我輩は紳士である(猫なのに、異世界召喚されたのだが)

星宮歌

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第二章 反撃のサナフ教国

第百四十八話 異常な場所(六)

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「にゃあ(うぅ、怖かったのだ)」

「タロ、落ち着いた?」


 しばらくディアムの腕の中で丸まり、震えていた我輩は、ひとまず毛の逆立ちが治まってきたところだった。


「にゃ。にゃあ(もう大丈夫なのだ。ありがとうなのだ)」


 そう言えば、何とか通じたのか、下ろそうとされて……結局留まる。


「にゃ? (うむ?)」

「タロ。体重、戻さないと、また、飛ぶ」

「ふにゃっ(そ、そうだったのだっ)」


 なぜ飛んだのかはまだ分かっていなかったが、原因が『軽量化』の魔法であることは間違いないだろう。我輩、すぐにその魔法を解く。


「っ、タロ。また太った?」

「にゃっ!? (そんなっ!?)」


 我輩、ディアムにとてもショックな言葉を聞かされて呆然としてしまう。


 ここ最近は、たくさん動き回った気がするのだ。特に、走る練習をしたのは大変だったと記憶していたのだ。それなのに、それなのに、また、太った!?


 それは、『軽量化』を使った状態での運動であったため、大した運動量にならなかったからという理由があったものの、そんなこと、猫の我輩に分かるはずもなく、ただただ魂を飛ばすのであった。









「にゃあ(こっちなのだ)」


 あまりのショックにしばらく呆然自失状態だった我輩だが、今は立ち直ってディアムを目的の場所へと案内していた。騎士の詰め所の奥というだけあって、騎士の姿が多く、我輩、こっそり隠れながら慎重に進む。そして、とうとう我輩、その場所へと辿り着いた。


「ふーっ(やはり異常なのだ)」


 建物の入り口に立っただけでも、その場所に満ちた死臭が異常を伝えてくる。ここに、踏み入れるべきではない、と、頭の中で警鐘が鳴る。


「ここ?」

「にゃっ(そうなのだっ)」


 うなずいて示すと、ディアムはその場所を睨むようにして眺めていく。


「俺、『闇化』で入る。タロ、着いてくるなら、同じく、『闇化』、使用して」

「にゃ(分かったのだ)」


 我輩、ディアムの要望に応じて『闇化』を使用する。今となっては、サポートシステムを使わずに使用できるようになった『闇化』は、隠れるのにはとても便利だった。


「タロ。俺から、離れるな」

「にゃ(分かったのだ)」


 同じく『闇化』で闇に溶け込んだディアムを見ると、我輩、気合いを入れて着いていくことにする。なにせ、気を抜けばすぐにでもディアムを見失ってしまいそうなのだから……。


 さぁ、探索開始なのだ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


この頃思うこと……この作品のタグの一つ、『ほのぼの』はいったいどこに消えた!?

陰謀に巻き込まれるわ、戦いに参加するわで、全然ほのぼのって感じかしない気が……いや、タロのどじっ子部分はほのぼの、なのか?

うーむ、タグの見直しが必要ですかねぇ。

ほのぼのさせたいっていうのは変わりないので、ほのぼのは外したくありませんが……。

追々考えていきますね。

それでは、また!
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