恐怖な少女・各地で笑顔惨殺!

空 佳吹

文字の大きさ
14 / 15

その悪魔は不意に…(連続殺人犯の場合)

しおりを挟む
(ご注意:異常な死に方を表現したシーンがあります)
 
 休日の上にホワイトクリスマスになった朝……

 大阪南部のとある廃倉庫の一室で、ボロボロのベッドで寝ている者がいた。
 彼は四十二歳になる住所不定、無職の元治という男だった。

 彼は、全国で秘かに続いていた、独身女性相手の連続殺人事件の犯人でもあった。
 唯一の趣味が殺人……で、今までに殺した人数は、十四人だった。

 が、まったく証拠を残さないため、警察も手が出せないというラッキーな男だった。
 そんな元治の手口は、針を使って急所を捉えて息の根を止め、金品を奪うというやり方だった。

 やがて昼過ぎになったので、起きた元治は食事を済ませるとスーツ姿になり、この日の獲物を求めて出発することにした。

 外に出ると雪はやんでいた。

「なーんだ……ホワイトクリスマスじゃないのか……」
 つまらないことを言ってからトレンチコートを着ると、駅に向った。

 近くのZ駅から電車に乗り、大阪の中心部へ向った。

 そして、ちょっと大きいギャラリーに入った元治は、椅子に座って獲物の物色を始めた。

 何故こういうギャラリーで物色するかというと、こういう場所に昼間から一人で来ている女性は、たいてい彼氏がなく、大した仕事もしていない可能性があったからだ。

 やがて一人の女性に目をつけて立とうとした時、一人の少女がスッと現れた。
 銀髪が肩まで伸びた、絵のモデルになりそうな可愛い少女だった。

 そして少女は、
「おじさん、見付けたー」
「何だお前は? 用なんかないよ。さっさと、かぁちゃんの所に戻んな」

 上から何か頭に落ちたような気がしたので、ん? と見て、また正面を見ると、少女はいなかった。

「あれ……? 変なガキだな……?」

 元治は気を取り直すと、その女性に近付き、やさしく話しかけた。
 元治の口調は実に巧みで上手く、その女性は、かなり彼に興味を持ってしまっていた。
 やがて二人はギャラリーを出ると、近くのカフェに入った。
 誰が見ても友達か恋人同士に見えるほど、元治の口調は彼女の心を魅了していった。

「僕が秘密にしている、お酒も飲めるちょっとイイ所があるんだけど、興味ある?」
「えー。行ってみたいわー」

 カフェから出た二人は三分ほど歩いて、とあるパーキングに到着した。
 ここは元治が契約している所で、彼のマイカーが泊めてあった。
 笑顔の彼女も助手席に乗ると、元治はパーキングを後にした。

 元治のマイカーが、街はずれに近付くと、
「あの……まだですか……?」
「じゃ、そろそろ休んでもらうか……」
「えっ、何?」

 元治は、シートの陰に置いてあった防御マスクを素早く顔に付けると、隠しボタンを押しながら、

「おやすみー」

 すると助手席の前から催眠ガスが噴出し、彼女は眠ってしまった。
 直後、ドーン! と車体の後部に何かがぶつかり、元治も気絶した。

 元治が、はっと気付くと、そこはさっきいたギャラーで、男が顔を覗きこみながら、

「お客さん、お客さん。あー良かった……」
「えっ、何? オレどうしたの?」
「いや、お客さん眠っちゃって……。すいません、もう終了なんで帰ってください」

 仕方なく元治が、正面口に行こうとすると、

「あ、そっちはもう閉めたんで、裏から出てください」

 元治は言われたとおり奥のドアを開けて、進んだ。
 するとそこは真っ暗だったので、引き返そうと振り向いたが、なぜかドアはなかった。

 仕方なく進もうとすると、闇の両側にいくつかの絵が現れた。
 良く見ると、それぞれ見たこともない怪物が描いてあった。

 ふと見ると、その闇の中央にあの少女がいた。

「おじさん、もうすぐだよ」
「えっ、何が?」

 すると何やら不気味な声が聞こえ始めた。

 見ると、それぞれの絵から怪物が抜け出てきたのだ。
 元治はあわてて逃げようとしたが、すぐに壁に行き当たった。

 怪物たちは元治を取り囲むと、その体をバラバラにしていった。

 ギャー!!

 そして怪物たちは、闇の奥に投げた。

 ドン! ドン! ドン!

 壁にぶつかったような音がした。
 やがて闇が晴れると、そこは元治が住んでいた廃倉庫の部屋で、彼はその壁に描かれた落書きになっていたのだった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】 佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。 新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。 「せめて回復魔法とかが良かった……」 戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。 「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」 家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。 「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」 そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。 絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。 これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

処理中です...