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第一章 幼少期編
第五十二話 迫ります
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「……はっ?」
ポカーンと口を開けて固まっているるイルト王子。それを見て、私はハッと我に返る。
「ま、間違えましたっ」
そして、そう告げれば、イルト王子はどこかホッとしたような表情を浮かべたのだが、それにはお構い無しに私は続きを口にする。
「一緒に幸せな家庭を築いてくださいっ! 子供は何人ほしいですかっ?」
先程の言葉は、あまりにも直球過ぎた。奥ゆかしい日本人にあるまじき行いだ。そのため、ちょっと遠回しに告白してみたのだが……。
(あれ? あんまり変わってない?)
むしろ、先程よりも直球になってしまっただろうかと首をかしげる私を前に、イルト王子はカチンっと固まる。
「すごい、ゆーしゃがここにいる」
沈黙が支配する空気を最初に破ったのは、アルト王子だった。
(そういえば、居たね)
そこにイルト王子以外が居るということをものの見事に忘れていた私は、ようやくアルト王子の存在を思い出す。
「あ……ぅ、あ……」
「イルト様?」
だんだんと、その頬を赤く染め始めたイルト王子に、私は初めて、その名前を呼んでみる。
(ふわわわわっ、可愛いっ! どうしよう。胸がキュンキュンするっ! ……ん? あれ? 私の元の年齢からすると、もしかして、犯罪……?)
もしや、私はショタコンというものに目覚めてしまったのだろうかと一瞬考えるものの、それを言えば、アルト王子だって可愛い男の子だ。と、いうより、今回のパーティーには、私と同じ年頃の男女が多く集まっているのだから、そこで興奮してもおかしくはない。にもかかわらず、私はイルト王子にしか反応しなかった。つまりは……。
(うん、イルト王子限定。つまりは、私はイルト王子に一目惚れしたのは間違いないっ)
幸い、アルト王子もイルト王子も五歳で、私達は同じ年であるということも分かっている。しかも、私の身分は公爵令嬢。つまりは、私達の結婚に障害などないに等しいのだ。
「か、からかっているのか?」
「みゅ? そんなことありません。私は至って本気ですっ!」
ついつい口癖が出てしまったが、イルト王子には偽るつもりもない。
「か、かわ……いやいやいや、だまされないっ。ぼくはだまされないからなっ」
「みゅうぅ……私に魅力はありませんか?」
もしかしたら、やっぱり黒の獣つきというのがネックなのだろうかと思って尋ねると、イルト王子は顔を赤くしたまましどろもどろになる。
「い、いや、その……ぼくにはまだはやすぎるというか……」
「っ、ならば、婚約しましょうっ! 大人になれば結婚してくださいっ」
またしても直球な言葉を放ってしまったが、もう、今はイルト王子しか見えていない。それを見ていたアルト王子がパチパチと拍手しているのもどうでも良い。
「い、いや、その……でも、ぼくはくろで……」
「私は黒の獣つきですよ?」
「その、ちちからきらわれていて……」
「大丈夫です。その分、私がいっぱい愛情をあげますっ」
「そ、そもそも、きみがだれなのかもしらないしっ」
顔を真っ赤にしながら、叫ぶように告げたイルト王子。その様子に、私はようやく、先走り過ぎたと理解する。
「失礼しました。私は、アルテナ公爵家の一人娘。ユミリア・リ・アルテナと申します。以後、末長くよろしくお願いしますねっ!」
そう告げれば、イルト王子はカチンっと再び固まるのだった。
ポカーンと口を開けて固まっているるイルト王子。それを見て、私はハッと我に返る。
「ま、間違えましたっ」
そして、そう告げれば、イルト王子はどこかホッとしたような表情を浮かべたのだが、それにはお構い無しに私は続きを口にする。
「一緒に幸せな家庭を築いてくださいっ! 子供は何人ほしいですかっ?」
先程の言葉は、あまりにも直球過ぎた。奥ゆかしい日本人にあるまじき行いだ。そのため、ちょっと遠回しに告白してみたのだが……。
(あれ? あんまり変わってない?)
むしろ、先程よりも直球になってしまっただろうかと首をかしげる私を前に、イルト王子はカチンっと固まる。
「すごい、ゆーしゃがここにいる」
沈黙が支配する空気を最初に破ったのは、アルト王子だった。
(そういえば、居たね)
そこにイルト王子以外が居るということをものの見事に忘れていた私は、ようやくアルト王子の存在を思い出す。
「あ……ぅ、あ……」
「イルト様?」
だんだんと、その頬を赤く染め始めたイルト王子に、私は初めて、その名前を呼んでみる。
(ふわわわわっ、可愛いっ! どうしよう。胸がキュンキュンするっ! ……ん? あれ? 私の元の年齢からすると、もしかして、犯罪……?)
もしや、私はショタコンというものに目覚めてしまったのだろうかと一瞬考えるものの、それを言えば、アルト王子だって可愛い男の子だ。と、いうより、今回のパーティーには、私と同じ年頃の男女が多く集まっているのだから、そこで興奮してもおかしくはない。にもかかわらず、私はイルト王子にしか反応しなかった。つまりは……。
(うん、イルト王子限定。つまりは、私はイルト王子に一目惚れしたのは間違いないっ)
幸い、アルト王子もイルト王子も五歳で、私達は同じ年であるということも分かっている。しかも、私の身分は公爵令嬢。つまりは、私達の結婚に障害などないに等しいのだ。
「か、からかっているのか?」
「みゅ? そんなことありません。私は至って本気ですっ!」
ついつい口癖が出てしまったが、イルト王子には偽るつもりもない。
「か、かわ……いやいやいや、だまされないっ。ぼくはだまされないからなっ」
「みゅうぅ……私に魅力はありませんか?」
もしかしたら、やっぱり黒の獣つきというのがネックなのだろうかと思って尋ねると、イルト王子は顔を赤くしたまましどろもどろになる。
「い、いや、その……ぼくにはまだはやすぎるというか……」
「っ、ならば、婚約しましょうっ! 大人になれば結婚してくださいっ」
またしても直球な言葉を放ってしまったが、もう、今はイルト王子しか見えていない。それを見ていたアルト王子がパチパチと拍手しているのもどうでも良い。
「い、いや、その……でも、ぼくはくろで……」
「私は黒の獣つきですよ?」
「その、ちちからきらわれていて……」
「大丈夫です。その分、私がいっぱい愛情をあげますっ」
「そ、そもそも、きみがだれなのかもしらないしっ」
顔を真っ赤にしながら、叫ぶように告げたイルト王子。その様子に、私はようやく、先走り過ぎたと理解する。
「失礼しました。私は、アルテナ公爵家の一人娘。ユミリア・リ・アルテナと申します。以後、末長くよろしくお願いしますねっ!」
そう告げれば、イルト王子はカチンっと再び固まるのだった。
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