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いらない
しおりを挟むかわいいかわいい かわいいねぇ
目を細めてなでられる
いっぱいいっぱいあげましょう
あれもこれも あげましょう
どれもこれも あげましょう
だれもかれも あげましょう
あの服あなたににあうわね
あの子犬はとてもかわいい
小鳥も子猫もいればさみしくない
あげましょう あげましょう
あなたが笑うだけでいいの
いるだけでとてもかわいいの
よろこんでくれたら嬉しいわ
どれがほしいか言ってごらん
ほらほらそんな遠慮しないで
遠慮なんてさみしいわ
あなたはやさしい子だものね
ならそんなあなたにプレゼント
ゲームも買ってあげましょう
おいしい料理もあげましょう
習い事もさせてあげましょう
勉強したいなら家庭教師
運動したいならトレーナー
下の子がほしい?
ならあげる
あげましょうあげましょう
あふれるくらいに あげましょう
いらないいらない いらないわ
ほしいと言う前にくれるもの
ほしいと思う前にくれるもの
大事だと思う前にもらうもの
いいねと言うだけで手元にある
最初から惜しみなく傍にある
飢えることなく手に入る
ありふれていてあたりまえ
いつでもいっぱいくれる物
いつでもいっぱいくれる者
いつでもいっぱいくれるんだもの
代替品にあふれてる
ねえ、それって価値あるの?
いらないいらない いらないわ
ほしいと一度もいってないわ
ほしいと思ったこともないわ
ねえ わたしそれいらないの
おなじにしか見えないものばかり
おぼれそうよ ねえ こっちみて
代替品にあふれてる
ねえ、それって価値あるの?
私はおかあさまの着せ替え人形
こんなのすきじゃない いらないわ
あなたにはこれが おにあいよ
ほらほらかわいい とてもかわいい
髪型はこれにしましょうね
ほらほらかわいい とてもかわいい
前とおなじものでいいわ
遠慮せずに ほらかわいい
無言なら困り顔で着せられる
笑顔なら笑顔で着せられる
ほらほらかわいい とてもかわいい
私はおかあさまの繰り人形
いらないいらない いらないわ
ほしいと一度もいってないわ
ほしいと思ったこともないわ
代替品にあふれてる
ねえ、それって価値あるの?
私はおとうさまのアクセサリー
お前はとても見目がいい いいこだ
お前はとても勉強できる いいこだ
お前はとても声がきれい いいこだ
お前はとても運動できる いいこだ
私ほんとはきらいなの
お顔も勉強も声も運動も
お前はいいこ かわいいこ
反抗したら怒り顔
笑顔でいたら撫でてくれる
ほらほら お前はとてもいいこ
私はおとうさまの所有物
いらないいらない いらないわ
ほしいと一度もいってないわ
ほしいと思ったこともないわ
代替品にあふれてる
ねえ、それって価値あるの?
私はおねえさまのわら人形
お前はしあわせもの わたしより
お前はかわいい わたしより
お前はいいこ わたしより
私にやさしいおねえさま
私をみないおねえさま
父と母ばかりみるおねえさま
私ばかりかまう父と母
でも自分ばかりみてる父と母
いらないいらない いらないわ
私をみておねえさま
私はしあわせではないわ
こんなしあわせならいらないわ
私はかわいくなんてないわ
こんなかわいさいらないわ
私はいいこではないわ
ふつうのこと変わりないわ
おねえさまは困り顔
私の頭をやさしくなでて
首に両手をそえつぶやくの
お前はしあわせものだねぇ
いらないいらない いらないわ
ほしいと一度もいってないわ
ほしいと思ったこともないわ
代替品にあふれてる
ねえ、それって価値あるの?
ある日女の子がつぶやいた
いいなぁいいなぁ それちょうだい
あの子のほしがったお人形
同じものがあるお人形
わたしには価値が全くないもの
わたしにとってはいらないもの
あげると女の子はよろこんだ
しあわせそうによろこんだ
わたしはなにもおもわなかった
ある日女の子がつぶやいた
いいなぁいいなぁ それちょうだい
あの子のほしがったお洋服
同じものがあるお洋服
わたしには価値が全くないもの
わたしにとってはいらないもの
あげると女の子はよろこんだ
しあわせそうによろこんだ
わたしはなにもおもわなかった
ある日女の子がつぶやいた
いいなぁいいなぁ 運動できて
運動はさすがにあげれない
女の子は私の後についた
何でもまねっこする女の子
髪型も喋り方もお洋服もお靴も
最初は不思議におもっていた
なんでこんなのまねっこするの?
女の子はひっしにまねっこした
似合わないのにひっしにまねっこ
いっぱいいっぱいほしがって
どうにかこうにかひっしにまねっこ
もっと似合うものいっぱいあるのに
私のことばかりをまねっこ
いらないいらないいらないの
私なんていらなくてもいい
誰にとっても代替品
代替品にあふれてる
ねえ、それって価値あるの?
それでも女の子はほしがった
一心不乱にほしがった
私からほしがった
私だけからほしがった
あの子の中には私だけ
私じゃないとダメなあの子
なら私には価値あるの?
代替品にあふれてる
価値がないものばかりの世界
ねぇねぇみてよ 私をみて
ちゃんと ほんとの
ねえ 私を
ある日みんないなくなった
父も母も兄も姉も弟も
先生もお友達もおじさんもおばさんも
犬も猫も小鳥も家も
ぜんぶぜんぶなくなった
そしたらみんないなくなった
ほらほらいらないいらないこ
さいしょからしってた いらないこ
なんにもなかったさいしょから
みせかけだけで からっぽの
いいなぁいいなぁつぶやく子
ひとりだけ傍にいる女の子
どれだけ綺麗に成長しても
どれだけ賢くなっていても
どれだけ周りにあふれても
私だけを見ている子
私からだけ欲しがる子
いいなぁいいなぁ 羨ましいなぁ
ずるいずるいと呟いた
ちょうだいちょうだい 私をちょうだい
女の子は欲しがった
私のことを欲しがった
あげると女の子はよろこぶの
しあわせそうによろこぶの
なんどもなんどもしっている
これでさいごと呟いた
どちらの声でしたでしょうか
わたしは満面の笑みをうかべ
その手を女の子にのばしました
とてもしあわせでいっぱいでした
だからこれはハッピーエンドの物語
おしまい
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トネリコ*