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はなが散る
しおりを挟む私は、彼女が居ます。これを聞くと、一見、私を男だと思うでしょう。ですが、私は女なのです。いわゆる、同性愛というものでしょう。
私はその子を溺愛していますし、勿論その子も私を溺愛しています。
今年の夏には、共にプールに行ったり、かき氷を思いっきり食べ頭をキインと痛くしたりと、沢山の事をしたんです。毎日、毎日精一杯楽しみましたよ。何故、そんなに毎日遊ぶのかと、疑問に思う方もいるでしょう、実はですね、彼女は、身体が弱いのです。肺動脈性肺高血圧症という、難しい病気を、患っているのです。医者に、二年前、余命は二年と半年だと告げられたのです。なので、今年の夏は思いっきり遊ぼうと、決めていたんです。なので、沢山、沢山遊びました。でも、やはり不安は消えてはくれないので、夜は二人で、月に照らされながら、うわんうわんと泣きました。
そこから少し経ち、彼女の病は、進行していってしまわれました。本当に、本当に辛くて私は彼女が亡くなった後、後を追う事を決意しようとしましたが、彼女にその考えは隠せていなかったようで、泣きながら止められました。ですから、私は彼女の言葉を聞いて、死ぬることは辞めにしましたよ。彼女と、最後に、花火をしたんです。手持ち花火を。とても綺麗で、儚く、美しくて、思わず涙してしまいました。花火をしている最後に、線香花火を、二人で勝負しました。しばらく二人共粘りましたが、最後は彼女の火がポトリと地面に落っこちて、私が勝ちました。その後、私は使った花火のゴミ等を片付けていたんです、そうしたら、突然、彼女がお礼を言ってきて、不思議に思い振り返れば、ライターを片手に持っていたんです。私は、何故彼女が礼を言ったのか、何故もう花火は残っていないはずなのにライターを持っているのか、私には理解が及ばなかったんです。ですが、次の瞬間、私はやっと理解出来たんです。なぜならば、彼女は、自分の風に靡く、綺麗で長い黒髪に火を付けたのです。彼女は、泣きながら、笑っていて、私に言ったのか、独り言かは分かりませぬが、最悪な病に命を奪われるよりかは、花火のように美しく散る方がよっぽどマシだわ。と、言っていました。私は、その綺麗に美しく散る「華」という名の女を見ながら、ただ、赤子のように、鈴虫と共に泣き喚く事しかできませんでした。
当時から丁度一年経った今日、私は、思いました。彼女の名は、「華」という名前なのです。華に火を付けると、華火になるのですよね。そんな、くだらない事に、最近、気が付いたのです。
さて、私は彼女の墓参りに行ってきますので、これで。
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