ちょいクズ社畜の異世界ハーレム建国記

油揚メテオ

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第六章 エルフ王国編

第260話 結婚式 裏

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 夜のテラスからは、澄んだ星空が見えた。
 そして、存在感のある三日月。
 出てきたガラス戸を閉めると、途端に喧騒が遠のいていく。
 落ち着いた静けさ。
 今テラスにいるのは、俺と目の前で背を向ける吸血鬼だけだった。

 セレナはバルコニーの手すりに掴まって、しょぼんと庭を眺めていた。
 いつもより凝った意匠の漆黒のドレスに、二の腕まである同じく漆黒の手袋をつけたセレナ。
 闇夜には真っ白な肩と背中がぼんやりと浮かんでいるように見えた。
 艷やかな銀髪をまとめ上げているため、むき出しになったうなじが色っぽい。
 結婚式仕様のセレナは、当然だけど、綺麗だった。

 俺とセレナの間に、春の夜風が吹き抜ける。
 披露宴の熱気で火照っていたので、心地良かった。
 でも、あんなに腕だの背中だのをむき出しにしているセレナには寒いのではなかろうか。

 そんなわけで、そっと近づいて、セレナの肩を抱いた。
 セレナの肩は、ひんやりとしていてすべすべで。
 素敵な感触だったので、思わず撫でてしまう。

「………もう」

 俺に気づいていたらしいセレナは、急に肩を抱いても驚かなかった。
 クスッと笑って、俺の肩に頭を載せてくる。
 ふんわりと漂う、嗅ぎ慣れた香水。
 胸が高鳴る匂い。
 このまま押し倒したくなる。

「って!!! これじゃあいつもと同じじゃないの!!!!」

 突然の拒絶。
 え、なんで???
 ドンッと勢いよく押されて、HPがガクッと減る。
 エスメラルダさんとセレナにドンされると普通に痛い。
 特にセレナのドン、略してセレドンはHPの減りがひどい。
 俺じゃなかったら、怪我をしている所だ。

「……こ、こういうの、もうやめてよ!」

 顔を真赤にしたセレナが、胸に手を当てて息を荒げていた。
 やめてってなんだよ。
 肩を抱いたのが嫌だったんだろうか。
 じゃあ、おっぱい揉もうかな。

「そ、そういうのも!!!」

 爆乳に手を伸ばそうとしたら、背中を向けられてしまった。
 両腕で胸を隠すセレナ。
 とはいえ尋常ならざる爆乳は、腕の隙間からムニュッと溢れている。
 隠しているのに逆にエロい。
 そして、背中を向けているせいで、ドレス越しでもわかるむちむちの尻が自己主張していた。
 どうしよう。
 この女、身体の全てがエロい。
 エロスの総合デパートみたいな女だった。
 というか、肩を抱くのも乳を揉むのをダメって……。
 じゃあ、もう挿れるしか……。

「……あ、あんな素敵なお嫁さんが出来たんだから、私なんかにかまってないで、そっちに行きなさいよ……ばか……ぐすっ」

 ええー?
 すげえ面倒くさい事言っている。
 俺に背中を向けながら、鼻をすするセレナ。
 なんか最近おかしいと思ったら、やっぱり面倒くさい事を考えていたらしい。

「……今までは私も悪かったわ。ずるずるとあなたに甘えちゃって……で、でも、最近わかったの。わ、私じゃ、あの娘に……か、勝てないって……だってすごく素直で、ひたむきで、一途で……うう、ぐすっ……わ、わたしなんかつまんない意地を張ってばかりで……うぇ、ひっく」

 なんかメンヘラな事を言いだしたセレナが肩を震わせていた。
 意地を張ってるつもりなのはわかるが、全然張れてないので気にしなくていいのだが。

「だ、だからね? 私、身を引こうと思って――」

 なんで一人でせっせこ滑り台に向かおうとしているのか。
 セレナは涙に濡れた赤い瞳で、力ない笑顔を浮かべようとする。
 あーもう、めんどくせえな。

「セレナ」

 おもむろに手を伸ばした。

「触らないで!」

 再びのセレドン。
 いつもなら真祖パワーでねじ伏せられて終わりである。
 しかし。

『《死域》が発動しました。』

 スローモーションになる視界。
 それでも、ブオンと迫りくる真祖の手のひら。
 《死域》発動中なのに普通に速くてゾッとする。
 なんて迷惑なツンデレか。
 しかし、かろうじて避けられる。
 セレドンを掻い潜って、セレナの懐に肉薄。
 ――ばるんばるん。
 スローモーションになった視界で、爆乳が物凄く揺れていた。
 なにこれエロい。
 むしゃぶりつきたくなるのを必死に堪えて、セレナの手首を掴む。
 そのまま勢いよく壁に押し付けた。
 セレドン、破れたり!!

『《死域》が解除されました。』

「え? えええええ!?」

 再び流れ出した時間。
 気づけば、腕を握られて壁に押し付けられていたセレナが戸惑いの声を上げる。
 ギュッと掴まれた腕と、間近に迫った俺の顔をキョロキョロと見るセレナ。
 紅の引かれた口をあわあわさせると、カーっとゆでダコのように赤くなっていった。
 そして。

「…………くっ!!」

 勢いよくバチッと目を瞑った。
 なぜ。

「目を閉じるな」

「い、嫌よ!! 急にこんな……こんな……男らしくてドキドキしちゃうことしないでよ!!」

 ドキドキしたらしい。
 この真祖も結構チョロいぞ。
 真祖のくせに壁ドンに弱かった。

「……ますます好きになって、決意が揺らいじゃうじゃないの」

 更に真祖はボソボソと致命的な事を口走っていた。

「セレナ、目を開けて、俺をちゃんと見ろ」

 少し強めに言うと、セレナはおずおずと目を開ける。
 なんだかんだで言うことを聞いてくれる。
 俺と目を合わせたセレナは、顔を更に赤くした。
 そしてサッと目を逸らす。

 なんだろう。
 さっきからというもの。
 今日のセレナは可愛くて仕方ない。
 もうはっきりさせよう。

「セレナ、よく聞けよ? なんかさっきから面倒くさい事ばっか言っているけどさ」

「め、面倒くさいって何よ!? 面倒くさがらないでちゃんとかまいなさいよ!! ……最後くらい、ぐすっ」

 最後にする気などない。

「俺はお前を愛している。一生お前を離す気はない」

 セレナがピクッと震えた。
 言葉は、スラスラと出た。
 嘘偽りのない本心だから。
 つうか、俺がセレナを手放すわけないじゃんね。

 セレナは目線を下に落としながら、俺の言葉を黙って聞いていた。
 ゆっくりと理解するように、ごくりと唾を飲み込む音が聞こえる。
 そして、おずおずと口を開く。

「……あ、あの娘がいるのに?」

「今ルーナは関係ねえ! 俺はお前と一緒にいたいんだ!」

 ふと、本当にルーナは関係ないんだろうか、と思ったが気にしたら負けである。
 異世界に浮気などない。

「…………い、一生って、人間の100年くらいの寿命なんて、私にとっては一瞬――」

「うるせえ、いざとなったら吸血鬼にしろよ。むしろ、俺からなる」

「なるって何よ!?」

 燦然と輝く《種族スキル:吸血鬼》。
 いつだったかセレナに噛まれた時に出現したスキルだ。
 スキルポイントを10も使うが、セレナと添い遂げるためなら迷わず使おうと思う。
 エスメラルダさんを見ていると、ルーナも長生きしそうだし。
 むしろ精力の衰えを感じたら迷わず使う。

 寿命の問題すら論破(?)されたセレナは、黙りこくって何かを考えていた。
 そして、悲しそうに口を開く。

「………………私、吸血鬼だから赤ちゃん産めないわよ?」

 せつなそうに目尻に涙をためて。
 セレナはゆっくりと目線を俺に合わせた。
 精一杯泣くのを堪えながら。

「そんなの問題にすらならねえだろうが!!」

 もしかしたら、一番気にしていた悩みなのかもしれない。
 己の言葉を裏付けるように、セレナを強く抱きしめる。
 その小さな頭を掻き抱くと、セレナは嗚咽を漏らした。
 普段のセレナからは考えられない。
 幼子のような嗚咽。
 そんな泣き声を聞くのが辛くて、愛おしくて、セレナを抱く腕に力を込めてしまう。

「頼むよ。身を引くとか言ってないで、ずっと傍にいてくれよ」

「……ぐすっ……ひっく」

 ひたすら泣き続けるセレナ。
 ルーナとミレイが妊娠して、実はずっと気にしていたのだろうか。
 あーもう。

「セレナ、返事は?」

 ピクッと小さく震えるセレナ。
 ぐすぐすと鼻を鳴らしながら、ゆっくりと俺の腕の中から顔を上げる。
 吸血鬼のくせに目尻が赤く腫れている。
 これはこれで、可愛かった。

「…………でも、私」

「でもとか良いから、素直に言え」

「……………………私も、お嫁さんにして欲しい、です」

 目を潤ませながら、恥ずかしそうに。
 俺をしっかりと抱きしめながら。

「ああ。結婚しよう?」

 もう結構前から、用意していたセリフだった。
 セレナが面倒くさいせいでなかなか言えなかったが、やっと言えた。

「……はい」

 目尻を思い切り垂れさせて。
 口角が自然と上がっていくセレナ。
 泣き顔が、笑顔に塗りつぶされていく。

「大好きよ……だ、旦那様」

 最後の言葉は、やたら恥ずかしそうに言っていて。
 思わず吹き出しそうになってしまう。
 いつも通りコウで構わないのだが。
 それにしても、ホッとした。
 やっとセレナに求婚できた。

「式はいつ挙げる?」

 肩の力を抜きながら、軽く訪ねた。
 ルーナと結婚した夜に、次の式の予定を建てる。
 クズ街道爆進中な気もするが、考えないようにしよう。

「吸血鬼の結婚式なんて、誰も祝ってくれないわよ……」

 セレナは少し寂しそうに言う。
 そう言えば、今日も誰にも話しかけられていなかった。
 ルーナ一家とかは普通に祝福してくれると思うけど。
 いや、ルーナはまず泣きそう。
 まあ無理に式を挙げなくてもいいかもしれない。

「じゃあ、とりあえず今やろうか。二人だけで」

 結婚式って、こんなノリでするものだっけ? と思いつつも、そんな提案をしてみる。

「と、とりあえずって何よ!? ……やるけれど」

 そんな不満を言いつつも、セレナはそわそわと嬉しそうだった。


 月と星に見守れて、二人で向き合う。
 なんか妙に照れる。
 赤い頬をしたセレナは、可愛くて、綺麗で。
 きっと俺の顔も赤くなっているのだろう。

 ところで、結婚式って何すればいいの???
 昼間やったばかりなのに全然思いつかない。
 変な外人に頭突きした記憶しかない。

「え、ええと……わたくしセレナは、健やかなるときも病めるときも」

 そんな事を考えていたら、セレナがそれっぽいことを言い出した。

「富めるときも貧しいときも、あ、あなたを愛しています……」

 そして、恥ずかしいセリフに顔をぽーっと赤らめる。
 え、可愛い。

「お、俺も!」

「う、うん……ってそれだけ!? もっとなんか言いなさいよ!」

 どうしようもなくグダグダだった。
 この後どうすんだっけ?
 キス? セックス?
 セックスだったかな。
 うん、セックスだな。

「キスよ!!」

 まさかのキスだった。
 いや、そんな気もしたけど。
 にしてもキスか。
 キスも良いけど、せっかくセレナと結婚するんだから。

「血吸う?」

「ええ!? ……私達らしくていいかもしれないけれど」

 驚きながらも、少し嬉しそうなセレナ。
 そう。
 俺たちの間では、吸血行為は立派な愛情表現だ。
 セレナに首筋を向ける。
 くぱあっといやらしく口を開くセレナ。
 鋭い牙が、月明かりに煌めく。

「あむっ……コウ……だ、旦那様っ! んっ、ちゅっ、ぢゅううう」

 どくどくと吸われていく血液。
 セレナの口元からは、赤い筋がつーっと伝う。
 ゆっくりと血を嚥下していく、セレナの喉元。
 HPは減っていくが、セレナへの愛おしさがこみ上げてくる。
 今、この瞬間。
 俺たちは夫婦になった。


 というか。

「……すげえムラムラする」

「わ、私も……」

 吸血行為はムラムラが半端ない。
 俺の一物は、既にビンビンだった。

「……こ、このまま新婚初夜しちゃう?」

 期待込めた目で、新妻セレナがエロい事を言っている。
 そんなんするに決まってんじゃんね。
 とはいえ、今はルーナとの披露宴中だ。
 結婚式のダブルヘッダー中。

「時間止めてくれる?」

「……もうとっくに止めてるわよ」

 うちの真祖は不可能を可能にする。
 そんなわけで、セレナのドレスを強引にずり下ろす。
 ぶるんと飛び出る巨乳。
 真っ白な乳房に、桜色の乳首。
 エロすぎて。
 思わず生唾を飲み込んでしまう。

「……もうとっくにあなただけの身体だけれど……私の身体の中に、あなたの指と舌に触れられていない場所はないけれど……今日、改めて私のすべてを捧げます、旦那様」

 頬を染めたセレナがそんなエロいことを言っていた。

「セレナ!!!」

 もうむしゃぶりつくしかなかった。
 言われるまでもなく、セレナの身体は全部俺のもので。
 もっと言うと、子宮やら胃やら大腸やらにまで体液を注ぎまくっているが。
 今日改めて、俺のものにしようと思う。
 吸血鬼は妊娠できない説を覆すほど、中出ししてやるのだ。

「んあ……だ、旦那しゃま……」

 ツンツンに尖った乳首を舌で転がしながら、俺は密かにそんな決意をしたのだった。




 そして、数日後(体感時間)。
 やり抜いて、ぼけーっとしたセレナを連れて、俺はルーナたちの下に戻った。

「そんなわけで、セレナとも結婚したから。今日から、セレナ・アサギリになったからよろしく!」

「「「えええええええ!?」」」

 とりあえず、そんな宣言をしたら、ルーナ達は当然だけど驚いていた。

「なんでちょろっと夜風に当たりに行って、セレナと結婚して帰ってくるんだ!?」
「じゃあ、私もアナスタシア・アサギリにしてくれ!!」
「次は私ですからね? 予約します」
「……本当に婿殿は節操がないのう」

 ルーナ、アーニャ、エレイン、エスメラルダさんの順になんか文句を言っていた。
 色々突っ込みたいことはあるが、とりあえずセレナとの結婚は報告したかんね?

 ぎゃーぎゃーとルーナ達がうるさい中、セレナはポツリと呟く。

「……セレナ・アサギリだって。くすっ」

 物凄く嬉しそうに。

■あとがき
今回で6章は終わりです。
お付き合い、ありがとうございました。

次回は、まとめとキャラランキングのスタート、できれば省略した今回のセレナエッチをおまけとして投稿します!
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