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第一章 幼少期編
第百三十六話 予期せぬ来客
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(そういえば、あの側妃様の言葉は、どういう意味だったんだろう?)
イルト王子の様子が気になりながらも迎えた朝。今日は、午前中にアネッサ夫人によるマナーレッスンが入っているほか、午後にはレイア嬢達とのお茶会の予定が入っている。
ドレスに着替えさせてもらいながら、ぼんやりと考えるのは、恐らく、イルト王子には聞こえなかったであろう側妃様の言葉。
『そう、本当に、守るつもりがあるのかしら?』
私が、イルト王子に何かあればイルト王子を優先して守るという内容を告げた後、呟かれた言葉。その言葉の真意までは、さすがに分からない。
「本日も、可愛くできましたよ」
「みゅっ、ありがとう。メリー」
「いえいえ、では、まずは朝食の席へ向かいましょう」
メリーの優しい青い瞳に促されて、私はすぐに歩き出したのだが……ほどなくして、それに気づいて立ち止まる。
「……メリー」
「? ユミリアお嬢様?」
先導していたメリーに声をかければ、立ち止まっている私を不思議そうに眺める。
「お客様が、来たみたい」
「この時間に、来客の予定はございませんが……」
普通、貴族の屋敷へ訪問する際は、前もって連絡をしておくのがマナーだ。だから、メリーは眉を潜めつつ、すぐ近くの窓を覗き込み、外を見て……顔色を変える。
「ユミリアお嬢様。すぐに、旦那様の元へ参りましょう。あれは、王家の馬車です」
「みゅっ!?」
誰かの訪問があったことだけは、私の耳で聞き取れた。しかし、誰が訪ねて来たのかまでは分からなかったため、そんなメリーの言葉に、イルト王子に何かあったのではないかと不安が募る。
「走るのは禁止です。さぁ、急ぎ足でいきますよ?」
「っ、みゅっ」
咄嗟に走り出そうとした私へ、メリーは釘を刺して、歩いての移動を言い含めてくる。ただし……元S級冒険者と、それに対抗できる力を持つ私達の移動速度が普通であるはずはない。
はしたないとまでは思えない所作。にもかかわらず、平均的な大人の男性が全力疾走するのと変わらない速度を出して、私達はお父様が居るはずの食卓へと辿り着く。
「お父様!」
扉を開けて、お父様の姿を確認すれば、お父様は、ムトに指示を出しているところだった。
「ユミリア。私は、ひとまず登城してくる。ユミリア自身も呼ばれる可能性があるから、すまないが、今日のアネッサ夫人へレッスンの中止を連絡しておく。お茶会に関しては、ユミリアが中止の報せを行いなさい」
「はい、お父様」
何があったのかは言わないものの、何らかの緊急事態なのだということだけは理解できた。
(イルト様の護衛をしているセイ達が、把握してない……わけはないよね?)
慌ただしく出ていくお父様を見送れば、お継母様が朝食を食べようと誘ってくれる。
(考えるのは後。今は、やるべきことをやらないと)
セイ達から情報を聞き出すのは、その後でも構わないだろう。
朝食を食べて、レイア嬢達へお茶会に行けない旨をしたためた手紙をメイドの一人に持たせて送り出す。そうして、さぁ、情報を確認しようとしたところだった。
(? また、来客?)
メリーに確認してもらえば、そこには再び、王家の馬車が到着していた。
イルト王子の様子が気になりながらも迎えた朝。今日は、午前中にアネッサ夫人によるマナーレッスンが入っているほか、午後にはレイア嬢達とのお茶会の予定が入っている。
ドレスに着替えさせてもらいながら、ぼんやりと考えるのは、恐らく、イルト王子には聞こえなかったであろう側妃様の言葉。
『そう、本当に、守るつもりがあるのかしら?』
私が、イルト王子に何かあればイルト王子を優先して守るという内容を告げた後、呟かれた言葉。その言葉の真意までは、さすがに分からない。
「本日も、可愛くできましたよ」
「みゅっ、ありがとう。メリー」
「いえいえ、では、まずは朝食の席へ向かいましょう」
メリーの優しい青い瞳に促されて、私はすぐに歩き出したのだが……ほどなくして、それに気づいて立ち止まる。
「……メリー」
「? ユミリアお嬢様?」
先導していたメリーに声をかければ、立ち止まっている私を不思議そうに眺める。
「お客様が、来たみたい」
「この時間に、来客の予定はございませんが……」
普通、貴族の屋敷へ訪問する際は、前もって連絡をしておくのがマナーだ。だから、メリーは眉を潜めつつ、すぐ近くの窓を覗き込み、外を見て……顔色を変える。
「ユミリアお嬢様。すぐに、旦那様の元へ参りましょう。あれは、王家の馬車です」
「みゅっ!?」
誰かの訪問があったことだけは、私の耳で聞き取れた。しかし、誰が訪ねて来たのかまでは分からなかったため、そんなメリーの言葉に、イルト王子に何かあったのではないかと不安が募る。
「走るのは禁止です。さぁ、急ぎ足でいきますよ?」
「っ、みゅっ」
咄嗟に走り出そうとした私へ、メリーは釘を刺して、歩いての移動を言い含めてくる。ただし……元S級冒険者と、それに対抗できる力を持つ私達の移動速度が普通であるはずはない。
はしたないとまでは思えない所作。にもかかわらず、平均的な大人の男性が全力疾走するのと変わらない速度を出して、私達はお父様が居るはずの食卓へと辿り着く。
「お父様!」
扉を開けて、お父様の姿を確認すれば、お父様は、ムトに指示を出しているところだった。
「ユミリア。私は、ひとまず登城してくる。ユミリア自身も呼ばれる可能性があるから、すまないが、今日のアネッサ夫人へレッスンの中止を連絡しておく。お茶会に関しては、ユミリアが中止の報せを行いなさい」
「はい、お父様」
何があったのかは言わないものの、何らかの緊急事態なのだということだけは理解できた。
(イルト様の護衛をしているセイ達が、把握してない……わけはないよね?)
慌ただしく出ていくお父様を見送れば、お継母様が朝食を食べようと誘ってくれる。
(考えるのは後。今は、やるべきことをやらないと)
セイ達から情報を聞き出すのは、その後でも構わないだろう。
朝食を食べて、レイア嬢達へお茶会に行けない旨をしたためた手紙をメイドの一人に持たせて送り出す。そうして、さぁ、情報を確認しようとしたところだった。
(? また、来客?)
メリーに確認してもらえば、そこには再び、王家の馬車が到着していた。
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