スキルが全ての世界で無能力者と蔑まれた俺が、《殺奪》のスキルを駆使して世界最強になるまで 〜堕天使の美少女と共に十の塔を巡る冒険譚〜

石八

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始まりの塔編

第6話 最初の難関

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「──ふっ!」

 始まりの塔、四階層目。
 まだ四階層目にたどり着いてから一分も経っていないのに、俺は早速初めて見る魔物と対峙していた。

『ジジッ!』

「くっ……! 無駄に素早くて攻撃が当たらない……!」

 今俺に襲いかかってきているのは、全長八十センチほどの大型の蜂で、先ほど《鑑定眼》で調べた結果 《イエローホーネット》という魔物であると、判別ができた。

 名前の通り全身が黄色の蜂なのだが、尻の先でうにうにと動き回る返し付きの針からはポタポタと透明な毒液が滴っていた。

 しかもその毒液は酸性なのかなぜかぶくぶくと音を立てながら泡立っており、少しでも刺されればタダでは済まないだろうと、俺は毒針を警戒しながら剣を振るっていた。

 だが相手は虫なので、異常に素早いのだ。
 一応肉質は脆いらしく俺の斬撃により足が二本ほど無くなっているが、それがどうしたと言わんばかりにイエローホーネットは自由に動き回っていた。

『ジジジッ!』

「っ! 危ねぇな……だが!」

 毒針を突き出して突撃してくるイエローホーネットの下を潜ってやり過ごしながらも、俺は直ぐに立ち上がることなく通り過ぎていくイエローホーネットの下をマークする。

『ジジッ──ジジ?』

 振り返ったイエローホーネットは、本来後ろにいるはずの俺の姿がないことに、小首を傾げてキョロキョロと周りを見渡していた。

 その隙を突いて、俺は剣先を上に向けてイエローホーネットを下から串刺しにした。

「これでっ、捕らえたぞ!」

『ジジジッ……!』

 死角からの攻撃にイエローホーネットはすぐさまその場から離れようとするが、確実に胴体を貫いた俺の剣からは逃げれるはずがなく、じたばたともがきながら毒針を前方に突き出していた。

 なので俺は剣を両手で構え直して、力任せにイエローホーネットを剣ごと壁に叩きつけた。

『ジッ──』

 最後にイエローホーネットは力を振り絞って俺に毒針を突き刺そうと尻を突き出してきたが、俺は冷静にゴブリンアーチャーから回収した矢をイエローホーネットの頭部に突き刺すことで、完全に絶命する。

 すると期待通りに頭の中で謎の音と共に例の音声が聞こえてきた。

『スキル《毒耐性 (微)》を獲得。スキル《刺突Ⅰ》を獲得しました』

 イエローホーネットを討伐したことでまた新たに二つのスキルを獲得したが、初心者殺しのときのような頭痛には悩まされることなく、俺は自分に《鑑定眼》を使用してスキルの詳細を確認する。

 《毒耐性(微)》は毒に対する耐性を得るらしいのだが、効果は微力らしいのでそこまで期待できるほどのものではないだろう。

 そして二つ目の《刺突》は、攻撃した際に刺突をすると威力が1.5倍上昇するスキルで、スキルレベルに依存して倍率が上がるスキルであった。

 個人的には先ほどのイエローホーネット戦のように刺突での攻撃は多くなると思うので、毒耐性と違ってかなり有用なスキルだと言えるだろう。

「これで、今の俺のスキル合計は……もう十個もあるのか」

 俺は新たに追加された二つのスキルの詳細が記載されたパネルを閉じ、ステータス画面を映してスキルの確認を始める。


───────────────

レイ:剣士《厄獣を討ちし者》 男 21歳

ノーマルスキル
・身体能力強化Ⅰ ・腕力Ⅰ ・刺突Ⅰ
・弓術Ⅰ

パッシブスキル
・気配察知Ⅰ ・危険察知Ⅰ ・毒耐性 (微)

スペシャルスキル
・鑑定眼Ⅰ ・火事場の馬鹿力

レジェンドスキル
・殺奪

───────────────


 こうして見ると、スキルの規則性というものが分かってくる。

 ノーマルスキルはスキルが発動すべきタイミングで発動するスキルで、パッシブスキルはノーマルスキルと違って常に発動しているスキルだろう。

 そしてスペシャルスキルはノーマルスキルの上位互換──つまり、レアリティが高く貴重なスキルであり、さらにその上の《殺奪》が該当しているレジェンドスキルは、名前の通り伝説級のスキルなのだろう。

 そう言われてみれば《観察眼》などのスキルは聞いたことがあるものの、《殺奪》なんてスキルを見るのは初めてである。

 下手したらこの世界で《殺奪》のスキルを持っているのは俺だけ──なんて、可能性はゼロではないだろう。

 どちらにせよ、いつ俺が《殺奪》というスキルを取得していたかは不明だが、このスキルのおかげで今まで貼られていた"無能力者"というレッテルが剥がれていくような、そんな感覚を俺は抱いていた。

「……気配察知から予測するに、この道を真っ直ぐ進むと多分イエローホーネットと接敵するから……一旦来た道を戻って迂回した方がいいかもしれないな」

 念の為、俺は金になるイエローホーネットの羽根や毒針を回収して、《気配察知》のスキルを駆使して魔物と出会わない道を探して進んでいく。

 幸いにもイエローホーネットは羽音が遠くにいても聞こえるため逃げることが容易であったが、一度見つかると逃がしてはくれないので、戦うことを余儀なくされる。

 しかしだからといって俺は遅れをとるわけでもなく、イエローホーネットから取得した《刺突》を使用し、鋭い突きをお見舞する。

 するとスキルの効果が全面的に出ているのか、いつも通りに突いたはずなのだがイエローホーネットの腹部は大きく抉れており、飛べなくなっていた。

 そのため俺は遠慮をすることなくトドメを刺す。
 そんなことを続けながら四階層目を歩き回っていると、気付けば俺は異質を放つ正方形の部屋へと訪れていた。

「ここは……もしかして……」

 この正方形の部屋の床には、二つの魔法陣が刻まれていた。

 一つは一階層目にもある帰還用の魔法陣。
 そしてもう片方の、帰還用の魔法陣よりも大きな魔法陣は──

「これが、噂に聞くボス部屋への転移魔法陣か」

 話に聞く限りだと、始まりの塔というのは全十階層あるらしく、五階層目と十階層目には強力な魔物が待ち受けているらしい。

 その強さはまさにボス級なのだが、どうやら倒してしまうと素材が消えてしまうらしく、アーラスの冒険者にとっては「挑むだけ無駄」と名高い階層であった。

 しかしそれは金銭面での話だ。
 俺が狙っているのは、その魔物が取得しているスキルの方であった。

 いくら素材が消えたとしても、俺の《殺奪》ならばスキルを奪うことは可能だ。なら、挑むだけ損ではない。むしろ得であると言えるだろう。

 しかし、やはりボス級というわけなのでハイリスクハイリターンだ。

 いや、そもそもそのボス級の魔物は身体能力が段違いなので、スキルを使わず単純な暴力で叩きのめしてくるタイプかもしれない。

 そうなるとただのハイリスクローリターンなのだが、ここを乗り越えないと俺はこれ以上強くなれないような、そんな気がして仕方がなかった。

「すー……はぁー……よし、挑むか」

 長々と深呼吸をしつつも、俺は鞄の中にある道具を確かめていく。

 イエローホーネットの羽根や毒針は道具ではないためカウントしないとして、今俺が持っていて使える道具は、傷を癒して体力を回復してくれる体力ポーション二本と、煙を大量に発生させる煙玉が一個で、その他はあまり使いどころのない手入れ用のタオルなどであった。

 少しばかり心許ない気もするが、俺は実力を付けるため、己の力を確かめるため、五階層目への転移魔法陣の上に立ち、瞼を閉じる。

 すると直ぐに俺の体は白い光りの粒に包まれていく。

 そしてゆっくりと目を見開くと、そこは迷路のような場所ではなく、まるで闘技場のような、正方形の大部屋であった。

 その広さは二つの魔法陣があった部屋とは比べものにならないほど広さで、天井に関してはあまりにも高すぎて気が遠くなるほどであった。

 だがどこにも例のボス級の魔物はいない。
 本当にここで合っているのかと俺は一歩前へ踏み出すが、その刹那、俺の頭上から空を切る音が聞こえ始める。

 その音はあまりにも大きく、そして鈍い。
 音の正体を確かめるため見上げてみると、そこには黒い物体が隕石のように落下している最中であった。

「──っ!」

 その黒い物体を視認したのが悪かったのか、《危険察知》が過剰に反応して俺の全身がぶるっと震える。

『グギャァァアァアアァァア!!』

 突如としてその黒い物体は絶叫を上げながら人型になり、俺の目の前──距離としては十メートルほど距離を開けて軽々と着地する。

「こいつは……」

 先ほど人型と言ったが、それは正確に言えば間違いであった。

 今俺の目の前で仁王立ちしている魔物は、動物でいうところの猿であった。

 だがその大きさが異常なのである。
 猿といっても全長は三メートルを超えており、見るだけでも分かるほど強靭な手足には、筋肉が隆起していた。

 そこですぐさま俺はその猿型の魔物に対して《鑑定眼》を使用する。

 この《鑑定眼》はスキルに使うと詳細が、人に使うと名前や職業が分かるのだが、魔物に使うとその名前や特性が分かる、素晴らしいスキルであった。

 だがやはりレベルが低いのか読み取れない部分はあるが、それでも相手のことを知るには充分すぎるほどの情報を俺は手にした。

『個体名《バーニグモーラ (????)》巨大な猿型の魔物。怒ると腕や脚からは炎が発生する。炎に対する抵抗力を持つ。弱点──』

 とりあえず様々な情報を手にしたのだが、よく分からない箇所が多くて若干目を回しそうになる。

 まず奴はバーニグモーラという魔物らしいが、その隣にあるクエスチョンマークの意味が分からない。

 その他にも弱点が文字化けしていたりするのだが、それよりも俺は脅威であると思う要因が一つだけ存在した。

 そう、奴は炎を使ってくるのだ。
 しかも炎に対する抵抗力があるらしいので、炎による自滅を誘うことはほぼ不可能に等しいだろう。

「まさに、ボス級の強さだな……」

 そう言ってみせるものの、内心は心臓がバクバクと鳴っていてうるさかった。

 しかしここに来てしまったということは、これから俺かバーニグモーラが死ぬまで終わらないデスゲームが始まるということだ。

「俺はお前に勝って、お前の強さを喰らってやる……! 来いっ!」

『グギャァァアァアアァァアッ!!』

 今日この日。
 始まりの塔にて、俺とバーニグモーラによる文字通りの死闘デスゲームが始まるのであった──
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