Day Walker

みさ☆バニー

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Day Walker

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その日は、10月の雲1つ無いピーカンで、少し暑い位だった。俺は、反抗期の娘と近所にある実家で、早目の夕食を食べて、帰宅する所だった。


その日が、まさか人間として最後の日、死ぬ日だなんて、誰が予想出来ただろうか?

 あぁ、自己紹介が、まだだったね。俺の名前は、凜。40代半ば。正直名前は、女みたいで好きじゃない。 でも、裁判やらメンドクセェから、諦めた。それともう1つ、結婚生活も諦めた。嫌いじゃないのに離婚ってどういう事? わけわからん。どういう訳か、娘こと華もくっついてきた。謎。

 「なぁ、華。夕飯早かったから、何か買いに行こう。」

 「.........」

あぁ、反抗期、超メンドクセェ。

 「ハ~ナ~ちゃん、たっかいアイス買って良いから、スーパー行こう。」

 「...........」

無言でマンションを通りすぎて、スーパーに向かう。パパ、疲れます、ハイ。

 丁度、建物の影に入った時。
 
           
            生臭い臭いがした。

 突如、黒い結構デカイ物体が、娘に飛びかかった。俺は、咄嗟に娘に覆い被さった。
 見事にその黒い奴は、俺の首に食らいついた。
 
 不思議と痛みはない。ただ、流れる血液を啜る音、呑み込む音が、耳元に響く。
 快感に似た感じで、意識がふわふわしてきた。
 すると、次に娘に飛びかかった!

俺は、無意識に黒い奴に飛びかかって、自分にされたようにソイツに食らい付いた。
 
 恐怖感は無かったね。娘を守んなきゃって訳でも無かった。ひたすら、黒い奴の体液を啜り呑み込んだ。奴が、干からびる位に。本能かね?

黒い奴は、その場に倒れこんだ。やったぜ!てね、思ったのよ。その時は。

 すると、次に身体に激痛が走り、もんどりうって、地面にご挨拶した。

 意識を手放して、どの位かは、判らない。これまたデカイ男が、俺に声をかけている。五月蝿い位に。娘は、その後ろで泣いていた。

 俺は、あの黒い奴を探した。あぁまだ動けないようだ。

 その時、秋の優しい太陽が沈む最後にと一際輝いて俺達に降り注いだ。

 「..何故..お前は平気...な..」

と、黒い奴は、呻き声を上げながら肉が焼ける臭いと共に灰になった。

 訳が判らないが、何時までも外に倒れても居られない。
 取り敢えず、帰ろうとデカイ男こと蓮氏にお礼?(何の?)言って帰ろうとした。

 すると蓮氏の影にいる娘から

 「パパ、髪の毛と目の色が変....」

どういう事?
無言で蓮氏が鏡を出した。小さかったけど。

 其処には、映る筈の自分が居ない。どういう事?

 伸ばしていた髪の毛を引っ張り見てみると、見慣れた色じゃない。白銀色。陽に透けそうだ。そう言えば、肌の色もまるで北欧人の様に白い。
 そして娘よ、父親の一大事なのに、何故そんなに遠いのよ。

 取り敢えず、マンションに帰り(何故か蓮氏付き。後に理由を知った)3人で、ネットで詳細を調べた。どうやら、黒い奴は、ナイトウォーカーのヴァンパイアらしい。
 そして太陽が平気な俺は、どうやらディウォーカーのヴァンパイアになった様だ。
 
 あれ?俺、死んでるの?

自分の胸に手を当ててみる。あれ?あれ?鼓動がしない。息も止めてみる。何時までも苦しくない。


 
             どうやら俺は、死んだらしい。



 
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