至上最悪な許嫁との恋愛事情

鳴宮鶉子

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枯れ男と結婚

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1月4日仕事始め。

建築設計部意匠設計第1課に配属され、結翔のサポートをする事になったわたし。

年末から毎日結翔の仕事を手伝ってたのもあり阿吽の息で仕事を進めていく。
結翔がクライアント先へヒアリングと工事監理で現場に行って社内にいない時間に、設計図書や建築模型を作ったり、内装デザインを描いたりしてマイペースに仕事をしていく。

「咲花、ここまで終わらせてくれたんだ。ありがとう」

19時過ぎに帰社した結翔に終わった仕事を確認して貰う。

結翔が仕事を溜め込んでるから、毎日、夜ご飯を買いに行くか食べに行き、その後23時半まで残業してる。

「そういえば、足立区の図書館の建築デザイン、結翔の案が採用されたんだね。あれって案だけ採用で仕事は東京の建築会社に委託になるの?」

「そう。さすがに東京に人材派遣はできないから昔から付き合いのある工務店に委託する。
2週間に1度工事監理で現場に視察にはいかないといけないけどね」

結翔は帰国してから全国の公共施設の建築デザインコンペに応募していて、7割方採用されていて、その建築設計図書を仕上げる仕事が山積みになっていた。

地元で引き受けてる仕事に関しては課長なのもあり管理的な業務ばかりで、請け負っているのは老舗旅館や学校や結婚式場などの大きな仕事だけで戸建住宅やカフェなどのリフォーム案件には携わってなかった。

結翔は神崎工務店を大きくするために実績を残す事と、そして他のエリアの同じ系統の工務店とネットワークを強くするために動いてた。

社長の息子の結翔と副社長の娘のわたし。
わたしと結翔が許嫁なのはうちの社の人間なら誰もが知ってる事で、それもあり結翔にちょっかいを出す女性社員はいなかった。

社長の息子で次期社長で仕事もでき見た目もいい結翔だから、恋仲になろうとする女性社員がいてもおかしくない気がするけれど、結翔が仕事以外で女性社員と一線を引いて冷たい目線を向けるからか寄り付く女性社員はいなかった。

高校時代だったら寄ってくる女の子が許容範囲内だったら手当たり次第に手を出してたのに……。

わたしの中で結翔は性欲がない仕事だけに生きる枯れ男扱いになってた。

週末も仕事で会社だと部下に仕事を止められるから結翔のマンションで仕事をしていて、家に帰るのが面倒になり、着替えを持ち込み、ノーメイクを晒しUNIQLOの室内着でゲストルームに泊まるようになった。

枯れ男だから絶対に襲われない。
黙々と仕事をするわたしと結翔。


仕事のパートナーとして仲は良好だからか両親達はわたしと結翔が付き合っていると勘違いをしているようだった。

「咲花、結翔くんと同居したら?」

神崎工務店で働き始めて3ヶ月が経った。
6時に起きて、着替えてメークをしてからダイニングテーブルにつき、トーストと目玉焼きとウィンナー、サラダとヨーグルトの朝食を食べてたら母に言われた。

「嫌。わたし、結翔の恋人じゃないし」

「はっ、咲花と結翔くんは産まれる前から将来夫婦になるって決まってるの。仕事のパートナーとして上手くいってるんだし、結婚して子供を作りなさい」

両親と顔を合わせるたびに結翔と結婚して子供を産めと言われるのがストレスだった。

結翔は枯れ男だから結婚しても子供を作る行為をしてこない気がする。
共同生活をする仕事のパートナーとし結翔と書類上夫婦になるのも悪くないかなと思い出してた。

「結翔、うちの両親が結翔と結婚しろって煩いんだ」

土曜日、結翔のマンションで設計図面を描きながら愚痴る。

「俺も会社で会うたびに言われてる」

札幌に建つ公共の科学館のコンペに出す建築設計デザインのスケッチをしながら結翔も言った。

「……あのさ、書類上だけ夫婦にならない?」

「えっ……、それって籍を入れるってこと?」

「うん。籍を入れて夫婦にはなるけど、仕事のパートナーで同居人の関係でいよう」

わたしの提案に結翔はスケッチの手を止めてしばらく固まってたけれど乗ってくれた。

「咲花がいいなら……書類上夫婦になろう。その方が親からとやかく言われなくなるし、仕事上でも夫婦の方がなにかとやりやすい」

夫婦で建物の設計と内装デザインを分担して手がけるのはクライアント受けがいい。

善は急げではないけど、この流れで籍を入れる事にした。
わたしと結翔の両親に婚姻届にサインをお願いしたら嬉しそうに記入し、そしてその日に提出する事を許してくれた。

わたしと結翔は書類上夫婦になり、わたしは結翔のマンションで一緒に暮らすようになった。

結翔と書類上夫婦になり、同居人として一緒に暮らし始め、結翔のワーカーホリックな仕事ぶりに驚かされた。

生きるために最低限の食事と睡眠はとっていても、仕事にのめり込むと忘れてしまう。
そういう時はわたしは声かけをして、仕事を中断させて食べさせたり寝るように言い聞かせた。

「……究極な枯れ男だわ」

結翔は、人間の三大欲求の食欲、睡眠欲、性欲が全て欠如されていた。

わたしが一緒に暮らすまでは掃除や洗濯、冷蔵庫へ食べ物の補充を結翔のお母さんがしてた。
結翔は家事を全くしない。
結翔がひたすら仕事をしてるから、家事や食事の準備をわたしが引き受ける事に不満はないけれど、アメリカで1人暮らししてたらしいけどどんな生活を送ってたのか気になった。

「ハウスキーパーにお願いしてた」

大学2年目から結翔は5人の建築学部の学友とルームシェアをし、60代のおばあちゃんをハウスキーパーに雇ってたらしい。

仕事のパートナーとして同居人として結翔の側にいる生活。

今の結翔は高校時代の女ったらしの最低男ではない。

「札幌の科学館、大盛況しそうだね」

空気が澄んだ札幌の夜空は星がとてもきれい。

だから結翔は、投影機から発した光をドーム状の天井の内側に設置された曲面スクリーンに映し出すし星の像およびその運動を再現するプラネタリウムだけでなく、不定期に屋上で天体望遠鏡で星空観測を行うための設備を造った。

公共施設の建設設計デザインのコンペを次々と勝ちとる結翔。
建築設計デザインが採用されると建築設計に必要な設計図書を作成しないといけなくて、工事監査で結翔が全国を回らないといけないから工事を実施するために必要な設計の内容を示す書類の図面(設計図面)・設計書及び仕様書・その他の書類(現場説明事項書や構造計算書等はわたしが作成してた。

札幌の科学館のオープンの日、この日は特別で、札幌科学館の館長から夫婦で出席を求められたからわたしも同行した。

星空観測のイベントの後、札幌科学館のスタッフの皆さんと打ち上げを兼ねた食事へ行き、その後用意して下さった札幌プリンセスホテルのプレミアムリゾートフロアのキングタイプの部屋に入った。

結翔と書類上夫婦になっててから1年経ったけれど、2人の関係は仕事のパートナーで同居人でしかなく、寝室は別で一緒のベッドで寝た事なんてない。

シャワーを浴びてホテルの浴衣を着てベッドの中に先に入った。

キングサイズのベッドだから端と端に離れて眠ればお互いの身体が触れ合う事はない。
それ以前に、結翔が枯れ男だから一緒のベッドで寝ても何もないと思う。

「……咲花、あのさ……」

お酒が入って無性に眠たいわたしに結翔が話しかけてきた。
そして、ベッドに入ってきてわたしの隣にくっついてきた。

「……何?」

背中から結翔の体温を感じて眠気が飛び、胸が高まり心臓がバクバクいってる。

「……咲花、俺、書類上の夫婦じゃなく、咲花と本当の意味で夫婦になりたい」

結翔がわたしを抱きしめてきた。

「俺、高校時、隣に住んでる妹のような存在だった咲花が日に日にきれいになってるのを見て何度も押し倒そうと思った。
でも許嫁だけど大事だから手を出してはいけないと思ってその欲求を抑えるために寄ってくる女を手当たり次第に抱いてた。
咲花にバレて軽蔑されてしまったけど、咲花に手を出さないために必死だった。
咲花と再会してからは仕事に打ち込む事で欲求を抑えてたけど、もう、限界。
咲花、好きだ。愛してる」

耳元で結翔に囁かれた。

結翔の体温と香りに包まれ、わたしの女の本能が刺激される。
結翔に触れたいという感情を抱いてしまってるわたしがいるけど、流されたらダメと思ってしまう。

「……咲花、こっち向いて」

結翔に身体を反転させられ、結翔に抱きしめられ、至近距離で見つめられ赤面してしまう。

「咲花、咲花以外を触れたりしてない。触れる気もしない。高校時代の俺とは違う。
咲花、仕事のパートナーだけでなく、公私ともにパートナーになって」

結翔と再会してからこれまで、結翔は高校生の時みたいな最低な行為を1度もしてなかった。
そして、わたしに手を出すこともなく枯れ男のように、ただひたすら家でも仕事に打ち込んでた。

「……うん。わたし、結翔と本当の意味での夫婦になる」

小さい頃から隣の家に住んでたのもあり常に側にいた結翔。
一緒に遊んでくれて勉強を教えてくれて、優しくしてくれた結翔の事が好きだった。

そして再会してから一緒に仕事をする中で、結翔の創り出す建築物の美しさに魅了され、仕事に打ち込む姿勢を尊敬し、結翔に対して惹かれていってるわたしがいた。

「……咲花、愛してる」

結翔がそう言ってわたしに覆い被さり、口づけをした。
何度か啄むように唇を重ね、そしてわたしの口内に舌を挿れ、唾液を絡め合わせ飲み干していく。

結翔がわたしの着ている浴衣の帯を片手で外し、わたしの浴衣を脱がせた。
そして薄明かりの中でわたしの下着姿をじっと見つめた。
それが恥ずかしくて両手で胸元を隠したわたし。

「咲花、恥ずかしがらないで……」

結翔がわたしの両手に手を合わせ、わたしの手を枕元まで持っていき押し付ける。
そして唇を耳元、首筋、胸元……と這わせ、胸の膨らみに辿り着くと、拘束していた手を離し、わたしのブラジャーのホックを外し、ブラジャーを剥ぎ取り、左手でわたしの右胸の感触を確かめながらわたしの左胸の頂きを口に含み吸ったり甘噛みをした。

初めての行為なのに、感じてしまってるわたしがいた。


結翔が胸からわたしのお腹にリップなキスを落としながら手はわたしの太腿を撫でまわした。
そして脚の付け根のパンティを剥ぎ取り、はしたなく潤った繋がる窪みに指を挿れた。
あまりの気持ちさに身体がピンっと痺れ甘い吐息を吐くと、結翔が自身の勇しく勃ったものを割り入って埋めてきた。

「痛いっーーー!!」

「えっ、咲花……初めて??……ごめん。痛いかもしれないけど、初めだけだから、次第に気持ちよくなるから」

結翔が腰を動かしわたしの中でゆっくり前後に動かす……。
そして、わたしの唇に唇を合わせ舌を挿れ、わたしの舌に舌を絡め合わせディープなキスで初めて貫かれる痛みから気を外らせようとした。

ゆっくりと貫かれる身体……、結翔を受け入れ広がり愛液が溢れ出て痛みが快感に変わっていく。

「……咲花、ちょっと我慢して」

そういうと結翔の腰の動きぐ速くなり、そしてわたしの子宮口に当たってるのかかなり気持ちがいいところを突かれ、そして何か何かが注がれる感覚がした。

「……咲花、愛してる」

結翔がわたしと繋がったまま、わたしの髪を撫で、そして右腕に私の頭を乗せわたしを胸の中に押し込み抱きしめた。


「……やっと咲花を抱く事ができた。咲花の初めての男で最期の男になれて嬉しい」

わたしの頭を撫でながら結翔がいう。
結翔に撫でられてるのが気持ちよくて、わたしは、結翔と繋がったまま、気がついたら眠りについてた。

次の日、結翔に抱きしめられた状態で目を覚ます。
腰と下腹部の痛みから、昨日結翔と繋がったんだと逢瀬を思い出し恥ずかしくなる。

「……咲花、おはよう」

見上げると結翔の端正な美しい顔がにっこりと笑みを浮かべていて、赤面してしまう。

わたしを抱きしめてる結翔がわたしを押したおした。
結翔とわたしは繋がったままで眠っていたらしく、しだいに太く硬くなりわたしの中を広げていく。

「朝っぱらからだけどごめん。付き合って」

腰をゆっくり前後に動かし、わたしが2度目で感じるようになってるのをみて、結翔は体位をかえてわたしを馬乗りにさせ下からついてきてわたしの揺れる胸と感じてる表情を嬉しそうに見つめる。

そしてわたしをベッドに押し倒し、わたしの中の深いところを高速で突いて、わたしが快感の渦に飲まれ、気持ちいい波が連続で押し寄せてくる感じでピクピクし、キュンと中が痙攣した瞬間に、結翔も達し、中にドクンドクンと遺伝子のエッセンスを注いでいく。

「……咲花と身体を合わせて楽しみたいけど、そろそろ子供も欲しいし、避妊はしない。咲花、俺の子、産んでくれる?」

わたしの中に出し切り、艶っぽい表情の結翔を見て、わたしは首を縦に振っていた。


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