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第二章 三団子、旅をする
第三十六話 来客とヘル2
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「……もしや、あなた様は、ハプナ帝国縁の方ではありませんか?」
ご老人のその言葉に、ヘルはビクッと再び布団を被り、引きこもる。そして、それを見逃すロドフではなかった。
「……ロベルトさん、その話、詳しく聞くことはできますか?」
「うぅむ、そうじゃのぉ、ワシも、どこまで話して良いものか分からんし、そもそも思い違いかもしれんしのぉ」
ご老人の言葉に、ロドフは少しだけ黙り込んだ後、頷く。
「分かりました。ヘル君自身が、話しても良いと思うタイミングで話してもらいます」
「そうするのが一番じゃろう。ただ、ヘル君とは、少しだけ二人で話をしたほうが良いかもしれんのじゃが、少しの間、二人にしてもらえんかのぉ?」
そんなご老人の言葉に、ロドフは三団子へと視線を向ける。
「うん、大丈夫だよぉ」
「僕達が出た方が良いよね!」
「そうだね。終わったら声をかけてね」
「キャン!」
そうして、三団子達は一度席を外す。
そう、ここからは、ご老人とヘルの一対一の話し合い。何やらヘルのことを知っていそうなご老人が、ヘルにどんな話をするのか気になるところ……ではあるのだが、あくまでも主人公は三団子。三団子が居ない間のお話に関しては、もうしばらく時を置いてからとなる。
と、いうわけで、席を外した三団子達だったが、なぜかそこには三団子達の部屋へ引き返してきたらしい宿屋の主人が居た。
「ひぇっ!」
「「「こんにちはー」」」
「こんにちは。何かありましたか?」
「キュウン?」
突如として目の前に現れた三団子の姿に思わず悲鳴を上げた宿屋の主人だったが、ロドフの言葉で正気を取り戻す。
「あ、あぁ、その、商業ギルドからの遣いだという者が来て、ギルドに来て欲しいとの言伝を預かったんですが……」
そんな宿屋の主人の言葉に、三団子達は顔を見合わせる。十中八九、その用件は三団子のスキルに関するものであり、もっと言うのであれば、このマルマの町の食糧事情にメスを入れるという話しであろうことは想像に難くない。
「いつ頃なら伺っても大丈夫とか、そういったことは聞いていますか?」
ひとまず、ロドフがそう尋ねれば、宿屋の主人は困ったような表情になる。
「いやぁ、そこまでは言ってませんでしたね。何やら慌てているような、警戒しているような様子で、それだけを伝えてほしいとだけ……」
そう言いながら、チラリと三団子を見る宿屋の主人。当の三団子はのほほんと締まりの全くない顔をしているが、そんな宿屋の主人の様子で分かることもある。
きっと、三団子を呼びに来たギルド職員は、三団子と鉢合わせしたくなかったのだろう。とにかく手短に用件を伝えることで、さっさと撤退してしまいたかったのだろう。
そんな、ギルド職員としてはあるまじき対応にロドフは一瞬だけ顔をしかめたものの、それ以上何かを言うことはなかった。
「分かりました。ありがとうございます。ひとまず、こちらの用件が済み次第向かおうと思います」
「「「ありがとうございます!」」」
「はい、確かに伝えましたからね」
あからさまにホッとした表情をした宿屋の主人は、そのまま業務に戻っていった。
ご老人のその言葉に、ヘルはビクッと再び布団を被り、引きこもる。そして、それを見逃すロドフではなかった。
「……ロベルトさん、その話、詳しく聞くことはできますか?」
「うぅむ、そうじゃのぉ、ワシも、どこまで話して良いものか分からんし、そもそも思い違いかもしれんしのぉ」
ご老人の言葉に、ロドフは少しだけ黙り込んだ後、頷く。
「分かりました。ヘル君自身が、話しても良いと思うタイミングで話してもらいます」
「そうするのが一番じゃろう。ただ、ヘル君とは、少しだけ二人で話をしたほうが良いかもしれんのじゃが、少しの間、二人にしてもらえんかのぉ?」
そんなご老人の言葉に、ロドフは三団子へと視線を向ける。
「うん、大丈夫だよぉ」
「僕達が出た方が良いよね!」
「そうだね。終わったら声をかけてね」
「キャン!」
そうして、三団子達は一度席を外す。
そう、ここからは、ご老人とヘルの一対一の話し合い。何やらヘルのことを知っていそうなご老人が、ヘルにどんな話をするのか気になるところ……ではあるのだが、あくまでも主人公は三団子。三団子が居ない間のお話に関しては、もうしばらく時を置いてからとなる。
と、いうわけで、席を外した三団子達だったが、なぜかそこには三団子達の部屋へ引き返してきたらしい宿屋の主人が居た。
「ひぇっ!」
「「「こんにちはー」」」
「こんにちは。何かありましたか?」
「キュウン?」
突如として目の前に現れた三団子の姿に思わず悲鳴を上げた宿屋の主人だったが、ロドフの言葉で正気を取り戻す。
「あ、あぁ、その、商業ギルドからの遣いだという者が来て、ギルドに来て欲しいとの言伝を預かったんですが……」
そんな宿屋の主人の言葉に、三団子達は顔を見合わせる。十中八九、その用件は三団子のスキルに関するものであり、もっと言うのであれば、このマルマの町の食糧事情にメスを入れるという話しであろうことは想像に難くない。
「いつ頃なら伺っても大丈夫とか、そういったことは聞いていますか?」
ひとまず、ロドフがそう尋ねれば、宿屋の主人は困ったような表情になる。
「いやぁ、そこまでは言ってませんでしたね。何やら慌てているような、警戒しているような様子で、それだけを伝えてほしいとだけ……」
そう言いながら、チラリと三団子を見る宿屋の主人。当の三団子はのほほんと締まりの全くない顔をしているが、そんな宿屋の主人の様子で分かることもある。
きっと、三団子を呼びに来たギルド職員は、三団子と鉢合わせしたくなかったのだろう。とにかく手短に用件を伝えることで、さっさと撤退してしまいたかったのだろう。
そんな、ギルド職員としてはあるまじき対応にロドフは一瞬だけ顔をしかめたものの、それ以上何かを言うことはなかった。
「分かりました。ありがとうございます。ひとまず、こちらの用件が済み次第向かおうと思います」
「「「ありがとうございます!」」」
「はい、確かに伝えましたからね」
あからさまにホッとした表情をした宿屋の主人は、そのまま業務に戻っていった。
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