ちょいクズ社畜の異世界ハーレム建国記

油揚メテオ

文字の大きさ
160 / 310
第五章 領地発展編

第155話 ユニコーン大迷惑

しおりを挟む
 数多の森系モンスターを倒しながらたどり着いたそこは――。

「な、なんだここは……」

 異臭の立ち込める黒い沼地だった。
 黒い粘着質の水が、ポコポコと辺りから湧き出している。
 酷く不気味な光景だった。

「……お兄ちゃん、怖いよう」

 怯えたアンがしがみついてくる。
 ピートや♀ラッセルも顔を青くしていた。
 無理もない。
 目の前の黒い沼地はこの世のものとも思えない景色だった。

「ここが森の最深部です。ユニコーンがいるのはここですよ。ここまで来た人間はコウ様たちが初めてだと思いますよー」

 案内してくれた当人だけあって、全くビビっていないフィリスがそんなことを教えてくれる。
 さすが吸血鬼の森の最深部だ。
 邪悪な感じが半端ない。

 というか、あの黒い沼さ。
 もしかして石油なんじゃなかろうか。
 ガソリンスタンドの臭いがしないので、違うかもしれないけど。
 見た目は石油っぽい。
 うーん。

「おい、ピート。ちょっとあの黒い水飲んでみろ」

 とりあえず、ピートで人体実験をしてみることにした。

「ええ!? い、嫌だよ! 絶対に身体に毒だろう、あれ!」

 ピートのくせに口答えをするとは……。
 まあ、よく考えたら石油を飲ませた所でどうなるかは知らないので、飲ませる意味はないのだが。
 無理やり飲ませる前に気づけてよかった。

「フィリス、あの水って燃えたりしないか?」

 石油なら燃えるはずなので、そう聞いてみると、フィリスは顎に指を当てて何かを考え込んだ。

「うーん、そういえば昔、エルダーリッチのオスカーさんが、この辺で焚き火したら大爆発して死にかけたって言ってたかもですねー」

 やっぱり石油だった。
 よく死にかけただけで済んだな。
 というか、アンデッドのオスカーさんってもう死んでるんじゃないのか。
 ちなみに、さっきモンスターから守ってやったオスカーさんは俺たちに頭を下げて、山菜収集に戻っていった。

 というか、石油かー。
 あれ、石油……?

「なあ、フィリス。ちなみに、あの黒い水くれって言ったらくれるのか?」

「え? いいですよ。あんなの飲水にも使えませんし」

 フィリスはあっさりと許可をくれた。

「……あんな変な水貰ってどうするんだ?」

 ピートがそんな事を言いながら、眉を潜めているのだが、なんという情弱。
 石油の価値を知らないなんて。
 まあ、中世っぽいこの世界なら石油を知らないのは当然だろうが。

「ふふふ、じゃあ、あの水は俺のものな? ここに埋蔵している全ての水は俺のものだからな?」

「……はあ。わかりました。セレナお嬢様にも言っておきますけど……?」

 俺のテンションの上がりっぷりに、不思議そうな顔をするフィリス。
 どうしよう。
 石油王が爆誕してしまった。
 黒い沼地は見渡す限り、かなりの広範囲に渡っている。
 きっと巨万の富を生み出すはずだ。
 もう一生働かなくていいだろう。
 しかも、金の力で女を抱き放題だ。
 きましたわー!!!

 …………。

 ただ、ふと冷静になって考えてみると、すでに働いていないし、毎日女を抱きまくっている。
 あれ?
 石油王になんてなってどうするの?
 よく考えたら、自動車もないこの世界で石油を何に使うかわかんない。
 うーん。
 とりあえず権利を確保できただけ良しとするか。

 というかですよ。
 ひょんなことから石油王になってしまったが、俺の目的はユニコーンの角だ。
 フィリスはああ言っていたが、そもそも、こんなおどろおどろしい場所にユニコーンなんて住んでいるのだろうか。
 ユニコーンってなんとなく神聖なイメージなんだけど。

「本当にユニコーンいるんだろうな?」

「はい。いますよー。確か100年くらい前に寝ぼけてこの辺を歩いていたら、ユニコーンっぽいものを見たような気がしましたから!」

 エヘンと胸を張りながらフィリスは言うのだが。
 どうしよう。
 結構な苦労をしてここまでたどり着いたのに、言っていることがだいぶ曖昧なんだけど。
 もっと早くに確認すれば良かった。
 ここまで来て、実はいませんでしたーとか、心が折れるどころの騒ぎじゃ――。

 ――ドガラッ!

 その時、背後から馬蹄の響きが聞こえた。
 振り返ると、そこにいたのは、黒い沼地にあって眩しいほどの白い輝きを放つ馬体。
 その額からは真っ直ぐな螺旋状の角が伸びている。
 ユニコーンだ!
 マジでいた。

「コウ! い、いいいいた! いたいた!」

 同じくユニコーンに気づいたらしいピートが動揺しながら声を上げる。
 わかっているから、とりあえず落ち着け。

 ピートの声が聞こえたのか、ユニコーンは俺達の方に目を向けた。
 ユニコーンと目が合う。
 深い知能を伺わせる目だった。

 ――ぺっ!

 しかし、ユニコーンは唾を吐き捨てるような仕草をすると、ドピュンと走り去ってしまう。
 障害物の多い森の中だと言うのに、信じられない程の速度だった。
 なるほど。
 ババアが普通にやってたら捕まえられないと言っていた意味がわかった。
 あの速度は人間には追いつけそうにない。
 というか、唾を吐く仕草にちょっと傷ついたんだけど。
 俺が男だからだろうか。
 処女厨のユニコーンさんは男を受け付けないらしい。
 気持ちはわかる。
 処女はどうでもいいけど、男なんて見たくないもの。

 うーん。
 とりあえず、ババアに言われたとおりに、処女で釣るか。

「いいか? ユニコーンは処女が大好きなクソ野郎だ。そこでお前らには囮になってもらう。ユニコーンが近づいてきたら、生け捕りにして角を叩き折るから」

 処女3人にまずは説明をした。

「……お、おとり?」

 アンが怯えた表情をしていた。
 ちょっと言い方が悪かっただろうか。
 でも確かにアンを囮にするのは気が引けた。
 アンに何かあったら事だからだ。
 ここは何が起ころうとどうでもいい♀ラッセルをまずは囮にするか。

「おい、まずはお前が囮になれ。俺たちは隠れるから、お前はユニコーンの気を引くんだ」

 ♀ラッセルにそう命令して、皆で木陰に隠れる。

「え? え?」

 突然、独りにされた♀ラッセルは戸惑っていたが、どうでも良かった。

 …………。
 ……。

 そして、そろそろ10分が経とうとしているのだが。

「……来ないな」

 せっかく処女を囮にしたと言うのに、ユニコーンは全く姿を表さなかった。
 やっぱりラクガキ顔じゃダメなんだろうか。
 いや、色気がもっと必要なのかな。

「おい、ちょっと服脱げ」

「ええ!? 突然、何を言われますの? い、嫌ですわ。こんな所で……」

 ♀ラッセルは己をかき抱くようにしながらモジモジしていた。
 デカい花に溶かされたせいで、既に半裸のくせに何を恥ずかしがっているのか。
 そんな場合じゃないんだけどなー。

「うるせえ、いいからさっさと脱げ」

「……な、なんて男らしい」

 ♀ラッセルはなぜか頬を赤らめながら、いそいそと服を脱いでいく。
 全裸になった♀ラッセルは、なんというか。
 ああ、うん……というか。
 ダルンとした締まりのない身体で、凹凸が全くない。
 一応、乳首らしきものや、恥毛らしきものも見えるのだが。

「……全くそそらんな」

 思わずそんな感想が口から漏れた。
 全裸だと言うのにエロさが皆無とは。
 逆に感心してしまう。

「ちょちょちょー!? じょ、ジョディーさん、み、見えてますよ!?」

 ピートが真っ赤になりながら、顔を手で覆っていた。
 すげえな、こいつ。
 あれを見てそんなフレッシュなリアクションが出来るとは。
 さすが童貞だ。

「……あ、あれが女の人のおっぱい……」

 指の間からチラリと♀ラッセルを覗いたピートが、はあはあ言いながらそんな事を言っていた。
 どうしよう。
 ピートがダメな方向に大人の階段を登ってしまった。
 まあ、あれで興奮できるなら、なんでも抱ける男になれるだろう。

 …………。
 ……。

 そして、更に10分待ったがユニコーンの気配すらない。
 やっぱりダメなのだろうか。

「うう、寒いですわ……」

 そういえば真冬だったので、全裸の♀ラッセルがガタガタと震えていた。

「よし、もういいぞ。戻ってこい」

「あの……? 私が脱いだ意味はあったのでしょうか?」

 ♀ラッセルが納得の行かない顔でトボトボと戻ってくる。
 まあ、はっきり言ってしまうと脱いだ意味はなかった。

 うーん、やっぱりB専処女はダメだったか。
 ニッチな需要があるのではと踏んでいたのだが。
 ニッチ過ぎたらしい。
 まあ、ここはやはり本命のフィリスさんに……。

「お兄ちゃん!」

 その時、アンが両手をギュッと握りしめて俺を呼んだ。

「つ、つぎはわたしがいくね?」

 アンは決意の篭った瞳を俺に向ける。
 さっきまで怯えていたのに。
 いや、今も足がガタガタと震えていた。

「いいよ。囮なんて怖いだろう?」

「……こ、こわいけど……わたしもルーナお姉ちゃんのためになにかしたいもん!」

 不意に。
 目頭が熱くなった。
 うう、ええ子や……。
 あんな刃傷沙汰ジジイに育てられているとは思えない。
 思わずアンの頭を撫でてしまった。
 ここはアンの心意気を買うべきだろう。
 ちょっと危険かもだけど、何かあったら全力で守ろう。

「ルーナの為にありがとうな。じゃあ、アンに頼もうかな」

「うん! がんばるね!」

 アンは嬉しそうに天真爛漫な笑顔を浮かべると――。

「……アン?」

 なぜか俺に向かってちっちゃなスカートの裾を捲り上げた。
 白い子供パンツが可愛らしい。
 というか、なぜいきなりパンツを見せてくれたのだろう。

「……わ、わたしもはだかになればいい?」

 アンが恥ずかしそうに上目遣いで俺を見つめる。
 ちょっとムラっとした。
 どうしよう。
 ♀ラッセルの100倍そそる。
 何かの扉がぐごごごと開いていく音を聞きながら、俺はじーっとアンの子供パンツを眺め続けた。
 なかなかどうして……美味そうな……。

「……こ、コウ様? 催してしまったのなら私がお相手しますから……さすがに小人間に手を出すのはちょっとダメだと思いますよ?」

 フィリスが軽く引きながら近寄ってきたので、その薄い胸を揉んだ。

「あんっ、あっ」

 フィリスの短い喘ぎを聞きながら、心を落ち着かせる。
 いかんいかん。
 思わずオープン・ザ・ゲート・オブ・ロリコンしてしまう所だった。
 合法フィリスがいなかったら危ない所だった。

「ううっ、うっ……」

 ピートはアンのパンツを見て鼻血を垂らしていた。
 ロリコンなのだろうか。
 引きますわー。

「……アン、そういうのはいいんだ。さっきのアレは軽いジョークだから」

「ジョーク!?」

 ♀ラッセルが変な声を上げていたが、構わずアンをたしなめる。

「女の子がそんな事をしちゃダメだぞ。一体どこで覚えたんだ?」

「ええとね、いつもミレイお姉ちゃんがお外でやってるのをまねしてみたの」

 スカートを下ろしながらアンが無邪気に答える。
 それだけ聞くとミレイがただの痴女みたいなんだが。
 アオカンする前に、ミレイが俺をその気にさせるためにやっていたのを覗かれていたのだろう。
 本当に教育に悪い村だ。

「服は着たままでいいから、気をつけていってくるんだぞ?」

「うん、じゃあ、いってくるねー!」

 アンがさっきまで♀ラッセルが立っていた辺りに、てててと駆けていく。

 アンを送り出すと、再び皆で木陰に隠れた。
 さて、幼女処女のお手並み拝見と行くか。

 ――ドガラッ!

 そう思った矢先にいきなり、白い馬体が遠くから顔を出す。
 もう来た!
 さすが将来有望なアンだ。
 脱いでもダメだったラクガキとは偉い違いである。

「こ、コウ! きききききた! きたきた!」

 再び現れたユニコーンを見て興奮したピートが俺の肩を叩く。
 わかったから落ち着け。

 ユニコーンは隠れた俺たちには気づかないようで、恐る恐るといった具合にアンに近づいていく。

「……うう」

 角の生えた馬なんて初めて見たであろうアンが怯えて後ずさる。
 アンに何かあったら、馬刺しにしてやろうと決意した。

 ユニコーンはアンと5メートルくらいの距離にまで近づくと、じろじろとアンを舐め回すように見つめた。
 心なしか、その目がエロく歪んでいるように見える。
 くそ、俺のアンをエロい目で見やがって……!

 しばらくして、値踏みが終わったのか、ユニコーンは小さくため息を付くと、ブヒンと鼻を鳴らして踵を返した。
 まるで小馬鹿にしたような感じだった。
 そのまま、ユニコーンは驚異的な速度で駆け去ってしまう。
 ううむ……。

「ああっ! ユニコーンがっ!」

 ピートが残念そうな声を上げた。

「うむ。ユニコーンはロリコンじゃなかったらしい。お前と違ってな」

「そうだったのか……って俺はロリコンじゃないよ!!」

 まさかのノリツッコミが飛び出した所で、アンがしょんぼりしながら戻ってきた。

「……お兄ちゃん、ごめんなさい。だめだったみたい」

「気にするな。頑張ってくれてありがとうな」

 そう言いながら、しょぼんとするアンを優しく抱きしめた。

 しかし、幼女処女でもダメだったか。
 パンツを見せてくれたアンは、色気と呼べるものを醸し出していたのでイケるかもと思ったのだが。
 ここはやはり……。

「フィリス先生、お願いしやす」

 そう言って、大本命のフィリスに頭を下げる。

「ふふん、はじめっから私に頼めばよかったんですよー! 私にかかればあんな馬、お茶の子さいさいですからね」

 ここぞとばかりに胸を張ったフィリスが自信満々に向かっていく。
 ああいう態度をとった後にがっかりさせられることの多いフィリスだ。
 そこはかとなく不安になりながら、木陰に隠れた。

 ――ドガラッ!

 するとすぐにユニコーンが現れた。
 鼻息荒く、フィリスに向かって一目散に駆けてくる。
 心なしかその目がハートになっているようにも見えた。
 今までで一番の反応だ。
 さすが。
 黙ってれば文句なしに美人のフィリスさんだ。
 黙ってさえいれば――。

「あ、そうだ、コウ様。上手く行ったらうんちは諦めますけど、お尻の穴ペロペロくらいはさせてくださいね?」

 ああっ!
 なんで黙ってないんだよ!!

 ユニコーンがキキーッと急ブレーキをかける。

「できればうんちした直後のお尻の穴がいいです。はあはあ」

 ユニコーンはしょぼんと項垂れると、トボトボと帰っていった。
 おい!!

「あれー? 帰っちゃいましたね。変だなー」

 さも不思議そうに首を傾げるフィリス。
 全然変じゃねえから。

「お前が余計なこと言うからだろ、バカ!!」

「あっ! な、なんでそんな酷いこと言うんですか! 知識溢れる私に向かって! だいたい私よりルーナお嬢様の方がバカじゃないですかー!?」

「お、俺のルーナをバカ呼ばわりしたな!?」

 確かにバカだけど。
 今日という今日はこいつの変態っぷりを許すわけにはいかなかった。
 だってもうユニコーン捕まえる術がなくなっちゃったじゃないか!

 そんなわけで、ぎゃーぎゃーとフィリスとやかましく口論した。



 10分後。

「……はあ、はあ、なんか疲れましたね」

「ああ、疲れたな……」

 普段、俺は口喧嘩など滅多にしない。
 慣れない行為をしたせいで、なんか頭痛くなってきた。
 よく考えたら、フィリスは悪くない。
 フィリスがスカトロという重い病にかかっているのは誰もが知るところじゃないか。
 そんなフィリスを清い乙女枠として連れてきた俺が間違っていたのだ。

「……悪かったな、フィリス。ちょっと言い過ぎた」

 なので素直に謝ることにした。

「コウ様……。判って頂けたのなら、いいんです。私も失礼な事を言っちゃって、ごめんなさいでした」

 そして、俺とフィリスは仲直りの抱擁を交わした。
 抱擁しながら、こっそりと尻の穴を触ってくるフィリスは、もう手の施しようがないのかなと思った。

「……それにしてもどうしましょうか? 囮作戦は失敗しちゃったみたいですし」

 他人事のようにフィリスが言っているが、囮作戦が失敗したのはお前のせいでもある。

「……お兄ちゃん、お腹すいたの」

 アンもこう言っているし、一旦戻って作戦を練り直したほうがいいだろうか。
 うかうかしていると日が暮れてきそうだし。
 うーん。
 めんどくさいけど戻るか。
 アンや♀ラッセルと言った非戦闘員を連れて、あの森の愉快なモンスターたちが待ち受ける森を再び抜けるのは本当にめんどくさいけど。

「ああああああ!」

 その時、♀ラッセルが変な声を上げて倒れ伏した。

「あ、足をくじきましたわ……」

 なんでここまでモンスターから守ってやったのに、何もない所で怪我をするんだよ。
 見れば、♀ラッセルの右足がぷっくりと膨らんでいた。
 これは歩くのは無理そうだな。
 とりあえず、♀ラッセルの頭を掴んで持ち上げる。

「な、なんて男らしい……」

 このまま持って帰るしか無いか。
 でも、手が塞がった状態で森モンスターの相手が出来るだろうか。
 フィリスだけじゃちょっときつそうだしなー。
 うーん。
 仕方ない。
 ワイルドカードを切るか。

「か、カレリアさーん?」

 明後日の方向に向かって、カレリアさんタクシーを呼ぶ。
 もう村まで空間魔法で送ってもらおうと思う。

「……お呼びになりましたか? アサギリ様。あら、フィリスもいたの」

 何もない空間から仏頂面のカレリアさんがみょんみょんと出現する。
 相変わらず便利な人だ。

「あ! カレリア姉様!」

 フィリスが嬉しそうな声を上げた。
 カンナさんとは物凄く仲が悪いのに、カレリアさんには懐いているようだ。

「悪いんですけど、村まで俺たちを送ってくれませんか?」

「ああ、そんなことですか。構いませんよ……ところで」

 カレリアさんはあっさり了承してくれたのだが。

「……その馬はなんですか?」

 カレリアさんが俺の背後を見ながら、そんな事を言った。
 はて、馬なんていただろうか。
 不思議に思いながら、振り返ると、そこにはハートマークの目をした角の生えた白馬が立っていた。
 はあはあと鼻息荒くカレリアさんを見つめている。

 ユニコーンいるし!?

「か、確保ー!!!」

 なぜか訪れた好機に、俺は思わずそう叫んでいた。



 角を折られたユニコーンは泣きべそをかきながら走り去っていった。

「やりましたね、コウ様!」

「お、おう」

 嬉しそうに言ってくるフィリスに曖昧な頷きを返す。
 俺の手には純白の螺旋角が握られていた。
 折られたてのそれは、まだほのかに温かい。
 これでルーナの病も治るはずだ。

 ただ一つ、解せない事がある。

 一体、なぜ再びユニコーンは現れたのだろう。
 あの馬はカレリアさんを眺めていたような気がしたが。

「……なんですか? 人の顔をジロジロ見るのは失礼ですよ?」

 まさかと思いながら、カレリアさんを見つめていたら、ピシャリと怒られてしまった。
 その表情はいつもどおり、キリッとしたものだった。
 金髪の知的美人とかマジ萌える。
 いや、それはいいのだが……。

「……カレリアさんってもしかして処女なんですか?」

 とりあえず、直球で聞いてみた。
 このままでは疑問に思いすぎて夜も眠れなさそうだからだ。
 いやでも、まさかねー?
 吸血鬼姉妹の長女であるカレリアさんがまさか。
 あのカンナさんのお姉さんなんだよ?

「……はあ?」

 カレリアさんは綺麗な眉を思い切り潜めながら、俺を睨みつけた。
 うう、美人に睨まれると勃ってしまいそうだ。

 そして、カレリアさんはひょいっとそっぽを向いて。

「…………ち、違いますよ」

 真っ赤になりながら、ボソッと嘘をついた。

 やべえ。
 カレリア姉様超可愛いんだけど。
 これは是非、俺が貰ってやらねばと思った。

#############################################
【ステータス】
 名前:コウ
 LV:29
 称号:悲哀なる社畜、色事師、村長
  ※悲哀なる社畜:HPに+1000の補正
  ※色事師:セックスをした相手のステータスを見れるようになる
  ※村長:村民のステータスに一律+5の補正
 立場:龍神王、子爵、ハイランダー、石油王(New!)
 HP:1340/1340
 MP:260/260
 筋力:147
 防御:45
 敏捷:50
 器用:46
 知能:89
 精神:72
 スキルポイント:6

【装備品】
 [国剣ラグニード]:攻撃力補正+634
 [土の剣]:攻撃力補正+30
 [厚手のチュニック(メイドインルーナ)]:防御力補正+0

【スキル一覧】
 ・初期スキル
  根性:LV7
  睡眠耐性:LV10(MAX)
  疲労耐性:LV10(MAX)
  孤独耐性:LV10(MAX)
  精神耐性:LV5
  痛覚耐性:LV10(MAX)
  病気耐性:LV8
  飢餓耐性:LV3
  房中術:LV3

 ・強化スキル
  筋力:LV1

 ・魔法スキル
  回復魔法:レベル2:《体力回復》《傷治療》

  属性魔法
   土魔法:LV3:《土生成》《土形成》《石形成》 
   水魔法:LV2:《水生成》《水形成》
   火魔法:LV2:《火生成》《火形成》
   風魔法:LV2:《風生成》《風形成》

  属性魔法
   重力魔法:LV1:《自己重力変動》

 ・武器スキル
  剣:LV3:《達人剣術》
  二刀流:LV3:《達人二刀流》

 ・体術スキル
  打撃:LV2:《応用打撃》

 ・騎乗スキル
  馬:LV1:《基礎馬術》

 ・生産スキル
  裁縫:LV2:《下級糸生成》《下級布生成》
  木工:LV2:《下級丸太生成》《下級木材生成》

【取得可能スキル一覧】
 使用可能スキルポイント:1
 ・武器スキル
  槍/弓/根/斧/拳

 ・強化スキル
  防御/敏捷/器用/知能/精神

 ・盗賊スキル
  解錠

 使用可能スキルポイント:3
 ・騎乗スキル
  飛竜

 使用可能スキルポイント:10
 ・種族スキル
  吸血鬼

 ・魔法スキル
  深淵魔法
   時間魔法/空間魔法/精神魔法

 ・騎乗スキル
  古竜エンシェントドラゴン

 ・生産スキル 
   鍛冶/革細工/錬金術/彫金
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

Re:Monster(リモンスター)――怪物転生鬼――

金斬 児狐
ファンタジー
 ある日、優秀だけど肝心な所が抜けている主人公は同僚と飲みに行った。酔っぱらった同僚を仕方無く家に運び、自分は飲みたらない酒を買い求めに行ったその帰り道、街灯の下に静かに佇む妹的存在兼ストーカーな少女と出逢い、そして、満月の夜に主人公は殺される事となった。どうしようもないバッド・エンドだ。  しかしこの話はそこから始まりを告げる。殺された主人公がなんと、ゴブリンに転生してしまったのだ。普通ならパニックになる所だろうがしかし切り替えが非常に早い主人公はそれでも生きていく事を決意。そして何故か持ち越してしまった能力と知識を駆使し、弱肉強食な世界で力強く生きていくのであった。  しかし彼はまだ知らない。全てはとある存在によって監視されているという事を……。  ◆ ◆ ◆  今回は召喚から転生モノに挑戦。普通とはちょっと違った物語を目指します。主人公の能力は基本チート性能ですが、前作程では無いと思われます。  あと日記帳風? で気楽に書かせてもらうので、説明不足な所も多々あるでしょうが納得して下さい。  不定期更新、更新遅進です。  話数は少ないですが、その割には文量が多いので暇なら読んでやって下さい。    ※ダイジェ禁止に伴いなろうでは本編を削除し、外伝を掲載しています。

処理中です...