我輩は紳士である(猫なのに、異世界召喚されたのだが)

星宮歌

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第四章 騒乱のカレッタ小王国

第四百四十話 つらい詰問

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「にゃあにゃ? (それで、結局あの液体は何だったのだ?)」


 剣や短剣で傷つき、飼い主が塗ったという下剤が効いてきたのか、お腹を抱えて真っ青になった男達を前に、我輩、未だに存在しつづける鉛色の球体を眺める。


「うむ、あれは、水を鉛色に着色しただけのものなのだ。オリハルコンではないのだ」

「にゃー? (なら、なぜ攻撃を吸収できたのだ?)」

「それは、高い魔力を纏っていたから、それで相殺しただけのことなのだ」


 言いながら、飼い主と二号はおもむろに魔法でそれぞれ光の縄と闇の縄を作り出し、男達を縛り上げていく。


「は、腹はやめ、ぐぇっ」

「ひぐっ……も、苦し……」

「トイレっ、トイレに行かせて、くれっ!」

「ひぃー、ひぃー、うぐぐぅ」

「死ぬ、人間として、死ぬぅっ」


 ご丁寧に、腹に縄が来るように縛り上げていくその様子は、もう、鬼畜としか言いようがない。男達は、もはや虫の息だった。


「……にゃ(……これ、どうするのだ?)」

「「捨てる」」


 あまりにも憐れな男達の姿に、我輩、希望を持って尋ねてみたのだが、返ってきたのは、二人同時の『捨てる』発言。


「情報を絞れるだけ絞り取って捨てるのだ」

「たかが下剤くらいで死にはしないから、拷問も可能だ」


 そんな二人の言葉に、自分達の将来を察した男達は、青を通り越して白い肌で絶望の表情を浮かべる。


「ふむ、そうだな……有益な情報をくれた者は、トイレに案内してやっても良いのだ」


 その瞬間、男達は一斉に話し始めた。限界が近いのか、声に力はなかったものの、内容はこうだ。『自分達はミルテナ帝国の者に雇われた傭兵で、これまでは、バースから情報をもらって、それを雇い主に渡していたが、今回はバースを追い詰め、暗殺することを依頼された。雇い主に関しては、顔を隠していたため、何も知らない』と。


「ふむ、残念ながら、有益な情報はないようなのだ」

「そ、そんな……」


 必死になる男達は、どんどん色々なことを話してくれるものの、本当に有益な情報が出てこない。と、いうより……。


 『探索』を使った方が早いのではないだろうか?


 飼い主が、その事実に気づかないわけがない。気づいていて、彼らを追い詰めているのだ。


「にゃ……(やっぱり、鬼なのだ……)」


 ボソリと呟いたその言葉は、男達の悲痛な声に紛れて、聞き取られることはなかった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


あ、あれ?

拷問回?

……ま、まぁ、こんな日もありますよね。

次回辺りでバースの様子も出したいなぁ……。

それでは、また!
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