我輩は紳士である(猫なのに、異世界召喚されたのだが)

星宮歌

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第三章 セイクリア教国の歪み

第二百十七話 再び、入らずの祠(一)

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 宿屋へ帰り、バルディス達にラーミアが元に戻ったことを告げると、とても喜んでいた。別に、大きなリアクションがあったわけではないが、そのくらいのことは分かる。


 うむ。良いことができたのだ。


 そして、ついでとばかりに欠片の持ち主のことを話すと『それはまた、厄介な……』と言って、バルディスは頭を抱えてしまった。どうやら、聖騎士長というのはとても強い人間らしく、バルディスでもおいそれと手出しをしたいとは思えない相手なのだそうだ。


「にゃあ(しかし、我輩、欠片を集めなければならないのだ)」

「あぁ、それは分かってる。ただ、調査に踏み切るのは少し待ってくれ。先にラーミアとの繋ぎを確実なものとして整えておきたい」

「にゃ? にゃーにゃ(繋ぎ? 良く分からないけど、分かったのだ)」


 我輩としては、すぐにでも聖騎士長、グラハム・ヴェリーについて調べたいところだったが、バルディスには何か考えがあるようなのでそれに従う。
 後は、『探索能力』について、黒字で表示されたもののことを尋ねてみたものの、それはバルディスでも分からないようだった。ディアムも一緒に考えてはくれたものの、やはり予想できないとのことで、我輩、ちょっと残念に思いつつも今はそれを忘れることにする。我輩には、まだ他にやるべきことがあるのだ。


「にゃ。にゃあ(バルディス。我輩、『入らずの祠』にもう一度行きたいのだ)」

「『入らずの祠』に? それはまた、何でだ? あの神託があったからか?」

「にゃあ。にゃにゃ(それもあるが、違うのだ。噂で、『入らずの祠』に入った人間が帰ってこないというものを聞いたからなのだ)」


 そう、我輩がやるべきことは、欠片集めだけではない。飼い主を失って悲しむ同胞を少しでも減らすべく、『入らずの祠』に入った人間がどうしているのかを知りたいのだ。


「それは、猫情報か?」

「にゃ(うむ)」

「……まぁ、少しの間、俺達はラーミアにかかりっきりになるだろうからな。その間なら調べてみても良いぞ」

「にゃあっ(ありがとうなのだっ)」


 これで、同胞の無念を晴らすために行動できる。


「もう少ししたら、俺達はラーミアのところに行ってくる。タロはその間に『入らずの祠』を調べてくれば良い」

「にゃっ(分かったのだっ)」


 そうして、我輩、少し遅い昼食を食べた後、『入らずの祠』へと出発するのだった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


プロットが、詰まった……。

やっぱり、この前あまり書けなかったから詰まるのが早いです。

また三日ほど更新を休んで、プロットを頑張って書いていきますので、よろしくお願いします。

それでは、また!
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