異世界モノつめあわせセット

銀狐

文字の大きさ
28 / 49
3.毒かと思ったら美少女になる薬だった件

3-4

しおりを挟む
「何を言っているんだアビス!こいつはお前を殺そうとしたんだろう!」
「いててっ、今は非力な体だからそう強くつかまないでくれ」
「す、すまない……」

 戦えるが、元々の筋力は落ちている。
 これはもう仕方ないとしか言えない。

「でもなんでそう思ったの?あなたに毒を盛ったのよ?」
「ああ、分かっている。でもこいつは命を狙われているんだ」
「どういう事なんだ?」
「つまり、次期魔王争いってことですか?」
「そういうことだ」

 遅かれ早かれ来るとは思っていた。

 勇者がいなくなったら次の勇者が来るように魔王がいなくなったら次の魔王が来る。
 これが何回も何回も繰り返されて今につながっている。

「それでだ、こいつを旅のメンバーに加えようと思う」
「「はぁ!?!?」」
「ちょっと!どういう事よ!」
「そうだ!悪魔と一緒にいるのなんて危なすぎる!」

 確かにそうだ。
 今までその悪魔のせいで俺たちは危ない目を見ていたんだからな。

「でも考えてみろ。もしこいつと一緒に旅をし、こいつが魔王になったら」
「なるほど、そういうことか」
「そういう事ならいいかもしれないわ」
「? 何がいいんだ?」

 本当に何も考えていないな。
 あの時薬を飲んだ俺も俺だけど。

 ようするに一緒に旅をし、仲が良くなったとする。
 そして魔王になり、俺たちと同盟を組むとしよう。
 今後、争いがなくなり平和になる。
 そんなにうまくいくとは思わないが。

 問題はこいつが仲良くしてくれるのかと、魔王候補がどれぐらい生きているのかということ。
 魔王討伐の時に何人か幹部らしく者は倒したはず。
 でもまだ生き残りがいるとはな。

 それは置いておいて、今後のことを考えればこの策はいいと思う。
 成功する可能性があるかは分からない。
 でも争いが続くなら試す価値はある。

「でも勝手に逃げられても面倒くさいし……」
「それなら私に良い作戦があります」
「本当か!?」

 流石エリー。
 いざと言うときに頼りになる。

「白光の首輪」
「ぐえっ!」

 エリーが魔法を唱えると、アリアの首に白い首輪が現れた。

「いたたっ!何よこれ!」
「それは白光の首輪。まあ犬の首輪と同じだ」
「冗談じゃない!こんな首輪、早く取り――」
縛れバインド!」
「くっ…くるしい……!」

 俺たちに襲い掛かりそうになった瞬間、エリーが魔法を唱えた。
 これは白光の首輪がしまる白光の首輪と連動した魔法だ。

緩めルーズン。落ち着いた?」
「ゴホッ!ゴホッ!こんなの奴隷と同じじゃない!」
「いや、俺たちと一緒に旅をするならそんなことをしないよ」
「前線で敵を誘き寄せろってこと?」
「違うって。普通に仲間と一緒に旅をしようってことだ。俺たちを襲わなければ絞めたりしないから」
「……」

 考えているな。
 流石にそこまでは馬鹿ではないはず。
 今の状況はアリアにとっては絶望過ぎるだろうからな。

「――わかった!もうどこへでも行くわよ!」
「よしっ!それにこの旅はお前にとっていい旅でもあるぞ」
「いい旅?もうすでに地獄の始まりにしか思えないんだけど」
「お前が魔王になれるんだぞ?」
「私が…魔王に……」

 アリアは目を見開いた。

「そういう事か!お前たちは私が魔王になるために協力をしてくれるんだな!」

 なんかもう、言うのがめんどくさくなってきたな。
 まあ大体あっているし、いいだろう。

「まあそんなもんだ」
「なるほどなるほど……」
「それでだ!魔王になるためには強くならないといけない、だから俺たちと一緒に強くなっていこうってことだ」
「分かった!頑張る!!」

 思った以上にこの子馬鹿な子だな。
 でも今は助かる。

「じゃあ行こう!」
「待て、まだ準備が終わっていないからまだ出発はしない」

 俺は女の子この姿になったんだぞ。
 服なんて全部買いなおしだ。

「じゃあどうすればいいのだ?」
「そうだな、俺もそうだがお前も荷物ないからなあ」
「それなら明日買いに行きましょう」
「そうだな。それがいいだろう」
「ええ、わたしたちも他に必要なものがあるし」

 と言うことでまずは買い物をすることにした。

 今日はもう遅いから各自解散。
 俺はエリーと一緒に城で過ごそうと思っていた。
 ガッカとアレンは、城は窮屈で嫌いと言っていたため町の宿。

 問題はアリアだ。

「まあここは俺たちと一緒だよな」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

聖女の、その後

六つ花えいこ
ファンタジー
私は五年前、この世界に“召喚”された。

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

大好きなおねえさまが死んだ

Ruhuna
ファンタジー
大好きなエステルおねえさまが死んでしまった まだ18歳という若さで

おばさんは、ひっそり暮らしたい

蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話

ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。 異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。 「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」 異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…

処理中です...