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第二章 異質な神界
第八十五話 赤い靄
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私が思い出したのは、ロードさんから聞いていた工業地区や商業地区、農業地区の存在。それらの場所は、寂れていたと報告にありましたが、寂れていても存在していた、ということが大きいのです。どこの神界も、不要となったものには消失の運命があります。具体的には、建物は、十年も使われなければ勝手に消失してしまうものです。しかし、不要になったはずの工業地区や商業地区、農業地区の建物が消えていたという報告は受けていません。そもそも、建物が消えていれば、そこがどのような場所であったのかも分からないままであるはずなのです。
「学校が……あった、のか……?」
案の定、レレアは私の言葉に頭を抱えて悩む素振りを見せます。
「レレア。あなたは、学校が以前から存在したと、そう、思わされているだけではありませんか?」
神界における常識の改変。そんな芸当を行える神は、上位世界の神でしかありえません。何が目的かは不明ですが、このまま、このおかしな常識の中に身を浸していれば、ここの神々のほとんどは死に絶えてしまいます。
「学校……学校、は……」
レレアが思い悩む様子を真剣に見つめていれば、そんなレレアにおかしな神力がまとわりつき始めます。赤い靄のような神力。それに、私やラルフだけでなく、レレア本人も気づきました。
「な、何ですか? これ……」
「……洗脳系の神力ですね」
「確かに」
「せ、洗脳!? うぐっ」
私やラルフの意見に、驚いた様子のレレアは、直後に苦悶の表情を浮かべます。
「ラルフ、やれますか?」
「うん、もちろん」
ラルフの力は、純真の力。不純なものを排除し、清浄なる流れを生み出すもの。
「あ、たま、が……」
「大丈夫、すぐに、楽にしてあげるね?」
頭を抱えて目を閉じるレレアに、ラルフは美しい微笑みを浮かべて、手を翳します。すると、レレアにまとわりついていた赤い靄は、ラルフを嫌うかのように、一斉に翳した手から逃れ、霧散していきました。
「う……え……? 痛く、ない、です……?」
赤い靄……洗脳の神力を散らしてしまえば、当然、レレアの苦しみも取り除かれます。
「レレア、私達が分かりますか?」
「え……? フィーちゃんと、ラルフ君……?」
しっかりと、私達のことは覚えているらしいレレア。それを確認して、私は、もう一度、質問します。
「レレア、学校のことについて、教えてくれますか?」
「……うん、分かりました」
そんな質問に、レレアは、戸惑うことなく、強い眼差しで私を見つめ、うなずいてくれました。
「学校が……あった、のか……?」
案の定、レレアは私の言葉に頭を抱えて悩む素振りを見せます。
「レレア。あなたは、学校が以前から存在したと、そう、思わされているだけではありませんか?」
神界における常識の改変。そんな芸当を行える神は、上位世界の神でしかありえません。何が目的かは不明ですが、このまま、このおかしな常識の中に身を浸していれば、ここの神々のほとんどは死に絶えてしまいます。
「学校……学校、は……」
レレアが思い悩む様子を真剣に見つめていれば、そんなレレアにおかしな神力がまとわりつき始めます。赤い靄のような神力。それに、私やラルフだけでなく、レレア本人も気づきました。
「な、何ですか? これ……」
「……洗脳系の神力ですね」
「確かに」
「せ、洗脳!? うぐっ」
私やラルフの意見に、驚いた様子のレレアは、直後に苦悶の表情を浮かべます。
「ラルフ、やれますか?」
「うん、もちろん」
ラルフの力は、純真の力。不純なものを排除し、清浄なる流れを生み出すもの。
「あ、たま、が……」
「大丈夫、すぐに、楽にしてあげるね?」
頭を抱えて目を閉じるレレアに、ラルフは美しい微笑みを浮かべて、手を翳します。すると、レレアにまとわりついていた赤い靄は、ラルフを嫌うかのように、一斉に翳した手から逃れ、霧散していきました。
「う……え……? 痛く、ない、です……?」
赤い靄……洗脳の神力を散らしてしまえば、当然、レレアの苦しみも取り除かれます。
「レレア、私達が分かりますか?」
「え……? フィーちゃんと、ラルフ君……?」
しっかりと、私達のことは覚えているらしいレレア。それを確認して、私は、もう一度、質問します。
「レレア、学校のことについて、教えてくれますか?」
「……うん、分かりました」
そんな質問に、レレアは、戸惑うことなく、強い眼差しで私を見つめ、うなずいてくれました。
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