ちょいクズ社畜の異世界ハーレム建国記

油揚メテオ

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第三章 戦争編

第55話 朝の日常

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 今日の朝ごはんはポトフだった。
 久しぶりのルーナの手料理だ。
 やっぱりルーナの料理は美味しい。
 味付けが好みだ。

 ポトフを食べながら、メグの話をした。
 メグがかなり悲惨な人生を送ってきたらしい事を説明して、なんとか自立できるようにできないか相談してみる。

「うーん、自立って言っても……。あの娘は魔法使いじゃないんだろう? 普通の人間は、あのくらいの歳になったら、嫁に行くのが普通だと思うぞ?」

 そういうものだろうか。
 この世界には男女雇用機会均等法とかないんだろうか。
 まあ、あるわけないか。
 というか、嫁に行くってさ。

「俺にメグを娶れと言っているのか?」

「……なんで私がいるのに他の女を娶ろうとするんだ?」

 ルーナがギロリと睨んでくる。
 朝からマジギレとかやめて欲しい。
 軽い冗談のつもりで言ったのに。

「……じゃあ、花嫁修業的な感じで、メグに何か教えてやってくれ。これからメグが来たら、何か覚えたいことはないか聞いてみるから」

「それくらいならいいけど」

 ちょっとルーナがご機嫌斜めになったが、これでメグの事はルーナに押し付けることに成功した。
 予定通りだ。
 ただ、こんな場所で花嫁修業をした所で、肝心の相手がいない気がする。
 もしかしたら突然、石油王とか資産家とか不労所得所持者とかが訪ねてくるかも知れないし、準備はしておいて損はないだろうけど。
 なんというか、メグの生い立ちを聞いていると、一発逆転ホームランみたいな人生を歩んで欲しいと思うのだ。

「ミレイについてはどうするんだ?」

「うーん、あいつは大人だからやりたいようにさせておく。とりあえず、衣食住の面倒は見るけど」

 衣食住とか言って思い出した。
 俺は山賊からパクってきた財宝とかが入った袋をまだルーナに見せていなかった。
 あれは一応、ルーナへのお土産のつもりで持ってきたのだ。

 食べ終わっていた朝食の食器を片付けてから、俺は机の上に戦利品を並べた。

「え? なんだこれ?」

「お前へのお土産だ」

「お金と宝石と、生地まであるじゃないか」

 ルーナと一緒に戦利品を確認する。
 戦利品の内訳はこんな感じだった。

 金貨約500枚。
 銀貨約600枚。
 銅貨8枚。
 アメジスト9個。
 ルビー3個。
 エメラルド5個。
 ダイヤモンド1個。
 高級回復薬14本。
 麻布のロール1反。
 木綿のロール1反。
 絹布のロール1反。

「すごい大金だな」

 ルーナは積まれた金貨と銀貨を見て驚いている。
 正直、金貨とかの価値がわからない。
 金貨は500円玉くらいの大きさで、銀貨は100円玉くらいだった。
 あと、銅貨は10円玉くらいの大きさだ。
 価値もそれくらいだったら、結構微妙な金額だ。

「どれくらいの金額なんだ?」

「うーん、少なくとも普通の家庭だったら一生遊んで暮らしていけると思う」

「ほほう」

 つまり一生働かなくて良いと言うことだろうか。
 もとより働く気なんてないが。
 というか、日本円にしてどれくらいの金額なんだろうか。
 普通の家庭が一生暮らしていけるって、サラリーマンの生涯年収が約2億くらいだとすると、それ以上って事になる。

「…………」

 ちょっと怖くなってきた。
 宝くじを当てた人の気持ってこんな感じだろうか。
 泥棒とかに狙われたらどうしよう。

「このお金どうしようか? なんか欲しいものとかないか?」

 とりあえずルーナに相談してみる。
 現在、我が家の生活は完全自給自足で成り立っているので、生活費というものは必要ない。
 なので、ルーナにパーっと使ってもらおうかと思った。
 俺は特に欲しいものないし。
 というか何かを買うためには、店のある街とかに行かなくてはならない。
 そんなの絶対に嫌だった。

「うーん、私は特にないかな。お金はしまっておこう。子供が出来た時に必要になるかもしれないし」

「……子供!?」

 ルーナがさらっと不穏な事を言い出した。
 チョロインのくせにちょいちょい面倒くさい事を言い出す。
 子供なんか作る気はない。
 とはいえ、子供を作る行為はやめる気はない。
 なんという矛盾。

「うん。学校の入学金とか結構高いんだぞ? それよりも、私は生地が嬉しい。これだけあればなんでも作れるぞ!」

 ルーナは生地のロールを手にとって嬉しそうにしている。
 子供問題はどうしたと思うが、まあ、未来の俺が苦しめば良いのであって、今の俺には関係ない。
 というか、学校の入学金が高いってリアルで嫌だな。

「なあ、何か作って欲しい服はないか?」

「服か……」

 俺は服とかに全く興味がなかったので、そんな事を言われても困ってしまう。
 強いて言うなら、ジャージとかスウェットとかが欲しい気がする。
 ただ恐らくジャージを作ってくれと言っても伝わらないだろう。

「俺はあんまりセンスないから、お前に任せる。俺に似合いそうな服を作ってくれ。それよりも」

 それよりも今朝、朝食を作っているルーナを見て思ったことがある。
 ふんふん鼻歌を歌いながら、オタマを片手にルーナは料理していたが、何かが足りないと思っていたのだ。

「お前、料理する時にエプロンとかしないのか?」

「エプロン? ああ、フィリスとかがつけているやつか?」

 メイド服についているひらひらしたエプロンの事だろうか。
 あれはあれで確かにいい。
 でも、違うんだなー。

「いや、ああいうのではなくて、なんというかPIYOPIYOみたいなロゴの入った……」

「ろご?」

 ルーナはきょとんとしている。
 俺のイメージが上手く伝わらない。
 自分の語彙力の低さが恨めしい。
 わかんないかなー。
 こう新妻というか、管理人的な。
 毎朝、ルーナがPIYOPIYOエプロンを付けて料理していたら、こうグッと来るのに。
 いや、むしろもう自分で作るか。

「なあ、裁縫魔法って布を作れるようになったら次は服とか作れるようになるのか?」

「うん。いろいろな素材を使った複雑な服じゃなければ作れると思うぞ」

 俺の裁縫スキルはレベル2で《下級布生成》で糸から布を作る事ができる。
 もう少し頑張れば裁縫スキルがレベル3になりそうだ。
 たぶんだけど。
 最近サボっていたけど、羊狩りを再開させてウールを作りまくろう。
 そして、ルーナの為にPIYOPIYOエプロンを作るのだ。
 PIYOPIYOエプロンを着たルーナを想像しただけで、クラクラしてくる。
 いや待て。
 裸にエプロンというのはどうだろうか。
 いやいや、服を作れるということはナース服とかチャイナドレスとか、コスプレもさせ放題なのではないだろうか。
 ルーナなら何を着ても似合いそうだ。
 だんだんムラムラしてきた。
 よし、本気で裁縫スキル上げよう。
 俺は固く決意した。

「……どうしたんだ? 黙ってそんなに見つめられると、恥ずかしい」

 ルーナは顔を赤らめて、目線を反らす。
 ムラムラしている時に、そんな仕草をされると辛い。
 朝っぱらから催してしまう。

 そんな時、外から馬蹄の音が聞こえた。
 カンナさん達だろう。
 おそらくミレイとメグを送ってきてくれたはずだ。



 机の上に広げた財宝を片付けて、外に顔を出す。
 そこにはセレナとフィリス、そして真っ青な顔をしたミレイと、いつも通り元気なメグがいた。
 カンナさんはいないみたいだ。

「ごきげんよう」

「おはようございます。コウ様」

 セレナとフィリスが家の中に入ってくる。

 セレナはルーナを見るなり突然抱きしめた。

「わわっ!」

「元気になって良かったわね。心配したのよ?」

「……うん」

 抱き合う美女2人というのは、なんというか絵になる。
 というか、この2人って仲がいいんだか悪いんだかよくわからない。

「……コウさん」

 セレナ達についてきたミレイがビクビクしながら、俺の裾を掴む。
 そんなに恐ろしい体験をしたのだろうか。

「あのう、あの綺麗な人って何者なんでしょうか? あのイスマンメルが敬語を使っていたんですけど」

 ミレイはセレナをチラチラ見ながら怯えている。
 フィリスにビビって、カンナさんにもビビっていたミレイだ。
 セレナの事を言ったらどうなるのだろうか。
 まあ、言うしかないのだが。

「あの人はセレナって言って、なんというか吸血鬼の親玉みたいな人だ。真祖とか言ってたかな」

「……真祖」

 そう呟くと、ミレイはすうっと気を失った。
 慌てて、抱きとめる。
 ミレイは吸血鬼を倒すことを生業にしてたみたいだった。
 真祖という言葉も知っていたのだろうか。
 ルーナは全人類が束になっても敵わないとか言っていた。
 そんなセレナと同じ城で一夜を明かして、朝一緒に俺んちまで来たのかと思うと笑えない。
 セレナはぱっと見、普通の人間にしか見えないが。

「メグは昨日は良く眠れたか?」

 気を失ったミレイを抱えたまま、ニコニコしているメグに聞いてみる。

「はい。ベッドはふかふかでしたし、綺麗な服も着せてもらえましたし、朝ごはんも美味しかったです!」

 メグは物凄く嬉しそうだ。
 確かにセレナの城は普通に高級ホテル並だった。
 問題は、従業員がグールだということだが。

「怖いお化けみたいな人はいなかったか?」

「?」

 メグはきょとんとしている。

「普通に綺麗なメイドさんしかいませんでしたよ?」

 スミスさんは出て来なかったらしい。
 俺の時も綺麗なメイドさんに相手をして欲しかった。
 というか、確か俺が泊まった時はカンナさんが最初は相手してくれたのだ。
 途中で何故かグールのスミスさんに変わってしまったが。
 あの時のカンナさんは、初対面だったから今とは全然イメージが違った。
 キリッとした出来るメイドさんっていう感じだった。
 今はエロいお姉さんって感じだ。
 見かけだけで人を判断してはいけないのである。

「お、おい! なんで抱き合っているんだ!」

 ルーナが泣きそうな顔をしている。
 そういえば、ミレイを抱えたままだった。

「なんか気を失っちゃってな」

 ベッドに寝かそうと思ったけど、おそらく高確率で目を覚ました時にセレナがいる。
 ミレイが気を失ったのは、セレナが原因なので遠ざけておいた方が良い気がする。

 俺はミレイをひょいっと担いで、ルーナに声をかけた。

「このまま、ミレイとメグの家を作ってくる」

「う、うん。私も行く」

 少し迷ったが、ルーナは病み上がりだ。
 セレナもいるし、家にいて貰った方が良いだろう。

「いや、お前は家で安静にしてろ。いつもみたいにセレナとお茶でも飲んでいればいいじゃないか」

「え、でも……」

「ルーナお嬢様、給仕は私がしますので」

 珍しくフィリスがメイドっぽいことを言っている。

「うん……」

 ルーナは頷いているが、寂しそうだ。
 2人の家を建てるのは、うちの近所のつもりなので何処か遠くに行くわけではないのだが。

「さ、寂しくなっちゃったらすぐ呼ぶんだぞ? あと、浮気もしちゃダメだからな?」

 そう言いながら、ルーナがしがみついてくる。
 本当にこの女は俺をなんだと思っているのか。
 とりあえず、ルーナを抱き返しながら、耳元で囁いた。

「わかっている。だから、ちゃんと家で大人しくしてるんだぞ?」

「うん……」

ルーナを離してから、セレナの方を向く。

「悪いけどルーナを頼むな。あと、2人の家を作り終わったら、別荘作り再開するから」

「楽しみにしているわ。あなたも元気になって良かったわね」

 そう言いながら、セレナはにっこりと微笑む。
 そんなセレナの笑顔を見ながら、俺は少し残念だった。
 俺もルーナみたいにギュッとしてもらいたかった。
 セレナのおっぱいは相変わらず物凄い。
 迫力が違うというか、オーラがある。
 早く別荘作りを再開させて、このおっぱいを揉ませてもらわねばと改めて思ったのだ。

 とりあえずは、ミレイとメグの家を建てよう。
 魔法も復活したことだし。
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