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第二章 反撃のサナフ教国
第百八話 我輩の散歩(三)
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ミィに着いていくにつれ、どうやら先程のマウマウがたむろしていた場所から離れているらしいことに気づき、我輩、少しだけ希望を見出だす。
もしかしたら、何らかの理由で怪我をしているだけかもしれないのだ。
そうであったら、良い。そうであったら、大丈夫。我輩の治療で何とかなるものであれば、我輩、努力を惜しまないのだ。
「みー(ここなの)」
たどり着いたのは、やはり暗い路地裏の一画。様々なものが投棄されている、ごみ溜めだった。そして、ミィが指し示す場所には、確かに、同胞が居た。ミィと同じ黒い体躯の、痩せ細ったレディが。
「にゃ……(これは……)」
おそるおそる近づいてみると、とりあえず胸は上下しており、死んでいるわけではなさそうだ。その事実にホッとしつつ、我輩、なぜこのレディが目を覚まさないのかを確認してみる。
「にゃ(酷い怪我なのだ)」
ミィの母親は、腹部に酷い怪我を負って血を流していた。
「みみー? (かか、だいじょーぶ?)」
心配そうなミィの様子に我輩、できるだけ柔らかい声で応じる。
「にゃあ。にゃーにゃ(大丈夫なのだ。我輩に任せるのだ)」
怪我ならば、我輩、前に治せたのだ。レジスタンスの人間を治せたのだ。だから、今回も上手くいくはずだと思い、我輩、サポートシステムに問い合わせる。
「にゃ。にゃー(サポートシステムよ。『治癒』がしたいのだ)」
《 『サポートシステム』起動します。これより、水の魔法による『治癒』を行います。サポートは必要ですか?
はい/いいえ 》
「にゃ(『はい』なのだ)」
サポートシステムの言葉に応えるや否や、目の前のレディは、青い光に包まれた。
「みっ、みー? (なにこれっ、かか、どうしたの?)」
「にゃあにゃー(大丈夫、これが終われば、お母上も目覚めるのだ)」
突然の光に、ミィは驚いたものの、害がないと分かるや否や、興味津々で青い光に触れようと前足をちょこちょこ動かす。
「みー(しゃわれないの)」
「にゃ(うむ、そうなのだな)」
「みー(でも、ぬくぬくー)」
「にゃあ? (む、そうなのか?)」
なんと、新たな発見なのだっ。この青い光は暖かかったのだっ。
そんなほのぼのとした話をしながら待っていると、青い光はゆっくりと消えていく。どうやら、治療が終わったようだった。
「みみーっ(かかっ、かかっ)」
「……みにゃ? (……う、ん?)」
怪我が治ったレディに、ミィはすかさずかけよって腹に前足を当てる。
「みにゃあ? (ミィ?)」
「みみーっ! みー(かかっ、おきたのっ! おじしゃん、ありがとー)」
「みにゃ? ふ、ふしゃーっ(誰か居るの? っ、雄が何でここにっ)」
しかし、起きたかと思いきや、やはり、我輩は警戒された。無理もない。このレディにとっては、我輩も他の同胞と同じくミィを殺しにきた者に見えるのだろうから。
「にゃあ。にゃにゃー(我輩は怪しい者ではないのだ。しかし、我輩が居ては邪魔であろうから、我輩、帰るのだ)」
「ふしゃーっ(二度と来るんじゃないよっ)」
「み? みー? (かか、おこってる? おじしゃん、かか、たしゅけてくれたのに?)」
ミィは我輩のことを擁護してくれるが、きっとレディの方は聞く耳持たないだろう。子を持つ母親は、とても警戒心が強いのだ。
そういうわけで、我輩、とりあえずこの場を後にするのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
助けたのに追い返されてしまうタロ。
ちょっと可哀想ですが、まだまだタロの散歩は続きます。
それでは、また!
もしかしたら、何らかの理由で怪我をしているだけかもしれないのだ。
そうであったら、良い。そうであったら、大丈夫。我輩の治療で何とかなるものであれば、我輩、努力を惜しまないのだ。
「みー(ここなの)」
たどり着いたのは、やはり暗い路地裏の一画。様々なものが投棄されている、ごみ溜めだった。そして、ミィが指し示す場所には、確かに、同胞が居た。ミィと同じ黒い体躯の、痩せ細ったレディが。
「にゃ……(これは……)」
おそるおそる近づいてみると、とりあえず胸は上下しており、死んでいるわけではなさそうだ。その事実にホッとしつつ、我輩、なぜこのレディが目を覚まさないのかを確認してみる。
「にゃ(酷い怪我なのだ)」
ミィの母親は、腹部に酷い怪我を負って血を流していた。
「みみー? (かか、だいじょーぶ?)」
心配そうなミィの様子に我輩、できるだけ柔らかい声で応じる。
「にゃあ。にゃーにゃ(大丈夫なのだ。我輩に任せるのだ)」
怪我ならば、我輩、前に治せたのだ。レジスタンスの人間を治せたのだ。だから、今回も上手くいくはずだと思い、我輩、サポートシステムに問い合わせる。
「にゃ。にゃー(サポートシステムよ。『治癒』がしたいのだ)」
《 『サポートシステム』起動します。これより、水の魔法による『治癒』を行います。サポートは必要ですか?
はい/いいえ 》
「にゃ(『はい』なのだ)」
サポートシステムの言葉に応えるや否や、目の前のレディは、青い光に包まれた。
「みっ、みー? (なにこれっ、かか、どうしたの?)」
「にゃあにゃー(大丈夫、これが終われば、お母上も目覚めるのだ)」
突然の光に、ミィは驚いたものの、害がないと分かるや否や、興味津々で青い光に触れようと前足をちょこちょこ動かす。
「みー(しゃわれないの)」
「にゃ(うむ、そうなのだな)」
「みー(でも、ぬくぬくー)」
「にゃあ? (む、そうなのか?)」
なんと、新たな発見なのだっ。この青い光は暖かかったのだっ。
そんなほのぼのとした話をしながら待っていると、青い光はゆっくりと消えていく。どうやら、治療が終わったようだった。
「みみーっ(かかっ、かかっ)」
「……みにゃ? (……う、ん?)」
怪我が治ったレディに、ミィはすかさずかけよって腹に前足を当てる。
「みにゃあ? (ミィ?)」
「みみーっ! みー(かかっ、おきたのっ! おじしゃん、ありがとー)」
「みにゃ? ふ、ふしゃーっ(誰か居るの? っ、雄が何でここにっ)」
しかし、起きたかと思いきや、やはり、我輩は警戒された。無理もない。このレディにとっては、我輩も他の同胞と同じくミィを殺しにきた者に見えるのだろうから。
「にゃあ。にゃにゃー(我輩は怪しい者ではないのだ。しかし、我輩が居ては邪魔であろうから、我輩、帰るのだ)」
「ふしゃーっ(二度と来るんじゃないよっ)」
「み? みー? (かか、おこってる? おじしゃん、かか、たしゅけてくれたのに?)」
ミィは我輩のことを擁護してくれるが、きっとレディの方は聞く耳持たないだろう。子を持つ母親は、とても警戒心が強いのだ。
そういうわけで、我輩、とりあえずこの場を後にするのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
助けたのに追い返されてしまうタロ。
ちょっと可哀想ですが、まだまだタロの散歩は続きます。
それでは、また!
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