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第二章 異質な神界
第八十四話 学校という異常
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「乙女ゲームの世界、ですか……。全く、実感はないですね」
レレアには、私達が異世界の神界から来たことも、この神界の創世神様が行方知れずなことも伏せて、この世界の異常のみを伝えてみました。
「でも、そもそも学校なんて場所で神が教育を受けるという現状自体が異常なんですよ」
「えっ……?」
私達が知りたいことは、レレアのこの世界への認識と、異常がいつから起こっていたのかということ。
「学校が異常って、学校に通うのは普通のこと……です、けど……」
そう言いながら、ウンウンと考え込むレレアは、どうやら、本気で学校という存在に異常を感じていないようです。そこまで認識を変えられているということに、薄ら寒いものを感じながら、思いついた質問を投げかけていくことにします。
「レレアは、いつから学校に通っているのです?」
「うーん、生まれた時からなので、九十三年、ですかね?」
「「…………」」
そこで判明するのは、レレアの知られざる実年齢。お母様達が九十五歳なので……その二つ下ということになります。
「えっと、レレア。学校の卒業って、そんなに難しいのですか?」
「卒業って、何です??」
「「…………」」
(もう、これは、色々と定義がおかしいというか、常識がおかしいというか、異常過ぎて常識が迷子になっている状態ですねっ)
ラルフともども、二度目の絶句をした私達は、質問内容を頭の中で修正します。
「……レレア。学校というものがどんなものなのか、その定義を教えてもらえますか?」
「? それは構わないですけど……。そうですねぇ。学校は、神が生まれてから死ぬまで過ごす場所で、全員が入学義務を負います。ただ、神のランクごとに入れる学校は決まっていますので、私達のような底辺の学校は誰でも入れてしまいますね」
生まれてから死ぬまで学校。そして、神のランクという存在。私達が外から見るだけでは分からなかった深刻な異常を、レレアは平然と突きつけてきます。
「学校以外に、神は居ないのですか?」
「そうですね。学校関係者という立ち位置の神なら、外に存在しますけど、普通に過ごしていたら関わることはありませんねぇ」
不思議そうにしながら、それでもちゃんと答えるレレア。あまりにも違い過ぎる感覚に、少し、目眩がしそうです。
「……本当に、九十三年も、ずっと、学校に居たの?」
「? そんなの、当たり前だと思いますけ、ど……?」
ふと、尋ねたラルフの言葉に、レレアは少しだけ何かが引っかかるとでも言いたげな様子で考え込みます。
「あっ……。レレア! よく思い出してください。本当に、あなたはずっと学校に居ましたか? 私達が来る前。いえ、それよりもずっと前、本当に、学校はありましたか?」
そう問えば、レレアは、大きく目を見開きました。
レレアには、私達が異世界の神界から来たことも、この神界の創世神様が行方知れずなことも伏せて、この世界の異常のみを伝えてみました。
「でも、そもそも学校なんて場所で神が教育を受けるという現状自体が異常なんですよ」
「えっ……?」
私達が知りたいことは、レレアのこの世界への認識と、異常がいつから起こっていたのかということ。
「学校が異常って、学校に通うのは普通のこと……です、けど……」
そう言いながら、ウンウンと考え込むレレアは、どうやら、本気で学校という存在に異常を感じていないようです。そこまで認識を変えられているということに、薄ら寒いものを感じながら、思いついた質問を投げかけていくことにします。
「レレアは、いつから学校に通っているのです?」
「うーん、生まれた時からなので、九十三年、ですかね?」
「「…………」」
そこで判明するのは、レレアの知られざる実年齢。お母様達が九十五歳なので……その二つ下ということになります。
「えっと、レレア。学校の卒業って、そんなに難しいのですか?」
「卒業って、何です??」
「「…………」」
(もう、これは、色々と定義がおかしいというか、常識がおかしいというか、異常過ぎて常識が迷子になっている状態ですねっ)
ラルフともども、二度目の絶句をした私達は、質問内容を頭の中で修正します。
「……レレア。学校というものがどんなものなのか、その定義を教えてもらえますか?」
「? それは構わないですけど……。そうですねぇ。学校は、神が生まれてから死ぬまで過ごす場所で、全員が入学義務を負います。ただ、神のランクごとに入れる学校は決まっていますので、私達のような底辺の学校は誰でも入れてしまいますね」
生まれてから死ぬまで学校。そして、神のランクという存在。私達が外から見るだけでは分からなかった深刻な異常を、レレアは平然と突きつけてきます。
「学校以外に、神は居ないのですか?」
「そうですね。学校関係者という立ち位置の神なら、外に存在しますけど、普通に過ごしていたら関わることはありませんねぇ」
不思議そうにしながら、それでもちゃんと答えるレレア。あまりにも違い過ぎる感覚に、少し、目眩がしそうです。
「……本当に、九十三年も、ずっと、学校に居たの?」
「? そんなの、当たり前だと思いますけ、ど……?」
ふと、尋ねたラルフの言葉に、レレアは少しだけ何かが引っかかるとでも言いたげな様子で考え込みます。
「あっ……。レレア! よく思い出してください。本当に、あなたはずっと学校に居ましたか? 私達が来る前。いえ、それよりもずっと前、本当に、学校はありましたか?」
そう問えば、レレアは、大きく目を見開きました。
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