ちょいクズ社畜の異世界ハーレム建国記

油揚メテオ

文字の大きさ
120 / 310
第四章 竜騎士編

第119話 ピート帰還

しおりを挟む
 家でルーナとイチャついていたら、泣きべそをかいたカー坊がやってきた。

「コウ兄ちゃん! うちのあんちゃんが、帰ってこないんだ」

 カー坊の叫びは悲痛だった。
 というか。

「お前に兄なんていたか?」

「ええ!?」

 カー坊はひどく驚いた気がする。
 はて。解せぬ。
 カー坊の兄?
 …………。
 ああ!
 いたいた!
 なんかモブっぽいのがいた。

「おいらのあんちゃんはピートって言って、コウ兄ちゃんと一緒に戦に行ったんだ、けど……」

 そうだ。
 ピートだ。
 そういえば、あいつどうしたっけな。
 うーん。

 俺は両手を組んで悩んだ。
 必死に脳内HDDにサーチをかける。

 辛うじて1件ヒットした。

「……ピートは……囚人の才能がある……。悪い、これしか思い出せないわ」

「ど、どういうこと!?」

 愕然とした表情で涙を浮かべるカー坊。
 どういうことかは俺にもわからない。

「お、おい! 可哀想じゃないか! ピートのこともっと良く思い出せないのか!? よしよし、可哀想に」

 見かねたルーナがカー坊を抱きしめている。

「……べ、べつにどうってこと無いよ。うへへ」

 こ、この糞ガキ!!
 ルーナに抱きしめてもらって、物凄くエロい目をしてやがる。
 それは俺の女だ!
 10歳とは言え許せん。

 おもむろに立ち上がると、カー坊の頭をぎりぎりと掴む。

「あがっ! あががが!」

 苦悶の表情を浮かべるカー坊。
 バカのくせに調子に乗るからだ。

「こら! 子供になんて事をするんだ!? そんなことで良いパパになれると思っているのか?」

 ルーナに怒られてしまった。
 というか、サラッと怖いことを言うのはやめて欲しい。
 え、まだだよね?
 まだセーフだよね?

 とりあえず。

「だってカー坊が、エロガキのくせに生意気に……」

 そんな言い訳をしてみると、ルーナがはっとした表情をする。

「お前……もしかしてカー坊に妬いているのか?」

「なんでだよ!?」

「えへへ! そんなに嫉妬するなら、ちゃんと捕まえておけばいいじゃないか! ほらほら」

 ルーナが嬉しそうに抱きついてくる。
 何言ってんだこいつ。
 俺がカー坊に嫉妬なんてするわけ……したんだろうか。
 自分の3分の1も生きてない子供に嫉妬するのってどうなんだろう。
 いや、さっきのカー坊のエロ目は子供のそれではなかった。
 まるでキャバクラ狂いの中年オヤジのような。
 10歳でその境地に達するとは。
 カー坊、恐ろしい子。

「うう、ずるいや、コウ兄ちゃんばっかり」

 ルーナとイチャついていたら、カー坊が悔しそうにしていた。
 とりあえず、渾身のドヤ顔をカー坊に見せつけておく。

「……大人げない」

 カー坊がぼそっと言う。
 うるせ!
 カー坊のくせに生意気な。

「ねえ、これでも食べてげんきだして?」

 その時、うちに遊びにきていたアンがカー坊にクッキーを渡す。
 カー坊が来るまでは、アンとルーナと3人でクッキーを食べていたのだ。
 ちなみに、アンはヴァンダレイジジイの孫だ。

「あ、ありがとう」

 クッキーを渡されたカー坊はアンをぽーっと見つめている。
 なんか嫌な予感がする。

「……かわいい」

 ボソッとカー坊がつぶやいた。
 アンはよくわかっていないのかニコニコ笑っている。

 10歳の少年が7歳の少女に恋をした瞬間だった。

 確かにアンは美少女だ。
 あと10年もすれば美しい娘に成長するだろう。
 ついでに邪魔なジジイは死んでいるはずだ。
 そうなったら美味しく頂こうと思って、こうして毎日クッキーで餌付けしていたのに。

「お、おいらカービンっていうんだ。い、いっしょにお外であそぼうよ?」

「うん、いいよー。わたしアンっていうの」

 そして、ロリの化身とショタの化身は仲良く手を繋いで外に遊びに行った。

 あの糞ガキ!!
 俺の光源氏計画を邪魔するとは……許せん。

 絶対にカー坊とアンが仲良くなるのだけは阻止せねば。
 俺の心はメラメラと燃えた。

「な、なあ、二人きりになっちゃったな。な、何しよっか?」

 ルーナがチラチラと上目遣いをしてくる。
 白々しいけど可愛かったので、とりあえずルーナを押し倒した。



 ルーナをきっちり気絶させた後、俺は糞ガキの後を追った。

 カー坊とアンは俺の作った砂場(畑)で楽しそうに泥んこ遊びをしていた。
 うう、俺が作った砂場でよくも。

 とりあえず、アンを取り返すことにした。

「アン、おじさんが飴玉をあげよう。こっちにおいで」

「わーい! アメすきー!」

 アンが嬉しそうに駆けてくるので、ルーナ作の飴玉を渡して頭を撫でる。
 そして、すかさず置いてけぼりになったカー坊にドヤった。

「ぐぬぬぬー! コウ兄ちゃんにはルーナ姉ちゃんとかミレイ姉ちゃんがいるのに、なんでおいらのアンちゃんにまで手を出すんだよ!?」

 カー坊は悔しそうな顔で地団駄を踏んでいる。
 ふふ、良いザマだ。
 さりげなくおいらのアンちゃんとか言っているのがイラッとするが。
 まあ、ここは大人としてひとつレクチャーしてやるか。

「いいか、カー坊。傍にどれだけいい女がいても、他にいい女がいたら迷わず手を出す。それが俺の生き方だ」

「……くそう、くやしいけどあこがれる」

「ふふ、努力を怠るなよ。才能あるぜ、お前」

 そう言い残して、アンを家に連れ帰った。
 今日は俺の勝ちだな。

 この日から、俺とカー坊の壮絶なアン争奪戦が幕を開けた。


 ちなみに、数日後、ピートは誰に祝福されるでもなく普通に帰ってきた。
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

Re:Monster(リモンスター)――怪物転生鬼――

金斬 児狐
ファンタジー
 ある日、優秀だけど肝心な所が抜けている主人公は同僚と飲みに行った。酔っぱらった同僚を仕方無く家に運び、自分は飲みたらない酒を買い求めに行ったその帰り道、街灯の下に静かに佇む妹的存在兼ストーカーな少女と出逢い、そして、満月の夜に主人公は殺される事となった。どうしようもないバッド・エンドだ。  しかしこの話はそこから始まりを告げる。殺された主人公がなんと、ゴブリンに転生してしまったのだ。普通ならパニックになる所だろうがしかし切り替えが非常に早い主人公はそれでも生きていく事を決意。そして何故か持ち越してしまった能力と知識を駆使し、弱肉強食な世界で力強く生きていくのであった。  しかし彼はまだ知らない。全てはとある存在によって監視されているという事を……。  ◆ ◆ ◆  今回は召喚から転生モノに挑戦。普通とはちょっと違った物語を目指します。主人公の能力は基本チート性能ですが、前作程では無いと思われます。  あと日記帳風? で気楽に書かせてもらうので、説明不足な所も多々あるでしょうが納得して下さい。  不定期更新、更新遅進です。  話数は少ないですが、その割には文量が多いので暇なら読んでやって下さい。    ※ダイジェ禁止に伴いなろうでは本編を削除し、外伝を掲載しています。

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

処理中です...