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Day Walker 81
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平和な日々。秋も深まって、食欲の秋。
「なんか、最近、ぽっちゃりしてきた気がする。」
「え?そう?体重変わんないよ?」
うーん、食べ過ぎかな。散歩再開しようかな。
ピンポーン♪
「あ、裕太来たかな?」
「おっ邪魔しまーす。」
「いらっしゃい。あ、ケーキ!」
「うん、新作~。蓮さんにも、お酒風味なのかって来たよ。」
「あ、そう。それなら食べれそうだな。」
喋ってるうちに、其々の能力について話した。俺と蓮は、もう分かってるので略。
「裕太の能力って、瞬発力?」
「も、一個見つけた。」
「何?もう一個?」
「予知夢。殆ど当たる。まぁ、小さな事は見ないけど、少し重い位のはたまに見て当てちゃう。」
「凄いけど、なんか怖いなぁ。」
「うん、だからあんまり見たくない。」
「ハッ、んんっ!蓮っ!あぁっ!」
痙攣で揺れる身体を押さえて、最奥を穿つ。
「ヒッ、ううっ!ハァ!んっ、イ、イク、また、イクッ!」
もう3ラウンド。
「も、もう、許して・・。」
「うん、今日はお終い。綺麗にするから、待ってね。」
ゆっくり引き抜かれる。吸収出来なかった蓮の精液が、秘孔から伝い流れる。
「ん、蓮、ティッシュ!」
「あ、ごめん、はい。」
「・・・回数増えたし、内容濃いし、女だったら、完全に妊娠してるわ。」
笑いながら眠りに就いた。
『この数ヶ月、何度も同じ夢みるんだ。こないだ、行った時話せたらよかったんだけど、またお邪魔していいかな?』
裕太から、何やら深刻そうなメール。
「蓮、何だろ。なんか怖いんだけど。」
「そうだな。俺も聞くよ。でも、もう大抵の事は経験したから、怖くないけどね。」
まぁね。でも、俺達に関係する予知夢。気になる。
「で、どんな夢?」
「まず、登場人物は、2人。1人は凛、もう1人は、小さな天使。」
天使?やだな、また死んじゃうの俺?
「その天使が、何か祝福してる様な言葉を言いながらさ、手から優しい光を凛に向かって送ってるイメージ。」
「うーん、ボンヤリしてて、内容がわかんねーな。何だろうな?」
「悪い事じゃないよ。カラーが優しいんだ。」
「へぇ、カラーで分かるの?」
「事故とかだったら、血の色とかね。今回の何度も見てる夢は、淡い黄色やピンク。悪い事じゃない保証は出来るよ。」
「んー、でも何も思いつかん。何だろなぁ。」
それから、暫くして俺が体調を崩した。
「ダメ、匂いだけで、吐きそう。」
「凛。でも、何か食べないと。最近、ろくに食ってない。」
「仕方ないよ、ご飯が炊ける匂いなんて、ウンチの匂いだよ。」
「やめれ。今、食ってる。」
「病院、行ってみる?」
「心臓動いてない患者来たら、医者が倒れるわ。」
「そうだけどさぁ。」
蓮が食べれそうな物を作ってくれるが、ことごとく、吐いてしまう。
「華に連絡するか?」
「いや、良い。心配させても仕方ない。何とか、治すから。」
甘い物も受け付けない。炭酸水と蓮手作りの野菜サンドイッチで何とかしのいでる。
「ディウォーカーでも病気になるんだなぁ。」
「うーん、病気なのかな。普通の嘔吐下痢にしては長すぎるよ。」
激しい食あたり?も、3ヶ月程で落ち着いた。
「凛、大丈夫?」
裕太が見舞いに来てくれた。
「うん、落ち着いて来たよ。今は逆に食欲が増して、食べ過ぎない様にしてる。」
「そうか。良かった。・・あの夢、まだ見るんだよね。なんなんだろ?」
「思い当たる節が無いから俺もわからないなぁ。」
「なんか、ふっくらしてない?」
「あ、酷いなぁ、裕太まで言うか。体重変わってないよ~。丸くなった?」
「うん、顔が穏やかな感じ。」
う~ん、体重変わって無いのに身体が、丸みを帯びて来たらしい。なんで?
「あれ?入らない。」
「どうしたの?」
「今まで履いてたスキニーが入らない。」
「やっぱ、太ったんじゃ?」
「え~体重毎日見てるし、散歩にも行ってるよ?スィーツだって、控えてんのに?」
「うーん、何か下腹が、少し出てる気がする。」
「そう?はぁ、腹筋もしなきゃ駄目か。」
「だなぁ。何でだろな。」
「折角、予知夢を送ったのに、気が付かないのか。」
心臓止まってるけど、心臓に悪い。いきなり現れるガブリエル。
「な、何?裕太の予知夢か。意味が分からないよ。」
「蓮、君は凛が眠りにつく前、日本古来の神に何か願い事してなかったか?」
「え?俺?んー、なんかしたかなぁ。えーと。・・・あぁ、カナマラ神社か!」
「カナマラ神社?何それ?」
「ほら、チ◯コ祭り。」
「あぁ、あれが予知夢とどう関係してんの?」
「神は蓮の凛に対する献身をご覧になられて私を使わせて予知夢を裕太に見せたんだ。」
「チッコイ天使ってガブリエルなの?」
「そういう事だ。小さな天使は、裕太の天使に対するイメージでそうなっただけだ。」
「ふーん。で、蓮が神社でお願いした事とガブリエルの予知夢はどこで繋がるの?」
「蓮の願い事の中身だな。それが叶えられたんだ。」
「・・・・はい?マ、マジで?」
「何故、私が嘘をつく必要がある?分かったようだな。ゆっくり2人で話し合え。」
結局、ガブリエルはヒントだけで、教えてくれなかった。
「蓮、何を願ったんだよ。それが叶えられたって言ってたぞ。」
「いやいや、待てよ。あり得ないよ。ディウォーカーになった時点で、出来ない身体に俺も華もなったのに。」
「もう、だから、何願ったの?」
ハッキリしないから、イライラ。1人でパニクってる。
「・・・子宝。凛との間に子供が欲しい。って絵馬に書いた。」
「は?はい?こ、子供?子供欲しいって書いたの?」
「・・・はい、書きました。」
2人して頭を抱える。
「・・・て、事は俺、妊娠してんの?」
「・・・・・多分。」
「じゃ、あの嘔吐は、ツワリか?」
「恐らく。腹が出て来たのも、月齢が進んだからだろうな。」
男の俺が、妊娠?頭の中がぐるぐる。病院には行けない。ディウォーカーだし、男だし。
「でも、確定じゃないだろ?確認出来ないし。」
「うーん、どうするかなぁ。」
「ロイ、裕太の予知夢の件なんだけど。」
「あぁ、聞いてる。まるで、受胎告知だな。」
「いや、そのまんまだ。」
「え?本当か?」
「ただ、凛は男だし、ディウォーカーだから、病院に行けない。確認出来る方法がないか思案してる。」
「あれは?妊娠検査薬。」
裕太が提案。
「うん、それも今日やろうと思うけどさ、腹の中、見れないかなと思って。」
「で、本人は?」
「頭抱えて寝てる。」
「蓮の能力使って、病院に行けばよくないか?超音波か?あれで見るんだろう?」
「あぁ、そうか。そうだな。やってみるよ。」
「やっぱ恥ずかしいよ。」
小声で訴える凛。
「一回だから。ちゃんと確認しよう。」
医師と目を合わせ、余計な検査をさせず、尿検査と超音波だけ受ける。
「ほう、元気ですよ。今は5ヶ月位ですね。もうすぐ胎動も感じますよ。」
「どうやって、産むんだよ。ハァ。」
「そうだな。確か、エクソシストの司祭に医師がいたな。連絡とってみるか。」
とりあえず、出産に関してはクリアしたが、凛の動揺が酷い。それはそうだ。男の身体で妊娠したんだから。・・・下手に絵馬に願い事書いたらいかん。うん、反省してます。
「蓮、もしさ、無事産まれたら、華達に預けようかと思う。」
夜、ポツリと、凛が呟いた。
「え、なんで?俺たちが育てれば良いじゃないか。」
「両親、男だぞ。赤ちゃんの時はまだ良いけど、幼稚園や学校上がったら、問題になる。」
「そうだけど・・」
「華達もきっと子供は欲しい筈だ。だから、華に託すよ。」
そういうと、俺に背中向けて丸まってしまった。きっと泣いてる。産んだって育てられないって思ってるから、凛は妊娠を素直に喜べないんだ。
「凛の思うようにしたら良いよ。だけど、あんまり悪いように哀しいように考えないで。赤ん坊は、凛を選んで来てくれたんだ。無事に産まれるまで可愛がろう?な?」
モゾモゾと向き直り、腕の中へ。
「・・・うん、あと4ヶ月くらいしか無いもんな。可愛がってあげよ。ありがと、蓮。」
それから、何とか現状を受け入れて、毎日を過ごしてる。俺の中に蓮の子がいる。本音は嬉しい。愛しい相手の子だもの。嬉しく無いわけがない。
だけど、育てる環境じゃない。ここは日本だ。アメリカとかならまだ良いかも知れないけどな。
そっと、腹を撫でる。
(ごめんな?腹にいる間だけ、かぁちゃんだよ。産まれたら新しい美人で強いママが、待ってるからな。)
寒くなって厚着になるから、腹も隠せる。流石にマタニティウェアは着れないから、オーバーオールとかね。
気分転換によく外出に連れ出してくれる。
「これ、可愛いな。」
「うん。可愛い、男でも女でも良いね。」
出産準備は、あえてしないように決めた。それは華達にさせよう。親になる為の心構えにもなるだろう。
モールで、可愛い赤ちゃん服を見ても買わない。
(聞こえるかな?今、パパさんとお出かけしてるよ。楽しいね。)
優しく腹を撫でる。
「もう、動く?」
「うん、動くよ。触ってみる?」
「あぁ、触りたい。」
そっと俺の腹に触れた。
「お、元気だな。また戻ってきてくれたのかな?パパだぞ~。」
そうか、亡くした奥さん、2人目妊娠してたんだ。
「な、凛。俺はこの子、育てたい。ダメか?」
「・・・仕方ないんだよ。ごめんね、蓮。」
「そうか。・・・お前のかぁちゃん、頑固だなぁ。」
寂しく笑う蓮。ごめんね。赤ちゃんにとって最善を選びたいんだ。
「本屋行きたいんだけど。」
「本屋?あぁ、いいよ。行こう。」
「あの、ほら。た◯ごクラブ?あれ読みたい。」
「あー、妊婦さん向けの本な。うん、いいんじゃない?」
「・・・名前、名前だけ、決めさせて貰えたら嬉しいかなぁ。」
「ん、そうだね。じゃ、名付けの本もな。」
愛おしくお腹を触る凛。手放したくないよな。苦しいな。どうしたら、良いんだろう。
〔蓮さん、ご無沙汰してます。凛さんはどうですか?〕
「あぁ、順調だよ。で、どうした?」
〔実はですね・・・〕
「おーい、チビ聞こえるか~。」
「なんだよ、ビックリするじゃん。」
「今は、チビに話してんの。」
いきなり、蓮が腹に向かって話しかけた。
「なー、チビもかぁちゃんと離れたくないよなぁ。俺もチビと離れたくないんだよぅ。かぁちゃん、頑固だから、聞いてくれないからなぁ、チビに話すわ。」
何だよ。頑固だけど、腹の赤ん坊に何を話すんだよ。
「チビの新しい美人で強いママさん達がなぁ、おんなじマンションに引っ越して来るぞぅっ!わかるか?ずっと一緒に入れるぞ~!」
「は?どういう事?」
「健太が、またこっちに帰ってくるって。今、住む所探してたら、俺達のマンションに空き家があって、申し込みたいんですが、大丈夫ですか?ってさ。」
「・・・ほ、ほんと?」
「そ、んで、ここの不動産、誰が所有者?」
「・・・蓮。」
「そういう事。部屋はもう押さえた。チビと離れる必要は無い。皆んなで育てるんだ。」
涙が止まらなかった。偶然か、蓮が手配したのか分からない。でも、離れないで済む。嬉しい。
「蓮、蓮ありがとう、俺、赤ちゃん手放したく無いっ。」
「な、俺もそう思ってたよ。苦しかったな。もう、何も心配しなくて良いんだ。」
蓮に抱きついて号泣してしまった。
「様子見に来ちゃった。どう?」
「華、うん、順調。」
「まだそんなに目立たないわね。まだ6ヶ月位か。」
「そうだね。そのくらい。」
「あのさ、姫。私達がさ、預かる話してたじゃない?」
「うん。頼めるなら、お願いしたい。母親が男はちょっとね。」
「それがさ、私も実は働いてんの。健太の下で。だから、多分、育児無理。」
「え?あ、無理なの?」
「うん、だからさ、母親は、離婚したか死別したかに決めてさ、蓮と2人で頑張ってよ。そりゃたまには預かるけど。」
「あ、あぁ。うん。分かった。」
「何だよ、華達、預かれないんじゃ最初から言えよな~。凛、苦しかったのに。」
「もう、良いよ。覚悟決めろって事だろ?なぁ、チビ。かぁちゃん、男だけど辛抱してな。」
「まぁ、男は男でも若干、枠が違うけどね。」
「何だよ。それ。」
「ん?こんな美人なかぁちゃん、滅多に居ない。」
心配事が解決したら、蓮の発情。
「駄目だってば!俺、妊婦!」
「雑誌に安定期なら大丈夫って書いてある。」
か、買わなきゃ良かったかも知れない。
「なんか、最近、ぽっちゃりしてきた気がする。」
「え?そう?体重変わんないよ?」
うーん、食べ過ぎかな。散歩再開しようかな。
ピンポーン♪
「あ、裕太来たかな?」
「おっ邪魔しまーす。」
「いらっしゃい。あ、ケーキ!」
「うん、新作~。蓮さんにも、お酒風味なのかって来たよ。」
「あ、そう。それなら食べれそうだな。」
喋ってるうちに、其々の能力について話した。俺と蓮は、もう分かってるので略。
「裕太の能力って、瞬発力?」
「も、一個見つけた。」
「何?もう一個?」
「予知夢。殆ど当たる。まぁ、小さな事は見ないけど、少し重い位のはたまに見て当てちゃう。」
「凄いけど、なんか怖いなぁ。」
「うん、だからあんまり見たくない。」
「ハッ、んんっ!蓮っ!あぁっ!」
痙攣で揺れる身体を押さえて、最奥を穿つ。
「ヒッ、ううっ!ハァ!んっ、イ、イク、また、イクッ!」
もう3ラウンド。
「も、もう、許して・・。」
「うん、今日はお終い。綺麗にするから、待ってね。」
ゆっくり引き抜かれる。吸収出来なかった蓮の精液が、秘孔から伝い流れる。
「ん、蓮、ティッシュ!」
「あ、ごめん、はい。」
「・・・回数増えたし、内容濃いし、女だったら、完全に妊娠してるわ。」
笑いながら眠りに就いた。
『この数ヶ月、何度も同じ夢みるんだ。こないだ、行った時話せたらよかったんだけど、またお邪魔していいかな?』
裕太から、何やら深刻そうなメール。
「蓮、何だろ。なんか怖いんだけど。」
「そうだな。俺も聞くよ。でも、もう大抵の事は経験したから、怖くないけどね。」
まぁね。でも、俺達に関係する予知夢。気になる。
「で、どんな夢?」
「まず、登場人物は、2人。1人は凛、もう1人は、小さな天使。」
天使?やだな、また死んじゃうの俺?
「その天使が、何か祝福してる様な言葉を言いながらさ、手から優しい光を凛に向かって送ってるイメージ。」
「うーん、ボンヤリしてて、内容がわかんねーな。何だろうな?」
「悪い事じゃないよ。カラーが優しいんだ。」
「へぇ、カラーで分かるの?」
「事故とかだったら、血の色とかね。今回の何度も見てる夢は、淡い黄色やピンク。悪い事じゃない保証は出来るよ。」
「んー、でも何も思いつかん。何だろなぁ。」
それから、暫くして俺が体調を崩した。
「ダメ、匂いだけで、吐きそう。」
「凛。でも、何か食べないと。最近、ろくに食ってない。」
「仕方ないよ、ご飯が炊ける匂いなんて、ウンチの匂いだよ。」
「やめれ。今、食ってる。」
「病院、行ってみる?」
「心臓動いてない患者来たら、医者が倒れるわ。」
「そうだけどさぁ。」
蓮が食べれそうな物を作ってくれるが、ことごとく、吐いてしまう。
「華に連絡するか?」
「いや、良い。心配させても仕方ない。何とか、治すから。」
甘い物も受け付けない。炭酸水と蓮手作りの野菜サンドイッチで何とかしのいでる。
「ディウォーカーでも病気になるんだなぁ。」
「うーん、病気なのかな。普通の嘔吐下痢にしては長すぎるよ。」
激しい食あたり?も、3ヶ月程で落ち着いた。
「凛、大丈夫?」
裕太が見舞いに来てくれた。
「うん、落ち着いて来たよ。今は逆に食欲が増して、食べ過ぎない様にしてる。」
「そうか。良かった。・・あの夢、まだ見るんだよね。なんなんだろ?」
「思い当たる節が無いから俺もわからないなぁ。」
「なんか、ふっくらしてない?」
「あ、酷いなぁ、裕太まで言うか。体重変わってないよ~。丸くなった?」
「うん、顔が穏やかな感じ。」
う~ん、体重変わって無いのに身体が、丸みを帯びて来たらしい。なんで?
「あれ?入らない。」
「どうしたの?」
「今まで履いてたスキニーが入らない。」
「やっぱ、太ったんじゃ?」
「え~体重毎日見てるし、散歩にも行ってるよ?スィーツだって、控えてんのに?」
「うーん、何か下腹が、少し出てる気がする。」
「そう?はぁ、腹筋もしなきゃ駄目か。」
「だなぁ。何でだろな。」
「折角、予知夢を送ったのに、気が付かないのか。」
心臓止まってるけど、心臓に悪い。いきなり現れるガブリエル。
「な、何?裕太の予知夢か。意味が分からないよ。」
「蓮、君は凛が眠りにつく前、日本古来の神に何か願い事してなかったか?」
「え?俺?んー、なんかしたかなぁ。えーと。・・・あぁ、カナマラ神社か!」
「カナマラ神社?何それ?」
「ほら、チ◯コ祭り。」
「あぁ、あれが予知夢とどう関係してんの?」
「神は蓮の凛に対する献身をご覧になられて私を使わせて予知夢を裕太に見せたんだ。」
「チッコイ天使ってガブリエルなの?」
「そういう事だ。小さな天使は、裕太の天使に対するイメージでそうなっただけだ。」
「ふーん。で、蓮が神社でお願いした事とガブリエルの予知夢はどこで繋がるの?」
「蓮の願い事の中身だな。それが叶えられたんだ。」
「・・・・はい?マ、マジで?」
「何故、私が嘘をつく必要がある?分かったようだな。ゆっくり2人で話し合え。」
結局、ガブリエルはヒントだけで、教えてくれなかった。
「蓮、何を願ったんだよ。それが叶えられたって言ってたぞ。」
「いやいや、待てよ。あり得ないよ。ディウォーカーになった時点で、出来ない身体に俺も華もなったのに。」
「もう、だから、何願ったの?」
ハッキリしないから、イライラ。1人でパニクってる。
「・・・子宝。凛との間に子供が欲しい。って絵馬に書いた。」
「は?はい?こ、子供?子供欲しいって書いたの?」
「・・・はい、書きました。」
2人して頭を抱える。
「・・・て、事は俺、妊娠してんの?」
「・・・・・多分。」
「じゃ、あの嘔吐は、ツワリか?」
「恐らく。腹が出て来たのも、月齢が進んだからだろうな。」
男の俺が、妊娠?頭の中がぐるぐる。病院には行けない。ディウォーカーだし、男だし。
「でも、確定じゃないだろ?確認出来ないし。」
「うーん、どうするかなぁ。」
「ロイ、裕太の予知夢の件なんだけど。」
「あぁ、聞いてる。まるで、受胎告知だな。」
「いや、そのまんまだ。」
「え?本当か?」
「ただ、凛は男だし、ディウォーカーだから、病院に行けない。確認出来る方法がないか思案してる。」
「あれは?妊娠検査薬。」
裕太が提案。
「うん、それも今日やろうと思うけどさ、腹の中、見れないかなと思って。」
「で、本人は?」
「頭抱えて寝てる。」
「蓮の能力使って、病院に行けばよくないか?超音波か?あれで見るんだろう?」
「あぁ、そうか。そうだな。やってみるよ。」
「やっぱ恥ずかしいよ。」
小声で訴える凛。
「一回だから。ちゃんと確認しよう。」
医師と目を合わせ、余計な検査をさせず、尿検査と超音波だけ受ける。
「ほう、元気ですよ。今は5ヶ月位ですね。もうすぐ胎動も感じますよ。」
「どうやって、産むんだよ。ハァ。」
「そうだな。確か、エクソシストの司祭に医師がいたな。連絡とってみるか。」
とりあえず、出産に関してはクリアしたが、凛の動揺が酷い。それはそうだ。男の身体で妊娠したんだから。・・・下手に絵馬に願い事書いたらいかん。うん、反省してます。
「蓮、もしさ、無事産まれたら、華達に預けようかと思う。」
夜、ポツリと、凛が呟いた。
「え、なんで?俺たちが育てれば良いじゃないか。」
「両親、男だぞ。赤ちゃんの時はまだ良いけど、幼稚園や学校上がったら、問題になる。」
「そうだけど・・」
「華達もきっと子供は欲しい筈だ。だから、華に託すよ。」
そういうと、俺に背中向けて丸まってしまった。きっと泣いてる。産んだって育てられないって思ってるから、凛は妊娠を素直に喜べないんだ。
「凛の思うようにしたら良いよ。だけど、あんまり悪いように哀しいように考えないで。赤ん坊は、凛を選んで来てくれたんだ。無事に産まれるまで可愛がろう?な?」
モゾモゾと向き直り、腕の中へ。
「・・・うん、あと4ヶ月くらいしか無いもんな。可愛がってあげよ。ありがと、蓮。」
それから、何とか現状を受け入れて、毎日を過ごしてる。俺の中に蓮の子がいる。本音は嬉しい。愛しい相手の子だもの。嬉しく無いわけがない。
だけど、育てる環境じゃない。ここは日本だ。アメリカとかならまだ良いかも知れないけどな。
そっと、腹を撫でる。
(ごめんな?腹にいる間だけ、かぁちゃんだよ。産まれたら新しい美人で強いママが、待ってるからな。)
寒くなって厚着になるから、腹も隠せる。流石にマタニティウェアは着れないから、オーバーオールとかね。
気分転換によく外出に連れ出してくれる。
「これ、可愛いな。」
「うん。可愛い、男でも女でも良いね。」
出産準備は、あえてしないように決めた。それは華達にさせよう。親になる為の心構えにもなるだろう。
モールで、可愛い赤ちゃん服を見ても買わない。
(聞こえるかな?今、パパさんとお出かけしてるよ。楽しいね。)
優しく腹を撫でる。
「もう、動く?」
「うん、動くよ。触ってみる?」
「あぁ、触りたい。」
そっと俺の腹に触れた。
「お、元気だな。また戻ってきてくれたのかな?パパだぞ~。」
そうか、亡くした奥さん、2人目妊娠してたんだ。
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「・・・仕方ないんだよ。ごめんね、蓮。」
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寂しく笑う蓮。ごめんね。赤ちゃんにとって最善を選びたいんだ。
「本屋行きたいんだけど。」
「本屋?あぁ、いいよ。行こう。」
「あの、ほら。た◯ごクラブ?あれ読みたい。」
「あー、妊婦さん向けの本な。うん、いいんじゃない?」
「・・・名前、名前だけ、決めさせて貰えたら嬉しいかなぁ。」
「ん、そうだね。じゃ、名付けの本もな。」
愛おしくお腹を触る凛。手放したくないよな。苦しいな。どうしたら、良いんだろう。
〔蓮さん、ご無沙汰してます。凛さんはどうですか?〕
「あぁ、順調だよ。で、どうした?」
〔実はですね・・・〕
「おーい、チビ聞こえるか~。」
「なんだよ、ビックリするじゃん。」
「今は、チビに話してんの。」
いきなり、蓮が腹に向かって話しかけた。
「なー、チビもかぁちゃんと離れたくないよなぁ。俺もチビと離れたくないんだよぅ。かぁちゃん、頑固だから、聞いてくれないからなぁ、チビに話すわ。」
何だよ。頑固だけど、腹の赤ん坊に何を話すんだよ。
「チビの新しい美人で強いママさん達がなぁ、おんなじマンションに引っ越して来るぞぅっ!わかるか?ずっと一緒に入れるぞ~!」
「は?どういう事?」
「健太が、またこっちに帰ってくるって。今、住む所探してたら、俺達のマンションに空き家があって、申し込みたいんですが、大丈夫ですか?ってさ。」
「・・・ほ、ほんと?」
「そ、んで、ここの不動産、誰が所有者?」
「・・・蓮。」
「そういう事。部屋はもう押さえた。チビと離れる必要は無い。皆んなで育てるんだ。」
涙が止まらなかった。偶然か、蓮が手配したのか分からない。でも、離れないで済む。嬉しい。
「蓮、蓮ありがとう、俺、赤ちゃん手放したく無いっ。」
「な、俺もそう思ってたよ。苦しかったな。もう、何も心配しなくて良いんだ。」
蓮に抱きついて号泣してしまった。
「様子見に来ちゃった。どう?」
「華、うん、順調。」
「まだそんなに目立たないわね。まだ6ヶ月位か。」
「そうだね。そのくらい。」
「あのさ、姫。私達がさ、預かる話してたじゃない?」
「うん。頼めるなら、お願いしたい。母親が男はちょっとね。」
「それがさ、私も実は働いてんの。健太の下で。だから、多分、育児無理。」
「え?あ、無理なの?」
「うん、だからさ、母親は、離婚したか死別したかに決めてさ、蓮と2人で頑張ってよ。そりゃたまには預かるけど。」
「あ、あぁ。うん。分かった。」
「何だよ、華達、預かれないんじゃ最初から言えよな~。凛、苦しかったのに。」
「もう、良いよ。覚悟決めろって事だろ?なぁ、チビ。かぁちゃん、男だけど辛抱してな。」
「まぁ、男は男でも若干、枠が違うけどね。」
「何だよ。それ。」
「ん?こんな美人なかぁちゃん、滅多に居ない。」
心配事が解決したら、蓮の発情。
「駄目だってば!俺、妊婦!」
「雑誌に安定期なら大丈夫って書いてある。」
か、買わなきゃ良かったかも知れない。
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地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
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