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その悪魔は不意に…(市役所職員の場合)
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(ご注意:異常な死に方を表現したシーンがあります)
木枯らし一号が吹き、サザンカも彩りを見せる木曜日のこと……
千葉県Z市のアパートで独り暮らしている佳男は、二十三歳。
同市役所に勤める、まるっきり公務員タイプの青年だった。
その市役所の近くには、G園という結構いい感じの公園があり、この時期の紅葉は実に見ごたえのあるもので、いつも佳男は楽しみにしていた。
「きょうも紅葉のご機嫌はいいかな……」
このG園には、小さな三つの池と情緒のある橋がかかった大きな池があり、その橋の傍に見ごたえのある紅葉はあった。
したがって日曜日などは、観光客やファンが訪れてかなりの賑わいになる。
しかし佳男は、そういう光景より普段の静かなZ園の方が好きだった。
彼は役所の昼休みなど、この公園にきては食事をしていた。
また彼は、アマチュワカメラだったので、紅葉の季節になるとこのZ園にきては、橋とコロボした光景を撮っていた。
そして、地元の新聞のコンクールなどに応募して、入賞したこともあったのだ。
(恋人が出来たら、この橋のところで一緒に撮りたいな……)
といつも思っていたが、そのチャンスはなかなかなかった。
その日も、昼休みを利用して、途中のコンビニで買った弁当を、大きな池の傍のベンチで食べることにした。
やがて食べ終わり、いつもながら見事な紅葉に見とれていた。
ふと隣を見ると、少女が笑顔で座っていて、
「おにぃちゃん、見付けたー」
「えっ、僕のこと? だけど、僕は君みたいな女の子って知らないよ」
肩から下げてきたデジカメを手にすると、
「君も撮ってあげよう。その橋のところに立ってごらん」
少女は、うなずくと橋のところに行った。
佳男はデジカメを構えながらファインダーを覗いて、あれ? と思い、ファインダーから目を離した時、橋の上に少女はいなかった。
周りを見ても、どこにもいなかった。
「あれ……? おかしいな……?」
急に気分が悪くなった佳男は、デジカメを肩に下げなおすと、ベンチから立った。
その時、地震が起きて、バランスを崩した彼は池に落ちてしまった。
普段、見てる感じは、浅くてじゅうぶん立てそうな池だったが、佳男が落ちた瞬間、ひどく深い池になった。
呆然とした彼はどんどん落ちていった。
すると向こうから、さっきの少女が泳いできたが、その顔は段々と悪魔の形相に変わり、大きな口を開けて鋭い牙のような歯を光らせている。
佳男は驚いて必死になって泳いだが、行けども行けども薄暗く、息も#__も__#保たなくなってきた。
すると大きな穴があったので、彼は入ることにした。
水量はすぐに浅くなり、佳男は水から出ることが出来た。
彼はすぐに、近くにあった石をどんどん水路に入れていき、例の悪魔少女が入ってこれないようにした。
しかし彼が入ったところは、本当に洞窟のようなところだった。
「さて、これからどうするかな……? 早く戻らないと役所クビになるからな……」
とにかく洞窟の奥へ進むことにした。
しかし、行けども行けども出口は見付からなかった。
(ヤバイな……。マズイな……。いっそのこと戻ろうかな……)
と思い始めた時、前方に誰か現れた。
「あっ、君は!」
あの少女だった。彼女は笑顔で、
「おにぃちゃん、もうすぐだよ」
「えっ、何が?」
まもなく頭上で、カサカサ……カサカサ……という音がした。
顔を上げると縦長の大きな穴があり、上の方から何本ものツルのような細いものが降りてきて、彼にからみついてきた。
「おい、なんだこれは?」
言ってる間に、佳男の両腕と両足にからみついたツルは、胴体から肉と皮をはぎ取っていった。
ギャー!
他のツルが佳男の口から入り込むと、全身はどんどん変化していった。
そして、それを見ている少女の前に落ちてきた。
「おにぃちゃん、一緒に遊ぼうね」
翌日、G園の大きな池にかかる橋の周りは、大騒ぎになっていた。
紅葉に近い橋の上に、真っ黒な枯れ木のようになった佳男の死体があったからだ。
駆け付けた刑事たちは、異口同音に、
「全国で起きている不可解な殺人事件と、同じ犯人かな……?」
木枯らし一号が吹き、サザンカも彩りを見せる木曜日のこと……
千葉県Z市のアパートで独り暮らしている佳男は、二十三歳。
同市役所に勤める、まるっきり公務員タイプの青年だった。
その市役所の近くには、G園という結構いい感じの公園があり、この時期の紅葉は実に見ごたえのあるもので、いつも佳男は楽しみにしていた。
「きょうも紅葉のご機嫌はいいかな……」
このG園には、小さな三つの池と情緒のある橋がかかった大きな池があり、その橋の傍に見ごたえのある紅葉はあった。
したがって日曜日などは、観光客やファンが訪れてかなりの賑わいになる。
しかし佳男は、そういう光景より普段の静かなZ園の方が好きだった。
彼は役所の昼休みなど、この公園にきては食事をしていた。
また彼は、アマチュワカメラだったので、紅葉の季節になるとこのZ園にきては、橋とコロボした光景を撮っていた。
そして、地元の新聞のコンクールなどに応募して、入賞したこともあったのだ。
(恋人が出来たら、この橋のところで一緒に撮りたいな……)
といつも思っていたが、そのチャンスはなかなかなかった。
その日も、昼休みを利用して、途中のコンビニで買った弁当を、大きな池の傍のベンチで食べることにした。
やがて食べ終わり、いつもながら見事な紅葉に見とれていた。
ふと隣を見ると、少女が笑顔で座っていて、
「おにぃちゃん、見付けたー」
「えっ、僕のこと? だけど、僕は君みたいな女の子って知らないよ」
肩から下げてきたデジカメを手にすると、
「君も撮ってあげよう。その橋のところに立ってごらん」
少女は、うなずくと橋のところに行った。
佳男はデジカメを構えながらファインダーを覗いて、あれ? と思い、ファインダーから目を離した時、橋の上に少女はいなかった。
周りを見ても、どこにもいなかった。
「あれ……? おかしいな……?」
急に気分が悪くなった佳男は、デジカメを肩に下げなおすと、ベンチから立った。
その時、地震が起きて、バランスを崩した彼は池に落ちてしまった。
普段、見てる感じは、浅くてじゅうぶん立てそうな池だったが、佳男が落ちた瞬間、ひどく深い池になった。
呆然とした彼はどんどん落ちていった。
すると向こうから、さっきの少女が泳いできたが、その顔は段々と悪魔の形相に変わり、大きな口を開けて鋭い牙のような歯を光らせている。
佳男は驚いて必死になって泳いだが、行けども行けども薄暗く、息も#__も__#保たなくなってきた。
すると大きな穴があったので、彼は入ることにした。
水量はすぐに浅くなり、佳男は水から出ることが出来た。
彼はすぐに、近くにあった石をどんどん水路に入れていき、例の悪魔少女が入ってこれないようにした。
しかし彼が入ったところは、本当に洞窟のようなところだった。
「さて、これからどうするかな……? 早く戻らないと役所クビになるからな……」
とにかく洞窟の奥へ進むことにした。
しかし、行けども行けども出口は見付からなかった。
(ヤバイな……。マズイな……。いっそのこと戻ろうかな……)
と思い始めた時、前方に誰か現れた。
「あっ、君は!」
あの少女だった。彼女は笑顔で、
「おにぃちゃん、もうすぐだよ」
「えっ、何が?」
まもなく頭上で、カサカサ……カサカサ……という音がした。
顔を上げると縦長の大きな穴があり、上の方から何本ものツルのような細いものが降りてきて、彼にからみついてきた。
「おい、なんだこれは?」
言ってる間に、佳男の両腕と両足にからみついたツルは、胴体から肉と皮をはぎ取っていった。
ギャー!
他のツルが佳男の口から入り込むと、全身はどんどん変化していった。
そして、それを見ている少女の前に落ちてきた。
「おにぃちゃん、一緒に遊ぼうね」
翌日、G園の大きな池にかかる橋の周りは、大騒ぎになっていた。
紅葉に近い橋の上に、真っ黒な枯れ木のようになった佳男の死体があったからだ。
駆け付けた刑事たちは、異口同音に、
「全国で起きている不可解な殺人事件と、同じ犯人かな……?」
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