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第五章 リリスの心
第五十九話 挙動不審(ルティアス視点)
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兄さんの話を聞いて、ひとまず家を出た僕は、少し食材の買い出しをした後、すぐにリリスさんの居場所を捜すべく、魔力を張り巡らせる。
(リリスさんは……ここか)
大体の位置を調べ終えた僕は、早足でリリスさんの元へと向かう。今はとにかく、リリスさんに会いたかった。
「喫茶店? ここに居るのかな?」
辿り着いた場所は、小洒落た喫茶店。コーヒーの香ばしい香りが漂うそこが、どうやら目的地らしかった。
「いらっしゃいませ。一名様ですか?」
「あぁ、いや、連れがここに居るみたいだから、すぐに帰るよ」
「さようですか。では、どうぞ」
店員とそんなやり取りをして店を見渡すと、すぐに、その姿を発見することができた。
「リリスさん」
「ル、ルティアス!?」
どうやら、リリスさんはミーアさんと一緒にこの店に来ていたらしい。僕が後ろから声をかければ、リリスさんはビクリと肩をならして振り返る。
「お待たせ。とりあえず、用事は終わったよ」
「そ、そうですのっ。えっと、では、その」
「はいっ、ごゆっくり!」
「えっ? あっ、いえ、ミーア!?」
どこかオロオロとしている様子のリリスさんを不思議に思いながら、ミーアさんの言葉で、話は終わったらしいと理解した僕は、リリスさんをエスコートすべく手を差し伸べる。
「さぁ、リリスさん。行こう?」
「う、うぅ……わ、分かりましたわ」
僕の手を、今までとは違って随分とおそるおそる取ったリリスさん。本格的に、なぜこうなったのか分からない僕は、何か知っていそうなミーアさんへと視線を向けてみる。
「ふふっ、頑張ってくださいね」
ただ、視線を向けたところで送られたのは、謎の声援だけだった。
「い、行きますわよっ、ルティアス!」
「うん、それじゃあ、リリスさんの相手をしてくれてありがとう。ミーアさん」
「どういたしましてー。あっ、会計は私持ちなので、そのまま帰ってもらって大丈夫ですからねっ」
「重ね重ね、ありがとう。それじゃあね」
もしかしたら、リリスさんはまたミーアさんの相談に乗っていたのかもしれないと思いながら、僕はなぜか黙ったままのリリスさんを連れて外に出る。
「どうする? もうちょっと観光してから帰る? それとも、もう疲れたかな?」
言いながらリリスさんの顔を見た僕は、直後にギョッとする。
「リ、リリスさん?」
「な、何ですの?」
意識的に素っ気ない対応をしているらしいリリスさんは、僕と目を合わせてはくれない。
「その、えっと……何で、顔が赤いのかなぁって……」
そう、リリスさんの顔は、今まで見たことがないくらいに真っ赤だった。
「っ、何でもありませんわっ!」
目を泳がせて否定をするリリスさんは、どうみても何でもないなんてことはあり得ない。
(もしかして……意識、されてる?)
試しに、握った手に軽く力を込めて、しっかりと握り返してみると、リリスさんは面白いくらいにビクゥと肩を震わせて、目を盛大に泳がせる。
(きっかけは、ミーアさん?)
そうだとするならば、先程の声援の理由も理解できる。もしかしたら、過剰に意識した状態のリリスさんは、僕を避けようとするかもしれないからだ。
「リリスさん。大好き。愛してるよ」
「っ!? い、いいい、いきなり、何なんですのっ!」
声を震わせて、涙目になるリリスさんは、可愛くて仕方がない。このまま、もうちょっとこのリリスさんを堪能したいところではあったものの、場所が悪い。こんな可愛いリリスさんは、他の奴に見せたくはない。
「ううん、ただ、そう言いたくなっただけ。それじゃあ、さっさと帰ろうか。リリスさんの体調も良くないみたいだし」
「ぁ……そ、そうですわっ。わたくし、体調が良くなくて、赤くなってますのっ! ですから、帰ったら一人にしてくださいまし」
僕の言葉に乗っかって、リリスさんはどうにか僕と距離を取ろうとする。しかし、詰めが甘い。
「それは大変だ。なら、ちゃんと看病しなきゃだね。大丈夫。美味しいお粥を作ってあげるからね」
「~~~~っ!?」
墓穴を掘ったことに気づいたらしいリリスさんは、視線を盛大にさ迷わせ、最後にはガックリとうなだれる。
「ほ、本当は、体調は悪くなんてないんですのよ」
「ダメだよリリスさん。そんなこと言っちゃあ。ちゃんと休まないとね」
「い、いえ、ですから、本当に「あぁ、歩くのも辛いかな? 抱き上げるよ?」ふぇ? ひゃあぁぁっ」
本当は体調が悪いわけじゃないと知っていながら、僕はリリスさんを丸め込む。ここは、思う存分に意識してもらって、僕の想いを伝えるチャンスだと思うのだ。
「リリスさん、転移はできる? できそうにないなら、知り合いに頼んでみるけど」
「だ、大丈夫ですっ! 大丈夫ですから、下ろしてくださいましっ!」
「うん、良かった。それじゃあ、門のところまで走るから、しっかり掴まっててね?」
「へっ? ひゃあぁぁぁあっ!」
『下ろしてください』の一言は聞かなかったことにして、僕は一気に、出国門へと走って行くのだった。
(リリスさんは……ここか)
大体の位置を調べ終えた僕は、早足でリリスさんの元へと向かう。今はとにかく、リリスさんに会いたかった。
「喫茶店? ここに居るのかな?」
辿り着いた場所は、小洒落た喫茶店。コーヒーの香ばしい香りが漂うそこが、どうやら目的地らしかった。
「いらっしゃいませ。一名様ですか?」
「あぁ、いや、連れがここに居るみたいだから、すぐに帰るよ」
「さようですか。では、どうぞ」
店員とそんなやり取りをして店を見渡すと、すぐに、その姿を発見することができた。
「リリスさん」
「ル、ルティアス!?」
どうやら、リリスさんはミーアさんと一緒にこの店に来ていたらしい。僕が後ろから声をかければ、リリスさんはビクリと肩をならして振り返る。
「お待たせ。とりあえず、用事は終わったよ」
「そ、そうですのっ。えっと、では、その」
「はいっ、ごゆっくり!」
「えっ? あっ、いえ、ミーア!?」
どこかオロオロとしている様子のリリスさんを不思議に思いながら、ミーアさんの言葉で、話は終わったらしいと理解した僕は、リリスさんをエスコートすべく手を差し伸べる。
「さぁ、リリスさん。行こう?」
「う、うぅ……わ、分かりましたわ」
僕の手を、今までとは違って随分とおそるおそる取ったリリスさん。本格的に、なぜこうなったのか分からない僕は、何か知っていそうなミーアさんへと視線を向けてみる。
「ふふっ、頑張ってくださいね」
ただ、視線を向けたところで送られたのは、謎の声援だけだった。
「い、行きますわよっ、ルティアス!」
「うん、それじゃあ、リリスさんの相手をしてくれてありがとう。ミーアさん」
「どういたしましてー。あっ、会計は私持ちなので、そのまま帰ってもらって大丈夫ですからねっ」
「重ね重ね、ありがとう。それじゃあね」
もしかしたら、リリスさんはまたミーアさんの相談に乗っていたのかもしれないと思いながら、僕はなぜか黙ったままのリリスさんを連れて外に出る。
「どうする? もうちょっと観光してから帰る? それとも、もう疲れたかな?」
言いながらリリスさんの顔を見た僕は、直後にギョッとする。
「リ、リリスさん?」
「な、何ですの?」
意識的に素っ気ない対応をしているらしいリリスさんは、僕と目を合わせてはくれない。
「その、えっと……何で、顔が赤いのかなぁって……」
そう、リリスさんの顔は、今まで見たことがないくらいに真っ赤だった。
「っ、何でもありませんわっ!」
目を泳がせて否定をするリリスさんは、どうみても何でもないなんてことはあり得ない。
(もしかして……意識、されてる?)
試しに、握った手に軽く力を込めて、しっかりと握り返してみると、リリスさんは面白いくらいにビクゥと肩を震わせて、目を盛大に泳がせる。
(きっかけは、ミーアさん?)
そうだとするならば、先程の声援の理由も理解できる。もしかしたら、過剰に意識した状態のリリスさんは、僕を避けようとするかもしれないからだ。
「リリスさん。大好き。愛してるよ」
「っ!? い、いいい、いきなり、何なんですのっ!」
声を震わせて、涙目になるリリスさんは、可愛くて仕方がない。このまま、もうちょっとこのリリスさんを堪能したいところではあったものの、場所が悪い。こんな可愛いリリスさんは、他の奴に見せたくはない。
「ううん、ただ、そう言いたくなっただけ。それじゃあ、さっさと帰ろうか。リリスさんの体調も良くないみたいだし」
「ぁ……そ、そうですわっ。わたくし、体調が良くなくて、赤くなってますのっ! ですから、帰ったら一人にしてくださいまし」
僕の言葉に乗っかって、リリスさんはどうにか僕と距離を取ろうとする。しかし、詰めが甘い。
「それは大変だ。なら、ちゃんと看病しなきゃだね。大丈夫。美味しいお粥を作ってあげるからね」
「~~~~っ!?」
墓穴を掘ったことに気づいたらしいリリスさんは、視線を盛大にさ迷わせ、最後にはガックリとうなだれる。
「ほ、本当は、体調は悪くなんてないんですのよ」
「ダメだよリリスさん。そんなこと言っちゃあ。ちゃんと休まないとね」
「い、いえ、ですから、本当に「あぁ、歩くのも辛いかな? 抱き上げるよ?」ふぇ? ひゃあぁぁっ」
本当は体調が悪いわけじゃないと知っていながら、僕はリリスさんを丸め込む。ここは、思う存分に意識してもらって、僕の想いを伝えるチャンスだと思うのだ。
「リリスさん、転移はできる? できそうにないなら、知り合いに頼んでみるけど」
「だ、大丈夫ですっ! 大丈夫ですから、下ろしてくださいましっ!」
「うん、良かった。それじゃあ、門のところまで走るから、しっかり掴まっててね?」
「へっ? ひゃあぁぁぁあっ!」
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