転生ギフトでドラゴンを貰いました。

銀狐

文字の大きさ
23 / 69

怪しい影

しおりを挟む
 夕方。
 俺はフウちゃんの相手をしていた。
 なんとかやけどにはならなくて済んでよかった。

「ちっ、当たらなかったでありんす…」
「おい、今なんか言わなかったか?」
「さぁ?」

 なんつう笑顔で言いやがるんだ。
 そのうちこんがり焼かれちゃいそう。

「時間も時間だし、食堂へ行こうか!」
「「「「「はーい!!」」」」」

*

 いつも通りの夕飯。
 また一日が終わっていく。
 いつも通りの夕飯が終わり、部屋に戻ってきた。

「ちょっと卵について気になるからあっちに行くけど、シロも来る?」
「いくー!」

 ということで卵はお留守番。
 かといって木箱に放置って言うわけではない。
 冷えないように温めておいた。

「じゃあ行こうか」
「うん!」

*

「ところでなんでこっちに来ようと思ったのー?」
「卵について調べたくてね」

 おそらくドラゴンの卵だろう。
 けどどうしてあったのかも知りたいし。

「どこから取ってきたか覚えている?」
「う~ん、たぶんこっち!」

 あいまいな答え。
 一日経ったら忘れちゃうもんかな。
 割と衝撃だったら覚えていそうだけど。

「たしかここ!」
「これは…!」
「何もないよー?」

 何もない。
 しいて言えば凹んでいるけど。

「この凹みは?」
「卵が割れないか試した跡!」
「お、おう」

 割ろうと試したとは言っていたけどそこまでやっていたのか…。
 たしか卵の中には…。
 いや、やめておこう。
 気持ちが悪くなってきちゃうからね。

「ちょっと周りとも見て回るか」
「シロは遊んでていいー?」
「いいよ、ただこの辺は荒らさないでね」
「わかったー!」

 とまあシロは遊びに行った。
 なんか犬の散歩みたい。

「さて、何か手がかりでも探すか」

 シロを見つけた時は家の近く。
 手がかりという手がかりはなかった。
 けど今回は手がかりがありそうな気がする。

*

 それが数時間前思ったこと。
 手がかりなんて何も見つかんねぇ…。
 見つかったことと言えばシロが大暴れした跡。
 どんだけ暴れたんだよ…。

『ジルー!こんなの落ちていたよー!』
「これは、鱗か?シロのじゃなくて?」
『よく見てよ!色が全然違うよ!』

 色と言われても。
 月の明かりだけで見ているから見づらい。

点灯ライト。本当だ。青いな」
『でしょー?シロのはもっときれいだもん!』

 まあシロのほうが純白というか綺麗に見えるには見える。
 人それぞれだけどね。
 落ちた鱗だからすこし汚れている。
 それでも頑丈で欠けてすらいない。

「どこで見つけの?」
『こっちだよ!乗る?』
「いいのか?」
『いいよ!その方が早いからね!』

 ということでドラゴンに乗って移動。
 快適!
 とは言えない。
 ガクンガクンして腰が…。

『ここだよ!』

 少し離れた草が生い茂っているところ。

「ほかにも鱗があるね」
『住んでいたのかなー?』
「たぶんそうだと思うよ。ほら、そこに骨があるでしょ?」
『お肉―!』
「骨しかないから食べられないよ!」

 大きめの骨もあれば小さい骨もある。
 それに器用に小さな部分まで食べられている。

「これは…ほかの生物、人や何かと生活していたのか?」
『なんでー?』
「シロさ、その姿でこの骨についている肉を綺麗に食べれる?」
『ん~、折れちゃうか余っちゃいそう!』
「そういうこと。ドラゴンと一緒に誰かがいたのかもしれない」

 でもなんでそうなったら卵を置いていったんだ?
 ましてや自分の子供だったかもしれないんだぞ?

 うーん、考えれば考えれば謎が深まるばかり。
 どういうことなんだろう。

「もう夜も遅いから帰るか」
『じゃあ戻るね!』
「ポンッ!」

 その戻り方気に入ったのかな?
 まだ見てて楽しめるけど。

*

「ただ――だれー?」
「どうしたの?」

 前に進もうとしたらシロが止まった。
 ぶつかるほんの少し手間で俺も止まった。

「誰かいないー?」
「!?シロ!あいつを抑えるぞ!」
「え!?なんで!?」
「卵がない!」
「ほんとだ!」

 誰だこいつ!?
 いきなり戻ってきたら卵がなくなっているし。
 考えるのは後だ。
 今は卵を取り返さないと!

*

「まてぇー!」
「まてー!」

 窓から出ていったのを俺たちも追っていく。
 この姿だとやっぱり遅く感じる。

「シロ、ちょっとよって!」
「はい!」
風の手助けウィンド・アシスト!」
「あれ?速くなった!」

 俺とシロだけにつけた魔法。
 風の魔法で移動を速くできる。
 原理とかはわからないけど。

「……ボソボソ」
「おっと!」
「ひょいっと!」

 これは石か?
 敵も負けないと言わんばかりに反撃をしてきた。
 反射神経で避けるしかないけど避けるときにも魔法が手助けをしてくれる。
 戦闘のセンスがある人が使ったらやばい魔法かも。

*

「まてー!」
「ま、まてー!」

 は、はえぇ。
 魔法を使ってる俺たちでも捕まえられない。

「誰なんだろうね」
「あの人―?」
「そう、なんで卵を持っているのを知っていたんだろうか…」

 泥棒ならまだ分かる。
 けどここに泥棒が入るとは思えない。
 セキュリティという言葉があっているかはわからないけど、ここには実力がある人が多い。

「あの話、本当なのかしら」
「たぶん本当だと思うよ」
「シロ!こっち!」
「ムグッ!?」

 追いかけているときにほかの声が聞こえた。
 声からしてユリ先生とシルヴィ先生だろう。
 もう夜で寝ている子もいるから見つかったらまずい。

「やっぱり、悪魔っているのかしら?こんな学校に入るのはおかしいと思わない?」
「そうだよね。悪魔って大人より大きいぐらいのが多いし、噂なら噂であってほしいけど」

 なんだと!?
 悪魔がいるのか?
 本でしか見たことが無いけど、リビアルの世代で人々を苦しめた存在。
 今はあまり動いていないと書いてあったけど。

「シロ、向こうから行ってさっきのやつを追いかけよう」
「わかったー」

*

「いた!こっちだ!」

 先生に見つからないように探していた。
 スパイゲームみたいで少しワクワクしたのは秘密。

「あれ?止まったよー?」
「シロ、気を付けて」

 逃げていたのに急に止まった。
 相手が何をするかはわからない。
 ここは慎重に動かないと。

「「!?!?」」

 え…え!?
 黒いフードをかぶっていて顔は見えなかった。
 それに悪魔の話をしていたから悪魔を想像していた。

 けど、そこにいたのはラウくんだった。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発

ハーフのクロエ
ファンタジー
 アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛

タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】 田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。

処理中です...