冒険の書 ~始の書~

星宮歌

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第二章 第二フロア

テンテキ

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 よく分からない事態に陥りつつも、俺は頼みの綱である冒険の書を読むことにする。


 ……考えてみれば、新しくなったリュックサックの記述もまだ読んでいない。今、確認するのも良いだろう。


『アイテム図鑑

貴重品編

8 リュックサック(中)

ちょっとだけ大きめのリュック

サッカーボール二個くらいなら入る……かもしれない

お、大きくなんて、なってあげないんだからねっ!


9 帯剣ベルト

もっと序盤に出せやっ!

って思わなかった?

決して、最初に出し忘れてたとかじゃないけど、とりあえず……テヘペロ♪

文字通り、帯剣できるベルトだよ!』


 ……この文章を見て、イラッとした俺は、けっして悪くないと思う。しかし、それと同時に強い危機感も抱く。

 ここでは、俺をこんな場所に追いやった奴らがルールだ。そして、その神経がイカれているとしか思えない奴の、ちょっとしたさじ加減で、俺は窮地に立たされる。もしも第一フロアで『帯剣ベルト』があれば、もっと楽に剣を運べて、楽な戦いもあっただろう。
 しかし、実際には、忘れていたという理由で俺には『帯剣ベルト』がなかった。そんな事実を考えると、これからのことに不安しか残らない。


「……早く、ここから出ないと」


 早くしなければ、きっと俺は殺される。そんな気がして、ギュッと冒険の書を強く握りしめる。この理不尽な世界で、俺は生きて、帰らなければならないのだ。


「後は……モンスター図鑑か」


 改めて、自身の立場を認識したところで、俺はまた、新たにページを捲る。今まで、この冒険の書を見てきて分かっているのは、モンスター図鑑の部分にはふざけた記述がないことだ。だから、モンスター図鑑を読むのにある種の覚悟は必要ない。それなりに気楽に読める記述だ。

 そのため、俺は何の心の準備もせず、そのページに目を通す。そして……俺はクックドラゴンについての記述で、その思考を停止させた。


『冒険の書

モンスター図鑑

4 バット

集団で行動するコウモリ型のモンスター

血を吸うために攻撃する

ドロップアイテム 薄い皮

レアドロップアイテム 赤い雫


5 ウルフ

狼型のモンスター

鋭い牙が脅威

ドロップアイテム ウルフの肉

レアドロップアイテム 白い牙


6 アンデット

人型のモンスター

腐った体からは常に悪臭が漂う

ドロップアイテム 腐った果実

レアドロップアイテム 腐った肉


7 スケルトンソルジャー

スケルトンの変異種

スケルトンが剣を持った姿

ドロップアイテム 乾パン(金平糖入り)

レアドロップアイテム 尖った骨


8 スケルトンタンク

スケルトンの変異種

スケルトンが盾を持った姿

ドロップアイテム 乾パン(岩塩入り)

レアドロップアイテム しょっぱい水


10 クックドラゴン

鶏型のモンスター

鳥頭で猪突猛進な性質を持つ

バットと男の急所が好物

ドロップアイテム 黒卵

レアドロップアイテム 金卵』


 バットからスケルトンタンクまでは問題ない。ごくごく普通の説明文だ。ただ、番号が一つ飛んで、クックドラゴンについて書かれた部分。そこに、何やらおかしな文言がある気がする。

 俺は一度目を擦って、再び冒険の書へと視線を落とす。


『バットと男の急所が好物』


 その文章は、一文字たりとも変わることなく、そこにある。ギュッと目を閉じてみたり、それこそ夢だったらいいなと思って頬をつねってもみたが……やはりある。


『バットと男の急所が好物』


 その文言に、俺は戦慄する。そして、その時、ふとアイテム図鑑に書かれていた意味不明な賛辞が頭に浮かんだ。

 たしか…黒卵について書かれた場所に『ふっ、これを手に入れたお前は漢の中の漢だっ!』とあったはずだ。あのときは、全く意味が分からなかったが、今は分かりたくなかったという思いが心を占める。


 つまりは……そう。クックドラゴンは、男の天敵だった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


世にも恐ろしいクックドラゴンの特性。

男性諸君っ、大いに怯えるがいいっ(笑)

えっ?

なんでこんな恐ろしいキャラクターを作ったのかって……?

ふむ、それは…………なんというか、魔がさしたんです。

あっ、毎回、称号やらアイテム紹介で魔がさしてるんじゃないかって指摘は受け付けません。

図星かもしれないので……。

それでは、また!
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