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第五章 ルビーナ商国とボスティア海国の闇
第四百八十八話 瘴気と魚
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「バル達は無事でしょうか?」
大爆発に巻き込まれて、意識を失っていた私は、目が覚めると人気のない珊瑚礁の中におり、周りには誰も居なかった。
「ふふふっ、タロには、みっちりとお説教ですね」
正直、あの丈夫なタロの心配はしていない。恐らく、今もどこかで呑気に鳴き声を上げているに違いないのだ。
「それにしても……この珊瑚礁、どこまで続くのでしょうか?」
珊瑚礁があるこの空間は、ボスティア海国の中なのか外なのかも判然としない。腕輪の力で、体に『結界』を纏ったまま歩いているものの、どこか分からない場所ということで、不安が大きい。
食料は、事前にそれぞれに持たせていますから、私の方もしばらくはもちそうですが……早く街なり何なりに辿り着かないと、魚ばかりの生活になりそうです。
目の前を泳いでいく虹色の魚を見ながら、私はとにかく足を進める。
「?」
と、そこで、視界に何か黒いものが映ったような気がして足を止める。
魚、でしょうか?
視界の端に映ったのは、そこそこの大きさがあったように思え、そちらに目を向けると、私はその魚の大きさに絶句する。
何十、いえ、百メートル近くはありますか?
黒くて全容の分からないその魚は、海底に沈んだまま、時たま尾ヒレを動かしている。どう考えても、これを相手にするのは骨が折れる。
いえ、それ以前に……あれは、瘴気?
黒いのは、魚の色だと思っていた私は、それが揺らぐのを目にして、考えを改める。
不味いですね。とにかく、気づかれないうちに撤退しなければ。
瘴気への対抗手段は、私には存在しない。ましてや、瘴気を纏う敵などと出会って、戦えるはずもない。考えるまでもなく、私の方がやられてしまう。
ゆっくり、水の中とはいえ慎重に、音を立てないように、私は後退る。珊瑚礁の中に身を隠していれば安心なんてことは考えられない。とにかく、あれから逃げなければならないと、本能が強く訴えかける。
もう少し離れたら、走りましょう。
もしかしたら、ボスティア海国はあの魚の向こうにあるかもしれないが、あの魚には関わるべきではない。何としてでも、あの魚から逃げなければならない。と、そこで、私は意思に反して体を硬直させる。
っ、瘴気、が……。
なぜか、魚が一気に周りへと瘴気を撒き散らし始めて、そのあまりの濃度に、息をするのもままならなくなる。そして……。次に見えたのは、体を反転させ、大きく口を開いて迫ってくる魚の姿だった……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ラーミアは再び呑み込まれてしまいました。
さぁ、タロ達は、ラーミアを救えるのかっ!?
それでは、また!
大爆発に巻き込まれて、意識を失っていた私は、目が覚めると人気のない珊瑚礁の中におり、周りには誰も居なかった。
「ふふふっ、タロには、みっちりとお説教ですね」
正直、あの丈夫なタロの心配はしていない。恐らく、今もどこかで呑気に鳴き声を上げているに違いないのだ。
「それにしても……この珊瑚礁、どこまで続くのでしょうか?」
珊瑚礁があるこの空間は、ボスティア海国の中なのか外なのかも判然としない。腕輪の力で、体に『結界』を纏ったまま歩いているものの、どこか分からない場所ということで、不安が大きい。
食料は、事前にそれぞれに持たせていますから、私の方もしばらくはもちそうですが……早く街なり何なりに辿り着かないと、魚ばかりの生活になりそうです。
目の前を泳いでいく虹色の魚を見ながら、私はとにかく足を進める。
「?」
と、そこで、視界に何か黒いものが映ったような気がして足を止める。
魚、でしょうか?
視界の端に映ったのは、そこそこの大きさがあったように思え、そちらに目を向けると、私はその魚の大きさに絶句する。
何十、いえ、百メートル近くはありますか?
黒くて全容の分からないその魚は、海底に沈んだまま、時たま尾ヒレを動かしている。どう考えても、これを相手にするのは骨が折れる。
いえ、それ以前に……あれは、瘴気?
黒いのは、魚の色だと思っていた私は、それが揺らぐのを目にして、考えを改める。
不味いですね。とにかく、気づかれないうちに撤退しなければ。
瘴気への対抗手段は、私には存在しない。ましてや、瘴気を纏う敵などと出会って、戦えるはずもない。考えるまでもなく、私の方がやられてしまう。
ゆっくり、水の中とはいえ慎重に、音を立てないように、私は後退る。珊瑚礁の中に身を隠していれば安心なんてことは考えられない。とにかく、あれから逃げなければならないと、本能が強く訴えかける。
もう少し離れたら、走りましょう。
もしかしたら、ボスティア海国はあの魚の向こうにあるかもしれないが、あの魚には関わるべきではない。何としてでも、あの魚から逃げなければならない。と、そこで、私は意思に反して体を硬直させる。
っ、瘴気、が……。
なぜか、魚が一気に周りへと瘴気を撒き散らし始めて、そのあまりの濃度に、息をするのもままならなくなる。そして……。次に見えたのは、体を反転させ、大きく口を開いて迫ってくる魚の姿だった……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ラーミアは再び呑み込まれてしまいました。
さぁ、タロ達は、ラーミアを救えるのかっ!?
それでは、また!
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