14 / 97
第二章 異世界で死に物狂いで貯金をします
1.人は三ヶ月もあれば慣れるものと、よく言います
しおりを挟む
ぴるるるるるる、という音で、私は目を覚ます。
夜明けのころの空を飛ぶ、ピュルカという鳥の声だ。
砂漠の朝は、遮るもののない日の光が、四角い窓からまっすぐに差し込んでくる。
透き通った水色の空には、刷毛で掃いたように薄い雲が、さりげなく浮かんでいた。
私は手早く身を起こし、簡単に寝台を整える。
四つある寝台の部屋には、相変わらず私が一人だ。
どう交渉しても、彼らは私を床で寝ることを許さないし、かといって他の寝台でも寝てくれないのだ。
四人はそれぞれ小さな私室を持っている。寝室ではなくって、机作業用の小部屋だ。
私が物置のようなところにベッドを移すから、いままでどおり共用の寝室で寝てくれと頼んでも、許可しなかった。なので、その私室にじゅうたんを敷き、おのおの眠っている。
ひろびろとした部屋に私一人で寝ているので、いまだに落ち着かない。だからだろうか、日本では寝汚かった私も、あっさり目覚めることができている。
起きたら、外にある水甕から小さめのたらいにいくらか移し、顔を洗う。
かまどに火を入れ、昨日ののこりのパンを暖め、干し肉と卵を塩で炒める。
コーヒーやお茶というものはない。ここでは葡萄酒を水で薄めて水代わりにするのが一般的なのだ。
アルコール分も、そうするとほとんどなくなる。それを杯に注ぎ、盛り付ける皿も用意する。
「おはよう、縁子」
「おはようございます、ナラ・ガルさん」
いちばん最初に起きてくるのは、いつもナラ・ガルさんだ。私が挨拶すると、困ったように微笑んで、顔を洗いに外へ出て行く。
ナラ・ガルさんは、おそらく四人の中で年長だ。大柄、短髪の赤髪と、勇ましい見た目とは裏腹にとても穏やかで、フェミニスト。
私と目が合うと、いまだに照れたように眉尻を下げて、目を細める。それが、なんとも他意のない笑顔なので、私もいつもつられて笑ってしまう。
それから、私の名前を日本人みたいなアクセント呼べるようになったのも、彼がいちばん早かった。器用なのかもしれない。
「縁子、おはようございます」
「月花、おはようございます」
「僕にそういう言葉遣いは、不要というのに」
今日は月花が次に起きてきた。
緑っぽいふわふわ黒髪は、ちょっと寝癖がついていてかわいい。かなり年下なので(たしか、まだ高校生くらいだ)、つい敬称をぬきで月花と呼んでしまう。謝罪すると、慌てたように首を振るのだ。どうか呼び捨てにしてほしいと頼んでくる。
性格はおっとりとしていて、やや内向的のようだった。かといって流されやすいというのではなく、大切だと思ったことはきちんと伝えてくれる。
私がこの世界の爪を上手に整えられなかったとき、(爪きりというはさみ状のものは、ない。とがった石で、がりがり削るのだ)削れればいいやと思い適当に使っていると、ものすごく理路整然とやり方を教えてくれた。
まだ若いにも関わらず、相手にどの程度の情報を与えるべきか、という指示の出し方がとてもうまいのだ。
やわらかい見た目とは裏腹に、きっと頭はそうとういいと思う。
そんな彼は、今はそのかわいさを存分に発揮し――こてんと首を傾けて――炒め物をしている私の隣にそっと立つ。
「おいしそうですね」
「ようやく焦げ付かないようにできるようになりました」
そう言ってちょっと笑うと、眩しげに目を細めて、はにかみながら外へ出ていってしまう。
「――今朝は、何だ」
「干し肉と卵のいり卵に、大麦のパン、干し棗です。ユーリオットさん」
おはようございますと声をかければ、ん、とちょっとうなずいてくれる。
これは困っているのでも、嫌がっているのでなく、どうしたらいいか戸惑っているだけなのだと、最近ようやくわかってきた。
彼はたぶん、20歳を超えたかどうかくらいな気がする。
私に限らず、人嫌いなところがあり、表情はいつも硬い。そのせいでちょっと老成して見えてしまうけど、驚いたときのびっくり顔とか、笑うのを堪えて怒り顔を作るところとか、そういう瞬間は年相応で、高校生をすぎたばかりの、まだ尖っている青年、という印象を与えてくる。
小麦色の肌と瞳が、ヨーロッパ的な顔立ちとあいまって、やや中性的なところ感じたり。
前に月花が倒れたときに感じたことは正解で、医者に近い知識を持っているらしい。
らしい、というのはつまり、専門的な学校には入らせてもらえず、書物や自分で実験したりして、知識を身につけたようなのだ。脱帽です。
四人の中では、だんとつで会話が少ない。かといって嫌われているのかと思えば、すぐ手の届くところにそっぽを向いて座っていたりする。
そういうときはあえて話しかけず、静かに過ごすのが正解だ。話しかけると、困るのを隠すように怒ってどこかへ行ってしまう。
「どうした、機嫌がよさそうだ」
「ええ、とってもいいですよ。阿止里さんがひとりで起きてくれましたので」
意外にも朝がいちばん弱いのはこの人、阿止里さんだ。
日本のテレビに出たら、間違いなく時代の寵児になるような美貌だけど、朝の彼の目は死んでいる。
きっと低血圧なのだろう。
たぶん、ナラ・ガルさんよりはいくらか年下だろう。私と同じくらいかな。口数は少なく、口調も堅いけど、鋼のような意志を伝える、強い瞳を持っている。
だからかな、四人の中でリーダーのような位置にいるのって。
「顔を洗ってきてください。すぐに席について。冷めたパンは悲しいです」
うん、とうなずいて、のそのそと外へ出て行く。その彼に顔拭き用の布を背中から肩に投げかけるのは、もう恒例だ。それから、炒め物を皿に盛り付ける。
洗いもの節約で、大皿にぐわっと乗せるだけだ。
「食べますよー」
席に着くのが遅れる阿止里さんが、小走りで座りにくる。大柄な男がせかせかしていると、なんだかほほえましい。
他の三人と私はすでに手を合わせている。
「いただきます」
みんなで合掌して、さあ、食べよう!
……生活になじみすぎてて、ちょっと自分が怖いです。
夜明けのころの空を飛ぶ、ピュルカという鳥の声だ。
砂漠の朝は、遮るもののない日の光が、四角い窓からまっすぐに差し込んでくる。
透き通った水色の空には、刷毛で掃いたように薄い雲が、さりげなく浮かんでいた。
私は手早く身を起こし、簡単に寝台を整える。
四つある寝台の部屋には、相変わらず私が一人だ。
どう交渉しても、彼らは私を床で寝ることを許さないし、かといって他の寝台でも寝てくれないのだ。
四人はそれぞれ小さな私室を持っている。寝室ではなくって、机作業用の小部屋だ。
私が物置のようなところにベッドを移すから、いままでどおり共用の寝室で寝てくれと頼んでも、許可しなかった。なので、その私室にじゅうたんを敷き、おのおの眠っている。
ひろびろとした部屋に私一人で寝ているので、いまだに落ち着かない。だからだろうか、日本では寝汚かった私も、あっさり目覚めることができている。
起きたら、外にある水甕から小さめのたらいにいくらか移し、顔を洗う。
かまどに火を入れ、昨日ののこりのパンを暖め、干し肉と卵を塩で炒める。
コーヒーやお茶というものはない。ここでは葡萄酒を水で薄めて水代わりにするのが一般的なのだ。
アルコール分も、そうするとほとんどなくなる。それを杯に注ぎ、盛り付ける皿も用意する。
「おはよう、縁子」
「おはようございます、ナラ・ガルさん」
いちばん最初に起きてくるのは、いつもナラ・ガルさんだ。私が挨拶すると、困ったように微笑んで、顔を洗いに外へ出て行く。
ナラ・ガルさんは、おそらく四人の中で年長だ。大柄、短髪の赤髪と、勇ましい見た目とは裏腹にとても穏やかで、フェミニスト。
私と目が合うと、いまだに照れたように眉尻を下げて、目を細める。それが、なんとも他意のない笑顔なので、私もいつもつられて笑ってしまう。
それから、私の名前を日本人みたいなアクセント呼べるようになったのも、彼がいちばん早かった。器用なのかもしれない。
「縁子、おはようございます」
「月花、おはようございます」
「僕にそういう言葉遣いは、不要というのに」
今日は月花が次に起きてきた。
緑っぽいふわふわ黒髪は、ちょっと寝癖がついていてかわいい。かなり年下なので(たしか、まだ高校生くらいだ)、つい敬称をぬきで月花と呼んでしまう。謝罪すると、慌てたように首を振るのだ。どうか呼び捨てにしてほしいと頼んでくる。
性格はおっとりとしていて、やや内向的のようだった。かといって流されやすいというのではなく、大切だと思ったことはきちんと伝えてくれる。
私がこの世界の爪を上手に整えられなかったとき、(爪きりというはさみ状のものは、ない。とがった石で、がりがり削るのだ)削れればいいやと思い適当に使っていると、ものすごく理路整然とやり方を教えてくれた。
まだ若いにも関わらず、相手にどの程度の情報を与えるべきか、という指示の出し方がとてもうまいのだ。
やわらかい見た目とは裏腹に、きっと頭はそうとういいと思う。
そんな彼は、今はそのかわいさを存分に発揮し――こてんと首を傾けて――炒め物をしている私の隣にそっと立つ。
「おいしそうですね」
「ようやく焦げ付かないようにできるようになりました」
そう言ってちょっと笑うと、眩しげに目を細めて、はにかみながら外へ出ていってしまう。
「――今朝は、何だ」
「干し肉と卵のいり卵に、大麦のパン、干し棗です。ユーリオットさん」
おはようございますと声をかければ、ん、とちょっとうなずいてくれる。
これは困っているのでも、嫌がっているのでなく、どうしたらいいか戸惑っているだけなのだと、最近ようやくわかってきた。
彼はたぶん、20歳を超えたかどうかくらいな気がする。
私に限らず、人嫌いなところがあり、表情はいつも硬い。そのせいでちょっと老成して見えてしまうけど、驚いたときのびっくり顔とか、笑うのを堪えて怒り顔を作るところとか、そういう瞬間は年相応で、高校生をすぎたばかりの、まだ尖っている青年、という印象を与えてくる。
小麦色の肌と瞳が、ヨーロッパ的な顔立ちとあいまって、やや中性的なところ感じたり。
前に月花が倒れたときに感じたことは正解で、医者に近い知識を持っているらしい。
らしい、というのはつまり、専門的な学校には入らせてもらえず、書物や自分で実験したりして、知識を身につけたようなのだ。脱帽です。
四人の中では、だんとつで会話が少ない。かといって嫌われているのかと思えば、すぐ手の届くところにそっぽを向いて座っていたりする。
そういうときはあえて話しかけず、静かに過ごすのが正解だ。話しかけると、困るのを隠すように怒ってどこかへ行ってしまう。
「どうした、機嫌がよさそうだ」
「ええ、とってもいいですよ。阿止里さんがひとりで起きてくれましたので」
意外にも朝がいちばん弱いのはこの人、阿止里さんだ。
日本のテレビに出たら、間違いなく時代の寵児になるような美貌だけど、朝の彼の目は死んでいる。
きっと低血圧なのだろう。
たぶん、ナラ・ガルさんよりはいくらか年下だろう。私と同じくらいかな。口数は少なく、口調も堅いけど、鋼のような意志を伝える、強い瞳を持っている。
だからかな、四人の中でリーダーのような位置にいるのって。
「顔を洗ってきてください。すぐに席について。冷めたパンは悲しいです」
うん、とうなずいて、のそのそと外へ出て行く。その彼に顔拭き用の布を背中から肩に投げかけるのは、もう恒例だ。それから、炒め物を皿に盛り付ける。
洗いもの節約で、大皿にぐわっと乗せるだけだ。
「食べますよー」
席に着くのが遅れる阿止里さんが、小走りで座りにくる。大柄な男がせかせかしていると、なんだかほほえましい。
他の三人と私はすでに手を合わせている。
「いただきます」
みんなで合掌して、さあ、食べよう!
……生活になじみすぎてて、ちょっと自分が怖いです。
0
あなたにおすすめの小説
私が美女??美醜逆転世界に転移した私
鍋
恋愛
私の名前は如月美夕。
27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。
私は都内で独り暮らし。
風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。
転移した世界は美醜逆転??
こんな地味な丸顔が絶世の美女。
私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。
このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。
※ゆるゆるな設定です
※ご都合主義
※感想欄はほとんど公開してます。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
美醜逆転世界でお姫様は超絶美形な従者に目を付ける
朝比奈
恋愛
ある世界に『ティーラン』と言う、まだ、歴史の浅い小さな王国がありました。『ティーラン王国』には、王子様とお姫様がいました。
お姫様の名前はアリス・ラメ・ティーラン
絶世の美女を母に持つ、母親にの美しいお姫様でした。彼女は小国の姫でありながら多くの国の王子様や貴族様から求婚を受けていました。けれども、彼女は20歳になった今、婚約者もいない。浮いた話一つ無い、お姫様でした。
「ねぇ、ルイ。 私と駆け落ちしましょう?」
「えっ!? ええぇぇえええ!!!」
この話はそんなお姫様と従者である─ ルイ・ブリースの恋のお話。
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
この世界、イケメンが迫害されてるってマジ!?〜アホの子による無自覚救済物語〜
具なっしー
恋愛
※この表紙は前世基準。本編では美醜逆転してます。AIです
転生先は──美醜逆転、男女比20:1の世界!?
肌は真っ白、顔のパーツは小さければ小さいほど美しい!?
その結果、地球基準の超絶イケメンたちは “醜男(キメオ)” と呼ばれ、迫害されていた。
そんな世界に爆誕したのは、脳みそふわふわアホの子・ミーミ。
前世で「喋らなければ可愛い」と言われ続けた彼女に同情した神様は、
「この子は救済が必要だ…!」と世界一の美少女に転生させてしまった。
「ひきわり納豆顔じゃん!これが美しいの??」
己の欲望のために押せ押せ行動するアホの子が、
結果的にイケメン達を救い、世界を変えていく──!
「すきーー♡結婚してください!私が幸せにしますぅ〜♡♡♡」
でも、気づけば彼らが全方向から迫ってくる逆ハーレム状態に……!
アホの子が無自覚に世界を救う、
価値観バグりまくりご都合主義100%ファンタジーラブコメ!
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
【美醜逆転】ポジティブおばけヒナの勘違い家政婦生活(住み込み)
猫田
恋愛
『ここ、どこよ』
突然始まった宿なし、職なし、戸籍なし!?の異世界迷子生活!!
無いものじゃなく、有るものに目を向けるポジティブ地味子が選んだ生き方はーーーーまさかの、娼婦!?
ひょんなことから知り合ったハイスペお兄さんに狙いを定め……なんだかんだで最終的に、家政婦として(夜のお世話アリという名目で)、ちゃっかり住み込む事に成功☆
ヤル気があれば何でもできる!!を地で行く前向き女子と文句無しのハイスペ醜男(異世界基準)との、思い込み、勘違い山盛りの異文化交流が今、始まる……
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる