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第二章 三団子、旅をする
第四十一話 再び商業ギルドと三団子4
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敵は、一つの国。しかも、三団子を召喚したあの女王様を筆頭としている可能性が高い。
「この国は、もう、終わりかもしれない」
「……クゥン」
全国民の奴隷化など、何の意味があるのかも三団子には分からない。そんな馬鹿げた目標のために、どれだけの人間が犠牲になったのかを思えば、残るのは憤りや悲しみなどの負の感情しかなかった。それに……。
「「「質兄さん……」」」
その強大な敵の下には、この三団子の兄が居るはずなのだ。それも、マッスルサークルの仲間と共に。
あの女王様の目的が奴隷を得ることなのであれば、彼らがまともな扱いを受けているとは考え難い。もしかしたら、今もまさに、ひもじい思いをしているかもしれないのだ。
「……国民が疲弊しきっているせいで、クーデターの兆候もない、ですよね?」
三団子が兄へと思いを馳せている間に、ロドフはそんな質問をする。
「あぁ、そうだ。そもそも、食べるものの確保がかなり困難なんだ。すぐ近くの人間が、自分の持つ食料を狙っているかもしれないと、疑心暗鬼になった末滅びた村だってある。そんな状態で、クーデターを起こすほどの元気がある者など、どこにも居ない」
そう、今まではそうだった。しかし、もしも、三団子のこの種が普及してしまえば、その状況は一変する。そして、その種を供給した三団子は、命を狙われることとなるだろう。
さすがに、三団子もその可能性に気づいて、沈黙する。
「私としては、この種がぜひとも欲しい。しかし、貴方方の安全を考えると、無理に要求することもできない。だから、選択を貴方方自身に委ねようと思う」
元々、この種の危険性は三団子自身も考えてはいた。しかし、それがここまで大きな危険を孕むとは予想できていなかったのだ。
三団子には、断る権利がある。そうすれば、三団子の命も、もしかしたら契約で縛られているスフィンの命も守れるかもしれないのだから。
「……スフィンさん、契約の変更というのは可能ですか?」
そうして、初めに口を開いたのは青団子。
「双方の同意がありさえすれば、契約内容の変更も可能だ」
「では、スフィンさんがたとえ情報の統制が上手くいかなかったとしても、その命を落とすことがないようにしてほしいです。きっと、そちらの方が、僕達にとっても身を守ることになると思うので」
「っ、待ってください! まさか、種を渡すつもりなんですか? 危険ですよ!?」
青団子の提案に、ロドフが慌てた様子で食らいつく。とはいえ、三団子にだって譲れないものはある。たとえ、三団子の姿がデップリポヨヨンだったとしても、ちょっと運動をするだけで悪臭を放つ物体だったとしても、魔物と間違えられて恐れられているとしても、三団子のその心だけは真っ直ぐなのだ。
「僕達には、兄さんが居るんだ」
「きっと、兄さんはあの場所で酷い扱いを受けてる」
「僕達は、家族は絶対に見捨てないよ」
城から追放された三団子は、それでもずっと、兄である質を忘れたことはなかった。恐らくは、あのかつての召喚された異世界人の願いを叶えようとしているのも、根底には兄への思いがあったのだろう。
三団子のあまりにも真っ直ぐな瞳に射抜かれて、ロドフは言葉を詰まらせる。しかし、すぐに諦めたようにため息を一つ落とすと、覚悟を決めた目で三団子を見つめ返す。
「それなら、一緒に話し合って、具体的な方法を決めましょう」
「キャン!」
子狼も同意するように返事をする中、三団子達は話し合いを始めるのだった。
「この国は、もう、終わりかもしれない」
「……クゥン」
全国民の奴隷化など、何の意味があるのかも三団子には分からない。そんな馬鹿げた目標のために、どれだけの人間が犠牲になったのかを思えば、残るのは憤りや悲しみなどの負の感情しかなかった。それに……。
「「「質兄さん……」」」
その強大な敵の下には、この三団子の兄が居るはずなのだ。それも、マッスルサークルの仲間と共に。
あの女王様の目的が奴隷を得ることなのであれば、彼らがまともな扱いを受けているとは考え難い。もしかしたら、今もまさに、ひもじい思いをしているかもしれないのだ。
「……国民が疲弊しきっているせいで、クーデターの兆候もない、ですよね?」
三団子が兄へと思いを馳せている間に、ロドフはそんな質問をする。
「あぁ、そうだ。そもそも、食べるものの確保がかなり困難なんだ。すぐ近くの人間が、自分の持つ食料を狙っているかもしれないと、疑心暗鬼になった末滅びた村だってある。そんな状態で、クーデターを起こすほどの元気がある者など、どこにも居ない」
そう、今まではそうだった。しかし、もしも、三団子のこの種が普及してしまえば、その状況は一変する。そして、その種を供給した三団子は、命を狙われることとなるだろう。
さすがに、三団子もその可能性に気づいて、沈黙する。
「私としては、この種がぜひとも欲しい。しかし、貴方方の安全を考えると、無理に要求することもできない。だから、選択を貴方方自身に委ねようと思う」
元々、この種の危険性は三団子自身も考えてはいた。しかし、それがここまで大きな危険を孕むとは予想できていなかったのだ。
三団子には、断る権利がある。そうすれば、三団子の命も、もしかしたら契約で縛られているスフィンの命も守れるかもしれないのだから。
「……スフィンさん、契約の変更というのは可能ですか?」
そうして、初めに口を開いたのは青団子。
「双方の同意がありさえすれば、契約内容の変更も可能だ」
「では、スフィンさんがたとえ情報の統制が上手くいかなかったとしても、その命を落とすことがないようにしてほしいです。きっと、そちらの方が、僕達にとっても身を守ることになると思うので」
「っ、待ってください! まさか、種を渡すつもりなんですか? 危険ですよ!?」
青団子の提案に、ロドフが慌てた様子で食らいつく。とはいえ、三団子にだって譲れないものはある。たとえ、三団子の姿がデップリポヨヨンだったとしても、ちょっと運動をするだけで悪臭を放つ物体だったとしても、魔物と間違えられて恐れられているとしても、三団子のその心だけは真っ直ぐなのだ。
「僕達には、兄さんが居るんだ」
「きっと、兄さんはあの場所で酷い扱いを受けてる」
「僕達は、家族は絶対に見捨てないよ」
城から追放された三団子は、それでもずっと、兄である質を忘れたことはなかった。恐らくは、あのかつての召喚された異世界人の願いを叶えようとしているのも、根底には兄への思いがあったのだろう。
三団子のあまりにも真っ直ぐな瞳に射抜かれて、ロドフは言葉を詰まらせる。しかし、すぐに諦めたようにため息を一つ落とすと、覚悟を決めた目で三団子を見つめ返す。
「それなら、一緒に話し合って、具体的な方法を決めましょう」
「キャン!」
子狼も同意するように返事をする中、三団子達は話し合いを始めるのだった。
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