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第一章 帰還と波乱
第十二話 イリアスと再会
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無効化君をムギュっと潰せば、対象として選んでいたテロリスト達の姿が明らかになる。やはり、彼らは赤が好きなのか赤いマントと仮面は同じだ。ただ……赤というのは目立つ色でもある。当然、姿が見えるようになって隠れる間もなくその姿は騎士達に見咎められる。
「っ、何者だ!」
「お前らもこの方々の関係者か!?」
「……失礼ですね。私達をあんなイロモノ集団と一緒にしないでください。あれは、不審者です」
なぜか戦々恐々と誰何した騎士達は、私達が無関係で相手が不審者だと知るや否や、職務を全うすべく戦闘態勢に入る。
「チッ、魔道具の故障か!? 撤退するぞ!!」
「「逃がすかーっ!!」」
駆け出す赤に、追う騎士達。ただ、やはり神界に慣れていると、どうしても動作が遅く感じてしまう。
「お母様、あれは、何をしているのですか?」
「あれは、不審者を捕まえようと、神界でいう警邏隊が追いかけてる図だよ」
「?? あれ、本気で走ってるのでしょうか? だとしたら、人間というのはとても軟弱な存在ですね」
「ルク、本気だから。そして、人間は私達と比べたら、当然弱い存在だから」
「あのくらいなら、僕でも捕まえられそうです」
「ラルフ? ラルフが誰かを捕まえるなんて、ユルサナイヨ?」
「ひぃっ!」
とってもスローモーションに見える不審者と騎士達の追いかけっこ。手を出したそうにするラルフへガッツリ釘を刺したフィオナの様子は、何だかとっても闇に染まっている気がして……そこからイリアスを思い出してしまう私は、早くイリアスに会いたくなる。
「イリアス……」
「あっ、不味いです! お母様がお父様のことを切なげに呼んでいますっ!」
「そうねっ。早く行かなきゃ、ここら一帯が焦土になっちゃうわっ!」
「わわわっ! い、行きましょう!!」
何事かを騒ぐフィオナ達に連れられて、私は、すぐにイリアスの元へと辿り着く。
「イリアスっ!」
「ユレイラっ!」
イリアスの姿を目にした瞬間、嬉しさが溢れ出して、頭の耳がピョコピョコと、お尻の尻尾がユラユラと揺れる。
「中々来ないから、心配した」
「ん、ごめんなさい。ちょっと、色々あって、すぐに来れなかったの」
自然に口づけるイリアスに応えて、イリアスをギュウギュウと抱き締める。
(あぁ、やっぱり、好き。イリアスが、大好き。愛してるっ)
「イ、イルト!?」
「あっ、ダメですよ? 今、邪魔しちゃあ」
「邪魔したら最後、生まれてきたことを後悔させるくらいのことは、二人ともしますからねぇ」
「あっ、見たくないなら、別の場所に連れていきましょうか?」
ゆっくりとイリアスとの再会を喜んでイチャイチャしていると、そういえば、この場にはスーリャ様も居たのだったと思い出し……それでも止まる気配のないイリアスに、私もそれらを思考の外に追いやってしっかり応える。
「あ、えぇ、お願い、するわ」
ラルフがスーリャ様を外に出そうとして、フィオナが昏い目でラルフを止めて、最終的にルクレチアがスーリャ様を外へ連れ出す間、私達の濃厚な抱擁とキスが止まることはなかった。
「っ、何者だ!」
「お前らもこの方々の関係者か!?」
「……失礼ですね。私達をあんなイロモノ集団と一緒にしないでください。あれは、不審者です」
なぜか戦々恐々と誰何した騎士達は、私達が無関係で相手が不審者だと知るや否や、職務を全うすべく戦闘態勢に入る。
「チッ、魔道具の故障か!? 撤退するぞ!!」
「「逃がすかーっ!!」」
駆け出す赤に、追う騎士達。ただ、やはり神界に慣れていると、どうしても動作が遅く感じてしまう。
「お母様、あれは、何をしているのですか?」
「あれは、不審者を捕まえようと、神界でいう警邏隊が追いかけてる図だよ」
「?? あれ、本気で走ってるのでしょうか? だとしたら、人間というのはとても軟弱な存在ですね」
「ルク、本気だから。そして、人間は私達と比べたら、当然弱い存在だから」
「あのくらいなら、僕でも捕まえられそうです」
「ラルフ? ラルフが誰かを捕まえるなんて、ユルサナイヨ?」
「ひぃっ!」
とってもスローモーションに見える不審者と騎士達の追いかけっこ。手を出したそうにするラルフへガッツリ釘を刺したフィオナの様子は、何だかとっても闇に染まっている気がして……そこからイリアスを思い出してしまう私は、早くイリアスに会いたくなる。
「イリアス……」
「あっ、不味いです! お母様がお父様のことを切なげに呼んでいますっ!」
「そうねっ。早く行かなきゃ、ここら一帯が焦土になっちゃうわっ!」
「わわわっ! い、行きましょう!!」
何事かを騒ぐフィオナ達に連れられて、私は、すぐにイリアスの元へと辿り着く。
「イリアスっ!」
「ユレイラっ!」
イリアスの姿を目にした瞬間、嬉しさが溢れ出して、頭の耳がピョコピョコと、お尻の尻尾がユラユラと揺れる。
「中々来ないから、心配した」
「ん、ごめんなさい。ちょっと、色々あって、すぐに来れなかったの」
自然に口づけるイリアスに応えて、イリアスをギュウギュウと抱き締める。
(あぁ、やっぱり、好き。イリアスが、大好き。愛してるっ)
「イ、イルト!?」
「あっ、ダメですよ? 今、邪魔しちゃあ」
「邪魔したら最後、生まれてきたことを後悔させるくらいのことは、二人ともしますからねぇ」
「あっ、見たくないなら、別の場所に連れていきましょうか?」
ゆっくりとイリアスとの再会を喜んでイチャイチャしていると、そういえば、この場にはスーリャ様も居たのだったと思い出し……それでも止まる気配のないイリアスに、私もそれらを思考の外に追いやってしっかり応える。
「あ、えぇ、お願い、するわ」
ラルフがスーリャ様を外に出そうとして、フィオナが昏い目でラルフを止めて、最終的にルクレチアがスーリャ様を外へ連れ出す間、私達の濃厚な抱擁とキスが止まることはなかった。
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