15 / 97
第二章 異世界で死に物狂いで貯金をします
2.貯金の具体的目標額と、ゼニゲバな私について
しおりを挟む
ご主人さまたちの仕事は、腕っ節がものをいう。
鍛えるのも仕事のうちなのだ。自衛隊とか、消防隊とか、彼らの仕事は主にトレーニングやシュミレーション、道具の手入れなどである。
いま彼らが請け負っている魔獣狩りは、昼から夜にかけての半日だ。
朝起きてから家を出る昼ころまで、彼らはおのおので組んでいる訓練メニューをこなすのがルーチンのようだった。
四人でうまくパワーバランスをとるためだろうか、武器はみんな異なる。
阿止里さんは、いわゆる剣。
ユーリオットさんは、弓。
ナラ・ガルさんは、大槍。
月花は、大きなブーメランのようなやつだ。
それぞれ道具の手入れと具体的な訓練をした後は、集団で行動するときの確認をしているようだった。
おそらく、予想できうるあらゆる事態をはじきだし、それぞれにどう対処するかを決めている。
一言で傭兵集団といっても、きっと彼らはレベルの高い集団に違いない。
私はそんな様子を邪魔しないよう、家の中を簡単に掃除する。
ろくな掃除道具がないのだが、はたきやほうきのようなものはある。家具の拭き掃除や、油断するとすぐに積もるじゅうたん・寝台からの砂埃を払う作業が主だ。とにかく乾燥した砂漠地帯といった気候のため、油断するとすぐに砂まみれになる。きっと数日はたきをかけなければ、あっというまに砂の層ができるだろう。
楽しみなのは、買出しだ。
冷蔵庫なんてものはないから、毎日入り用なものを、つど買いに出かける。
お金の数え方や換算もちゃんと教わった。このときほど、日本の算数教育に感謝したことはない。
実はこの世界では、若い女性はその肌を見せることをよしとしない。
現世でも、そういう宗教があったと思うが、私も買い出しのときは頭から麻布をすっぽりかぶり、その上から頭に輪っかを乗せ、布を固定する。
目のところはくりぬいてあるので見えるという寸法だ。未婚女性や若い女性は、みだりに顔や肌を見せてはならないらしい。
それでも男性に比べ女性が生まれる比率は低く、かどわかしも多発するため、外出時は四人のうちの誰かが必ずついてきてくれる。
私と並ぶと、万が一ものを投げつけられたときに当たると嫌だから、と、並んで歩いてはくれない。
もちろん抗議した。言いたやつには言わせておけばいいし、私なら気にしない。
そう私がぷんぷん怒るたびに、四人は泣き出しそうな、それとも笑っているような複雑な顔になる。
私のその言葉で十分だから。そう言ってまだ怒っている私を、切なげに見るのだ。
あきらめてないけどね。いつか隣に並んで、幸せ買い物タイムをみんなに味わわせてやるのだ! いろんな商品を眺めるのって楽しいじゃないか。
ちなみにうれしい誤算もひとつ。
私の「日当」は、一般的なお値段よりも割高の、2デルナイに設定してくれているのだが、(一般的な日雇い労働の日当は、1デルナイと聞いたよ)それとは別で食費に一日1デルナイも渡してくれる。
どう考えても多いのでおつりを渡そうとするのだが、これを受け取ってくれない。彼らからすれば、チップのような認識なのだろうか。私には理解できないのだが。
つまりちゃんとした食事を提供したうえで余った食費は、なんと私のへそくりとなるのだ!
しかもその他にも経費のかかる仕事をこなした場合は、別途経費や報酬あり!
目標金額まで、三百デルナイ。日当2デルナイ+余った食費 (およそ10アサリオン!)
ちなみに、20アサリオン=1デルナイだ。なんと豪華なへそくり。
プラスアルファの仕事でボーナスももらえる!
社会保険がついていれば、言うことなしだなあ。大きいよ、保険の出費。国保だと、2万くらい飛ぶからね。
とにかく貯める! 貯めに貯めてざくざく貯めるよ!
待っててね拓斗!!
鍛えるのも仕事のうちなのだ。自衛隊とか、消防隊とか、彼らの仕事は主にトレーニングやシュミレーション、道具の手入れなどである。
いま彼らが請け負っている魔獣狩りは、昼から夜にかけての半日だ。
朝起きてから家を出る昼ころまで、彼らはおのおので組んでいる訓練メニューをこなすのがルーチンのようだった。
四人でうまくパワーバランスをとるためだろうか、武器はみんな異なる。
阿止里さんは、いわゆる剣。
ユーリオットさんは、弓。
ナラ・ガルさんは、大槍。
月花は、大きなブーメランのようなやつだ。
それぞれ道具の手入れと具体的な訓練をした後は、集団で行動するときの確認をしているようだった。
おそらく、予想できうるあらゆる事態をはじきだし、それぞれにどう対処するかを決めている。
一言で傭兵集団といっても、きっと彼らはレベルの高い集団に違いない。
私はそんな様子を邪魔しないよう、家の中を簡単に掃除する。
ろくな掃除道具がないのだが、はたきやほうきのようなものはある。家具の拭き掃除や、油断するとすぐに積もるじゅうたん・寝台からの砂埃を払う作業が主だ。とにかく乾燥した砂漠地帯といった気候のため、油断するとすぐに砂まみれになる。きっと数日はたきをかけなければ、あっというまに砂の層ができるだろう。
楽しみなのは、買出しだ。
冷蔵庫なんてものはないから、毎日入り用なものを、つど買いに出かける。
お金の数え方や換算もちゃんと教わった。このときほど、日本の算数教育に感謝したことはない。
実はこの世界では、若い女性はその肌を見せることをよしとしない。
現世でも、そういう宗教があったと思うが、私も買い出しのときは頭から麻布をすっぽりかぶり、その上から頭に輪っかを乗せ、布を固定する。
目のところはくりぬいてあるので見えるという寸法だ。未婚女性や若い女性は、みだりに顔や肌を見せてはならないらしい。
それでも男性に比べ女性が生まれる比率は低く、かどわかしも多発するため、外出時は四人のうちの誰かが必ずついてきてくれる。
私と並ぶと、万が一ものを投げつけられたときに当たると嫌だから、と、並んで歩いてはくれない。
もちろん抗議した。言いたやつには言わせておけばいいし、私なら気にしない。
そう私がぷんぷん怒るたびに、四人は泣き出しそうな、それとも笑っているような複雑な顔になる。
私のその言葉で十分だから。そう言ってまだ怒っている私を、切なげに見るのだ。
あきらめてないけどね。いつか隣に並んで、幸せ買い物タイムをみんなに味わわせてやるのだ! いろんな商品を眺めるのって楽しいじゃないか。
ちなみにうれしい誤算もひとつ。
私の「日当」は、一般的なお値段よりも割高の、2デルナイに設定してくれているのだが、(一般的な日雇い労働の日当は、1デルナイと聞いたよ)それとは別で食費に一日1デルナイも渡してくれる。
どう考えても多いのでおつりを渡そうとするのだが、これを受け取ってくれない。彼らからすれば、チップのような認識なのだろうか。私には理解できないのだが。
つまりちゃんとした食事を提供したうえで余った食費は、なんと私のへそくりとなるのだ!
しかもその他にも経費のかかる仕事をこなした場合は、別途経費や報酬あり!
目標金額まで、三百デルナイ。日当2デルナイ+余った食費 (およそ10アサリオン!)
ちなみに、20アサリオン=1デルナイだ。なんと豪華なへそくり。
プラスアルファの仕事でボーナスももらえる!
社会保険がついていれば、言うことなしだなあ。大きいよ、保険の出費。国保だと、2万くらい飛ぶからね。
とにかく貯める! 貯めに貯めてざくざく貯めるよ!
待っててね拓斗!!
0
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
私が美女??美醜逆転世界に転移した私
鍋
恋愛
私の名前は如月美夕。
27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。
私は都内で独り暮らし。
風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。
転移した世界は美醜逆転??
こんな地味な丸顔が絶世の美女。
私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。
このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。
※ゆるゆるな設定です
※ご都合主義
※感想欄はほとんど公開してます。
黒騎士団の娼婦
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
美醜逆転世界でお姫様は超絶美形な従者に目を付ける
朝比奈
恋愛
ある世界に『ティーラン』と言う、まだ、歴史の浅い小さな王国がありました。『ティーラン王国』には、王子様とお姫様がいました。
お姫様の名前はアリス・ラメ・ティーラン
絶世の美女を母に持つ、母親にの美しいお姫様でした。彼女は小国の姫でありながら多くの国の王子様や貴族様から求婚を受けていました。けれども、彼女は20歳になった今、婚約者もいない。浮いた話一つ無い、お姫様でした。
「ねぇ、ルイ。 私と駆け落ちしましょう?」
「えっ!? ええぇぇえええ!!!」
この話はそんなお姫様と従者である─ ルイ・ブリースの恋のお話。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる