俺の番が最凶過ぎるっ

星宮歌

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第一章 神嫌いの最凶神

第七話 一難去って……

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 もはや、ここに三人の神の死体が転がるのも時間の問題。逃げ遅れた者達と、事の顛末を見守る者達が固唾を呑んで見守る中、しばらくガタガタブルブル震え続ける三馬鹿を見下ろしていた闘いの神は、突如として、その殺気を収めた。


「チッ……おいっ、受付! 報酬は、次回、取りに来る。それと……こいつらは、パシりとして連れていくよ」

「「「ひぃいっ!!」」」


 三馬鹿が情けない悲鳴をあげるも、誰一人として、彼らを助けようとはしない。そして……闘いの神は、その場を転移で去っていった……。


「転移魔法……」

「あ、あり得ねぇ……」


 この傭兵団本部には、転移防止結界が張られている。それは、六枚羽までなら、転移ができないような強度の代物なのだが……あの闘いの神は、どうやら、その結界をすり抜けて・・・・・出ていったらしい。


「ここかっ!!」


 何とも言えない空気が漂う、ボロボロの傭兵団本部。どうにか形を保っていたその正面扉は、とある神の荒々しい侵入によって、完全に大破する。


「っ、遅かった、か……」


 現れたのは、獣の神、シグルド。どうやら、先ほどの濃厚な殺気によって、その存在を感知して、慌ててここまでやってきたらしい。神速であれば、一瞬で辿り着けるこの場所に、今頃になって辿り着いた原因は、恐らく、デルロの部下が必死になって留めた結果であろう。
 そんなシグルドは、すぐにデルロの姿を見つけ、ズンズンとそちらへ歩いてくる。


「デルロ。どういうつもりだ? なぜ、俺に何も言わなかった?」


 さすがに、そこらじゅうに空いた扉以外にできた逃走経路で逃走するのを躊躇ったデルロは、すぐにシグルドに捕まる。


「……あなたが、そうなってしまうからですよ」


 デルロにできることはただ一つ。シグルドと直接話をすること。
 デルロの言葉に、ピクリと眉を動かすシグルドだったが、少しは冷静さを取り戻したらしく、ようやく、この場所が異常な破壊のされかたをしていることに気づいたようだ。周囲をさっと見渡して、再びデルロへ顔を向け、今度は、何があったのかを問いただしてくる。


「詳しく話すのは構いませんが、場所を変えましょう」


 シグルドが素直に了承するのを受け、デルロはシグルドとともに、このボロボロになった傭兵団本部を後にした。
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