません、すみません」
「いいのよ。それより、リュカに火傷はない?」
「は、はい、大丈夫です! すぐに代わりのものをお持ちいたします!」
リュカは階段を降りてい――ったのだけれど、今、戻ってきた。手には私の着替え。真っ赤になりながら、小窓を開けて置いてくれる。
「僕が戻ってくるまでに、着替えを、すませておいてください」
リュカが去ったあとで気づく。ベッドの上の私は、何も身につけていない状態だったのだと。
そりゃ、リュカが動揺するのも無理はない。年頃の女の裸など、少年にとっては目の毒だ。失敗した。昨日もその前もちゃんと服を着ていたから油断した。
可愛い子。
世話係の少年は私の癒やしだ。聖教会本部に住み、掃除や食事の支度、聖職者の仕事の手伝いなどを仕事としている未成人の子たち。孤児が大半で、稀に貴族の子息が預けられていると聞く。世話職と呼ばれる子たちが本部に何人いるのかわからない。前の子は里親が見つかって聖教会から出ていった。孤児のリュカも可愛い顔をしているから、すぐに里親が見つかるだろう。
私にはもう、彼らを愛でるくらいしか楽しみがないのだ。
左足を引きずりながら、冷たい床に置かれた衣服を拾う。赤色の衣服は、頭からかぶってしまえば私の体を膝まで隠してしまう。刺繍も飾りも最低限。お洒落なものではないけれど、ドレスよりは過ごしやすい気楽なものだ。
ゆっくりと歩きながら机に向かい、引き出しから布を取り出す。椅子に座り、赤い痣を隠すように腕に布を巻いていく。
昨夜は両手首を強く押さえつけられただけだったから良かった。それほどの痛みはない。年配の男性らしくすぐに果ててくれたし、何度も相手をしなくてよかったし、楽だった。
一月前の男なんて、最悪。どっかの地方の貴族とやら。噛み癖が酷くて、食いちぎられるかと思った。実際、出血しているところも何箇所かあって、軟膏まで手配してもらう羽目になったわけだし。
あぁ、最悪で言ったら、隣国のカルロス王子も負けてはいない。不摂生がたたったのか見事に肥えて腹がぽっこり出ており、ついでに頭髪も大層少なくなってしまった哀れな四十すぎの王子様。妻にも娼館の女たちにも相手にされなくなって、本部に救いを求めにやってきた。私の手を気に入ってくれたのはいいけれど、一晩中扱き上げなきゃいけなくて、本当に疲れた。私の左足のことを心配してくれたから、人柄はいいほうじゃないかな。外見は最悪だけどね。
内面が最悪なのは、彼しかいない。私の初めてを奪った男。何度目かの脱走で失敗したとき「逃げられなくすればいい」と左足のふくらはぎに短剣を突き立てられた。悲鳴を上げる私を見下ろして笑っていたのは――この国の王子だ。
隣国のカルロス王子のほうがよほどマシ。彼こそ最悪。ろくでもない男。王位継承権は三番目くらいらしいけど、彼が何かの間違いで国王になったら首を括って死んでやるわ。
「姉君様、お食事をお持ちいたしました」とリュカが再度朝食を運んできてくれる。長い階段を駆けてきたのか、肩で息をしている。何ともいじらしくて可愛い。
礼を言って下がらせると、小窓の近くに置いてあった椅子にトレイを乗せ、私は床に座って朝食を摂る。左足を引きずりながら机までトレイを運ぶと、スープなどの液体のものが零れてしまうからだ。はしたないけれど、仕方ない。誰も私の食事姿なんて見ないのだから。
「あの、姉君様」
トマトスープにパンを浸して食べているところを、ひょこりと顔を出したリュカに見られてしまった。椅子を机代わりにしているところも、ばっちり見られてしまった。やだ、恥ずかしいなぁ。
「床に座っていては寒くありませんか? 毛布をお持ちいたしましょうか?」
「え、あ、あぁ、気遣ってくれてありがとう。でも、慣れているから大丈夫よ。それより、どうしたの?」
「あぁ、僕、これをお渡しするのを忘れていたんです」
リュカが大事そうに抱えていたのは、私にとっては見慣れた小瓶。ただし、色は――赤色だ。
まさか、と思ったけれど、そういえば今日の衣服も赤だった。もちろん、偶然ではない。「赤」を好む高貴な人が来る、という意味だ。しかも、朝から。最悪だ。
「昨日は黄色の瓶でしたよね? この瓶の中身は何ですか?」
「リュカにはまだ早いわ。大人のための薬なの」
「そうですか……」
大人、という言葉にリュカはわかりやすくうなだれる。そんなにしょんぼりしなくても、と微笑ましく思う。
「そんなにいい薬じゃないの。大人になったら、ね」
「はい、わかりました」
聞き分けのいい素直な子は好きだわ。
格子の隙間から赤色の瓶を受け取り、リュカを見送る。朝食をすべて食べたあと、小瓶の中に入っていた液体を飲み干す。甘くて苦い後味。美味しくはない。けれど、飲まなければ、私の体がしんどくなるだけだ。
ベッドへ向かいながら、体がピリピリとし始める感覚にうんざりする。服と肌が擦れるだけの刺激なのに、体中が粟立つ。一歩歩むごとに、下腹部に得も言われぬ心地良さが押し寄せてくる。
ベッドに倒れ込んで、強く足を閉じる。いつもより強力な薬が入っていたのか、そうして耐えていないと、早くも達してしまいそうだ。
「待たせたな」
格子の扉を開け、美しい刺繍の施された赤色の服の男が入ってくる。警護の騎士を連れていないのはいつものことだ。塔の下で待たせているのか、本部のどこかで待たせているのかは知らない。騎士たちは自分の主人が聖教会内でどんなことをしているのか、知っているのだろうか。祈りを捧げるべき場所で、何を――。
「今日の薬は少し強かっただろう? 私も、もう限界だ。さぁ、夜まで楽しもうじゃないか」
服越しに触れられるだけで、腰が動く。男が服を脱ぎ捨てているのを見ているだけで、下腹部が疼く。いきり立ったそれに触れるだけで、もう、我慢ができない。
「……挿れてください、セドリック様」
この国の王子は、私を組み敷きながら、狂気に満ちた笑みを浮かべている。ほんと、ろくでもない世界だわ。
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