恐怖な少女・各地で笑顔惨殺!

空 佳吹

文字の大きさ
11 / 15

その悪魔は不意に…(市役所職員の場合)

しおりを挟む
(ご注意:異常な死に方を表現したシーンがあります)

 木枯らし一号が吹き、サザンカも彩りを見せる木曜日のこと……

 千葉県Z市のアパートで独り暮らしている佳男は、二十三歳。
 同市役所に勤める、まるっきり公務員タイプの青年だった。

 その市役所の近くには、G園という結構いい感じの公園があり、この時期の紅葉は実に見ごたえのあるもので、いつも佳男は楽しみにしていた。

「きょうも紅葉のご機嫌はいいかな……」

 このG園には、小さな三つの池と情緒のある橋がかかった大きな池があり、その橋の傍に見ごたえのある紅葉はあった。
 したがって日曜日などは、観光客やファンが訪れてかなりの賑わいになる。
 しかし佳男は、そういう光景より普段の静かなZ園の方が好きだった。
 彼は役所の昼休みなど、この公園にきては食事をしていた。
 
 また彼は、アマチュワカメラだったので、紅葉の季節になるとこのZ園にきては、橋とコロボした光景を撮っていた。
 そして、地元の新聞のコンクールなどに応募して、入賞したこともあったのだ。

(恋人が出来たら、この橋のところで一緒に撮りたいな……)
といつも思っていたが、そのチャンスはなかなかなかった。

 その日も、昼休みを利用して、途中のコンビニで買った弁当を、大きな池の傍のベンチで食べることにした。

 やがて食べ終わり、いつもながら見事な紅葉に見とれていた。
 ふと隣を見ると、少女が笑顔で座っていて、
「おにぃちゃん、見付けたー」
「えっ、僕のこと? だけど、僕は君みたいな女の子って知らないよ」

 肩から下げてきたデジカメを手にすると、
「君も撮ってあげよう。その橋のところに立ってごらん」

 少女は、うなずくと橋のところに行った。

 佳男はデジカメを構えながらファインダーを覗いて、あれ? と思い、ファインダーから目を離した時、橋の上に少女はいなかった。

 周りを見ても、どこにもいなかった。

「あれ……? おかしいな……?」

 急に気分が悪くなった佳男は、デジカメを肩に下げなおすと、ベンチから立った。

 その時、地震が起きて、バランスを崩した彼は池に落ちてしまった。
 普段、見てる感じは、浅くてじゅうぶん立てそうな池だったが、佳男が落ちた瞬間、ひどく深い池になった。

 呆然とした彼はどんどん落ちていった。
 すると向こうから、さっきの少女が泳いできたが、その顔は段々と悪魔の形相に変わり、大きな口を開けて鋭い牙のような歯を光らせている。
 佳男は驚いて必死になって泳いだが、行けども行けども薄暗く、息も#__も__#保たなくなってきた。
 すると大きな穴があったので、彼は入ることにした。
 水量はすぐに浅くなり、佳男は水から出ることが出来た。
 彼はすぐに、近くにあった石をどんどん水路に入れていき、例の悪魔少女が入ってこれないようにした。
 しかし彼が入ったところは、本当に洞窟のようなところだった。

「さて、これからどうするかな……? 早く戻らないと役所クビになるからな……」

 とにかく洞窟の奥へ進むことにした。
 しかし、行けども行けども出口は見付からなかった。
(ヤバイな……。マズイな……。いっそのこと戻ろうかな……)
 と思い始めた時、前方に誰か現れた。

「あっ、君は!」

 あの少女だった。彼女は笑顔で、
「おにぃちゃん、もうすぐだよ」
「えっ、何が?」

 まもなく頭上で、カサカサ……カサカサ……という音がした。
 顔を上げると縦長の大きな穴があり、上の方から何本ものツルのような細いものが降りてきて、彼にからみついてきた。

「おい、なんだこれは?」

 言ってる間に、佳男の両腕と両足にからみついたツルは、胴体から肉と皮をはぎ取っていった。
 
 ギャー!

 他のツルが佳男の口から入り込むと、全身はどんどん変化していった。

 そして、それを見ている少女の前に落ちてきた。
「おにぃちゃん、一緒に遊ぼうね」


 翌日、G園の大きな池にかかる橋の周りは、大騒ぎになっていた。
 紅葉に近い橋の上に、真っ黒な枯れ木のようになった佳男の死体があったからだ。

 駆け付けた刑事たちは、異口同音に、
「全国で起きている不可解な殺人事件と、同じ犯人かな……?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

処理中です...