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その悪魔は不意に…(連続殺人犯の場合)
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(ご注意:異常な死に方を表現したシーンがあります)
休日の上にホワイトクリスマスになった朝……
大阪南部のとある廃倉庫の一室で、ボロボロのベッドで寝ている者がいた。
彼は四十二歳になる住所不定、無職の元治という男だった。
彼は、全国で秘かに続いていた、独身女性相手の連続殺人事件の犯人でもあった。
唯一の趣味が殺人……で、今までに殺した人数は、十四人だった。
が、まったく証拠を残さないため、警察も手が出せないというラッキーな男だった。
そんな元治の手口は、針を使って急所を捉えて息の根を止め、金品を奪うというやり方だった。
やがて昼過ぎになったので、起きた元治は食事を済ませるとスーツ姿になり、この日の獲物を求めて出発することにした。
外に出ると雪はやんでいた。
「なーんだ……ホワイトクリスマスじゃないのか……」
つまらないことを言ってからトレンチコートを着ると、駅に向った。
近くのZ駅から電車に乗り、大阪の中心部へ向った。
そして、ちょっと大きいギャラリーに入った元治は、椅子に座って獲物の物色を始めた。
何故こういうギャラリーで物色するかというと、こういう場所に昼間から一人で来ている女性は、たいてい彼氏がなく、大した仕事もしていない可能性があったからだ。
やがて一人の女性に目をつけて立とうとした時、一人の少女がスッと現れた。
銀髪が肩まで伸びた、絵のモデルになりそうな可愛い少女だった。
そして少女は、
「おじさん、見付けたー」
「何だお前は? 用なんかないよ。さっさと、かぁちゃんの所に戻んな」
上から何か頭に落ちたような気がしたので、ん? と見て、また正面を見ると、少女はいなかった。
「あれ……? 変なガキだな……?」
元治は気を取り直すと、その女性に近付き、やさしく話しかけた。
元治の口調は実に巧みで上手く、その女性は、かなり彼に興味を持ってしまっていた。
やがて二人はギャラリーを出ると、近くのカフェに入った。
誰が見ても友達か恋人同士に見えるほど、元治の口調は彼女の心を魅了していった。
「僕が秘密にしている、お酒も飲めるちょっとイイ所があるんだけど、興味ある?」
「えー。行ってみたいわー」
カフェから出た二人は三分ほど歩いて、とあるパーキングに到着した。
ここは元治が契約している所で、彼のマイカーが泊めてあった。
笑顔の彼女も助手席に乗ると、元治はパーキングを後にした。
元治のマイカーが、街はずれに近付くと、
「あの……まだですか……?」
「じゃ、そろそろ休んでもらうか……」
「えっ、何?」
元治は、シートの陰に置いてあった防御マスクを素早く顔に付けると、隠しボタンを押しながら、
「おやすみー」
すると助手席の前から催眠ガスが噴出し、彼女は眠ってしまった。
直後、ドーン! と車体の後部に何かがぶつかり、元治も気絶した。
元治が、はっと気付くと、そこはさっきいたギャラーで、男が顔を覗きこみながら、
「お客さん、お客さん。あー良かった……」
「えっ、何? オレどうしたの?」
「いや、お客さん眠っちゃって……。すいません、もう終了なんで帰ってください」
仕方なく元治が、正面口に行こうとすると、
「あ、そっちはもう閉めたんで、裏から出てください」
元治は言われたとおり奥のドアを開けて、進んだ。
するとそこは真っ暗だったので、引き返そうと振り向いたが、なぜかドアはなかった。
仕方なく進もうとすると、闇の両側にいくつかの絵が現れた。
良く見ると、それぞれ見たこともない怪物が描いてあった。
ふと見ると、その闇の中央にあの少女がいた。
「おじさん、もうすぐだよ」
「えっ、何が?」
すると何やら不気味な声が聞こえ始めた。
見ると、それぞれの絵から怪物が抜け出てきたのだ。
元治はあわてて逃げようとしたが、すぐに壁に行き当たった。
怪物たちは元治を取り囲むと、その体をバラバラにしていった。
ギャー!!
そして怪物たちは、闇の奥に投げた。
ドン! ドン! ドン!
壁にぶつかったような音がした。
やがて闇が晴れると、そこは元治が住んでいた廃倉庫の部屋で、彼はその壁に描かれた落書きになっていたのだった。
休日の上にホワイトクリスマスになった朝……
大阪南部のとある廃倉庫の一室で、ボロボロのベッドで寝ている者がいた。
彼は四十二歳になる住所不定、無職の元治という男だった。
彼は、全国で秘かに続いていた、独身女性相手の連続殺人事件の犯人でもあった。
唯一の趣味が殺人……で、今までに殺した人数は、十四人だった。
が、まったく証拠を残さないため、警察も手が出せないというラッキーな男だった。
そんな元治の手口は、針を使って急所を捉えて息の根を止め、金品を奪うというやり方だった。
やがて昼過ぎになったので、起きた元治は食事を済ませるとスーツ姿になり、この日の獲物を求めて出発することにした。
外に出ると雪はやんでいた。
「なーんだ……ホワイトクリスマスじゃないのか……」
つまらないことを言ってからトレンチコートを着ると、駅に向った。
近くのZ駅から電車に乗り、大阪の中心部へ向った。
そして、ちょっと大きいギャラリーに入った元治は、椅子に座って獲物の物色を始めた。
何故こういうギャラリーで物色するかというと、こういう場所に昼間から一人で来ている女性は、たいてい彼氏がなく、大した仕事もしていない可能性があったからだ。
やがて一人の女性に目をつけて立とうとした時、一人の少女がスッと現れた。
銀髪が肩まで伸びた、絵のモデルになりそうな可愛い少女だった。
そして少女は、
「おじさん、見付けたー」
「何だお前は? 用なんかないよ。さっさと、かぁちゃんの所に戻んな」
上から何か頭に落ちたような気がしたので、ん? と見て、また正面を見ると、少女はいなかった。
「あれ……? 変なガキだな……?」
元治は気を取り直すと、その女性に近付き、やさしく話しかけた。
元治の口調は実に巧みで上手く、その女性は、かなり彼に興味を持ってしまっていた。
やがて二人はギャラリーを出ると、近くのカフェに入った。
誰が見ても友達か恋人同士に見えるほど、元治の口調は彼女の心を魅了していった。
「僕が秘密にしている、お酒も飲めるちょっとイイ所があるんだけど、興味ある?」
「えー。行ってみたいわー」
カフェから出た二人は三分ほど歩いて、とあるパーキングに到着した。
ここは元治が契約している所で、彼のマイカーが泊めてあった。
笑顔の彼女も助手席に乗ると、元治はパーキングを後にした。
元治のマイカーが、街はずれに近付くと、
「あの……まだですか……?」
「じゃ、そろそろ休んでもらうか……」
「えっ、何?」
元治は、シートの陰に置いてあった防御マスクを素早く顔に付けると、隠しボタンを押しながら、
「おやすみー」
すると助手席の前から催眠ガスが噴出し、彼女は眠ってしまった。
直後、ドーン! と車体の後部に何かがぶつかり、元治も気絶した。
元治が、はっと気付くと、そこはさっきいたギャラーで、男が顔を覗きこみながら、
「お客さん、お客さん。あー良かった……」
「えっ、何? オレどうしたの?」
「いや、お客さん眠っちゃって……。すいません、もう終了なんで帰ってください」
仕方なく元治が、正面口に行こうとすると、
「あ、そっちはもう閉めたんで、裏から出てください」
元治は言われたとおり奥のドアを開けて、進んだ。
するとそこは真っ暗だったので、引き返そうと振り向いたが、なぜかドアはなかった。
仕方なく進もうとすると、闇の両側にいくつかの絵が現れた。
良く見ると、それぞれ見たこともない怪物が描いてあった。
ふと見ると、その闇の中央にあの少女がいた。
「おじさん、もうすぐだよ」
「えっ、何が?」
すると何やら不気味な声が聞こえ始めた。
見ると、それぞれの絵から怪物が抜け出てきたのだ。
元治はあわてて逃げようとしたが、すぐに壁に行き当たった。
怪物たちは元治を取り囲むと、その体をバラバラにしていった。
ギャー!!
そして怪物たちは、闇の奥に投げた。
ドン! ドン! ドン!
壁にぶつかったような音がした。
やがて闇が晴れると、そこは元治が住んでいた廃倉庫の部屋で、彼はその壁に描かれた落書きになっていたのだった。
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