ポッチャリ三団子の逆襲 〜異世界で要らないと捨てられました〜

星宮歌

文字の大きさ
86 / 96
第二章 三団子、旅をする

第四十話 再び商業ギルドと三団子3

しおりを挟む
 なにはともあれ、聞かないことには何も分からない。
 三団子は大きく頷いて、『僕達は大丈夫』と告げる。そして、それを聞いてしまえば、ロドフとて同じように聞くという決断をするわけで、『俺も大丈夫です』と応えた。


「それじゃあ、そうだな……一気に結論から言ってしまおう。今回の干ばつや飢饉は、人為的に引き起こされたものの可能性が高い」

「…………はっ……?」


 三団子のついでくらいのつもりで聞いていたであろうロドフにとって、地雷のような言葉が投げかけられる。
 ロドフ自身、混乱しているのか一言発したきり固まっていたが、それでも徐々に内容を理解し始めたらしく、その表情が憤怒に染まる。


「それって……俺の、両親を、故郷を、奪った奴が居るってことですか?」


 ともすれば殺気すらも纏わせるロドフの様子に、スフィンは痛ましげにしながらも頷く。


「そう捉えてもらって構わない。そして、そいつらにとって、この種は都合の悪いものでもあるんだ」


 人為的に引き起こされた干ばつと飢饉。そして、それを解決するための種を都合の悪いものとして見る者達の存在。
 それは、三団子達の予想を遥かに超えた内容であったが、それでも三団子はグッと分厚い唇を噛み締めて何かを我慢するかのような表情になる。


「『そいつら』ってことは、当然、大きな団体ってことですよね? そして、その目的に関しても、何か掴んでいるんじゃないですか?」


 問いかけたのは、末っ子赤団子。いつもながらに鋭い発言ではあるものの、今回の場合、それが良いことなのか悪いことなのか……。察しが良すぎるのも、もしかしたら考えものなのかもしれない。


「……そうだ。相手がどういう集団なのかも、その目的に関しても、断片的な情報ばかりだが、それでも少しは分かっている状態だ。ただ……当然ながら、胸くそ悪い内容になる」


 そう言ったスフィンは、再度三団子達の覚悟を確認するようにその視線を三団子達へと向ける。しかし、誰一人として目を逸らすことなく、スフィンを見つめ返す。
 どんな内容だとしても、三団子達は知らなくてはならない情報なのだということを理解していたのか、はたまた、怒りからくる無謀なのか、その辺りは不明だが、それでも、スフィンは『覚悟十分』と判断したのだけは確かだった。


「相手は、この国の上層部。そして、目的は、まだ推測の段階ではあるが、全国民の奴隷化だ」


 それは、三団子達にとって、あまりにも大きな敵であるということを示す情報だった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました

白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。 そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。 王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。 しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。 突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。 スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。 王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。 そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。 Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。 スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが―― なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。 スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。 スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。 この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~

榊与一
ファンタジー
幼い頃の鑑定によって、覚醒とユニークスキルが約束された少年——王道光(おうどうひかる)。 彼はその日から探索者――シーカーを目指した。 そして遂に訪れた覚醒の日。 「ユニークスキル【幸運】?聞いた事のないスキルだな?どんな効果だ?」 スキル効果を確認すると、それは幸運ステータスの効果を強化する物だと判明する。 「幸運の強化って……」 幸運ステータスは、シーカーにとって最も微妙と呼ばれているステータスである。 そのため、進んで幸運にステータスポイントを割く者はいなかった。 そんな効果を強化したからと、王道光はあからさまにがっかりする。 だが彼は知らない。 ユニークスキル【幸運】の効果が想像以上である事を。 しかもスキルレベルを上げる事で、更に効果が追加されることを。 これはハズレと思われたユニークスキル【幸運】で、王道光がシーカー界の頂点へと駆け上がる物語。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

無属性魔法しか使えない少年冒険者!!

藤城満定
ファンタジー
「祝福の儀式」で授かった属性魔法は無属性魔法だった。無属性と書いてハズレや役立たずと読まれている属性魔法を極めて馬鹿にしてきた奴らの常識を覆して見返す「ざまあ」系ストーリー。  不定期投稿作品です。

魔法筆職人の俺が居なくなったら、お前ら魔法使えないけど良いんだよな?!

川井田ナツナ
ファンタジー
俺は慈悲深い人間だ。 だから、魔法の『ま』の字も理解していない住民たちに俺の作った魔法筆を使わせてあげていた。 だが、国の総意は『国家転覆罪で国外追放』だとよ。 馬鹿だとは思っていたが、俺の想像を絶する馬鹿だったとはな……。 俺が居なくなったら、お前ら魔法使えなくて生活困るだろうけど良いってことだよな??

処理中です...