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第四章 異世界でも、借りた貸しはきちんと返しましょう
2.編みぐるみと人質と
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この優しげな素敵男性は、ジウォマという名で呼ばれていた。
ギィが「会わせるべき人間」と言っていたのは、十中八九この人だと思う。
にもかかわらず、ギィは紹介さえしない。
まあ、何か考えがあってのことなのだろうけれど。そういうわけで、私は放置されたままじゅうたんの上。二人は机に寄りかかりながら、書き付けやら図面っぽいものやらを手元に話し込んでいる。
彼らの話に耳を傾け、自分で状況を把握すべきなのかもしれない。
でもギィはきっと必要なことだけを説明するのだろうと思ったので、そんな疲れることは早々に諦めた。
ふと会社でのことを思い出す。私は、私のような普通の人間は、与えられたことだけをまずは完璧にするのがいいと思っている。
慣れて余裕が出てきたら、上司の意を汲み取ることに挑戦すればいい。あれもこれもはだめなのだ。失敗するから。
同期の優秀な女の子が、優秀なだけにがんばって何もかもをやろうとして、社内のほかの部署にまで迷惑がかかるミスを起こした。こっぴどく叱られる彼女を見て、私が得た教訓のひとつである。
つまり私は手持ち無沙汰である。じゅうたんの上で体育すわりをしながら、部屋の中を眺めてみることにした。
たぶん六畳とキッチンみたいな広さで間違いない。私のアパートと似たような感じだからすぐわかる。
もちろん水道やシャワーはないけど、そのかわり大きめの暖炉があるあたりは土地柄を感じる。
今も細々とした小枝や薪がぱちぱちと爆ぜながら、かろうじて部屋を暖めている。
私がギィに投げ出されたのはその暖炉の目の前だったので、身体がぽかぽかしてきた。というか、火! ずっと外でキャンプファイヤーしかしていなかったから、手放しで温まれるありがたさに感動する。
外でも中でも、火は火だろうと思うが、ぜんぜん違う。
まず屋外だと強風ですぐに消えてしまうこともある。これが本当に心を折る……。マッチっぽいものから火種を起こし、ちゃんと安定した火になるまですごく大変なのだ。それにようやく手放しで温まれると思った瞬間、強い風でお陀仏。私の心もお陀仏。ほかにも、仕切りとなる壁もないので熱が留まらなかったりする。
目の前でゆらゆらと爆ぜる橙色の、なんと落ち着くことか。じんわりとした熱が、ゆるゆると身体の輪郭をなぞって取り巻いてくれる。
部屋の中央には、食卓の兼仕事用のような机と椅子ひとつある。それに接するようにして、ベッドがぎゅっと詰められたように置かれている。とにかく手狭だ。
そのまま天井へ視線を滑らせる。古い漆喰(しっくい)のようなくすんだ白色が広がっている。漆喰はククルージャでも外壁や天井に使われてはいたが、天井の高さがずいぶんと異なっている。ここビエチアマンの天井はずいぶん低い。熱がすぐに部屋を暖めるようにかもしれない。
視線を戻して暖炉の熱に浸っていると、暖炉の真上のあたりにちょっとした棚みたいになっているのに気づいた。マントルピースというのだったか。
こまごまとした雑貨のようなものが置かれていて、意外に思ってよく見てみた。部屋の中は引越しでもするんですかというほどに簡素なので、そこに置かれたものからは唯一、生活を感じた。
置かれていたのは、うどんくらいの太さの原始的な糸で編まれた、編みぐるみのような人形だ。
私の握りこぶし一つ分くらいの大きさで、おそらくだけど雪だるまを模しているようだ。
眼のところは黒豆がくくりつけられ、ちょっといびつな表情はひどく愛くるしい。
不器用ながらも作り手の心をあらわしているような。
まさか、ジウォマさんが編んだわけではないだろうけど、この家からはほかの人の気配は感じないのでそうなのかもしれない。
もっとよく見ようと前のめりになると、突然うしろから首根っこをつかまれた。
見上げるように頭をのけぞらせるれば、さかさまにギィと目が合う。以前よりもうっとおしがる色が減り、逆にペットのしつけに悩む主人のような感じに見えるのは、きっと私の勘違いだ。うん。
そのまま親猫が子猫をくわえるかのようにひっぱりあげられる。苦しいって。
「何するんです」
「あんたな、何度呼んだと思ってるんだ」
「えっ、そんなに呼びました?」
「熱心に何を見ていた」
ギィの眉根は日に日にしわが深くなっている気がする。きっとそう言えば、私のせいとか返されそうなので、賢明にも私は黙った。
編みぐるみへ向けた私の視線を追って、ギィも気づいたようだ。数回瞬いて目をそらす。
その目に一瞬、切るような悲しみがあったのは気のせいだと思いたい。
「――あんたにしてほしいことを話す。完璧に記憶しろ」
なんだろう。日に日に上司のようなポジションになっている気もする。
※
ギィに言われたことをまとめると、こういうことになる。
・三日後、私はある女の子と、数日の間入れ替わる。
・最低でも二日、入れ替わった女の子のふりをしてばれないように乗り切る。
・数日後、身代わりの役目を果たした私をギィが拾いにくる。
話を聞き終わって私はとりあえずうなずく。ギィは、必要なものはすべてこちらでそろえるし、他にも細かなあらゆることはおいおい指示していく、とだけ付け足した。
それからもう用は済んだとばかりに毛皮を纏い、家を出ていった。余計なことを言うなよとジウォマさんに念押ししてだ。
残された私はさすがに呆然とした。
もっとやるべきことの背景とか、こまごまとした打ち合わせとかしてくれると思っていたのだ。
どこのだれと入れ替わるとかも教えてくれなかったし。それに私が依頼されたことって、なんだか犯罪のにおいがするような。
いつも法の中で平穏無事に生きてきた私には、荷が勝ちすぎません?
どうしようたま。そう泣き言を呟けば、たまはため息をついた。
(こうなってはやるしかあるまいに。小娘は肝が据わっているかと思えば、すぐに慌てふためく。不均衡な女だな)
肝なんて据わってないよ。ちょっとでも立ち止まると、二度と立てなくなりそうだから、なんとか目の前のことをやろうとしているだけなのだ。
たまと無言のやりとりをしていたら、控えめに声をかけられた。
「ユカリ、でしたね。僕はジウォマといいます。今回はお力を貸してくださるということで、なんと感謝すればいいか」
ほわほわとした羽毛のような声である。いっ、癒しキャラだ……!
「僕たちのために、危険なまねをさせてしまいます。正直お金が足りなかったので、感謝してもしきれなくって」
ん? お金?
「ジウォマさん、お金ってなんの話ですか」
私はお金なんて一銭ももっていないよ。とんちんかんな言葉に私は首をひねる。
そう問えば、ジウォマさんは目を見開いて瞬いた。それからなるほどというように息をつく。
「ギィは、何も話していないんだね?」
「ギィは、いつでも何も話してくれませんよ」
皮肉でもなんでもなく、事実である。ジウォマさんはそこで、まじまじと私を眺めた。そして珍しいと呟く。
「ユカリがギィとどういう経緯で知り合って協力してくれているのか、僕は知らない。でも今回の仔細を聞かされていないというのは、大切にされているということだ」
「逆なのでは? ふつう大切にするなら話すでしょう」
大切にされているとはちっとも思わないが。そう言えばジウォマさんは小さく笑って、そのまま黙った。
(こいつらが小娘を何に巻き込もうとしているのかは知らぬが。何も知らなければ、万が一失敗したときに小娘は無事でいられる可能性が高くなる。ものごとは、知りすぎているほうが危険を増すことがある)
たまがうさんくさそうに呟いた。なにやら雲行きが怪しくなってきた。やっぱり犯罪沙汰のお手伝いをするのだろうか。
素直に怖い。それってやってもいいことなのかな。もし失敗したらどうしようと顔色を曇らせる私を、ジウォマさんは観察するように見つめている。
少ししてから、彼はゆったりと口を開いた。
「ギィは話すなと言ったけど。危険を冒してくれる人に僕は隠したくない。君には聞く権利もある。だから話す」
ジウォマさんは暖炉上へ視線を向けた。その瞳がかすかに沈んだことに私は気づく。
場違いなあの編みぐるみは。
「今回君を身代わりにして奪い返したい人は、僕の恋人で――ギィの妹なんだ」
その一言でようやく私は理解する。
烙印奴隷の人質だ。
ギィが「会わせるべき人間」と言っていたのは、十中八九この人だと思う。
にもかかわらず、ギィは紹介さえしない。
まあ、何か考えがあってのことなのだろうけれど。そういうわけで、私は放置されたままじゅうたんの上。二人は机に寄りかかりながら、書き付けやら図面っぽいものやらを手元に話し込んでいる。
彼らの話に耳を傾け、自分で状況を把握すべきなのかもしれない。
でもギィはきっと必要なことだけを説明するのだろうと思ったので、そんな疲れることは早々に諦めた。
ふと会社でのことを思い出す。私は、私のような普通の人間は、与えられたことだけをまずは完璧にするのがいいと思っている。
慣れて余裕が出てきたら、上司の意を汲み取ることに挑戦すればいい。あれもこれもはだめなのだ。失敗するから。
同期の優秀な女の子が、優秀なだけにがんばって何もかもをやろうとして、社内のほかの部署にまで迷惑がかかるミスを起こした。こっぴどく叱られる彼女を見て、私が得た教訓のひとつである。
つまり私は手持ち無沙汰である。じゅうたんの上で体育すわりをしながら、部屋の中を眺めてみることにした。
たぶん六畳とキッチンみたいな広さで間違いない。私のアパートと似たような感じだからすぐわかる。
もちろん水道やシャワーはないけど、そのかわり大きめの暖炉があるあたりは土地柄を感じる。
今も細々とした小枝や薪がぱちぱちと爆ぜながら、かろうじて部屋を暖めている。
私がギィに投げ出されたのはその暖炉の目の前だったので、身体がぽかぽかしてきた。というか、火! ずっと外でキャンプファイヤーしかしていなかったから、手放しで温まれるありがたさに感動する。
外でも中でも、火は火だろうと思うが、ぜんぜん違う。
まず屋外だと強風ですぐに消えてしまうこともある。これが本当に心を折る……。マッチっぽいものから火種を起こし、ちゃんと安定した火になるまですごく大変なのだ。それにようやく手放しで温まれると思った瞬間、強い風でお陀仏。私の心もお陀仏。ほかにも、仕切りとなる壁もないので熱が留まらなかったりする。
目の前でゆらゆらと爆ぜる橙色の、なんと落ち着くことか。じんわりとした熱が、ゆるゆると身体の輪郭をなぞって取り巻いてくれる。
部屋の中央には、食卓の兼仕事用のような机と椅子ひとつある。それに接するようにして、ベッドがぎゅっと詰められたように置かれている。とにかく手狭だ。
そのまま天井へ視線を滑らせる。古い漆喰(しっくい)のようなくすんだ白色が広がっている。漆喰はククルージャでも外壁や天井に使われてはいたが、天井の高さがずいぶんと異なっている。ここビエチアマンの天井はずいぶん低い。熱がすぐに部屋を暖めるようにかもしれない。
視線を戻して暖炉の熱に浸っていると、暖炉の真上のあたりにちょっとした棚みたいになっているのに気づいた。マントルピースというのだったか。
こまごまとした雑貨のようなものが置かれていて、意外に思ってよく見てみた。部屋の中は引越しでもするんですかというほどに簡素なので、そこに置かれたものからは唯一、生活を感じた。
置かれていたのは、うどんくらいの太さの原始的な糸で編まれた、編みぐるみのような人形だ。
私の握りこぶし一つ分くらいの大きさで、おそらくだけど雪だるまを模しているようだ。
眼のところは黒豆がくくりつけられ、ちょっといびつな表情はひどく愛くるしい。
不器用ながらも作り手の心をあらわしているような。
まさか、ジウォマさんが編んだわけではないだろうけど、この家からはほかの人の気配は感じないのでそうなのかもしれない。
もっとよく見ようと前のめりになると、突然うしろから首根っこをつかまれた。
見上げるように頭をのけぞらせるれば、さかさまにギィと目が合う。以前よりもうっとおしがる色が減り、逆にペットのしつけに悩む主人のような感じに見えるのは、きっと私の勘違いだ。うん。
そのまま親猫が子猫をくわえるかのようにひっぱりあげられる。苦しいって。
「何するんです」
「あんたな、何度呼んだと思ってるんだ」
「えっ、そんなに呼びました?」
「熱心に何を見ていた」
ギィの眉根は日に日にしわが深くなっている気がする。きっとそう言えば、私のせいとか返されそうなので、賢明にも私は黙った。
編みぐるみへ向けた私の視線を追って、ギィも気づいたようだ。数回瞬いて目をそらす。
その目に一瞬、切るような悲しみがあったのは気のせいだと思いたい。
「――あんたにしてほしいことを話す。完璧に記憶しろ」
なんだろう。日に日に上司のようなポジションになっている気もする。
※
ギィに言われたことをまとめると、こういうことになる。
・三日後、私はある女の子と、数日の間入れ替わる。
・最低でも二日、入れ替わった女の子のふりをしてばれないように乗り切る。
・数日後、身代わりの役目を果たした私をギィが拾いにくる。
話を聞き終わって私はとりあえずうなずく。ギィは、必要なものはすべてこちらでそろえるし、他にも細かなあらゆることはおいおい指示していく、とだけ付け足した。
それからもう用は済んだとばかりに毛皮を纏い、家を出ていった。余計なことを言うなよとジウォマさんに念押ししてだ。
残された私はさすがに呆然とした。
もっとやるべきことの背景とか、こまごまとした打ち合わせとかしてくれると思っていたのだ。
どこのだれと入れ替わるとかも教えてくれなかったし。それに私が依頼されたことって、なんだか犯罪のにおいがするような。
いつも法の中で平穏無事に生きてきた私には、荷が勝ちすぎません?
どうしようたま。そう泣き言を呟けば、たまはため息をついた。
(こうなってはやるしかあるまいに。小娘は肝が据わっているかと思えば、すぐに慌てふためく。不均衡な女だな)
肝なんて据わってないよ。ちょっとでも立ち止まると、二度と立てなくなりそうだから、なんとか目の前のことをやろうとしているだけなのだ。
たまと無言のやりとりをしていたら、控えめに声をかけられた。
「ユカリ、でしたね。僕はジウォマといいます。今回はお力を貸してくださるということで、なんと感謝すればいいか」
ほわほわとした羽毛のような声である。いっ、癒しキャラだ……!
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ん? お金?
「ジウォマさん、お金ってなんの話ですか」
私はお金なんて一銭ももっていないよ。とんちんかんな言葉に私は首をひねる。
そう問えば、ジウォマさんは目を見開いて瞬いた。それからなるほどというように息をつく。
「ギィは、何も話していないんだね?」
「ギィは、いつでも何も話してくれませんよ」
皮肉でもなんでもなく、事実である。ジウォマさんはそこで、まじまじと私を眺めた。そして珍しいと呟く。
「ユカリがギィとどういう経緯で知り合って協力してくれているのか、僕は知らない。でも今回の仔細を聞かされていないというのは、大切にされているということだ」
「逆なのでは? ふつう大切にするなら話すでしょう」
大切にされているとはちっとも思わないが。そう言えばジウォマさんは小さく笑って、そのまま黙った。
(こいつらが小娘を何に巻き込もうとしているのかは知らぬが。何も知らなければ、万が一失敗したときに小娘は無事でいられる可能性が高くなる。ものごとは、知りすぎているほうが危険を増すことがある)
たまがうさんくさそうに呟いた。なにやら雲行きが怪しくなってきた。やっぱり犯罪沙汰のお手伝いをするのだろうか。
素直に怖い。それってやってもいいことなのかな。もし失敗したらどうしようと顔色を曇らせる私を、ジウォマさんは観察するように見つめている。
少ししてから、彼はゆったりと口を開いた。
「ギィは話すなと言ったけど。危険を冒してくれる人に僕は隠したくない。君には聞く権利もある。だから話す」
ジウォマさんは暖炉上へ視線を向けた。その瞳がかすかに沈んだことに私は気づく。
場違いなあの編みぐるみは。
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