我輩は紳士である(猫なのに、異世界召喚されたのだが)

星宮歌

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第五章 ルビーナ商国とボスティア海国の闇

第五百三十六話 協力関係

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 我輩、我慢、なのだ。


「リィちゃんっ!!」


 バルディスが出ていき、ほどなくしてやってきたレディ……ハーレに、我輩、ギュムギュムと抱き潰されて、窒息寸前なのだ。しかし、ここは心配をかけた手前、抗議するわけには……する、わけ、には……?


「ん? ……ハーレ、すまないが、タロを離してやってくれ、窒息しかけてるっ」

「はっ! す、すまないっ、リィちゃんっ!」


 少しだけ、意識があの白い世界に羽ばたいていたのだ。ただ、ロムが目の色を変えて迫ってきていたため、我輩、目が覚めて良かったと本気で思った。


「それにしても、良く見つけられたなっ」

「あぁ、なぜか、懐かれてな」

「にゃあにゃっ(我輩、最初からバルディスのことは大好きなのだっ)」


 良く分からない発言をしているバルディスにそう言うものの、もちろん、バルディスは聞こえないフリだ。


「懐かれて……そ、そうか……だが、リィちゃんは私の方が良いよな?」

《タロ、とりあえず、こっちに来い》

《にゃ? (うむ?)》


 バルディスの『念話』で、我輩、ハーレのところではなく、バルディスの方へと向かう。


「なっ!?」

「よしよし」

「にゃあっ(気持ち良いのだっ)」


 なぜか、ハーレが我輩を見て絶望の表情を浮かべていたが……我輩、何かしてしまったのであろうか?


「と、まぁ、こんなわけで、懐かれている」

「そう、みたい、だな……」

「にゃあ? (ハーレはどうしたのだ?)」


 ハーレの様子を不審に思いながらも、バルディスに抱き上げられて頭を撫でてもらえば、そんな考えも霧散する。


「それで、どうにも俺から離れてくれそうになくてな……」

「離れて、くれない……私の時は、あっさり離れたのに……」

「どうあっても、ハーレの言っていた貴族と関わる可能性が出てきたってわけだ」

「っ!? そ、れは……」

「にゃ? (ミルフィーユのことであるか?)」


 そう尋ねれば、バルディスは大きくうなずいてくれる。


「俺達も、タロを害されるのは嫌なんでな。協力させてもらおう」

《タロ、この件をきっかけに、ハーレとの信頼関係を築くぞ》

《にゃ? にゃあっ(うむ? 分かったのだっ)》


 悩むハーレに、バルディスはその後、仲間が居るから大丈夫だと、ディアムとラーミアを紹介し、ハーレをうなずかせるのだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


とりあえず復活!

また楽しく書いていきますね。

それでは、また!
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