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第四章 隠し事
第五十二話 外出
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(やり過ぎた……)
そう思ったのは、普段無表情なノーラとリュシリーがうちひしがれたような空気を醸し出していたからであって……さすがに、申し訳なくなる。
(つ、次は、条件とかつけずに、純粋に楽しめば良いよな?)
どこかで、『テメェしか勝たねぇのに、楽しめるわけねぇだろうがっ!』と、オネェな親友が男に戻って叫ぶ声が聞こえた気がするが、とりあえず無視だ。
そんな、若干後悔の残る勝負ではあったものの、収穫はあった。
(同性同士って、この世界では普通なのかー)
ノーラとレナが特別かと思えば、他にも男同士、女同士で片翼というのはあるらしい。大体、全体の三分の一くらいが同性同士だというのだから、珍しさなど欠片もないようだ。
(……もしかして、ライナード、俺が男だと知っても、そのまま想ってくれるんじゃ……)
そんな予想に、俺は頭を抱えたくなる。何と言われようとも、俺はノーマルなのだ。ライナードとどうこうなることは想像できない。そう、想像、できない、はずだ。
(ないないないないっ!)
チラリと思い浮かぶライナードの裸体。それを思うと、なぜか顔に熱が集中する。
(俺はノーマル、俺はノーマル、俺はノーマル……)
急に頭をブンブンと振る俺に、訝しげな視線を寄越してくるリュシリーには、とりあえず、愛想笑いだけ浮かべておく。
(うん、今は、このことは考えないでおこう)
様々な質問を通して分かったことは、何もそれだけではない。その中で、一際予想外だったのが……。
(俺、何でか知らないけど、かなり慕われてるよな?)
俺に仕えるのは迷惑じゃないかと聞けば否定されるし、その後も詳しく俺に仕えていることにどう思っているのかを聞けば、次々に俺に対するのろけとも思える話が出てきて……何だか、こちらが恥ずかしかった。
(微笑む姿が天使のようって……誰のこと!?)
もう、その時のことは、思い出すだけでも疲労が溜まりそうだ。
(……まぁ、それも良いとして……とりあえず、これからの時間の潰し方を考えないとなぁ)
まさか、一日中トランプで遊ぶわけにはいかない。さすがにそれは飽きる。
「時間を潰す方法……」
とりあえず、俺は一人で真剣に考えてみる。日本では、パソコンもスマホもあって、娯楽には困らなかったものの、ここでは違う。
「うーん……」
無表情ながらも、何だか口出ししたそうな様子のリュシリーに、俺は話を振ってみる。
「リュシリーは、どんな暇潰しが良いと思う?」
「では、刺繍などはどうでしょうか」
「いや、えっと、私、不器用で……」
「では、お料理は?」
「……食べる専門、かなぁ?」
「ならば、軽食店を巡ってみるのはいかがでしょうか?」
「それだっ!」
リュシリーは、あくまでも俺を女の子として見ているため、最初は女の子が好むことの多いものを提案していたものの、俺が食べることが好きだという言葉に、外出を進めてくれる。
「では、ライナード様の許可が取れ次第、準備をいたしましょう」
そう言うと、リュシリーは伝音魔法を使って、ライナードとやり取りをし、あっさりと許可をもぎ取ってくる。
「さぁ、では、外はお寒いですので、しっかり着込みましょう」
「あぁ」
今日は外を見ていなかったものの、どうやら、雪が降っているらしい。
(部屋は、何でか暖かいから、全然分からなかったな)
後から聞けば、部屋には火属性の魔法で作った魔石が各箇所に設置されており、それが暖房の役割を果たしているとのことだった。
(そういえば、ここに来て、初めての外出だよな?)
暖かいニットのワンピースに、レギンス、丈の長いコートとマフラーと手袋と耳当てなんていう完全防寒スタイルになった俺は、ちょっとヒールのあるブーツをコツコツいわせながら歩く。
「馬車を用意いたしましたので、屋台村に行ってみましょう」
「屋台村?」
「はい、年中、屋台を展開している区画のことです。きっと、カイトお嬢様が気に入るものもあるかと」
「うん、なら、お願い」
恐らく、それは日本での中華街とか、お好み村とか、そんなような場所のことを指すのだろう。
俺は、とりあえず、この外出を楽しみにして、いそいそと馬車に乗り込むのだった。
そう思ったのは、普段無表情なノーラとリュシリーがうちひしがれたような空気を醸し出していたからであって……さすがに、申し訳なくなる。
(つ、次は、条件とかつけずに、純粋に楽しめば良いよな?)
どこかで、『テメェしか勝たねぇのに、楽しめるわけねぇだろうがっ!』と、オネェな親友が男に戻って叫ぶ声が聞こえた気がするが、とりあえず無視だ。
そんな、若干後悔の残る勝負ではあったものの、収穫はあった。
(同性同士って、この世界では普通なのかー)
ノーラとレナが特別かと思えば、他にも男同士、女同士で片翼というのはあるらしい。大体、全体の三分の一くらいが同性同士だというのだから、珍しさなど欠片もないようだ。
(……もしかして、ライナード、俺が男だと知っても、そのまま想ってくれるんじゃ……)
そんな予想に、俺は頭を抱えたくなる。何と言われようとも、俺はノーマルなのだ。ライナードとどうこうなることは想像できない。そう、想像、できない、はずだ。
(ないないないないっ!)
チラリと思い浮かぶライナードの裸体。それを思うと、なぜか顔に熱が集中する。
(俺はノーマル、俺はノーマル、俺はノーマル……)
急に頭をブンブンと振る俺に、訝しげな視線を寄越してくるリュシリーには、とりあえず、愛想笑いだけ浮かべておく。
(うん、今は、このことは考えないでおこう)
様々な質問を通して分かったことは、何もそれだけではない。その中で、一際予想外だったのが……。
(俺、何でか知らないけど、かなり慕われてるよな?)
俺に仕えるのは迷惑じゃないかと聞けば否定されるし、その後も詳しく俺に仕えていることにどう思っているのかを聞けば、次々に俺に対するのろけとも思える話が出てきて……何だか、こちらが恥ずかしかった。
(微笑む姿が天使のようって……誰のこと!?)
もう、その時のことは、思い出すだけでも疲労が溜まりそうだ。
(……まぁ、それも良いとして……とりあえず、これからの時間の潰し方を考えないとなぁ)
まさか、一日中トランプで遊ぶわけにはいかない。さすがにそれは飽きる。
「時間を潰す方法……」
とりあえず、俺は一人で真剣に考えてみる。日本では、パソコンもスマホもあって、娯楽には困らなかったものの、ここでは違う。
「うーん……」
無表情ながらも、何だか口出ししたそうな様子のリュシリーに、俺は話を振ってみる。
「リュシリーは、どんな暇潰しが良いと思う?」
「では、刺繍などはどうでしょうか」
「いや、えっと、私、不器用で……」
「では、お料理は?」
「……食べる専門、かなぁ?」
「ならば、軽食店を巡ってみるのはいかがでしょうか?」
「それだっ!」
リュシリーは、あくまでも俺を女の子として見ているため、最初は女の子が好むことの多いものを提案していたものの、俺が食べることが好きだという言葉に、外出を進めてくれる。
「では、ライナード様の許可が取れ次第、準備をいたしましょう」
そう言うと、リュシリーは伝音魔法を使って、ライナードとやり取りをし、あっさりと許可をもぎ取ってくる。
「さぁ、では、外はお寒いですので、しっかり着込みましょう」
「あぁ」
今日は外を見ていなかったものの、どうやら、雪が降っているらしい。
(部屋は、何でか暖かいから、全然分からなかったな)
後から聞けば、部屋には火属性の魔法で作った魔石が各箇所に設置されており、それが暖房の役割を果たしているとのことだった。
(そういえば、ここに来て、初めての外出だよな?)
暖かいニットのワンピースに、レギンス、丈の長いコートとマフラーと手袋と耳当てなんていう完全防寒スタイルになった俺は、ちょっとヒールのあるブーツをコツコツいわせながら歩く。
「馬車を用意いたしましたので、屋台村に行ってみましょう」
「屋台村?」
「はい、年中、屋台を展開している区画のことです。きっと、カイトお嬢様が気に入るものもあるかと」
「うん、なら、お願い」
恐らく、それは日本での中華街とか、お好み村とか、そんなような場所のことを指すのだろう。
俺は、とりあえず、この外出を楽しみにして、いそいそと馬車に乗り込むのだった。
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