叶恵さん奮闘記

トネリコ

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第一部 婚約破棄されました

10、叶恵さんと、整理:下

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「いやぁ、久々のお客で嬉しいわぁ。坊やも可愛いし」
「恐縮です」

 目の前でオカ…もとい乙女の心を持つ自称二十歳店長(肉体未改造)さんが田中くんの前にラーメンを置く。透明な塩味スープに浸るストレート麺は美味しそうだ。

「こんなに美味しくて可愛い看板娘もいるのに誰も来てくれなくってねぇ」
「そうですね」

 頬に手を当ててほぅっとため息を吐くゴリ…もといきゃさりーぬさん。絶対偽名で偽年齢だがそこは触れてはいけないらしい。みかけは五じゅっ…いえ、何も考えてません、この醤油ラーメンとっても美味しいです!

 私はちぢれ麺派なのでちゅるちゅると麺を啜りつつ、店内に視線を巡らす。まだ店長は田中くんに絡んでいるが、田中くんは慣れた感じで対応している。田中さんからの応用だろうか、応用の幅広いな!やったね田中さん!

 そして店内は一言で言うとふぁんしーだった。
 うん、乙女乙女している。まず椅子や机が妖精さんとかが使ってそうなヨーロッパの可愛らしいやつだ。店長お手製の白レースのテーブルクロスが透明な汚れカバーの下に敷かれているし、店内は薄いピンクやら1机に1匹店長手作りのぬいぐるみがいるし、ラーメンの器も実は店長作の白いハート型だし…

 うん、やっぱり乙女乙女している前に店長の女子力凄いな!?

 考える程愛らしい顔で私の食べる姿をじっと見ているカバちゃんぬいぐるみが空恐ろしくなってくるが、とりあえず店名の乙女氣の乙女は、店長や店内を指していたらしい。氣は絶対に入ってくる勇気あるお客を指してかと思っていたが、外観が男らしかったからそれっぽい氣を入れたとのこと。だからって何故入れたのだ。

 ふと思ったので店長に聞いてみる。田中くんすごい、マシンガントークの合間合間に失礼にならない程度に食べ進めてるぞ

「店長、外観もいっそ可愛らしくしようとは思わなかったのですか?」
「あらぁ、貴方まだまだね」

 ばっちぃーん☆と右目でウインクされる。おおう、何でしょうか

「もうわからず屋ねぇ。男らしい外観とそれに反するか弱い店内。予想の裏切り、落差。それによるインパクトと跳ねる心臓。そう、即ちギャップ萌よ、ギャップ萌!! ギャップ萌にこそ萌の真髄が隠されているのよ! そしてギャップ萌を体現する私が一番可愛いの使者なのよ! 分かった?」

 野太い声と共にばっちぃーん☆と左目でウインクされる。
 なるほど。よく分からないが一先ず店長がギャップ萌なる使者だとは分かったぞ。
 マシンガントークに頷いていると、田中くんの麺が無くなっている―――、ちょ、ちょっと待っといてくれ田中くん

「そもそもねぇ貴方野暮ったいのよ、お客さんだから言わないでおこうかと思ったけれど、もうちょっと此処をこうしなさいな。メイクも全然だし、ああもうちょっと来なさい! 貴方いくつよ!? ケア舐めてるんじゃないでしょうね!? ババアよ? すぐにババアになるんだから!?」

 ば、ババアですかっ、ちょ、ちょっと待っ、私スープまで飲みた…、え? 体に悪いから全部飲むな? いや店長さんのラーメンでは…、あ、はい、お出しから天然由来で美味しかったです。

 矛盾しているお叱りだが理不尽な迫力に逆らえず首振り人形と化す。此処はやはり魔境だったのだ
 田中くんヘルプと視線をやれば、レジ係の子にお金を渡していた。
 くっ、やはり見捨てられた!あとお金後で払うから!

「もう一分で済むわよ。一回しかやらないから覚えなさいよね。この服のダサさはどうしようもないけど此処を捲って上着を開けるだけでも違うのよ」
「へ、って、店長メイク落としが目にっ、う、上着は寒がりなので許して頂ければ…」
「お黙り! おしゃれに命を賭けてこそ乙女なのよ!!」

 はい…

 鬼の形相の迫力になど逆らえる筈もなかったのだ。

 というわけで拉致…と言っても奥の厨房で店長による乙女化が決行された。
 顔面だけドラム式洗濯機に入れられた様である。え? あ、これコンビニで売ってるやつですよね、はい動いてすいません!

 グワッシグワッシとされて終わった後はぺいっと放られた。ひどいわん…と真似する元気もない。後地味に店長めっちゃ甘いバニラエッセンスの香りがしたのが何とも言えない。
 とりあえずつ、疲れた…と燃え尽きていると、店長が鏡を目の前に翳した。

 するとそこには自分でもどうせ1分だしと思っていた予想を軽く超える姿が映っていた。お目目ぱっちりだし平凡顔がほんのりかわいい寄りの顔になってなくもないような。元は変わらないのに凄いメイクテクだ。普段あまり気乗りせずメイクをしていたが、メイクや着崩しでこうも印象が変わるものかと驚く。というか店長の凄まじいまでの乙女力に驚く。やばい、第二の美香師匠もといきゃさりーぬ師匠誕生かもしれない

「ああもうっ微妙過ぎて焦れったいわねぇ。今度から自分で頑張りなさいよ」

 はいきゃさりーぬ師匠!
 すっかりその乙女力に尊敬の念を抱いていると、にやあっと笑った師匠がくるりと私を田中くんの方へと向けた。田中くんと目が合う。
 その前に師匠、その笑い方セクハラ課長そっくりだったんでギャップ落差がヤバイでっせ

「ほら、坊やどう? あなたの彼女少しは可愛くなったでしょ?」
「って、そんなのじゃなくてただの上司と部下なんで」

 きゃさりーぬさんの乙女力が高いから、恋愛系かと勘違いしてそれで私に妙なお節介を焼いたのか

 気まずいんで止めて下さいな!田中くんも困りますし!それにお世辞抜きで正論を言われて抉られる可能性が!さっき調子に乗ってごめんなさいっっ

 きゃさりーぬさんの勘違いに納得した後、慌てて私はわたわたときゃさりーぬさんが肩に置いた手を振り払おうと…振り払…払――えないだと!なんて万力!

 呪詛の如く外れない手と格闘していると、何かがふわっと首に巻かれ、くんっと首が少し引かれた。
 あ、私のマフラー忘れてた
 引っ張られて田中くんの方へと一歩近づけば、きゃさりーぬさんの手はあっさりと外れる。

 ってか田中くん、もう私も年なんで呪詛からの救出方法はお手柔らか希望なのですが
 思わず後ろ首に気を取られている間に、思考を読まれたのか口元で結ばれてしまう。あったかいが口封じのつもりだろうか

「そうですね。ではもう払っているんで出ましょうか。ご馳走様でした」

 綺麗にきゃさりーぬさんに頭を下げてから田中くんが立て付けの悪いドアをガタゴトと開ける。
 あらあらと不満気なきゃさりーぬさんに私もご馳走様を告げてからその背を追いかけた。
 いらない気を使わせてしまったが、上手いことどちらの質問にも回答している。やはり田中は流すのが上手で頼りになる。

「忘れかけてたわ、田中くんマフラーありがとう。お金も後で払うから」
「いえ、大丈夫です。今日の御礼ですので」

 びゅうっと吹く寒風の中、暖を求めて車へと急ぐ。田中くんの黒いコートはあったかそうだ。
 何度か交渉したが頑として頷かないので、私の方が折れて結局奢られることになった。

 田中くんの頑固者め

 だが家路に着くまでの短い距離をラーメンの味やら何やらで、いつもどおり会話出来てよかったと思った。
 何も変わらない無表情に、ほっと安堵する自分がどこかにいた。





「じゃあね、また明日」
「はい、それでは」

 お互い会社でのいつも通りのお別れをしてからあっさりバタンとドアを閉じ合う。別に恋愛系の小説を読んでるからってキャッ的なお泊りイベントは発動しない。 ん? というか田中くんと私で考えるのは申し訳ないが、お隣同士でお泊りイベントって不可能じゃないか?

 最近読んでどきどきした漫画のそもそも矛盾点に気付いてしまい、若干ショックを受けつつ服を着替える。
 服を脱ぐとき残り香がふわりと鼻を擽った。アイツといたから匂いには敏感になってしまったようだ。

 少しのラーメンの匂い。あと店長の甘いバニラの、それとせっけんの様なシトラスの様な何処か落ち着かせる澄んだこれは田中くんの車内のか、と、後でどこの芳香剤か聞こうと思いながらパサりと服を落とす。
 着替えて、パチンと頬を叩く。そうして携帯へと手を伸ばした。
 整理しないといけないのは、私もだから

 さて、負けんじゃないわよ叶恵
 あんたはドッシリ構えてればいいんだから

 言い聞かせ、分かっていつつも画面とにらめっこする。電話帳を開かなくても、もう十何年も前から番号は暗記している。それこそ実家の家電から携帯の番号までフルコンプリートだ。

 唇を浅く噛み、何で私の方が遠慮すんのよと態とらしく肩を怒らせ、強く0のボタンを押した。後はいつもみたいに指先が動く。そういつも通り。先程までの失態や最後のボタンを押す時に微かに震えてた指先なんて見たくなくて、目を閉じながらコール音に耳を澄ませた。

「…叶恵か?」
「番号忘れたの? あと今の彼女に悪いんだからもう名前で呼ぶんじゃないわよ、すぐ人の名前下で呼びだすのはアンタの悪い癖じゃない。振り撒く分の愛想は客先用にとっときなさい」
「は、いきなりだが変わってないな。…そうだな、小林様の仰せのままに」
「ちょ」

 耳元を擽る慣れ親しんだ声。画面越しに雄輔が片手で口元抑えて、右の口角が少し上げる、そんな揶揄う時の癖は出てるのだろうか。

 本当に何もなかった様な、昔という言葉も使えないそんなちょっと前に戻った様な、そんな錯覚をする。でも場を咄嗟に和ます為の冗談めかしとはいえ、事務的でない態度が珍しいと感じてしまった時点で、もう前と同じではないんだろう

 冗談っぽく怒りながら「余計馬鹿にしてるように感じるわよ?」それとも「ふざけないで」と怒るのが正解か

 以前なら何も考えず通り過ぎていた会話に選択肢が浮かんで止まる。正解かを選ぶ前に自分に正直に答えればと正論が浮かぶが、自分でもどんな感情に今なっているのか分からないのだから、正直の正解なんてないんだろう

 多分どちらも正解で不正解、結局どちらを選んだのか自分でも分からないまま口を開こうとして、けれどそれはすぐに遮られた。

 あ、多分今はしくったなって顔。

「いや、悪い、冗談だ。急にどうしたんだ?」
「…そう。いや、ダンボール一箱分だったから忘れてたけど、アンタの荷物をどうしよっかってね。ちなみにゴミの日は明日よ」
「おい。そうだな、それじゃあ――」

 嘘、突きつけられたその日に酒の勢いも借りて泣きながら仕舞ったはいいけど、素面になってからは女々しくて臆病過ぎて触れなかっただけ。

 ゴミの日も嘘、本当は一昨日。

 声が聞こえた。誰?という可愛らしい一声だけで誰が喋ったのか分かってしまった。

「…いや、お前の好きにしといてくれ。実家に配達でも処分でもいい」
「…そう、じゃあ遠慮なく質屋に入れるわね」
「お、おう。――わかっ――、悪い切るわ、じゃあな」
「はいはい、じゃあね」

 言った瞬間通話を切る。私から切ってやるのはせめてもの腹いせ? 自分の抵抗が子ども過ぎて笑えてしまう。

 呆気なく真っ暗になった携帯をクッションにぺいっと投げ捨てて、後ろの布団にそのままぽふんと倒れる。目に入るけど見てない天井。あー頭重い

「髪でも切ろうかねぇ、今更かしら」

 ほんと、自分のなんと口だけで格好悪いことよ
 もっと格好よく切り替えれればいいのに

「そもそもアイツも下手くそなのよ、小説みたいなことやったんだから、やりきりなさいよね」

 いい年した大人が逆ギレとか情けないし恥ずかしい、そんな風に冷静に思う部分があっても愚痴は回る。

 馬鹿野郎、二股屑野郎冷血漢めと、たったさっきの冗談の言い合いで思い辛くなる程には情があった。私がそうなる程には甘ちゃんだということを知られる分には付き合いの長さがあった。アイツが敢えてずっと冷たい事務的な態度を取っていたのは、アイツ自身の女二人への罪悪感とどっかで聞きかじった悪ぶりと、とんちんかんな優しさなんだろう。そう分かる分には性格を知っていたし、こんな結果になるまではいい婚約者であった。

 別にだからといって浮気からの婚約破棄を許すとかではない。許さないが、さあ恨めという態度に乗るのも癪だと思うくらいには自分にも落ち度があったことを自覚していた。何故相談してくれなかったと恨む前に、分かり合っているという信頼と言う名の怠惰を押し付けていたことを自覚させられたから。

 まぁ私が悪いのと悲劇や聖人ぶる気もないんだけど。
 目を瞑っても現実が無くなるわけもなし。
 それに1番の問題はそこじゃなくて、自分でもどうしたいか分かってないってことだから。

 中途半端、どっちつかず 

 何で私は「誰?」という声が懐かしさから今へと引き戻す前に、お正月帰るの?やら世間話や冗談を言おうとしていたのか。
 まだ未練があるとでも? 仮にアイツが「やっぱりお前が好きだ」と言ったらやり直したいと思った?

 馬鹿な空想を頭を緩く振って打ち消す。
 いや、現実的にも気持ち的にも無理だろう。家族も仕事も友人などの信頼全てを捨てるぐらいの選択。例え捨ててやり直しても、アイツも私も、たぶんお互い猜疑心や罪悪感で擦り切れるだけだ。

 ならここでキッパリともう2度と電話しない、メールしない、アドレスを全部消して連絡は全部お得意の弁護士を挟んで任せようではないか。関係が戻る可能性が全く無いのならそれが普通だ。どうせ別にあまり欲しいとは思わなかったが示談金やらの書類もほぼ終わったのだし、後はもう無理に連絡を取り合う必要性《りゆう》も無くなったんだし

 言い聞かせ、それが社会的にも一般的な考えだと冷静に考え―――

 結局放り投げた携帯に向けて体の向きを変えられなかった。

 なぜ?
 まだ復縁して、周りも自分たちもハッピーエンドで仲良く暮らしましたとさって出来るとでも?

 はっ、と吐息を零すように自分を笑った笑いが出た。

 いや、そんなこと考えていない。雄輔にそんな気などないだろうし、それに私の中の愛情も擦り切れて汚れてしまっている。今更嫉妬や恨みを武器に戦い合うだけの気力なんてない。そう、良くも悪くも私は大人だから、自分の状況を客観視出来てしまったから。27の自分が今の環境を捨てる気で縋ることが出来ないことも、相手の子との魅力の差も、嫉妬が自分の中にないことも。

 嫉妬がないなら私はアイツのことが好きじゃなかった?

 そう考えて、思わず腕で目元を隠した。

 今更過ぎる不毛な問だ。好きじゃなかったなら、どうして老いたその先まで隣り合う姿を思い浮かべられようか。どうして今も胸が塞ぐだろうか。でも、ほんと今更なのだ。恋が燃え上がる前のデート現場に乗り込むでなく、あの日会った時にもうアイツの中で私は終わっていた。それぐらい長い付き合いで分かってしまった。だから嫉妬まで持っていくことすら無駄だと分かってしまった。それに―――

「大人だから枯れるのかね、枯れるから大人なのかね。それとも甘ちゃんなだけだろうかね」

 負の感情を持つのは心が疲れる。そして激情を持ち続けるのは体力がいる。例えすぐ隣りを歩いていなくとも、居場所は遠くとも同じ道をずっと横で歩んでいた大切な相手だ。そりゃ婚約破棄されてから辛いわ苦しいわ泣くわ散々だったけど、でも、だからといって同じくらい苦しいめにあえ不幸になれこの野郎とは思えない。まぁ当然私の方が幸せになってやりますけれど。

 少しだけ笑う元気がでて、腕をどければダンボールが一箱目に入って、思い出がすぐ蘇った。

 たぶんこれも未練というのだろう。独りよがりだったのだと分かった今でも、私にとってはあまりにも普通に、当たり前の様に二人で日常を過ごしすぎたから、キッパリと縁を切るには振り返った先々にその影がありすぎるから、そのしあわせだった多すぎる記憶を惜しんでる。

「格好つけず一発殴ってやればよかったなぁ。もしくはもう一回会って思いっきり言ってやれば」

 そうすれば時間だけに頼らず少しは整理もついただろうに
 アドレスはまだ消さない。でも自分からはもう掛けない。

 そう決めてごろんと床に落ちて大の字。

 まぁこのまま自然と縁が切れるのが普通で無難だろうけど。
 割り切って大人になりきれない自分と、子供の様にもう突っ走れない自分

「あー…煙草欲しい」

 どうにも苦さが染みまして、
 紛らわす苦さが欲しかった。
 吸いたい気持ちが、少し分かった。



 そんな月が綺麗な夜だった。






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