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第二章 少女期 瘴気編
第二百二十四話 ポカポカ幸せ
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「メイドが呼びに来るから、どうしたのかと思ったけど……いつも通りで安心したよ」
にっこりにこにこ、純粋な笑顔を浮かべるアルト様を前に、私もイルト様もいたたまれない気持ちで目を逸らす。お互いに真っ赤になって固まるしかなかったあの状況に変化を加えてくれたのはありがたいが、それをこうも純粋な目で語られると、変な気恥ずかしさが生まれる。
「そ、それよりも、準備が整ったとのことでしたが、何の準備ですか?」
アルト様は、私達の間に割って入ることができずに困っていたメイドから、『準備が整った』という内容の伝言を受け取り、伝えてきたのだが、私にはその内容が全く分からない。
「あれ? イルトはまだ話してなかったの?」
「いや、その、まずは休むことが先決だし……着いてから、説明したいなと」
(……そ、そういえば、私、イルト様と一緒にお休みすることになってたんじゃあ……)
今さらながらに、その事実を思い出した私は、またしても赤くなりそうなのを必死に抑えようとする。
「とりあえずは……おいで、ユミリア」
「っ、はいっ!」
いつの間にか、イルト様の私室の前に辿り着いていた私は、イルト様が両腕を広げているのを見て、先ほどの悩みはどこかへ吹き飛ばして、その胸に飛び込む。
(ふわぁっ、イルト様だっ。イルト様の匂いだぁっ)
大好きな人に抱き締められる幸せに、私の顔はきっとだらしのないことになっているだろう。
そうして、幸せにフワフワとした思考でイルト様の胸にスリスリしていると……パタン、という音がする。
(ん? ……なぁんだ。扉が閉まった音かぁ……)
「ユミリアが可愛い。いや、でも、これは危機感がなさすぎるんじゃあ……」
「みゅっ、イルト様の側なら安全なんです!」
私にだって、危機感くらいは存在する。しかし、それはこんなに幸せな空間に存在するはずもないのだ。
「…………ユミリアの信頼が痛い」
「みゅ?」
どういう意味だろうと思えば、そのまま頭を優しく撫でてもらえる。
(ふわぁ、私、今、すっごく幸せっ)
優しく優しく撫でられて、イルト様の香りに包まれて、暖かい布団にくるまれて、幸せ過ぎて怖いくらいの気持ちになる。
「おやすみ、ユミリア。よく頑張ったね」
ポカポカで、幸せで、とても安心できる場所。私の、一番大切な人の腕の中。
優しい声が遠く聞こえる中、私は、微睡みに身を任せ、久々に熟睡するのだった。
にっこりにこにこ、純粋な笑顔を浮かべるアルト様を前に、私もイルト様もいたたまれない気持ちで目を逸らす。お互いに真っ赤になって固まるしかなかったあの状況に変化を加えてくれたのはありがたいが、それをこうも純粋な目で語られると、変な気恥ずかしさが生まれる。
「そ、それよりも、準備が整ったとのことでしたが、何の準備ですか?」
アルト様は、私達の間に割って入ることができずに困っていたメイドから、『準備が整った』という内容の伝言を受け取り、伝えてきたのだが、私にはその内容が全く分からない。
「あれ? イルトはまだ話してなかったの?」
「いや、その、まずは休むことが先決だし……着いてから、説明したいなと」
(……そ、そういえば、私、イルト様と一緒にお休みすることになってたんじゃあ……)
今さらながらに、その事実を思い出した私は、またしても赤くなりそうなのを必死に抑えようとする。
「とりあえずは……おいで、ユミリア」
「っ、はいっ!」
いつの間にか、イルト様の私室の前に辿り着いていた私は、イルト様が両腕を広げているのを見て、先ほどの悩みはどこかへ吹き飛ばして、その胸に飛び込む。
(ふわぁっ、イルト様だっ。イルト様の匂いだぁっ)
大好きな人に抱き締められる幸せに、私の顔はきっとだらしのないことになっているだろう。
そうして、幸せにフワフワとした思考でイルト様の胸にスリスリしていると……パタン、という音がする。
(ん? ……なぁんだ。扉が閉まった音かぁ……)
「ユミリアが可愛い。いや、でも、これは危機感がなさすぎるんじゃあ……」
「みゅっ、イルト様の側なら安全なんです!」
私にだって、危機感くらいは存在する。しかし、それはこんなに幸せな空間に存在するはずもないのだ。
「…………ユミリアの信頼が痛い」
「みゅ?」
どういう意味だろうと思えば、そのまま頭を優しく撫でてもらえる。
(ふわぁ、私、今、すっごく幸せっ)
優しく優しく撫でられて、イルト様の香りに包まれて、暖かい布団にくるまれて、幸せ過ぎて怖いくらいの気持ちになる。
「おやすみ、ユミリア。よく頑張ったね」
ポカポカで、幸せで、とても安心できる場所。私の、一番大切な人の腕の中。
優しい声が遠く聞こえる中、私は、微睡みに身を任せ、久々に熟睡するのだった。
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