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第二章 異質な神界
第百二十話 合流したのは……
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ラルフと合流して、その後、ロードさんとエイリーンさんにも合流したところ、ピンク頭は悲鳴をあげ、鳥の巣頭は白目を剥いて気絶してしまいました。
「あら? どうしたのでしょうか?」
「……フィオナちゃん、あなた、ワタシ達にしたこと忘れてるの?」
そう言われてみれば、私は、ロードさんとエイリーンさんに、暴漢に相応しい姿になってもらおうと、色々なことをしたのだったと思い出しました。
「そういえば、見る者に恐怖心を与える姿を、ということで、全身特殊メイクや様々な衣装変更を施しましたね」
ロードさんは、ギョロリとした生気のない目の血塗れのリザードマンっぽい見た目。ただし、その皮膚のところどころに、生々しい歯が浮き出ているという、わりとグロい姿。そして、エイリーンさんは色々と抵抗が強かったので、本来の女装姿をさらにグレードアップさせたものとして、どピンクのドレスに、ムッキムキの肉体を強調させる網タイツ、胸にはガッツリ詰め物をして、上腕二頭筋は剥き出しに、メイクはバッチリ気合を入れて変態性をこれでもかと強調しました。
「あと、感情操作の強化魔法も施したよね」
「そうでしたね、ラルフ」
その姿を見て、恐怖を感じれば、それが増幅するように、そして、悍ましさを感じれば、それもまた増幅するようにと、付け焼き刃ながらも魔法を施した記憶はあります。もしかしたら、一応、それらが功を奏したのかもしれません。
「暴漢として、とても素敵な姿になってくださったところ申し訳ありませんが、事情が変わってしまって、ちゃんとしたお披露目ができそうにありません」
「……いえ、別に、私達は、この姿をお披露目したかったわけではありませんからね?」
「そうですか? ですが、とても良い感じだと思っていたのですが……」
「まぁ、ワタシは新たな発見があったから良いけど、ロードのはただ怖いだけでしょう?」
「……やはり、まだ何かしらの要素を付け加えるべきでしたかね?」
せっかくここまで準備したのに、それがダメになってしまったのはとても残念です。ですが、今回ばかりは仕方がないので、諦めるとしましょう。
「……あとは、レレアと話さなければなりませんね」
今の状況を、レレアに伝えないわけにはいきません。ゲームの神や洗脳の神に関しては、とっくに捕まえて、今は全ての力を封じた上でレレアの玩具になってくれているはずですが、もしかしたら、そこからも情報が漏れているかもしれません。レレアがどう考えるのかは分かりませんが、できることなら、私達を見守ってもらえると助かるのですが……。
「……大丈夫だよ。レレアなら、きっと、フィーを嫌ったりしない」
「ラルフ……?」
「フィーにとって、レレアは初めての友達だから、きっと不安なんだと思うけど、大丈夫だよ」
そう言われて初めて、私は、レレアのことを本当に友達だと思っていたことに気づきました。そして、ラルフの方が鋭く、私の心の内を理解してくれていたことにも……。
「……私、不安そうに見えました?」
「うん、僕には、ね?」
やはり、ラルフは私の大切な人です。運命の人です。だから……。
「ラルフが言うのであれば、私は信じますっ」
ラルフが大丈夫というのならば大丈夫だと、私は一直線に信じることにしました。不安なんて、今は必要ありません。だから、私は、レレアと話す覚悟をしっかりと決められたのです。
「あら? どうしたのでしょうか?」
「……フィオナちゃん、あなた、ワタシ達にしたこと忘れてるの?」
そう言われてみれば、私は、ロードさんとエイリーンさんに、暴漢に相応しい姿になってもらおうと、色々なことをしたのだったと思い出しました。
「そういえば、見る者に恐怖心を与える姿を、ということで、全身特殊メイクや様々な衣装変更を施しましたね」
ロードさんは、ギョロリとした生気のない目の血塗れのリザードマンっぽい見た目。ただし、その皮膚のところどころに、生々しい歯が浮き出ているという、わりとグロい姿。そして、エイリーンさんは色々と抵抗が強かったので、本来の女装姿をさらにグレードアップさせたものとして、どピンクのドレスに、ムッキムキの肉体を強調させる網タイツ、胸にはガッツリ詰め物をして、上腕二頭筋は剥き出しに、メイクはバッチリ気合を入れて変態性をこれでもかと強調しました。
「あと、感情操作の強化魔法も施したよね」
「そうでしたね、ラルフ」
その姿を見て、恐怖を感じれば、それが増幅するように、そして、悍ましさを感じれば、それもまた増幅するようにと、付け焼き刃ながらも魔法を施した記憶はあります。もしかしたら、一応、それらが功を奏したのかもしれません。
「暴漢として、とても素敵な姿になってくださったところ申し訳ありませんが、事情が変わってしまって、ちゃんとしたお披露目ができそうにありません」
「……いえ、別に、私達は、この姿をお披露目したかったわけではありませんからね?」
「そうですか? ですが、とても良い感じだと思っていたのですが……」
「まぁ、ワタシは新たな発見があったから良いけど、ロードのはただ怖いだけでしょう?」
「……やはり、まだ何かしらの要素を付け加えるべきでしたかね?」
せっかくここまで準備したのに、それがダメになってしまったのはとても残念です。ですが、今回ばかりは仕方がないので、諦めるとしましょう。
「……あとは、レレアと話さなければなりませんね」
今の状況を、レレアに伝えないわけにはいきません。ゲームの神や洗脳の神に関しては、とっくに捕まえて、今は全ての力を封じた上でレレアの玩具になってくれているはずですが、もしかしたら、そこからも情報が漏れているかもしれません。レレアがどう考えるのかは分かりませんが、できることなら、私達を見守ってもらえると助かるのですが……。
「……大丈夫だよ。レレアなら、きっと、フィーを嫌ったりしない」
「ラルフ……?」
「フィーにとって、レレアは初めての友達だから、きっと不安なんだと思うけど、大丈夫だよ」
そう言われて初めて、私は、レレアのことを本当に友達だと思っていたことに気づきました。そして、ラルフの方が鋭く、私の心の内を理解してくれていたことにも……。
「……私、不安そうに見えました?」
「うん、僕には、ね?」
やはり、ラルフは私の大切な人です。運命の人です。だから……。
「ラルフが言うのであれば、私は信じますっ」
ラルフが大丈夫というのならば大丈夫だと、私は一直線に信じることにしました。不安なんて、今は必要ありません。だから、私は、レレアと話す覚悟をしっかりと決められたのです。
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