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第三章 少女期 女神編
第三百五十八話 弟分
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ネシスは、暗殺に特化した闇の神だ。本来、彼らのような神は光を嫌い、表舞台に立つことはない。だから……光に憧れたネシスは、闇の神の中では異端だった。
同じ闇の神が止める中、ネシスは光の世界へと飛び出した。つまりは、闇の神達の領域から、他の神の領域へと入り込んだのだ。ただ、ネシスは闇の神が、他の神から嫌われているなどということを知らなくて、勇気を出して話しかけても、素っ気ない態度を返され続け……この領域の神達は、そういう態度が普通なのだと思ってしまった。本当はたくさん話したくとも、そうする風潮はないのだと学び、懸命に合わせようとしてきた。
「あなた、闇の神? 珍しいわねっ。この領域には来たばかり? 案内しようか?」
そんな中、私は、一人で寂しそうにするネシスへと声をかけた。それから……時を重ねて、大切な友となったのだ。
「ネシス……私は、あなたに大変なことを……」
「ち、がう……ぼく……壊れかけて、いた……ユレイラ様のおかげで……戻ったっ」
天誅を何度も下して、漂白して、デッキブラシで擦りあげて、洗い流した記憶がガッツリと残っている私からすれば、謝るのは当然のことだったのだが、言われてみれば、あの時のネシスは、何もかもがおかしかった。本来のネシスは、あそこまで饒舌ではないし、戦闘を好むタチでもない。『壊れかけていた』というのは、きっと、本当のことだったのだろう。
「何があったかは知らないけど、ネシスが、あの本をユミリアに渡してくれたの?」
「……今、ユミリア、様? 本……役立った?」
「うん、今は、私がユミリア・リ・アルテナで、イリアスは、イルト・ラ・リーリスだよ。本は、とっても役立った。ありがとうね」
「よかった! ぼく……ちゃんと、役目、果たせたっ」
嬉しい、嬉しいという感情を、ささやかながらも前面に押し出すネシス。その様子は、普段なら微笑ましいものの、今は、どこか不安を覚える。
「ネシス、体は、何ともない? 私、その……」
「大丈夫、です。……僕、今、幸せっ。ユレイラ様、イリアス様、もう一度、会えたっ」
今にも消えてしまいそうな弱さを見たような気がしたものの、どうやら、本人はいたって元気なようで、神であった頃から可愛い弟分だった彼は、とてもご機嫌だ。
「……ネシス。僕達は、事情があって、神界へ乗り込まないといけない。そのために、ネシスの力を借りたいんだけど……」
「神界へ? ……今、やめた方が、良い……と思う」
いよいよ、イルト様が本題を話せば、なぜか、ネシスは暗い表情になる。
「何が、あった?」
ネシスがそんな表情をするだけの理由。それを求めて、私は、ネシスの言葉に耳を傾けた。
同じ闇の神が止める中、ネシスは光の世界へと飛び出した。つまりは、闇の神達の領域から、他の神の領域へと入り込んだのだ。ただ、ネシスは闇の神が、他の神から嫌われているなどということを知らなくて、勇気を出して話しかけても、素っ気ない態度を返され続け……この領域の神達は、そういう態度が普通なのだと思ってしまった。本当はたくさん話したくとも、そうする風潮はないのだと学び、懸命に合わせようとしてきた。
「あなた、闇の神? 珍しいわねっ。この領域には来たばかり? 案内しようか?」
そんな中、私は、一人で寂しそうにするネシスへと声をかけた。それから……時を重ねて、大切な友となったのだ。
「ネシス……私は、あなたに大変なことを……」
「ち、がう……ぼく……壊れかけて、いた……ユレイラ様のおかげで……戻ったっ」
天誅を何度も下して、漂白して、デッキブラシで擦りあげて、洗い流した記憶がガッツリと残っている私からすれば、謝るのは当然のことだったのだが、言われてみれば、あの時のネシスは、何もかもがおかしかった。本来のネシスは、あそこまで饒舌ではないし、戦闘を好むタチでもない。『壊れかけていた』というのは、きっと、本当のことだったのだろう。
「何があったかは知らないけど、ネシスが、あの本をユミリアに渡してくれたの?」
「……今、ユミリア、様? 本……役立った?」
「うん、今は、私がユミリア・リ・アルテナで、イリアスは、イルト・ラ・リーリスだよ。本は、とっても役立った。ありがとうね」
「よかった! ぼく……ちゃんと、役目、果たせたっ」
嬉しい、嬉しいという感情を、ささやかながらも前面に押し出すネシス。その様子は、普段なら微笑ましいものの、今は、どこか不安を覚える。
「ネシス、体は、何ともない? 私、その……」
「大丈夫、です。……僕、今、幸せっ。ユレイラ様、イリアス様、もう一度、会えたっ」
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「……ネシス。僕達は、事情があって、神界へ乗り込まないといけない。そのために、ネシスの力を借りたいんだけど……」
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いよいよ、イルト様が本題を話せば、なぜか、ネシスは暗い表情になる。
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